
向こう何年か、ばんえいの古馬重賞戦線で中心となるのはメムロボブサップ、アオノブラックの現6歳2頭であることはほぼ間違いないだろう。そこに基礎重量や展開次第でメジロゴーリキやアアモンドグンシンがどう戦うか。
今回、別定10kg増で780kgのメムロボブサップだが、このくらいの重量は問題なくこなせると見る。ばんえい記念で2着に好走した反動もなく、今シーズン1、2、1着。その安定感なら連軸として信頼できる。
ばんえい記念の反動が心配されたアアモンドグンシンだが、今シーズンは開幕から2、3、1着と好走。前走大雪賞は第2障害で最初に仕掛けたが、坂の中腹で止まってしばらく反応がなかった。もともと障害はあてにならず、ひと腰で越えられれば強いが、詰まってしまえばどこにもないというタイプ。ただ700kg台の重量なら障害で失敗する可能性は低いと見ての相手筆頭。
ばんえい十勝オッズパーク杯を制したアオノブラックだが、今シーズン4戦して1戦おきに凡走と好走。今回はどちらに出るか。
マツカゼウンカイは今シーズン3戦、キタノユウジロウは2戦、ともに調子はいまひとつだが、昨年の北斗賞の2着、1着馬であり侮れない存在。特にマツカゼウンカイは、ばんえい十勝オッズパーク杯では障害ひと腰4着の内容なら、ここで一発があってもおかしくない。
このメンバーに入って5歳馬は勝負になるかどうか。ちなみに近4年、5歳馬は勝ってはいないものの毎年2着か3着に入っている。4年前から順に、マルミゴウカイ2着、メジロゴーリキ3着、アアモンドグンシン2着、メムロボブサップ3着。そのうちアアモンドグンシン以外の3頭は直前のばんえい十勝オッズパーク杯でも3着以内に入っており、アアモンドグンシンは5着から巻き返した。今回の5歳馬では、カイセドクターがばんえい十勝オッズパーク杯では最先着の5着で、今年2月のチャンピオンカップでも3着の実力なら、ここでも連下の可能性はありそう。
メジロゴーリキの今シーズンは、スプリングカップ3着のあとの3戦がいまひとつ。700kg台の重量では見送り。
◎2メムロボブサップ
○3アアモンドグンシン
▲7アオノブラック
△6マツカゼウンカイ
△8キタノユウジロウ
△4カイセドクター
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中央2勝クラスから転入後6連勝で迎えた昨年末の中島記念で1番人気に支持されたドゥラリュールだったが、向正面からずるずる下がってまさかの競走中止。それ以来約半年ぶりの復帰戦となった前走阿蘇山賞は、2番手から3コーナー過ぎで前をとらえて先頭に立つという完全に勝ちパターンかに思えたが、そのうしろでマークしていたパイロキネシストにゴール前で差し切られた。今回は叩き2戦目での逆転に期待したい。
パイロキネシストの2走前、英彦山特別は、1番人気に支持されるもスローの前残りで中団から迫ったが前をとらえるまでには至らず。それでも続く前走阿蘇山賞では前述のとおりドゥラリュールを差し切って見せた。
昨年の佐賀王冠賞を振り返れば、逃げたパイロキネシストを好位からドゥラリュールがつかまえに行っての一騎打ちは、ドゥラリュールがクビ差で勝利。今年もこの2頭の勝負となりそう。
アンバラージュは、前走佐賀ヴィーナスカップでは遠征勢相手に6着だったが、1400メートルは距離不足。一昨年は中島記念を制しており、4月の佐賀スプリングカップでは、勝ったパイロキネシストに1/2馬身+ハナ差で3着があるなど、やはり中距離でこそ能力を発揮する。◎○にどこまで迫れるか。
英彦山特別で1、2着だったテイエムチェロキー、ゲットワイルドも能力的にそれほど差はない。
昨年末の中島記念を制したグレイトパールは、今年中距離を5戦して1勝という成績で、負けた4戦はいずれも差のある4着以下。能力が高いのは言うまでもないが、その能力を発揮できる状態にあるかどうか、狙いどころが難しい。
◎4ドゥラリュール
○1パイロキネシスト
▲7アンバラージュ
△11テイエムチェロキー
△9グレイトパール
△3ゲットワイルド
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シアンモア記念上位馬か、今シーズン中央3勝クラスから転入した3頭か、という勝負だが、2000メートルへの距離延長がカギになりそう。シアンモア記念1〜3着馬はいずれも2000メートルは未知数もしくは実績がなく、中央からの転入馬からの狙いとした。
ステイオンザトップは、転入初戦となった前走青葉特別では3コーナーから抜群の手応えで位置取りを上げると直線を向いて外に持ち出され、軽く気合をつけられただけでほとんど持ったまま後続を突き放し6馬身差の圧勝。中央での近走は芝のマイル前後を使われていたが、3勝クラスで勝ちきれないながら、勝ち馬とは1秒以内の差でまずまずの走りを見せていた。中央の未勝利勝ちがダートで、何より水沢初戦であのレースぶりなら能力はかなりのものがありそう。
