松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 朗報が入った。12月1日(月)付で齋藤友香さん(19歳)、菅原学さん(41歳)がそれぞれ騎手免許、調教師免許が交付された。両人とも齋藤雄一きゅう舎所属だった。
齋藤友香騎手は齋藤雄一調教師の長女。中学校卒業後、競馬学校に入学したが、中退。父のきゅう舎できゅう務員に従事しながら受験して見事合格した。菅原学調教師は仙台育英高校時代、乗馬に親しみ岩手競馬できゅう務員に従事。調教師補佐を経て晴れて調教師免許を取得した。詳細はいずれ報告するが、8月1日付で調教師免許を取得した及川裕一調教師、西野直樹調教師ともども早ければ来年3月、特別競馬から開業する予定だ。岩手競馬に騎手1名、調教師3名の仲間が加わった。
12月1日メインは12Rではなく、11R「田瀬湖賞」(C1級 水沢1400m)。3歳馬4頭のほか8歳馬まで11頭がエントリー。また負担重量差も58キロから52キロ(減量騎手の結果も含む)まであり、勝敗にも影響する可能性は十分。
ヒマラヤべロスは中央未勝利から転入後、初戦を快勝。2戦目は4着に終わったが、その後は圧巻の4連勝。特に前走は2着ネイチャーミヤビに1秒2差で圧勝。一戦ごとに良化一途をたどっている。今回は58キロを背負うのが最大ネックだが、今の勢いと成長度をもってすれば難なく克服。勝利を飾ってC1級を卒業する。
トウカイディアマンも同じく中央3戦0勝から転入。あっさり2連勝を飾ったが、3戦目は最内枠が災い。自己ポジションを取れず11着に沈んだが、以降は2連勝。前走タイムはレースが違ってもヒマラヤべロスと同じ1分26秒8をマークした。逃げ同型が多いのが不安だが、主導権を握ればあっさりまで。
マナホクラニは門別5戦0勝から2歳時に転入。2勝2着3回3着1回の成績を収め、門別へ里帰りしたが、4戦着外に終わり再び岩手入り。ひと頃は芝路線を歩んだが、着外が続きダートへシフト。1勝2着1回3着1回と安定した取り口を披露。ペースが速くなれば突き抜けるシーンも考えられる。
ホイッスルソングは東京芝1400m1勝、門別B3を経て転入。初戦の盛岡1200m戦で直線一気を決めた。前走より負担重量2キロ増、最内枠も不安材料だが、決め手を生かして上位進出。
ワイマングは前走7着の評価が難しいが、いい脚を長く使えるのが武器。ヒマラヤべロスと同じ58キロを背負うが、南関東時はC1級に在籍。マークが欠かせない。
スズカパンサーはB級から降格後、2勝2着1回。生きのいい若駒がそろったが、格が不気味。
◎⑪ヒマラヤべロス
〇⑤トウカイディアマン
▲⑥マナホクラニ
△①ホイッスルソング
△⑩ワイマング
△②スズカパンサー
<お奨めの1頭>
4R アーブルラーブル
中央1戦から転入後、アッサリ好位抜け出しを決めて完勝。この一戦を叩かれてさらに気配アップ確実で2連勝へまい進する

30日(日)メインは岩手競馬の最長距離重賞「第47回北上川大賞典」(水沢2500m)。8頭立ての少頭数となったが、例年以上にハイレベルであり、重厚なメンバー構成となった。
リケアカプチーノは高知から転入後、3勝2着1回。馬券対象から外れたのはジャパンダートクラシックを制したナルカミが出走したJpnII・不来方賞6着のみ。東北優駿、一條記念みちのく大賞典、トパーズカップと重賞3勝。前走は金沢で行われた地方競馬交流・北國王冠(2600m)でも3着を確保。南関東勢の古馬を相手にも勝ち負けを演じた。
夏休み明けのトパーズカップは反応ひと息だったが、元々が叩き良化型。転入時もそうだったが、3戦目の一條記念みちのく大賞典が最も強いレースパフォーマンスだった。前走で2600mをこなしたように2500mは望むところ。加えて水沢周りの方が動きがスムーズと好走条件がそろい、年度代表馬へ向けて首位は譲れない。
サクラトップキッドは昨年の北上川大賞典を完勝。1周目スタンド前で先頭に立ち、そのまま押し切って3歳馬初の同レース優勝を果たした。今季は5戦未勝利だが、JpnIII・マーキュリーカップで4着に健闘。
金沢遠征2戦も白山大賞典は7着だったが、前走・北國王冠では昨北上川大賞典と同じく1周目で早めスパート。そのまま先頭に立とうとしたが、ケイアイパープル=吉原寛人騎手が反応。さらにヒーローコールも加わり、入れ替わりの激しい競馬。厳しい競馬を強いられたが、6着に粘った。今回の北上川大賞典が最大の目標。どんな戦法を採るかも含めて注目したい。
ライアンは昨年、せきれい賞(芝からダート2000m変更)、桐花賞と重賞2勝。今季はA級特別2勝のみだが、馬場も合わなかった。せきれい賞、桐花賞とも水の浮く不良馬場。軽い走路で持てる能力をフルに発揮するタイプ。当日の馬場が速いタイム決着なら出番は十分にある。
