地元兵庫勢には、兵庫ダービー馬バウチェイサーをはじめ、園田オータムトロフィーを制したエコロクラージュ、笠松に遠征してぎふ清流カップを勝ったクリノメガミエースなど重賞勝ち馬がいるが、さすがに1着2000万円というダートグレード並みの賞金となると、南関東からの4頭に加え、高知から二冠馬も遠征してきた。
船橋のリヴィフェイスは、羽田盃8着、東京ダービー6着と、南関東三冠では掲示板に届かず重賞タイトルもないが、ニューイヤーカップ、クラウンカップでの2着を含め、1500〜1600メートルでは6戦して1勝、2着4回。その距離実績なら、はじめての1400メートルにも対応できそう。なにより前走、南関東の古馬B1B2特別で僅差の2着は評価できる。ホッコータルマエ×タイムパラドックスという、日本のダートで大活躍した血統にも期待だ。
2番手も船橋のミゲル。2歳時にはハイセイコー記念で2着があり、ニューイヤーカップではリヴィフェイスをハナ差でしりぞけ勝利。その後は馬券にからんでいないが、1200メートルの優駿スプリントでは、勝ったプライルードに0秒6差の4着。距離適性面ではマイル以下がよさそう。前走浦和の1400メートル戦では8着に負けているが、中央2勝クラスとの交流ということではマイナス要因にはならない。
地元兵庫勢では、重賞実績馬よりも今回重賞初挑戦となるグッドライズに期待。2歳秋のデビュー戦2着のあと半年の休養があり、3歳5月に復帰以降7戦6勝。デビューから一貫して1400メートルのみを使われ、前走古馬B2戦の勝利は価値がある。この馬もスマートファルコン×サウスヴィグラスという日本のダートで大活躍した血統だ。
前走でそのグッドライズの3着だったのがローグネイション。兵庫ダービーで3着好走はあるが、適性は1400メートルにありそう。
羽田盃で13番人気ながら2着に入った浦和のライアンは、その後結果が出ていないが、1400メートルであらたな面を見せるか。
高知二冠馬ガルボマンボは距離を伸ばすことで結果を残してきた。しかし前走であえて1400メートルの古馬との準重賞を使い、そこから連闘での遠征。この距離を狙ってのことと思われ、軽視はできない。
◎4リヴィフェイス
○8ミゲル
▲5グッドライズ
△7ローグネイション
△1ライアン
△3ガルボマンボ
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この時期の2歳馬の全国交流レースには北海道からの遠征が目立ち、このレースも過去10年で北海道からの遠征馬が5勝。しかし今年は北海道からの遠征がなく8頭立て。同じく毎年北海道勢の活躍が目立つ川崎のローレル賞(11月8日)でも登録のあった北海道所属馬がすべて回避となり、今年遠征が少ないのは何か理由があるのだろうか。
そういうわけで北海道勢不在というメンバーなら、中心は大井から遠征のボヌールバローズ。デビュー戦を逃げ切り、1番人気に支持された2戦目の特別戦では、4コーナーを好位で回って、さあ、ここからというところで伸びなかった。遠征競馬で巻き返したいところ。父は産駒がダートで大活躍のヘニーヒューズ、母の父ディープインパクトという血統的にも期待だ。
相手には兵庫のアドワン。5番人気ながら制した園田プリンセスカップでは母カクシアジとの母仔制覇となり、このレースにも同じく母仔制覇がかかる(当時はプリンセス特別)。母は北海道からの遠征だったが、アドワンは兵庫から同じ路線を歩む。
北海道からの遠征馬はいないものの、イグアスワークは北海道デビューで名古屋に移籍。初戦を快勝したあとの前走2歳1組の特別戦は惜しくも2着だったが、あらためて能力が試されるところ。
地元勢では目下3連勝で準重賞・秋風ジュニアを制したマイロマンスが相手強化でどんなレースを見せるか。
◎6ボヌールバローズ
○4アドワン
▲1イグアスワーク
△5マイロマンス
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西日本ダービーを制して無敵の快進撃を続ける3歳牝馬スーパーバンタムが、いよいよハクサンアマゾネスと直接対決となる。
が、ハクサンアマゾネスは一昨年第1回のこのレースを制して以降、連対を外したのはいずれもダートグレードで、金沢で地方馬同士の敗戦は2着2回だけ。今年5歳で、すでに重賞は13勝。スーパーバンタムにとって古馬初対戦が金沢の現役不動のチャンピオンでは、さすがに壁が高そう。
とはいえスーパーバンタムも初遠征となった西日本ダービーを制して重賞5連勝で、2歳年末から目下8連勝中と底を見せていない。女王ハクサンアマゾネスに対してどんなレースを見せるか。
