実績上位の遠征馬5頭の争いとなりそうだが、その順番をつけるのが難しかった。
小回りコースの適性でベストマッチョを中心とした。2年前にはなるが、浦和のオーバルスプリントJpnIIIで2着、さらに年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでも逃げて直線まで先頭で、ほとんど勝ったかというところ、サクセスエナジーにハナ差だけとらえられたというまことに惜しい2着だった。9歳になってさすがにその頃と同じ走りを望むのは難しいかもしれないが、今年も園田に遠征した兵庫ウインターカップで2着があり、前走名古屋のゴールド争覇では早め先頭から押し切った。ダノングッドに半馬身まで差をつめられたが、着差以上の完勝だった。笠松コースは初めてだが、浦和や園田でのレースぶりを見れば能力は発揮できる。
相手にはルーチェドーロ。フジノウェーブ記念を勝ち、東京スプリントJpnIIIでも4着と見せ場をつくり、さきたま杯JpnIIは6着だったが1秒1差なら悪い競馬ではない。7月に競走中止して以来というのは気になるが、2歳時に園田の兵庫ジュニアグランプリJpnIIで4着があり、小回りコースもこなせそう。まだ4歳ゆえ成長分も含めての期待。
能力面でいえば、今年夏から4連勝でウポポイオータムスプリント、道営スプリントと連勝し、門別短距離路線の頂点に立ったスティールペガサスもヒケをとらない。この馬も同じく2歳時に兵庫ジュニアグランプリJpnIIで4着があり、久々の1400mでそのスピードが生かせるかどうか。
中央でダート1200mのオープン特別2勝という実績のアポロビビは浦和への移籍初戦。調教師試験に合格したため今月一杯で引退となる左海誠二騎手は、翌日の地元船橋・クイーン賞JpnIIIに騎乗予定がないため、これが最後の重賞騎乗となりそう。追い込み一手の脚質で、笠松コースでどんなレースを見せるか。
ダノングッドは9歳から10歳にかけて重賞7勝と衰え知らず。黒船賞JpnIIIでも3着と見せ場をつくった。ただ今回は相手が揃った。
◎3ベストマッチョ
○6ルーチェドーロ
▲2スティールペガサス
△5アポロビビ
△9ダノングッド
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世代ごとの賞金上位馬2頭ずつが出走するドリームエイジカップ。6歳最強、アオノブラック、メムロボブサップが岩見沢記念以来の揃い踏みとなった。しかしながらメムロボブサップがトップハンデ800kgで、アオノブラックが790kg。過去10年の成績を見ると、トップハンデで勝ったのは2018年790kgのオレノココロだけ。2着も昨年790kgのメムロボブサップと、13年780kgのホクショウユウキがいるだけ。このレースのハンデ差はそれだけ厳しい。一方で、ここでトップハンデを背負うような馬は、当然目標はばんえい記念にあり、ここではあまり無理はしないということもあるだろう。過去10年で800kgでの出走というのも皆無で、もっとも軽い730kgマサタカラと70kg差ということを考えても、トップハンデのメムロボブサップはいかにも厳しそう。
そして過去10年の勝ち馬を見ると760kgが5頭いて、今回まさにその760kgで出走するのがキタノユウジロウ。今シーズン前半はまったく調子を落としていたが、北見記念3着のあと前走を勝ち、終盤に向けて調子を上げてきた。
好調といえば、A2クラスで4戦連続3着以内のマサタカラは、730kgという重量ならチャンスは十分。
メジロゴーリキは本来700kg台の争いでは分が悪いが、6歳2強と30kg、20kg差なら出番がありそう。当日は晴れ予報となっており、時計のかかる馬場なら積極的に狙ってみたい。
今年の夏はしっかり休養したアオノブラックは、復帰後も調子落ちはなく北見記念をトップハンデで制した。その勢いなら790kgでも可能性はある。
8月から9月にかけて3連勝でオープンまで突破したコウシュハレガシーの手綱は松田道明騎手。調教師試験に合格したことで、これが重賞では最後の騎乗となるだけに見せ場を期待したい。
◎7キタノユウジロウ
○8マサタカラ
▲4メジロゴーリキ
△6アオノブラック
△9コウシュハレガシー
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川崎・ローレル賞は残念ながら回避となったショウガタップリが、あらためての地元戦。今回は、ローレル賞で騎乗すると言われていた吉原寛人騎手が初めて手綱をとることになった。前走金沢シンデレラカップは、初めて他地区からの遠征馬を相手にしての勝利。門別でJRA認定アタックチャレンジを制し、2歳オープンで2着だったキモンアップルを4コーナーでとらえ、着差は3/4馬身だが、ゴール前の手応えには余裕があった。地元同士なら負けられない一戦。
