松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 今週は11月3日(月)、「JBCデー」が船橋競馬場で開催されるため岩手競馬の開催はなく、それに伴って11月1日(土)、11月2日(日)、11月4日(火)の変則開催。またメインレースも1日が6R、2日が11R、4日は12Rとイレギュラーですので、お間違えのないようお願いします。
1日メイン6R(発走15時05分)は、今シーズン最後の芝レース「OROターフ特別」(盛岡芝1700m)。早い時間に行われるのは日没に合わせたため。照明施設はダートレースに合わせて設置されており、今の季節を考慮してのこと。現在の芝トップがずらりと顔をそろえた。
本命はシャイニーロック。父ベルシャザールは芝2勝、日本ダービー3着などの実績を残して4歳6月からダート路線へシフト。GI・ジャパンカップ・ダート、GIII・武蔵野ステークスを優勝。GI・フェブラリーステークス3着などの成績を残して種牡馬入りした。
シャイニーロックは逆パターン。デビューからダート路線を歩んで2勝マーク。4歳6月から芝へ路線変更して3勝をあげ、2023年のGII・読売マイラーズでシュネルマイスターの0秒1差4着に健闘した。その後、大井、門別、名古屋を経て今年3月に転入。C2格付けにも恵まれて初戦を完勝。2戦目は4着に敗れたが、以降は破竹の6連勝。
芝重賞・いしがきマイラーズはB2級から格下挑戦だったが、0秒9差で圧勝。続いて芝全国国交流・OROカップも完勝した。以上の結果から古巣でもあるJRA富士ステークス(GII)へ挑戦。しんがり負けを喫したが、相手はGI・マイルチャンピオンシップでも有力視されるメンバーがずらり。自身は34秒6の上がりを披露したが、相手が強すぎた。今度は2戦2勝の盛岡芝が舞台。遠征の影響さえ残っていなければ順当に勝利を手にする。
ギャレットは2歳時に芝重賞・若鮎賞を優勝。3歳時に笠松へ移籍して3戦3着1回から里帰り後はダートでもそこそこの結果を出したが、活躍の舞台は盛岡芝。通算5勝2着2回3着2回と現役屈指の盛岡芝巧者で名を馳せている。今季も芝2400m交流・せきれい賞2着、OROカップ4着、前々走快勝と好実績を残している。前走は5戦ぶりのダートでも2着と好調をアピール。シャイニーロックがもたつけば逆転のシーンまで。
カレンルシェルブルは中央芝2000m~2200mで5勝をマークして笠松1戦を経て転入。ダートでは4着1回が最高だったが、芝に替わって反応が一変。せきれい賞3着から芝1600mで待望の岩手初勝利を飾った。前走7着はダート戦で仕方なしの結果。今季最後の芝で一発を狙う。
ラングロワは中央芝2勝、笠松1勝から一昨年転入。ダート2着1回が最高に対し、盛岡芝は4勝2着3回3着2回。前走の芝1700mも完勝した。現在、B2戦を勝ったばかりだが、芝適性なら引けを取らない。
スノーパトロールは今季初戦の水沢1600mを快勝し、年をまたいで4連勝。以降は白星から遠ざかったが、前々走でシーズン2勝目をあげた。好、凡走の落差が激しいが、気分よく競馬ができれば芝でも好走する。
ハウファアイルゴーは3走前の芝1600mを快勝。メンバー強化だが、芝向きは明らか。
◎⑨シャイニーロック
〇③ギャレット
▲⑥カレンルシェルブル
△⑤ラングロワ
△⑧スノーパトロール
△⑦ハウファアイルゴー
<お奨めの1頭>
11R ワイマング
相手なりに駆ける堅実さを身上として1勝2着3回3着1回。最後の詰めが課題だが、軸には打ってつけ

10月26日(日) 「第41回プリンセスカップ」(2歳牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート1400m)
大外からトリップスが抜群のスタートを切り、馬なりで主導権を握った。2番手に1番人気セイクリスティーナ、3番手サラサチャレンジ、4番手インにトリスティ、5番手にフォーエバートライ。2番人気フェアリーライズはスタート直後は最後方にいたが、向こう正面から徐々に前へ接近した。
直線を向いてセイクリスティーナの脚いろが怪しくなり、外からフェアリーライズが差を詰めにかかったが、トリップスは残り100mでもう一伸び。2着に4馬身差をつけ、鮮やかな逃げ切りを決めた。
1着・トリップス=高松亮騎手
「小野調教師からは"スタートが凄く良い馬なのですんなり行けるようなら逃げていいし、内で競ってくる馬がいるなら2,3番手でもいいから"と言われた。大外でもすごいスタートを切って、あとは無理に引く必要もないなと思ってすんなり逃げる形になった。競られると少し力んでしまうそうですが、初めての馬場で少し物見するくらいでハミが抜けている部分があったのでコンタクトも取りやすかった。直線は長かったが、最後は祈る気持ちでした」
