NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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昨年までの1900メートルから競馬場移転によって2100メートルに距離延長となり、12月に行われる名古屋グランプリJpnIIは逆に2500メートルから2100メートルとなって、そのトライアルとしての位置づけが明確になった。南関東から4頭、いずれもダート長距離で実績を残している馬たちが遠征してきた。
地元のウインユニファイドは10歳にして充実という言葉が適当かどうかわからないが、トリトン争覇で重賞初勝利を果たすと、佐賀に遠征しての鳥栖大賞では大井や兵庫からの遠征馬を相手に4コーナーで先頭に立つと後続を引き離して5馬身差の圧勝。そこから2カ月の余裕をもって臨む一戦。地元でその強さをあらためて示したいところ。
相手は船橋のトーセンブル。今年のオグリキャップ記念ではウインユニファイドに3馬身差をつけて完勝。昨年は園田2400メートルの六甲盃を制すなど2000メートルでも距離不足という感じで長距離で能力を発揮する。今回はウインユニファイドの地元でどうか。
コバルトウィングは船橋2200メートルを含め目下4連勝。前走がA2B1特別勝ちだが、トーセンブルがしばらく南関東のオープンクラスでは勝ち星から遠ざかっているという状況だけに、この馬の成績でも十分通用しそう。
タカジョーはオグリキャップ記念がトーセンブルから差のある9着で、その後も南関東ではC1特別を連勝したまで。ただ金沢に遠征してのイヌワシ賞では3着に健闘しており、連下争いまでなら。
今年2月の梅見月杯ではウインユニファイドや遠征勢を負かしているトミケンシャイリだが、今回は4月以来の休み明けでどうか。
近走やや苦戦が続いているシュプレノンは2000メートルを超える距離ではたびたび好走があり、軽視はできない。
◎9ウインユニファイド
○2トーセンブル
▲8コバルトウィング
△1タカジョー
△3トミケンシャイリ
△7シュプレノン
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ララメダイユドールは中央3勝クラスから転入し、休みながらではあるものの負けなしの5連勝。いずれも楽勝で、もっとも2着馬と差のない決着でも4馬身差。転入2戦目のアポロティアモ以外のメンバーとは対戦したことがあり、アクシデントでもないかぎり普通に走れば負けることはないのではないか。
相手は珊瑚冠賞の上位組。アメージングランは、珊瑚冠賞は1番人気で3着だったが、4コーナーでもまだ先頭からは離れていて、メンバー中最速の上がりでも前をつかまえきれなかった。中央から転入後13戦9勝。3着以内を外したのは御厨人窟賞(4着)だけということでは、相手筆頭として信頼できる。
グランデラムジーは、その珊瑚冠賞で早め先頭に立って後続を寄せ付けなかった。そのときは赤岡修次騎手で、今回は初騎乗となる多田羅誠也騎手がどんなレースを見せるか。
珊瑚冠賞でアメージングランとの2着争いをハナ差で制したのがエイシンピストン。この馬も昨年秋に兵庫から転入後、3着以内を外したのは2度だけという安定勢力。
中央3勝クラスからの転入初戦、オッズパークの日特別を制したのがアポロティアモ。今回と比べるとやや格下のメンバー相手に接戦となったが、転入2戦目の上積みがあれば上位争いも。
福永洋一記念でララメダイユドールの2着だったリワードアンヴァルは、それ以来5カ月ぶりの実践でどうか。
◎1ララメダイユドール
○8アメージングラン
▲7グランデラムジー
△9エイシンピストン
△11アポロティアモ
△3リワードアンヴァル
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馬券券内ということであればハンデ差を考えればすべての馬にチャンスがありそうな混戦。
その中で高いレベルで成績安定がヤマカツエース。前哨戦の秋桜賞ではトップハンデながら2番手で障害を越えると、先頭のツガルノヒロイモノをすぐにとらえ、最後までしっかりした脚取りで歩いて完勝。ここでも最軽量牝馬と40kgの差なら連軸として信頼できる。
トワイチロはここまで重賞でヤングチャンピオンシップ、イレネー記念、ばんえい大賞典と、いずれも伏兵という評価ながら2着に好走。その後やや低迷して秋桜賞でも最下位だったが、軽量の疾風賞で4着に入ると、自己条件のA2-1組でマルミゴウカイの2着。疾風賞のスピード競馬を使ったことが刺激となって状態上向き。700kgの重量なら勝負になる。
惜しいところで重賞を勝ちきれないのがヘッチャラ。ここまで世代重賞を6戦して2着3回、3着3回と、すべて馬券にからんでいる。秋桜賞ではヤマカツエースと同じ690kgで5着だったが、3着争いは3頭での接戦だった。今回もヤマカツエースと同じ720kgで、能力的にもそれほど差はない。
