NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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 トミケンシャイリは7カ月ぶりの実戦となった東海菊花賞は、南関東からの遠征馬の台頭もあって最下位だったが、名古屋グランプリJpnII当日に行われた師走昇竜戦では、1番人気のハローマイキー、中央3勝クラスから岩手を経由して転入2戦目のスズカゴウケツとの接戦を制した。新・名古屋競馬場の距離設定ではおそらく1500/1700メートルあたりが適距離と思われ、地元同士なら譲れない。
 スズカゴウケツは転入初戦のA2特別を勝ち、続く前走師走昇竜戦は前述のとおりトミケンシャイリに1/2+ハナ差で3着。中団うしろから徐々に位置取りを上げ、メンバー中最速の上りで差を詰めたが届かず。道中の位置取り次第では逆転もありそう。
 ブンブンマルは昨年、湾岸スターカップの勝利を含め5勝をマーク。3歳終盤からやや落ち込んだが復調とみていいだろう。とはいえ勝つときは強いが負けるときはあっさりというタイプ。中心としては狙いにくいが、能力は高い。
 12月23日のタンザナイトオープンでブンブンマル(5着)に先着したメイショウシルト(2着)、ヒロシゲウェーブ(3着)も近走馬券圏内を外さない好走を続けており、能力的にも見劣らない。
 ◎12トミケンシャイリ
 ○2スズカゴウケツ
 ▲11ブンブンマル
 △5メイショウシルト
 △6ヒロシゲウェーブ
 
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 3歳時には、ばんえい菊花賞、ばんえいオークスを連勝したサクラヒメは、4歳シーズンも快進撃。柏林賞はオーシャンウイナーと一騎打ちとなって、最後は力尽きてゴール前で転倒してしまったが、渡来騎手によると若さゆえ行き過ぎてしまったとのこと。その後は4カ月休養して、秋に復帰するとまたまた4連勝。同世代同士のクインカップ、さらに古馬と対戦したレディースカップでも、第2障害を越えて先頭に立つと、ほとんど持ったままでの圧勝。休養・復帰後の充実ぶりを感じさせた。過去15回の天馬賞で牝馬で勝ったのは2016年のキサラキクだけで、2着3着も少ない。さすがに明け5歳ともなると牡牝の能力差が開き、しかも定量戦となるとなおさら牝馬が牡馬と互角に戦うのは簡単ではないのだろう。ただサクラヒメの成長度を見ると、そのジンクスも突破できそう。
 相手筆頭も牝馬のミソギホマレ。柏林賞を10番人気で3着と好走し、銀河賞ではハンデ差や軽い馬場もあったとはいえ、障害ひと腰先頭でオーシャンウイナー以下の牡馬をぶっちぎった。さらにクインカップでは障害5番手から一気の追い上げでサクラヒメの2着。レディースカップでも障害を降りてからの切れる脚がすばらしく再びサクラヒメの2着。今の軽い馬場ならその切れる脚が生かせそう。
 マルホンリョウダイの重賞実績はばんえいダービー7着のみだが、A2-1組特別を連勝した勢いを買う。
 イレネー記念、ばんえいダービーと、2歳・3歳シーズンの定量戦の三冠目を制しているのがオーシャンウイナー。柏林賞では前述のとおりサクラヒメとの一騎打ちを制したが、トップハンデの銀河賞はミソギホマレの2着。定量戦はこの馬には有利だが、ここのところの軽い馬場は◎○の牝馬2頭に有利と見てここは△まで。
 ネオキングダムは今シーズン3着以内が一度もなく、しかも近3走連続10着と惨敗。しかしながら重賞2着5回という実績があり、世代限定重賞では重賞実績のある馬は侮れない。
 アバシリサクラは、2歳時にナナカマド賞を制し、ばんえい菊花賞、クインカップでサクラヒメの3着。2走前、A2-2組を制した実力なら、定量でも牡馬相手に通用する可能性はある。
 ◎3サクラヒメ
 ○2ミソギホマレ
 ▲6マルホンリョウダイ
 △8オーシャンウイナー
 △9ネオキングダム
 △4アバシリサクラ
 