相手は兼六園ジュニアカップの1〜4着馬。なかでも勝ったノブノビスケッツは北海道から転入して2連勝で、ショウガタップリとは今回が初対戦。その兼六園ジュニアカップは、後方からでも青柳正義騎手は慌てず、3コーナーから大外をまくっていって、ゴール前3頭の接戦を差し切った。直線ではフラフラするところもあり、まだまだ能力を発揮していないレースぶり。ショウガタップリを負かす可能性もあり、配当妙味ならこの馬の頭も買ってみたい。
兼六園ジュニアカップで実力を発揮しきれなかったのが、1番人気で3着だったピンクビジョン。3コーナーあたりで内に閉じ込められて砂をかぶってしまい、ゴール前でも狭くなるところがあった。エムオージェネラルにも門別の2歳オープンで上位争いの実績があり、ダイヤモンドラインは金沢プリンセスカップでショウガタップリに完敗だったときより確実に力をつけた。兼六園ジュニアカップ上位4頭は、展開ひとつで順番は入れ替わりそう。
◎10ショウガタップリ
○4ノブノビスケッツ
▲2ピンクビジョン
△9エムオージェネラル
△6ダイヤモンドライン
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トレドはデビュー戦のレコード勝ちに続いて、前走も余裕のあるレースぶりで2着に7馬身差。能力最上位は間違いなさそうで、あとは距離短縮の小回りコースに対応できるかどうか。父ヘニーヒューズは2020年から今年ここまで3年連続で中央ダートの種牡馬ランキングでトップ。母の父が地方の種牡馬ランキング首位が何度かあるサウスヴィグラス。ダート路線では今後、このような組み合わせの血統がトレンドになるかもしれない。
地方馬では北海道から遠征のスペシャルエックスに期待。鎌倉記念は3番手以下に差をつけての一騎打ちの末2着に敗れたが、勝ったヒーローコールも強かった。そのレースぶりなら、2着に負けたとはいえ評価を下げることにはならない。今回、地元の田中学騎手が鞍上というのも心強い。
オマツリオトコは、函館2歳ステークスが4コーナー最後方から直線大外一気の3着で、前走中京ダートのヤマボウシ賞では直線を向いてまだ前とは離れた5番手から余裕で差し切った。果たしてそのレースぶりから、園田の小回りコースで好位につけてスムーズにレースを運んで、というのはあまり想像できない。逆にそれができれば頭まで可能性はある。
スペシャルエックスとはこれまで2度の対戦で負けている北海道のデステージョだが、ここまで6戦してすべて3着以内と崩れてもいない。前走1700メートルのウィナーズチャレンジを勝ったことでの成長に期待。
エーデルワイス賞JpnIIIを勝ったマルカラピッド、同2着エコロアイは、今度は牡馬一線級との対戦でどうか。
◎11トレド
○2スペシャルエックス
▲3オマツリオトコ
△8デステージョ
△7マルカラピッド
△9エコロアイ
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デビューから3連勝のセブンカラーズは、早くからここを目標にしての出走だ。2着馬との着差は、7馬身、大差(2秒1)で、前走弥富記念は4馬身だが、向正面から後続との差を広げ、その差を保ったままのゴール。3着馬にはさらに7馬身差をつけた。ここまで3戦は名古屋所属馬同士の対戦だったが、今回はホッカイドウ競馬からの転入馬や、笠松から地元連勝馬の参戦もあり、いよいよ実力が試される一戦。ここも難なく通過なら、いよいよ全国区へと期待が広がる。
強敵となりそうなのは、北海道から転入初戦のエムオーチロ。前走エーデルワイス賞JpnIIIこそ14着だったが、その前走、1200メートルのウィナーズチャレンジは1分12秒8の好タイムで制した。ここまで距離経験は1200メートルまでで、一気の距離延長への対応がカギになりそう。
もう1頭強敵は笠松から参戦のスタンレー。デビューから2連勝が7馬身、大差(2秒4)。中央芝に挑戦した新潟2歳ステークスGIIIは10着だったが、勝ち馬から1秒差とそれほど負けていない。再びの地元戦は、4コーナー手前まで2着馬にぴたりと付かれたが、いざ追い出されるとあっという間に突き放して5馬身差をつけた。この馬もまだ底を見せていない。
そのほか、門別デビューから船橋経由で転入初戦を制したミトノシャルマン、弥富記念でセブンカラーズの2着だったエムエスドン、2走前にエムエスドンを負かしているトリマゴクイーンらは連下候補。
◎8セブンカラーズ
○12エムオーチロ
▲6スタンレー
△1ミトノシャルマン
△11エムエスドン
△5トリマゴクイーン
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