フレイムウィングスは一昨年に岩手入り。北上川大賞典、桐花賞で2着を確保したステイヤー。昨年はすずらん賞2着が最高だったが、今季3戦目を快勝。待望の岩手初勝利を飾り、前々走で2勝目をマーク。2500mの長丁場は望むところ。
レライタムは3歳9月に去勢。それが功を奏し、4歳冬から大井で3勝。今年5月、大井2000mを快勝直後に転入し、3勝2着1回3着1回。南部杯13着後、遠野馬の里に移動し、坂路で乗り込まれて帰厩。気分リフレッシュして当初の目標だった北上川大賞典へ臨む。
レールガンは前走タイム差なし2着。北上川大賞典へ5年連続で出走。過去2着1回3着2回の好成績。有力馬がもつれれば台頭のシーンまで。
◎⑤リケアカプチーノ
〇⑧サクラトップキッド
▲④ライアン
△②フレイムウィングス
△①レライタム
△③レールガン
<お奨めの1頭>
3R プロヴァー
中央1戦から3ヵ月の休養を経て岩手入り、初戦は出遅れながらも2着を確保した。ひと叩きされて今度は首位を奪取する

11月24日(月) 「第23回寒菊賞」(2歳 水沢1600m)
イタズラベガが先手を主張し、2番手にセイクリスティーナ、3番手ブライオン、4番手インにラブコラージェン、5番手セローム。後方3番手にロジータサンライズ、スタートで少しよれたキララカ、最後方ササキントサブロウの隊列となった。流れは明らかにスロー。
焦点は単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持されたセイクリスティーナがどこで動くかだった。向こう正面でイタズラベガが徐々にピッチを上げたが、セイクリスティーナは楽に追走。3~4コーナーで半馬身ほど抜け出し、直線を向いて気合いを入れるとイタズラベガを一気に突き放してゴール。セイクリスティーナが2着に7馬身差をつけて圧勝した。
1着・セイクリスティーナ=山本聡哉騎手
「このメンバーなら2番手で行けると思っていた。ゲートは出たなりだったが、そのとおりの位置を取れた。前回(プリンセスカップ)が物足りなかったので、今回どうかと思うところがあった。なので少々早くても動いていこうと考えていた。時々、仕掛けたときに手前を替えることがありましたからね。今回は負けられない一戦でした。今後、いろいろな経験を積んで強くなってほしいと思っています」
佐々木由則調教師
「今日はメンバーが甘かったが、パドックがおとなしくて少し心配した。結果は楽勝でしたからね。気性的に大人になったかもしれない。タイム(1分43秒3)もこの時期の2歳馬なら上々だったと思う。次走については金杯も視界に入っているが、オーナーと相談の上で決めたいと思っています」
セイクリスティーナはデビュー2戦目から圧巻の4連勝。芝重賞・若鮎賞、芝交流・ジュニアグランプリ、ダートに戻って若駒賞も完勝。牝馬交流・プリンセスカップで1番人気に支持されたが、門別勢に屈して3着。地区レベル差を見せつけられた。鞍上・山本聡哉騎手も物足りなさを感じる内容だったが、今回は地元同士の戦い。直線途中まで気を抜かせないよう追っていたが、セイクリスティーナも反応。納得のいくレースだった。
佐々木由則調教師は次走について明言をさけたのは自きゅう舎にディオニス、ジェイエルビットと強豪2歳馬がいる上、セイクリスティーナの能力を高く評価しているから。次走決定を待ちたい。
2着イタズラベガはマイペースの逃げに持ち込んだが、セイクリスティーナとの能力差は歴然。それでも2着に粘ったのは小回り水沢が舞台だったから。水沢なら先行粘りが利く。
今週の岩手競馬
11月30日(日) メイン12R「第47回北上川大賞典」(オープン 水沢2500m)
12月1日(月) メイン11R「田瀬湖賞」(C1級 水沢1400m)
12月2日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 水沢1400m)
11月24日に行われた2歳馬の重賞『寒菊賞』は断然の1番人気の支持を受けたセイクリスティーナが快勝。自身4つめの重賞タイトルを獲得しました。
3番人気イタズラベガがハナに立ち、セイクリスティーナは2番手に付ける形でレースがスタート。前半の1000mはやや遅めのペースで8頭の集団はほぼ団子で進みます。
向こう正面半ばにさしかかってペースを上げに行ったイタズラベガでしたがセイクリスティーナも即座に対応、それどころか3~4角半ばでは持ったままで前に出て、逆にイタズラベガの方が手が動き出したのが4コーナー。そこからはもうセイクリスティーナの独擅場。懸命に食い下がるイタズラベガの追撃を振りほどくとそのまま差を広げてゴール。4つめの重賞タイトルはこれまでで最も大きな着差の7馬身差完勝で獲得しました。
2着はイタズラベガが確保、後続馬群の中から抜け出してきたセロームが3着に食い込んでここまでが金杯の優先出走権を手に。以下キララカ、ロジータサンライズの順に入線し、2番人気ラブコラージェンは8着に敗れています。
