
5月4日メインは「第45回ダイヤモンドカップ」(盛岡ダート1800m)。岩手クラシック一冠目であり、昨年からJpnI・東京ダービーの指定競走となり、東日本交流へ枠が拡大。1着馬に優先出走権が与えられる。
リケアカプチーノは高知生え抜きで8戦5勝2着3回。連対パーフェクトを続けている。名古屋・スプリングカップは7馬身差2着に敗れたが、初輸送の影響もあって前走比10キロ減初コースにもとまどった。しかし地元・高知に戻って0秒7差で完勝。軌道修正に成功して直後に岩手入り。ターゲットはダイヤモンドカップ、東北優駿の二冠は明らか。未経験の左回りがネックだが、全国を席けんする高知出身が遠征馬を迎撃する。
バリウィールは門別3勝2着2回から2歳交流・南部駒賞へ参戦。アッサリ逃げ切りを決め、重賞初制覇を果たした。続いてJpnIII・ブルーバードカップ(船橋)へ挑戦して6着。続いてネクストスター北日本へ駒を進めて重賞2勝目をマークした。地元・北斗盃の選択肢もあったが、同きゅう舎ウィルオレオールと使い分け。バリウィールは適距離を求めてダイヤモンドカップを選んだ。相性抜群の岩手で重賞3勝目に王手をかけた。
アサマはデビューから門別1700mを専門に使われて3勝2着1回。重賞初挑戦となったブリーダーズゴールドジュニアカップで4着を確保した。その後は休養を余儀なくされ、今年4月に復帰。7ヵ月ぶりの実戦を問題にせず、0秒3差で完勝した。キャリアは浅いが、1800mは望むところ。ひと叩きされた上昇度でアッサリまで。
シーソーゲームは福島ダート1700m・2歳新馬戦を勝ち上がり、2歳1勝クラス2戦から大井へトレード。初戦を快勝した。前走は完敗を喫したが、2着を死守。レースキャリアからも伸びしろが十分あり、重賞初挑戦で制覇の期待がかかる。
ステラビアンカは門別3戦2勝から南部駒賞へ臨み、バリウィールには離されたが、3着を確保。その後は休養に入り、4月から始動。復帰戦はアサマに完敗だったが、スローに落とされたのも敗因。決め手を生かせる展開なら軽視できない。
ゴールドモーニンは川崎1400m・デビュー戦を快勝し、2着3回。重賞・若武者賞でも2着確保の実績を誇る。川崎1本のローテーションを組み、左回り=盛岡コースは望むところ。
◎②リケアカプチーノ
〇③バリウィール
▲⑥アサマ
△⑩シーソーゲーム
△①ステラビアンカ
△⑤ゴールドモーニン
<お奨めの1頭>
1R ラブコラージェン
いよいよ2歳新馬戦がスタート。明日のスター候補が続々とデビューする。ラブコラージェンは能力検査を余力残して圧勝。輸送がネックだが、スピード一目
今週から舞台は新緑の盛岡競馬場。先週まで向こう正面にある桜が満開(水沢と比較はできないが)だったが、残念ながら季節は終了。替わって新緑を楽しむことができる。
盛岡競馬のシーズン開幕はゴールデンウィークに合わせて5月3日(土)から5月7日(水)までの5日間連続開催で新シーズンを祝う。メインは4日、JpnI・東京ダービーの指定競走であり、岩手クラシック一冠目「第45回ダイヤモンドカップ」。遠征馬がマックスの6頭、地元岩手5頭の計11頭で覇を競うが、高知から3歳トップグループのリケアカプチーノが転入。他地区とのレベル比較も楽しみな一戦となった。
毎年、頭を悩まされるのが開催替わり週。1周1200m右回りの平坦・水沢コースから1周1600m左回り・盛岡コースに替わり、これまでのデータはいったんクリアーにしなければならない。さらに今シーズン初の盛岡で砂の深さ、馬場状態など未知のファクターがずらり。
まずは走破時計、内が有利か外有利か。ペースはどうだったか。コース替わりに戸惑う馬がいるか否か。馬券を楽しみながらしっかりデータを蓄積してほしい。当然だが、自分も同様に傾向をしっかりつかんでいきたいと思っている。
盛岡競馬の開催初日3日メインはB2級馬による特別「メイカップ」(盛岡1800m)。この距離はゴール手前200mがスタート地点。ジョッキーも手探りゆえ、スローペースに落ちる可能性が高い。
主軸にウインダークローズを指名する。中央ダート3勝をすべて2000m以上でマークして高知へ移籍。1勝のみのとどまり、昨年10月に岩手入り。C1編入にも恵まれてアッサリ3連勝を飾った。4戦目はB1級へジャンプアップして2着に終わってシーズンを終了。
今季初戦はリュケイオンには離されたが2着を確保。上々の滑り出しだったが、2戦目は12着に大敗。その対策に前回はブリンカーを着用。その効果が大きく2着に巻き返し、今度から2戦2勝の盛岡コース。1800m延長も中央実績から望むところと好走条件がそろった。