マイネルアストリアは転入初戦だった赤松杯ではヴァケーションをクビ差でしりぞけ、シアンモア記念こそ5着だったが、1900メートルへの距離延長となったあすなろ賞は2番手から楽な手ごたえのまま後続を置き去りにして6馬身差の圧勝。2000メートルは中央3勝クラスで一度惨敗があるだけだが、未勝利勝ち、船橋の条件交流での1勝クラス勝ち、盛岡の条件交流での2勝クラス勝ちはいずれも1800メートルだった。2000メートルの距離に不安はない。
転入初戦のA二組特別が2着だったサンレイファイトだが、この馬も中央での3勝はすべてダート1800メートル戦。2戦目の上積みがあればこの馬も互角以上に戦える。
結果的にシアンモア記念1〜3着馬が△になってしまった。ヴァケーションは南関東ではマイル以下で結果を残したが、シアンモア記念の勝ち方を見ると距離延長にも対応できそう。
1800〜2000メートルの距離実績があるのはゴールデンヒーラー。ここで見直す手はある。
グランコージーはパンプキンズとのハナ争いがどうか。外枠だけにおそらく無理には行かず、マイペースで運んでどこまで粘れるか。
◎1ステイオンザトップ
○3マイネルアストリア
▲5サンレイファイト
△11ヴァケーション
△8ゴールデンヒーラー
△10グランコージー
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重賞勝ち馬がニホンピロヘンソンだけというメンバーで、兵庫から遠征の2頭が強そう。
ゼットパールは2019年に中央から兵庫に移籍し、B級から徐々にクラスを上げるなかで1400メートルを中心に使われ18戦13勝、2着2回。A級特別でも連勝し、中央1勝クラスとの条件交流でも2着のあとの前走で勝利。兵庫のトップクラスとはいえないものの、底を見せていない。重賞初挑戦でもこのメンバーならチャンスだ。
もう1頭、兵庫のマリターは、一昨年10月の兵庫ゴールドカップで3着。その後は1年以上の休養があって、勝ちきれないながらA級特別を7戦して2着3回、3着3回。その中にはゼットパールの2着もあったが、3馬身半差。環境が変わって逆転まであるかどうか。
地元期待は、やはり今年1月の白銀争覇を制しているニホンピロヘンソン。前走東海クラウンを勝ったが、クビ、クビ差の辛勝。しかしながらその前の2戦で大敗しているのが気になるところ。
その東海クラウンで2、3着だったインシュラー、トロピカルストームも能力的に差はなく、これら地元笠松勢が、兵庫の2頭に割って入れるかどうか。
◎1ゼットパール
○5マリター
▲10ニホンピロヘンソン
△6インシュラー
△9トロピカルストーム
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再転入初戦のスプリングカップで強い勝ち方を見せたクロールキックが間に合わなかったとあっては、能力的には、一冠目のダイヤモンドカップを制したグットクレンジング、イーハトーブマイルを快勝したフジクラウンの一騎打ちとなりそう。
2000メートルへの距離延長ということでは、血統的にフジクラウン優位と見る。2歳時は1勝を挙げたのみで目立った存在ではなかったが、冬休み明け後2戦目から好走を続け、前走イーハトーブマイルでは、逃げて2着と復活のきざしを見せた岩手2歳チャンピオン・カクテルライトを6馬身ちぎっての圧勝。距離延長でここに来て力をつけた印象だ。
グットクレンジングは、転入初戦だったスプリングカップではクロールキックに4馬身差をつけられての2着だったが、ダイヤモンドカップでは早め3コーナーで前をとらえると、直線では後続を寄せ付けずの完勝。ただ、血統的に距離延長が気になるのと、門別、高知時代を含めて勝ち星は重・不良のみで、良馬場の経験は2度だけ。日曜日の水沢は不良→重だったが、月曜、火曜と好天の予報で馬場状態も気になるところ。
ここに来て2連勝と急上昇がセイシーキング。前走ではフジクラウンを3/4馬身差で2着にしりぞけた。距離延長もこなせそう。
ビッグタマテルーフは冬休み明け後、5戦1勝、2着4回。前走留守杯日高賞は10馬身差での2着も、勝ち馬は能力が違った。強敵相手のレースを経験してさらなる上積みもありそう。
あやめ賞を制してイーハトーブマイルが3着だったマルルットゥ、ダイヤモンドカップは積極的に進めて3着だったフェルゼンハントらは連下争いならチャンスはありそう。
◎7フジクラウン
○5グットクレンジング
▲3セイシーキング
△2ビッグタマテルーフ
△9マルルットゥ
△11フェルゼンハント
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