小野望調教師
「スタートの良さは信頼できる馬なので大外でも2番手は獲れるだろうと思っていたが、予想以上にスタートが良かった。そこから取りついてくる馬もおらず、ストレスがかかっていない走りだったので、4コーナーを回る時にはこのまま逃げ切れるなという感じで見ていた。今日はいい勝ち方をしてくれたし、この先、もう一戦してもいいかそれとも来年に向けて休ませるか。そこはオーナーさんと相談して決めたいと思います」
トリップスは門別1000m・新馬戦をアッサリ逃げ切り、2馬身差で完勝。2、3戦目はスペシャルチャンス、リュウノフライトが強すぎて連続4着に敗れ、続いてJRA札幌芝1200m・すずらん賞へ挑戦。初芝にもとまどって11着に沈み、地元に戻って1200m戦で逃げ粘って2着。
今回は大外枠が影響しそうな印象もあったが、難なく先手を奪ってそのまま押し切って完勝した。父ゴルトマイスターはゴールドアリュールの子供で今年が初年度産駒。父に勝ち馬第1号、重賞勝ちも第1号の勲章をプレゼントした。
今週の岩手競馬
11月1日(土) メイン6R「ターフ特別」(オープン 盛岡芝1700m)
11月2日(日) メイン11R「第48回すずらん賞(オープン 盛岡ダート1600m)
11月4日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 盛岡ダート1000m)
10月26日に行われた2歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『プリンセスカップ』は門別・トリップスが逃げ切り勝ち。同馬は遠征で自身初の重賞タイトルを獲得しました。
12頭立ての大外からの競馬になったトリップス。戦前は「内でハナを主張する馬がいたら番手でも良いと言われていた(高松亮騎手)」でしたが、文字通りロケットスタートを決めてそのままハナへ。後続の追撃を受け止めつつも最後まで手応えも脚色も衰えることなく逃げ切ってV。キャリア6戦目で重賞制覇を達成しました。
2着には直線追い上げたフェアリーライズ、地元のセイクリスティーナは3着に終わっています。
10月28日のメインレースは12Rです。B1級一組・ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』。本命は(3)ベラジオホープを採りました。
デビューは兵庫、7歳夏まで園田・姫路で戦い続けていた馬で左回りは岩手に来てからが初めてという馬。しかしそれでも、転入初戦はJRA交流戦で苦戦しましたがC1降級の二戦目で3着、盛岡3戦目の前走で勝利とコースにもしっかり対応してきました。距離に関しても兵庫時代は1400mまでの経験でしたが岩手でマイルにも対応。手堅い先行力も含めて中心の期待。
対抗は(6)アメイジングスター。先週ほど馬場の外が伸びない傾向の今週ですが、この馬に関しては展開次第。マイルも同様だけに一発の狙い目は十分。(7)ゼットセントラルも重賞での苦戦が目につきますが地元馬同士のA級特別では徐々に存在感を増していました。降級でもありそろそろもう一歩前進。
(9)モズユイユイは降級戦・末脚期待可能ですが枠順が外過ぎないか?を懸念して印は控えめに。時計で差がなく立ち回りも案外相手なりに動ける(5)メイショウタニカゼにも一点。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(7)、(3)=(9)、(3)→(5)
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現在、岩手競馬で活躍中の山本聡紀騎手(水沢・板垣吉則きゅう舎所属)が騎乗期間の延長が発表された。延長前は11月4日までだったが、今シーズンの岩手競馬最終日12月31日まで騎乗する。
山本聡紀騎手は船橋競馬所属で4月13日から岩手競馬で騎乗。10月21日(火)終了時点で67勝2着66回3着39回。重賞も早池峰スーパースプリント、岩鷲賞(いずれもエイシントルペード)、ネクストスター盛岡(ラウダーティオ)と3勝をマーク。長兄・政聡騎手、次兄・聡哉騎手と山本三兄弟で人気を集め、実力も数字どおりに証明済み。これから岩手は厳寒期に突入するが、今後も熱いレースで岩手競馬を盛り上げてほしい。