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 このレース5連覇、6勝目という記録が期待されたエイシンニシパが故障のため戦線離脱となったのはなんとも残念。ラッキードリーム、シェダルら有力馬が不在となっての混戦。
 姫山菊花賞で思い切った逃げを見せたタガノウィリアムは直線でも単独先頭。ゴール寸前でラッキードリームにとらえられたが、ジンギ、シェダルを完封した逃げは見事だった。園田金盃はスタートいまひとつで4番手からの追走となり、前のラッキードリームを追いかける形で進出したが4着。勝ったラッキードリームは強かったが、2着ジンギにコンマ2秒差なら健闘と言える。今回トップハンデが課せられたが56.5キロならそれほど負担にはならない。
 前走園田金盃では単騎大逃げで見せ場をつくった(3着)のがクリノメガミエース。そのときが定量53キロで、今回のハンデ52キロは有利。楠賞(3着)から3戦連続で騎乗する吉原寛人騎手が今回はどんな作戦に出るかも注目だ。
 2020年秋に中央未勝利から転入して着実にクラスを上げてきたのがエイシンアンヴァル。ここまで兵庫では19戦して連対を外したのは2回だけ。しかも昨年夏から秋にかけてB1〜A2特別を3連勝。今回は重賞初挑戦で2カ月半ぶりの実戦がどうかだが、ハンデ54キロならあっと言わせる場面もありそう。
 昨年の新春賞がクビ+アタマ差という接戦の3着だったコスモバレットは長期休養明けをひと叩きして臨む一戦。強敵不在となれば今年も上位を狙える。
 下級条件から連戦連勝でクラスを上げてきたケンジーフェイスは、A級格付けとなってやや壁にあたった感じだが、前走園田金盃6着からの重賞2度めの挑戦で、54キロのハンデを生かせば上位食い込みも。
 ◎2タガノウィリアム
 ○1クリノメガミエース
 ▲11エイシンアンヴァル
 △6コスモバレット
 △8ケンジーフェイス
 
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 ミニアチュールは門別2勝、2着4回という成績で転入し、初戦の水沢1400メートル戦で7馬身差の圧勝。この時期は馬場状態から時計の比較が難しいが、1分29秒4はまずまずのタイム。今回は一気の相手強化で、マイルの距離も初めてだが、北海道時代の実績から期待は大きい。
 ケープライトは盛岡芝のジュニアグランプリは10着惨敗だったが、ダートに限れば5戦4勝。唯一の敗戦は若鮎賞での2着だが、その勝ち馬フジラプンツェルは大晦日の大井遠征で不在。水沢開催となって今回と同じ舞台の太夫黒特別では直線半ばで抜け出し余裕の手応えで完勝。今回のメンバーで地元生え抜きでは実績最上位。
 その太夫黒特別で2着だったのがセイレジーナ。ケープライトを追いかける形になって、4コーナーから直線では馬群をさばくのに手間取っての3馬身差だけに、能力的に差はない。そのとおり、続く寒菊賞では好スタートからハナをとって逃げ切って見せた。今回2番枠に入ってすんなりハナでマイペースなら重賞連勝もありそう。
 アサップは太夫黒特別4着に、寒菊賞ではセイレジーナに2馬身半差の2着。○▲との対戦では分が悪いが、逆転できない差ではない。
 レモンアイカーは北海道所属として出走したプリンセスカップが4着で、転入初戦はミニアチュールに完敗の6着だったが、門別時代は牝馬重賞で一線級と対戦しており、その経験が生かされれば巻き返しも。
 ペルトランは3走前の盛岡でアサップの3着、前走寒菊賞でセイレジーナの4着があり、連下争いなら。
 ◎6ミニアチュール
 ○1ケープライト
 ▲2セイレジーナ
 △5アサップ
 △10レモンアイカー
 △8ペルトラン
 
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 メジロゴーリキは今シーズン2勝だが、不利と言われた軽い重量のドリームエイジカップでは一か八かの逃げの手に出て後続を振り切った。昨シーズンばんえい記念を制しているように、本来は高重量戦で力を発揮するタイプ。それで軽い馬場もこなせるなら、最有力といえそう。
 アオノブラックは、今シーズンは夏をしっかり休んだぶん、秋以降も好調。北見記念は870kgのトップハンデで障害先頭から、混戦の2着争いを尻目に完勝。今回の920kgは楽ではないが、こなせない重量ではない。
 メムロボブサップは今シーズンもここまで12戦して7勝、2着3回、3・4着各1回と崩れることがない。賞金を稼いだぶん、昨年と同じトップハンデ930kgがどうかにつきる。昨年は9着だったが、その後ばんいえ記念で2着など、年を重ねて高重量もこなせるようになっているので、昨年のような惨敗ということはなさそう。
 岩見沢記念を9番人気で逃げ切ったインビクタは、その後北見記念の障害で競走中止となっているように、この重量がこなせるかどうかと、障害のタイミング次第。
 ゴールデンフウジンは重賞タイトルは2歳時のナナカマド賞のみだが、北見記念2着があるだけに、ここでもという可能性はある。
 ◎7メジロゴーリキ
 ○10アオノブラック
 ▲3メムロボブサップ
 △2インビクタ
 △5ゴールデンフウジン
 
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