NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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 兵庫から4頭の遠征があって、その中には重賞入着馬もいるが、ここは地元勢優勢と見る。
 佐賀デビューでここまで崩れることなく好走を続けているのがイチノコマチ。中央の芝挑戦を除けば、佐賀では7戦3勝、2着4回。佐賀デビュー馬限定の九州ジュニアチャンピオンではクビ、クビ差という3頭の接戦を制し、カペラ賞は2着だったが、勝ったのがつい先日、全日本2歳優駿JpnIに遠征(11着)したネオシエルということではむしろ評価できる。牝馬同士なら負けられないところ。
 オンネマトカは門別から岩手を経由しての転入初戦。門別で5月にデビューし、フレッシュチャレンジを勝ったのみだが、重賞のフルールカップ、フローラルカップは、ともに掲示板に載れなかったとはいえ、勝ち馬とは1秒台の差。岩手では結果を残せなかったが、北海道時代のパフォーマンスならここは能力上位と見る。あとは転入初戦でどこまで仕上がっているかと、佐賀の馬場が合うかどうか。
 ミヤノウッドリーは、カペラ賞で断然人気に期待されながらまさかの6着。そのカペラ賞は、抜群のスタートダッシュから逃げたモーモーレッドをピタリと追走したら向正面で手応え一杯。さらに追ってきたブレイブアモーレと3頭共倒れという結果だった。ハイペースを追いかけて沈んだそのレースだけでは見限れず、巻き返しのかかる一戦。
 兵庫勢では、門別未勝利から移籍後3連勝でJRA認定のアッパートライを制したオキザリスレディー。デビュー2戦目での初勝利以降は勝ち星がないものの、アッパートライで僅差の好走を続けるイケノシイチャンらが上位進出を狙う。
 九州ジュニアチャンピオン、カペラ賞で、イチノコマチと差のないレースをしているニューホライゾンも能力的に差はない。
 ◎3イチノコマチ
 ○9オンネマトカ
 ▲8ミヤノウッドリー
 △10オキザリスレディー
 △11ニューホライゾン
 △5イケノシイチャン
 
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 プリンセスカップで北海道勢を一蹴したフジラプンツェルが大晦日の東京2歳優駿牝馬への遠征でここは回避となっての混戦。
 そのプリンセスカップでは差のある6着だったアシモトヨシだが、フジラプンツェル以外の地元勢では最先着。遡れば、知床賞6着も地元最先着で、南部駒賞5着も地元馬で先着されたのはフジラプンツェルだけ。前走JRA認定フューチャーステップでは、勝ったリッキーナイトは圧倒的に強かったが、2着エルメルクリオとは3/4馬身差。強敵相手のレース経験を重ねてきたこともあり、ここは能力上位と見る。
 リュウノアスラームは門別のJRA認定フレッシュチャレンジを勝ち、重賞のリリーカップでも4着に好走した実力。北海道所属として出走した知床賞でも5着でアシモトヨシに先着している。転入初戦となった芝のジュニアグランプリは差のある敗戦だったが、前走JRA認定フューチャーステップは着順こそ7着だが、3着アシモトヨシにコンマ4秒差。転入3戦目で水沢2戦目となる今回、さらなる上昇を期待したい。
 アサップはやや勝ち味に遅かったが、2走前の盛岡1600メートル、JRA認定フューチャーステップで2勝目。前走太夫黒特別は直線やや伸びを欠いて4着だったが、2着争いの中での接戦。ここは巻き返しがかかる一戦。
 その太夫黒特別で直線伸びを見せて2着がセイレジーナ。今回も同じ水沢1600メートルならチャンスはありそう。
 ペルトランはここまで唯一の勝利が盛岡の芝。前走JRA認定フューチャーステップが、3着アシモトヨシにハナ差4着ならここでも上位争い。
 ◎6アシモトヨシ
 ○7リュウノアスラーム
 ▲8アサップ
 △5セイレジーナ
 △2ペルトラン
 
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 地方馬同士ではほとんど崩れることがないハクサンアマゾネスに逆らう手はなさそう。今シーズン地方馬同士の対戦で負けたのは、初戦となった金沢スプリングカップの2着だけ。それも出遅れて位置を取りに行ったらかかってしまったという、敗因ははっきりしている。このレース3連覇と重賞15勝目を狙う。
 その金沢スプリングカップでハクサンアマゾネスに4馬身差をつけて勝ったのがファストフラッシュ。6月の百万石賞はハクサンアマゾネスをみずから負かしに行って直線一杯になったものの、迫るジェネラルエリアを振り切っての2着は評価できる。その後、笠松に遠征して1400メートルのサマーカップを勝ち、3カ月ぶりの実戦となった前走A1一組特別も制した。1900メートルの勝ちタイム2分2秒4(稍重)は重賞でも通用するもの。再度ハクサンアマゾネを負かす可能性も考えたい。
 兵庫A級から転入して金沢では5戦4勝、2着1回と底を見せていないのがサンライズハイアー。笠松に遠征したオータムカップこそ4着だったが、そこから中9日で地元に戻ってのA1二組特別では、向正面で早め先頭に立つと、直線では手綱を抑えたままで2着に5馬身差の圧勝。それで良馬場1900メートル2分3秒5という好タイムをマーク、地元同士の重賞なら通用する。
 ヴェノムは中央2勝クラスから転入して3戦2勝、2着1回。初対戦となる重賞級のメンバーを相手に上位食い込みがあるかどうか。
 サクラルコールは昨年春の転入後、11戦9勝。春の金沢スプリングカップは出走取消となり、あらためて金沢での重賞初挑戦で上位争いにからめるかどうか。
 3歳のキープクライミングは秋に古馬との対戦となって地元では3戦3勝と成長がうかがえる。
 ◎10ハクサンアマゾネス
 ○12ファストフラッシュ
 ▲2サンライズハイアー
 △3ヴェノム
 △7サクラルコール
 △5キープクライミング
 