27日メインはB1級特別「ひいらぎ賞」(盛岡ダート1600m)。上がり馬、格上馬が入り交じり、各馬にチャンスありの一戦。好レースが期待できる。
ナムラクレープは中央ダート1800m3着1回から高知へ移籍。初戦は4着に敗れたが、2戦目からアッサリ3連勝。直後に岩手へトレード。3歳B2戦を快勝し、当初の予定どおり岩手牝馬三冠目・オータムティアラに駒を進め、2番人気に支持された。
前半は後方2番手に待機策を採ったが、超スローペースに落とされたのが致命傷。メンバー最速の上がりを駆使したが、ミナトミナイトの3着に終わった。今回は古馬編入初戦。格上馬がそろったが、いずれオープン入りできる器。古馬B1メンバーを一蹴する。
タイセイモンストルは中央芝4勝・オープン、障害1勝から転入。盛岡芝を目指したトレードだったが、5戦を消化して4着最高。3走前からダートへシフトして4、3、2着。一戦ごとに着順をあげてメドが十分立った。前走10月13日のB1級一組戦で最先着を果たし、走破タイムでもリード。引き続き好勝負必至。
ケープライトはA級で走り続け、今季未勝利ながら牝馬重賞・フェアリーカップ2着。ほかにも2着1回3着2回と堅実さを発揮している。今回はB1へ降格して相手が甘くなったのは好材料。2勝2着1回の盛岡マイル戦で反撃に転じる。
ドテライヤツは門別重賞・瑞穂賞を優勝。昨年12月、門別A1級から転入したが、着外の連続。今季は3着3回と良化感をうかがわせ、9月からB級へ降格。2勝2着1回3着1回と毎回勝ち負けを演じている。反応の良さは水沢だが、盛岡もこなせる。
ビクトリーサイトは南関東6勝・B1級、名古屋A級を経て転入。当初は伸びを欠いていたが、目下3連勝中。C1級からB1昇級も難なく突破した。メンバーは強化されたが、勢いに乗っている。
サンエントジアスタは今季2勝2着4回3着2回。前走は5着だったが、相手なりに駆ける堅実派。勝つまではどうかだが、連下候補には候補には押さえたい。
◎⑥ナムラクレープ
〇①タイセイモンストル
▲⑨ケープライト
△③ドテライヤツ
△⑦ビクトリーサイト
△②サンエントジアスタ
<お奨めの1頭>
2R グランシャット
中央10戦すべて一けた着順にまとめ、5着3回。岩手C2下級編入は恵まれた格付け。順当に勝って今後に弾みをつける

26日メインは"GRANDAME-JAPAN2025"「第41回プリンセスカップ」(盛岡ダート1400m)。過去10年は門別6勝、岩手3勝、浦和1勝と北海道勢がリード。今年は門別6頭、川崎1頭、迎え撃つ岩手5頭の計12頭で覇を競う。
主軸にセイクリスティーナを指名する。デビュー戦は2着に敗れたが、2戦目から4連勝の快進撃。若鮎賞、交流・ジュニアグランプリと芝重賞2連勝を飾り、続いて若駒賞へ駒を進めて牡馬相手に完勝。世代屈指の強豪に君臨している。入れ込みが激しいのがネックだが、陣営は折り込み済み。ジュニアGPに続いて遠征馬が相手だが、勢いと地の利を生かして迎撃。フジラプンツェル以来、3年ぶりの岩手優勝の期待がかかる。
サラサチャレンジは川崎1400m・新馬戦を快勝し、2戦3、4着から園田・プリンセスカップへ遠征。積極的なレース運びからココキュンキュンの2着に粘った。前走・金沢シンデレラカップ4着に終わったが、今度は走り慣れた左回りが舞台。待望の重賞制覇へ王手をかけた。
スルーザミルは門別1000mのデビュー戦をあっさり逃げ切り、重賞・リリーカップでは後方待機策に転じて3着。リュウノフライトが圧勝したが、2着とはわずかアタマ差。続くフルールカップは出遅れもこたえて6着、フローラルカップは距離が長く8着に終わったが、1400m短縮で反撃。
トリスティの母はアメリカで11勝してGI(ラブレアS)を制し、ほかにGII1勝、GIII1勝。門別1200m・新馬戦を快勝し、2戦目5着からJRA札幌芝1500m・クローバー賞へ挑戦して3着に健闘した。速い時計決着の盛岡1400mは合うはず。
ウィルラウスはデビュー2戦目を勝ち上がり、1700m戦で2着確保。JRA札幌・クローバー賞7着、前走・フローラルカップ6着と2戦着外に終わったが、決め手を生かせるワンターンで能力全開。
トリップスは門別1000m・新馬戦を逃げ切り、2戦4着からJRA札幌芝1200m・すずらん賞へ挑戦11着から門別1200mで逃げ粘って2着。大外がネックだが、天性のスピードが武器。
◎⑥セイクリスティーナ
〇⑧サラサチャレンジ
▲⑤スルーザミル
△④トリスティ
△⑪ウィルラウス
△⑫トリップス
<お奨めの1頭>
5R シンボリライト
新潟ダート1200mで5、7着。岩手C2下級編入は恵まれた上、盛岡ダート1200m戦も望むところ
