
5月18日(日) 「第50回シアンモア記念」(オープン 盛岡ダート1600m)
昨年の覇者グランコージーが最内1番枠を引き当て、逃げも想定されたが、大外からヒロシクンがハナを主張した。スタートから12秒6-11秒4-11秒9-11秒9-12秒1。前半1000m59秒9は地元同士の戦いでは超ハイペースだったが、当日は馬場が軽く、逃げ有利。結果的に高松亮騎手が好判断、好プレーとなった。
ヒロシクンは残り600mから再び加速。フジユージーンも3、4コーナー中間からスパートかけて接近したが、ラスト3ハロン11秒5-11秒5-13秒7=36秒7でまとめてフジユージーンの追撃を完封。赤松杯に続いて重賞2連勝を飾った。
1着・ヒロシクン=高松亮騎手
「素晴らしいメンバーがそろって自分も楽しみでした。先生(佐藤雅彦調教師)には"自分を信じて思い切って乗ってこい"と送り出されました。3~4コーナーでフジユージーンが動いてくると思っていましたから迷いなく行こうと決めていましたし、ヒロシクンもそれに応えてくれました。今回は大きな大きな1勝だったと思います。多くのファンが集まってくれた中でフジユージーンと戦い、熱いレースを見せることができましたし、自分が勝つことができて本当にうれしいです」
佐藤雅彦調教師
「(ハナに)行けてもいけなくても思い切って乗ってこいとジョッキーに言いました。グランコージーがちょっとゲート出が遅かったので大外でも先手を取ることができた。前の盛岡戦(11月11日)は着差が微妙だったので、コース替わりが若干不安でした。これだけのメンバーがそろいましたからね。運のいい馬が勝つだろうなと思っていたが、それが自分の馬でした。次はみちのく大賞典へ直行します」
ヒロシクンは昨年、中央1勝クラスから転入。B1級で3連勝を飾り、伝統の一條記念みちのく大賞典へ挑戦。鮮やかな逃げ切りを決め、重賞初挑戦で制覇の快挙を果たした。その後も青藍賞、トウケイニセイ記念と重賞3勝。桐花賞は4着に敗れたが、4歳以上最優秀馬に選出された。今季はフジユージーン相手に圧巻の逃げ切り2連勝を飾り、今度はみちのく大賞典2連覇の偉業達成へ臨む。
2着・フジユージーン
今シーズンはシアンモア記念トライアル・赤松杯から始動。楠賞以来、久々の実戦もこたえてクビ差2着に敗れたが、今度はコース広い盛岡が舞台。主役奪回の期待が集まり単勝1・8倍の1番人気に支持されたが、またもや2着。瀬戸幸一調教師「高松騎手にうまく乗られたが、水沢へ帰郷後、順調さを欠いたのが尾を引いたかもしれない。今後については白紙。放牧に出すことも考えている」
今週の岩手競馬
5月25日(日) メイン11R「第13回イーハトーブマイル」(3歳 盛岡ダート1600m)
5月26日(月) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B2級一組 盛岡ダート1600m)
5月27日(火) メイン12R「マグオート賞」(B1級一組 盛岡ダート1200m)
5月18日に行われた古馬マイルの重賞『シアンモア記念』はヒロシクンが逃げ切って優勝。前走・赤松杯に続いて2戦連続での逃げ切り勝ち、重賞連勝を果たしました。
単勝1番人気に推されたのは赤松杯で2着に敗れていたフジユージーン、やはり前走で敗れていたヘリオスが2番人気、赤松杯を勝ったヒロシクンが3番人気、この3頭が単勝オッズ10倍以内という状況で開いたゲート。最内にグランコージー、大外にヒロシクンと逃げ馬が内外に分かれたことでどういう展開になるのか?と思われた先行争いでしたが、ヒロシクンが抜群のスタートとダッシュを決めた一方でグランコージーは僅かに出負け。序盤の攻防は一瞬で決着が付きました。
こうなれば強いヒロシクン。「自分がしっかりペースをコントロールできていたから自信を持って行けた」と鞍上・高松亮騎手が振り返るように、勝負所から迫ってきたフジユージーンにも馬体を並ばせるところまではついに迫らないままにゴール。前走に続いての逃げ切り勝ち、前走に続いてのフジユージーン撃破を成し遂げました。
1番人気フジユージーンは最後まで追い上げてはいたものの今回も2着。ヘリオスもやはり先行粘るミニアチュールを捉えることができず4着。その紅一点ミニアチュールが3着と牡馬の一線級の間に割って入りました。
ヒロシクンの次走は一條記念みちのく大賞典の予定。ここで重賞3連勝を、そして同レース連覇を狙います。
春の盛岡開催も早くも折り返し点を過ぎた5月20日のメインレースはOP級ダート1000mの特別戦『スプリント特別』。本命は(4)エメラルドビーチとしました。
前走の栗駒賞が岩手転入初戦だった同馬は結果3着ではありましたが、JRA時代に経験したことが無い小回りコースに対応しながらだった事を思えば、そしてヘリオスに先着していた事を思えばひとまず及第点以上、力量は確認できたと言っていいはず。
今回は自身初の1000m、ワンターンの盛岡に替わるのはプラス材料、一方でJRA時代にはしばしば出遅れがある馬だった事を思うとこの距離では不安材料。その辺の差し引きが悩みどころ。とはいえ、このあとの古馬短距離路線を考えると主戦場になるだろう盛岡コースでどれだけやれるか?は計っておきたい所でもあります。ここはそんな期待分をコミでの本命視。