そのハクサンアマゾネスに昨年5月の徽軫賞で土をつけたのがネオアマゾネス。ハナをとって4コーナー手前ではハクサンアマゾネスに迫られたが、直線で振り切って3馬身差の完勝だった。前走A1特別は4着だったが、そのときの勝ち馬ファストフラッシュも今年4月の金沢スプリングカップでハクサンアマゾネスを負かしたことのある馬。1500メートルは徽軫賞を連覇している舞台で、展開ひとつでチャンスはある。
笠松から参戦のビルボードクィーンは僅差での好走続き。昨年秋の加賀友禅賞(5着)以来の重賞挑戦でどこまでやれるか。
名古屋から遠征のダイセンハッピー、佐賀から転入2戦目のアイメイドイットらも上位食い込みを狙えそう。
◎9ハクサンアマゾネス
○11スーパーバンタム
▲7ネオアマゾネス
△5ビルボードクィーン
△6ダイセンハッピー
△8アイメイドイット
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ユメノホノオは、デビュー戦こそスタートでバランスを崩して出遅れ差のある4着に敗れたが、その後の3連勝が2着に7馬身、5馬身8馬身差をつける一方的なレースばかり。1戦1勝の馬を除いてほとんどの馬と勝負付が済んでいる。1300メートルの持ちタイムでも、他馬は速くても1分25秒台のところ、ユメノホノオは1分24秒台前半を連発。今回のメンバーでは能力が抜けている。
相手はパパノオウマサンか、エムティドンか。前走ではエムティドンがパパノオウマサンに2馬身差をつけて勝ったが、パパノオウマサンは1番枠で前半内に閉じ込められ、4コーナーでも内を突いて先頭に立ったが、直線ではそのまま内の砂が重いところを通らされるなど厳しいレースを強いられた。デビュー以来3着以内を外しておらず、巻き返しのかかる一戦。
エムティドンは、ユメノホノオとの対戦で6着に敗れたが、ここまで5戦して2着以内を外したのはそのレースだけ。パパノオウマサンの馬体重が400キロ前後なのに対し、エムティドンはすでに500キロを超えている大型馬。前走がそうだったように力のいる馬場状態で力を発揮しそう。
ハチキンムスメも○▲とは差がない。デビュー2戦目から3連勝のあと、パパノオウマサンの2着に負けたものの、前走潮菊特別では、勝ったユメノホノオには離されたものの、パパノオウマサン(3着)に先着しての2着だった。
前記4頭との対戦ではここまで分が悪いシシガオウだが、ユメノホノオ以外の3頭なら逆転できない差ではない。
◎10ユメノホノオ
○3パパノオウマサン
▲1エムティドン
△8ハチキンムスメ
△12シシガオウ
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シーズン前半は調子が上がらなかったメジロゴーリキだが、ばんえいグランプリ2着、岩見沢記念3着は、ともに勝ち馬とわずかの差。やはりシーズン後半の高重量戦で実力を発揮してきた。今回は最強クラスの1頭、メムロボブサップが回避となり、アオノブラックより10キロ軽いとなれば不動の中心だ。ただ土曜未明に雨が降ったようで、その水分が日曜日まで残って馬場が軽くなるようだとやや割り引く必要はあるかもしれない。
一方、アオノブラックは岩見沢記念で1番人気に支持されたものの、まさかの馬券圏外の5着。雨のスピード馬場が災いしたか、障害で遅れたのが致命的だった。今回は一開催休んで立て直してきたはず。トップハンデだが最大20キロ差ならそれほど苦にはならない。
今シーズンまったくの不調だったキタノユウジロウだが、2走前の勝利でようやく復調気配。昨年のばんえい記念2着、今年の帯広記念勝利と、この馬も高重量戦での期待。ここはシーズン終盤へ向けての試金石となりそう。850キロの重量も有利だ。
重賞タイトルが2歳時のナナカマド賞だけで8歳を迎えたゴールデンフウジンだが、ここに来て調子を上げてきた。今シーズンは重賞初挑戦だが、今年の帯広記念で勝ったキタノユウジロウから8.0秒差の4着という経験から高重量戦でも好走が期待できそう。
雨の軽馬場を利して岩見沢記念を障害先頭から逃げ切ったインビクタだが、今回アオノブラックと同じトップハンデ870キロでどこまで。
今シーズン重賞タイトルには手が届いていないものの、完全復調といえるミノルシャープは、後半の高重量戦はやや疑問。馬場が軽くなったときに連下まで。
◎4メジロゴーリキ
○3アオノブラック
▲2キタノユウジロウ
△7ゴールデンフウジン
△10インビクタ
△5ミノルシャープ
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