ナリノバロンは南関東で左回りを専門に使われて3勝2着3回3着9回。最高格付けはB3級で今年3月に転入。当初2戦は初の右回りが影響したのか4着だったが、3戦目2着から前回快勝。弾みついたうえ、待ちに待った左回り=盛岡戦。前走の強さも際立っており、逆転2連勝まで考えられる。
ヤークトボマーは中央2勝クラス、高知8勝、門別1勝・A1級から昨年終盤に転入。A級に格付けされて2戦着外だったが、今季はC1へ降級。初戦2着から2連勝を飾り、格上ぶりを発揮している。いい脚を長く使えるのが持ち味。コース広い盛岡でさらに威力を増す可能性がある。
フークエンジェルは南関東牝馬路線などで活躍。浦和・桜花賞3着、留守杯日高賞3着の実績を誇り、門別A級から転入。今季はB2級へ降格して4戦2着2回。展開に注文つくところがあるが、マークが欠かせない。
リュウノハイルは南関東から再転入。初戦で逃げ切りを決めた。前走は4着だったが、ウインダークローズとのタイム差は0秒3。巻き返しに転じて不思議はない。
ノースハマナスは好、凡走の落差が激しいが、自分の型に持ち込めば強じんな粘りを発揮。浦和2000m2勝の実績があり、1800mで反撃。
◎⑧ウインダークローズ
〇⑦ナリノバロン
▲⑤ヤークトボマー
△④フークエンジェル
△③リュウノハイル
△⑨ノースハマナス
<お奨めの1頭>
4R ジュンツーポイント
高知から転入初戦をタイム差なし2着にまとめて上々の滑り出し。コース替わるが、順当に勝機をむかえた。
4月27日(日) 「第37回栗駒賞」(オープン 水沢1400m)
1枠を利してマツリダワールドが先手を取り、2番手にスプラウティングがつける。3番手ミニアチュール、4番手外にドルズプライスレス、5番手インにエメラルドビーチ。圧倒的1番人気に支持されたヘリオスは6番手外を追走。前哨戦・白嶺賞を快勝したスターシューターは後方2番手を追走した。
隊列はほぼ変わらず1コーナー過ぎにはマツリダワールド、スプラウティングが後続を2、3馬身ほどリードする。2コーナーを回ると2頭が徐々に後続を離し、以下のグループも差を詰めにかかる。思った以上にペースは速かったが、2頭のスピードは衰えず直線に入る。残り100mで2頭の脚いろが怪しくなり、外エメラルドビーチ、さらに大外からヘリオスが伸びてきたが、結果2頭の行った切りで決着した。
1着・スプラウティング=塚本涼人騎手
「ヘリオスなど強豪がそろっていましたから自信がなかったが、勝つことができて嬉しい。作戦は逃げか2番手を考えていたのでイメージどおり。追い切りでもいい手応えで動いていた。思った以上にレースが流れてたが、変に抑えてやる気をなくす心配もありますから緩めない方がいいと思いました。直線は後ろの馬を意識していましたが、マツリダワールドが思った以上に粘っていたので前に切り替えたのも勝因。弟(塚本征吾騎手)が名古屋などで頑張っていますからね。自分も重賞初制覇できてとてもうれしいです」
酒井仁調教師
「中間の追い切りで動かなかったので半信半疑だったたが、最終追い切りで併せ馬をやってみたら反応が一変。いい競馬ができるかも、と感触を持った。今回は前に行ったのも勝因だと思うが、実績どおり1400mも合ったんでしょうね。次走予定はシアンモア記念。1600mは気持ち長い気がしますが、こなせるか試したい気持ちもあります。岩鷲賞(1200m)も視界には入っていますが、状態を見ながら決めたいと思っています」
スプラウティングはデビュー4戦目まで芝を使われいたが、5戦目にダートへシフト。初戦2着から6戦目で初勝利を飾り、以降も2勝をマークして3勝クラスへ在籍。しかし気性難を抱えて昨年4月、天満橋S13着後に去勢手術。その後2戦連続で14着に終わり、岩手へ新天地を求めてきた。今回の勝利は去勢効果もあったと解釈でき、岩手に新風を吹き込む可能性も十分ある。
2着・マツリダワールド
持ち味は先行力と強じんな粘り。マイルでも実績を残してきたが、1400m戦10戦2勝2着4回3着3回。先行馬が総崩れとなった前走・白嶺賞でも3着に粘っていた。今後も1400mでは目が離せない存在となる。
4着・ヘリオス
中央ダート8勝、高知1戦1勝から鳴り物入りで転入。注目の初戦だったが、前半は中団を追走。追い出してからも反応ひと息だった。それでも最後でいい脚を使ったあたりがダートグレードの常連だった証。年齢的なことを考えれば現状はマイル延長の方が合うかもしれない。
今週の岩手競馬
5月3日(土)メイン11R 「メイカップ」(B2級 盛岡1800m)
5月4日(日)メイン12R 「第45回ダイヤモンドカップ」(3歳・東日本交流 盛岡1800m)
5月5日(月)メイン11R 「夢・希望未来へ前進」(B1級一組 盛岡1200m)
5月6日(火)メイン11R 「スプリント特別」(オープン 盛岡1200m)
5月7日(水)メイン12R 「皐月特別」(A級一組 盛岡1600m)