ヤマノコーネルは今シーズン14戦して6勝、2着3回と好調。確実に力をつけてきた。前哨戦の秋桜賞でも2着に入り、そのときと同じヤマカツエースと20kg差なら好走以上が期待できる。
2歳シーズンに圧倒的な強さを見せたキングフェスタは、今シーズンは10月に復帰してこれが3戦目。トップハンデ730kgで、今回はどこまで仕上がっているか。このハンデ差では目標は先にありそうで、あまり強気にはなれない。
ばんえい大賞典で8番人気ながら3着(ヘッチャラと同着)に好走したピュアリーナナセは、今回もそのときと同じようなハンデ差だけに、引き続き馬券圏内のチャンスはある。
◎6ヤマカツエース
○3トワイチロ
▲1ヘッチャラ
△4ヤマノコーネル
△5キングフェスタ
△7ピュアリーナナセ
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この路線は例年古馬の層が厚く、過去に3歳でJBCクラシックを制したのは2002年のアドマイヤドンだけ。JRA京都開催だった2018年を除けばJRAの3歳馬が複数頭出走したことはなく、JRAの3歳馬が3頭も出走するのは初めてのこと。直前でチュウワウィザードの引退が発表されるなど、今年は世代交代の年といえそう。
ならば3歳の新興勢力からとも考えたが、やはり昨年そして今年の帝王賞JpnIで最強クラスの馬たちを負かしてきたテーオーケインズ、メイショウハリオの能力が高い。
メイショウハリオの勢いに期待して◎としたが、左回りが4戦1勝というのは気になるところ。
一方、帝王賞JpnI連覇が期待されたテーオーケインズは、手応え十分で直線を向いたものの、直線半ばでぱったり止まって4着。目標はチャンピオンズカップGIや東京大賞典GIなど先にもあるだろうから、ここでどこまで仕上げてくるか。
3歳馬で期待は、UAEダービーを制し、アメリカ遠征も経験してきたクラウンプライド。帰国初戦で古馬初対戦となった日本テレビ盃JpnIIでは、直線で一旦は抜け出して勝ったかと思ったところ、中団で脚をためていたフィールドセンスに差し切られた。日本テレビ盃JpnIIの相手関係を考えると、やはり◎○との比較では見劣る。
レパードステークスGIIIを制したカフジオクタゴン、昨年東海ステークスGII、平安ステークスGIIIを制し、左回りに実績があるオーヴェルニュらがどこまでやれるか。
◎6メイショウハリオ
○13テーオーケインズ
▲4クラウンプライド
△11カフジオクタゴン
△12オーヴェルニュ
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テイエムサウスダンの東京盃JpnIIは、2歳時以来の1200メートル戦でどうかと思われたが、4コーナー6番手から残り100メートルを切って一旦は先頭に立つ場面があった。最後はレッドルゼルの末脚に屈したが、負けて強しという内容。今年フェブラリーステークスGIでも2着があり、同じように直線に坂のある盛岡コースで能力を発揮しそう。
ダンシングプリンスはダート1200メートルでほぼ無敵という快進撃を続け、サウジ遠征でもGIIIを圧勝した。前走断然人気に支持されたクラスターカップJpnIIIは4着に沈んだが、スタートでの出遅れが致命的で度外視。6歳でもレースをあまり使われておらず、まだまだ成長の余地はある。
昨年金沢1400メートルが舞台だったJBCスプリントJpnIを制し、連覇がかかるのがレッドルゼル。ドバイ帰りの東京盃JpnIIもゴール前差し切って着差以上の強さ。メンバー中、GI/JpnIを勝っているのはこの馬だけだが、そもそもダート短距離ではGI/JpnIがこのレースしかないためタイトルは限られている。今年はクラシックよりむしろスプリントのほうがメンバーの層が厚く、人気が集中するなら嫌ってみる手はある。
兵庫所属馬として初JBCのタイトルと、初JpnI勝利に期待がかかるのがイグナイター。今年は黒船賞JpnIII、かきつばた記念JpnIIIを連勝して本格化。5カ月ぶりの休み明けとなったマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIは、必ずしも適距離ではないマイル戦でも見せ場たっぷりの4着。ただ今回は、黒船賞やかきつばた記念より格段にメンバーのレベルが上がった。
ダートグレードでたびたび好走のティーズダンクに、ヘリオスもダートグレードで2着が4回。昨年JpnIIIで2勝を挙げたリュウノユキナもその後は2着続き。印はまわらなかったが8歳でも衰えのないスマートダンディーも含め、馬券圏内の候補を絞るのは難しい。
◎13テイエムサウスダン
○6ダンシングプリンス
▲1レッドルゼル
△5イグナイター
△11ティーズダンク
△8ヘリオス
△12リュウノユキナ
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