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 昨年までの2500メートルから、競馬場が移転したことで2100メートルに距離短縮となった名古屋グランプリ。小回りの長距離戦ということでは求められる適性は変わらず、そのようなところを狙って使われているのがケイアイパープル。前走浦和記念JpnIIはスタートが決まらず位置取りを悪くしてそのまま見せ場をつくれなかったが、白山大賞典JpnIIIのあと、もともと目標はここ。浦和記念JpnIIから中1週は、それを調教代わりと見ればむしろ調子を上げて臨んでくると見る。
 そのケイアイパープルと同じローテーションで臨んでくるのがラーゴム。今回と同じ2100メートルの白山大賞典JpnIIIではケイアイパープルを追いかけて差を詰められずというレースだったが、早めに好位をとれば逆転も十分ありそう。芝のオープン特別まで勝ちながら、ダートに転向して今回が6戦目。まだ4歳なだけにダートでの伸びしろはまだまだありそう。
 旧・名古屋競馬場で行われた最後の重賞となった名古屋大賞典JpnIIIで連覇を果たしたのがクリンチャー。芝のGII(京都記念)を勝っている実績で、メンバー中唯一別定1kg増の57kgを背負っての影響はどうだろう。
 3歳のペイシャエスは、日本テレビ盃JpnII・4着、JBCクラシックJpnI・3着と好走しているが、日本テレビ盃JpnIIが53kgという軽量で、JBCクラシックJpnIは定量で古馬より2kg減の55kg。今回も55kgだが、クリンチャー以外の古馬は56kgと1kg差しかなく、条件は厳しくなった。
 白山大賞典JpnIIIで4着だった大井のセイカメテオポリス、ダート3勝クラスを勝ったまでのヴァンヤールらは連下争いまであるかどうか。
 ◎1ケイアイパープル
 ○2ラーゴム
 ▲12クリンチャー
 △9ペイシャエス
 △3セイカメテオポリス
 △8ヴァンヤール
 
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 3歳時のダイヤモンドカップ以来重賞タイトルがら遠ざかっているグランコージーは、南関東から戻っての初戦シアンモア記念が2着だったが、勝ったヴァケーションに3/4馬差で、1馬身半差3着がゴールデンヒーラーというメンバーなら負けて強しの内容。今回は明らかにメンバーが楽になった。2、3歳時の重賞3勝がいずれもマイル戦で、前走もマイルのA一組特別を勝利。2020年から21年にかけての冬は連日のように雪で開催が取り止めとなり、マイル重賞の白嶺賞、トウケイニセイ記念が実施されたなかったのは、グランコージーにとっては残念だったことだろう。あらためて水沢マイルの好条件で3歳時以来の重賞制覇に期待がかかる。
 中央3勝クラスから転入したヴォウジラールは、3戦目の晩秋特別では、逃げ切ったグランコージーにゴール前1馬身差まで迫った。初めての小回り水沢コースがこなせれば逆転まである。
 大井からの転入初戦として臨むノーブルサターンは、1年半ほど掲示板から遠ざかり、特に近走は後方ままというレースが続いているが、それでも南関東の重賞やオープン特別で勝ち馬から1秒程度の差はたびたび。ここならいきなりでも通用しそう。
 セイヴァリアントも大井から転入して水沢コースは今回が初めて。盛岡ではマイル戦を中心に7戦して6連対。青藍賞では1番人気の評価を受けており(4着)、ここでも能力的に差はない。
 8歳のリリーモントルーはここ1年ほとんど連対を外すことなく、2走前の金華特別で4着があっただけ。マイルの距離も実績十分。
 短距離を中心に使われてきたカミノコだが、今年7月の大井から転入初戦となった盛岡マイル戦ではリリーモントルーに1馬身半差の2着。3着馬には8馬身差をつけた。この馬も水沢コースは初めてとなるが、スピードが生かせる馬場になればチャンスはありそう。
 ◎5グランコージー
 ○3ヴォウジラール
 ▲8ノーブルサターン
 △4セイヴァリアント
 △6リリーモントルー
 △10カミノコ
 
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