11月26日のメインレースは12Rの『夢・希望 未来へ前進』、B1級一組・ダート1600mの11頭立て。
今週から水沢競馬場に移った岩手競馬ですが、今週は月・火・水、次回は日・月・火になる変則開催。そして12月8日からの次開催も月・火・水、日・月・火と変則の並びが続きます。「岩手競馬がない日曜日」「岩手競馬がある水曜日」がやってきますので開催日には十分ご注意ください。
さてこのレースの本命は(4)サンエントジアスタです。前走は盛岡1800mのユーカリ賞で2着だった同馬ですが内容的には上がり最速・負けて強しと言えるものでした。前走のようにわずかに勝ち切れないこともままありますがその一方で盛岡・水沢はあまり問わず距離の融通も効く印象。水沢マイルに舞台が変わっても力は出せるし、勝機も十分にあると判断しての本命視。
対抗は(8)タイセイモンストルを。芝からダートに転じて実質4戦、勝ち星こそないもののダートでも存在感十分の戦いぶりを見せています。こちらも勝ち味には遅いのかもしれないけれど盛岡・水沢は意に介さない印象がありますし、ここでも流れひとつで勝ち負けと考えたい存在。
三番手は(9)ビクトリーサイトでどうでしょうか。◎と同じ前走は2番人気7着でしたが力負けというよりは展開負けの印象もありました。この馬もコースは特に問わないタイプ。二走前までの4連勝の内容で改めて。
(3)ドテライヤツも前走はユーカリ賞でしたが本馬は今は中距離よりはマイルくらいの方が強気で戦えるように見えますし右回りはなお良し。もう一頭は(7)タカマキファイブを。7番人気で勝った前走でしたがB1上位組の常連を破った内容は上々とみます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(8)、(4)=(9)、(4)→(3)、(4)→(7)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ

25日メインはB2級「ノベンバーカップ」(水沢1400m)。まずチェックしてほしいのは負担重量。申し込み時点ではB2クラスだったが、格付け賞金ではすでにB1クラスの馬が4頭。具体的にはサンマルクレイジー、ストームサージ、コスモモカ、ペイシャケリーが定量(牝馬は2キロ減)から2キロ増。牝馬が12頭中6頭いるので58キロを背負うサンマルクレイジー、ストームサージに対し、B2格付け馬は54キロ。この4キロ差も馬券検討の材料に考えたい。
本命はサンマルクレイジー。中山ダート1200m1勝から障害を3戦使って転入。初戦の水沢1400mは1年ぶりの実戦と地方ダートにとまどって後方からの競馬。それでもメンバー中2番目の上がりで0秒8差6着に突っ込んだ。
その一戦を叩かれて反応が一変。先行策から圧巻の3連勝。前走は2着コスモモカに1秒4差をつけて圧勝した。課題は58キロのトップハンデと舞台が水沢に替わること。仮に負けるとすれば以上2点だが、それでも今の勢いを重視。自分の競馬に徹することができる外枠を引き当て4連勝へまい進する。
ビップアクアは中央ダート短距離2勝、南関東1勝後、佐賀、名古屋A級を経て転入。初戦B1戦4着からC2へ一気に降格。2戦目から目下4連勝中と地力の違いを見せつけている。今回はB2昇級でメンバーが大幅に強化されたが、サンマルクレイジーとの負担重量さは4キロ。54キロの軽ハンデも味方に逆転の可能性も十分ある。
ペイシャケリーは中央未勝利から転入後、4連勝を含めて5勝3着3回。豪快なまくりが冴え渡っている。ここ2戦はスタートで後手を踏んだが、それでも3着を確保した。今回は内枠を引き当て、前走より負担重量が2キロ増だが、馬格に恵まれた牝馬。あっさりまで。
ストームサージは前走、ペイシャケリーに先着2着。4走前9着を前後して安定した成績を残している。近走は1200m以下を使われているが、1400m戦で通算3勝2着2回3着3回。距離延長はむしろ望むところだろう。
オーヴァーザトップは強烈な末脚を武器に前走2着。6月から3ヵ月の休養を余儀なくされ、復帰後は伸びを欠いていたが、前走で復活の手応え。サンマルクレイジーは早め先頭に立って押し切るのが勝利パターン。展開からも侮れない。
チャルドーニは前回逃げ切り勝ち。2ヵ月半の休養が功を奏し、再び勢いを取り戻した。同型の出方が気になるが、願ってもない1番枠。先手を取り切れれば軽視できない。
◎⑪サンマルクレイジー
〇⑨ビップアクア
▲③ペイシャケリー
△④ストームサージ
△⑧オーヴァーザトップ
△①チャルドーニ
<お奨めの1頭>
4R ブローヴェイス
前走は3ヵ月ぶりの実戦が影響して後方からの競馬になったが、それでも2着確保が底力。ひと叩きされて今度は首位を譲れない