対抗は(2)オスカーブレイン。揉まれたり他の馬に前に出られたりすると走りが鈍ってしまう所があり、小回り水沢ではなかなか気持ちよく戦えずにいましたが、盛岡に替わった前走では逃げ切り圧倒、コースが合う事、スピードに陰りはない事をまとめて証明しました。ここも同タイプがいないわけではないですが枠順有利、馬場傾向も恐らく有利に働いてくれるでしょう。連続逃げ切り勝ちのチャンスは大。
(5)ラストバリオンが三番手。1200mでも既に長く1000mも上限に近いかも・・・という戦績で、今回のカギは初コース・初距離への対応。二走前にオスカーブレインを破っており力量はここ通用の物があると証明済み。ここでも好走して850m専用でない事を示したいところです。
(6)サラサワンの前走は勝ち馬がちょっと強かったという他無し。距離は対応できるでしょうしここでも上位争いの一角と判断。(1)グットフォーチュンは休み明けになる分で今回はここまでの印にしましたが、昨年の今頃は短距離戦線の中心の一角として戦っていた馬。1000mもベストだけに軽視しすぎるのは禁物でしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)→(5)、(2)→(5)、(4)→(6)、(4)→(1)
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今週も金曜日から雨が降っている。その影響で18日は高速決着の可能性が高いが、先週も馬場が乾いてくると時計がかかり、内コースが苦戦の傾向があった。13日(火)は内を大きく開けてレースが多かったのが目についた。果たして今週はどのような傾向になるのか。コース把握は馬券検討の重要なファクター。みなさんもしっかりチェックしてほしい。
19日メインはC1級「新緑賞」(盛岡ダート1600m)。前走1着馬が12頭中8頭と好調馬がズラリとそろった。しかも上位人気馬は4、5歳に集中し、伸びしろも十分。非常に楽しみな一戦となった。
ウイニングライブは中央芝2000m1勝2着1回。GII・セントライト記念へ挑戦(13着)した実績があり、昨年9月に転入。B1級で1勝2着1回3着2回と上々の成績を残した。終盤2戦は着外に終わり、今季はC1級へ降格。前走は4ヵ月ぶりの実戦だったが、格上ぶりを如何なく発揮。好位から抜け出しを決め、地力の違いを見せつけた。今度は盛岡1600mに替わるが、B1級で3戦1勝3着1回ならまったく問題なし。2連勝へ王手をかけた。
マウリノの母マウレア(父ディープインパクト)は中央デビュー2連勝を飾り、阪神JF3着、桜花賞、オークス5着。マウリノは中央芝7戦0勝から岩手入り。2勝2着1回の成績をあげて再び中央入りしたが、4戦二けた着順に終わって再転入。あっさり2連勝を飾った。特に前走は内枠に入り、包まれる厳しい競馬だったが、見事はねのけて完勝。C1卒業は時間の問題だろうと思わせるに十分の内容だった。勢いに乗って3連勝のシーンまで十分。
オレアヌエヌエは2歳時2戦2着1回から7ヵ月半休養。昨年は1勝2着4回の成績をあげたが、9月の3歳・B1戦7着から再び休養。前走は7ヵ月ぶりの実戦だったが、ハイタイムをマークして快勝。好発進を決めた。成長を続ける4歳馬がひと叩きされてさらに気配アップは確実。このメンバーで通用するか興味深い。
オーヴァーザトップは中央芝3着2回から転入後、2勝2着5回3着1回。着外が一度もなく、相手なりに駆ける堅実さが身上。C1特別・夏油賞を完勝した。前走4着の評価が分かれるところだが、外目を回るロスが大きかったと判断。1600mなら自己ポジションを取りやすく巻き返し必至。
タイキクラージュは昨年B1級からC1級へ降格。今季初戦を快勝したが、以降2戦着外。前途に暗雲が立ち込めたが、近2走3、2着で軌道修正。いい脚を長く使えるのが武器。ここでもマークが欠かせない。
アメイジングスターは今シーズン3戦1勝2着1回。前走は後方待機策からメンバー最速の上がり39秒0の脚を駆使して直線一気を決めた。ペース速くなれば再現まで。
◎②ウイニングライブ
〇①マウリノ
▲⑩オレアヌエヌエ
△⑨オーヴァーザトップ
△⑥タイキクラージュ
△④アメイジングスター
<お奨めの1頭>
2R シゲルアレグリア
南関東C1級から転入後、あっさり2連勝。前走は大外から逃げ切りを決め、枠順も問題ない
18日メインは一條記念みちのく大賞典、桐花賞と並ぶ岩手古馬の根幹競走「第50回シアンモア記念」(盛岡ダート1600m)。今年は例年以上に豪華な顔ぶれ。昨年の年度代表馬、4歳以上最優秀馬、最優秀牝馬がそろって出走。さらに大物転入馬も加わり、今季最初の大一番となった。
フジユージーンは無敗でダイヤモンドカップ、東北優駿の二冠を獲得。JpnIIへ昇格した岩手三冠目・不来方賞へ駒を進めてサンライズジパングの4着。続いてJpnI・ジャパンダートクラシックへ挑戦してフォーエバーヤングの10着。JRAの壁は厚かったが、地方競馬交流・楠賞(園田1400m)へ遠征して全国の強豪3歳を相手に快勝。岩手の年度代表馬に満場一致で選出された。
その後、静岡県御殿場の富士ファームへ移動して休養。今年2月に水沢へ帰郷して乗り込みを再開。赤松杯から始動したが、ヒロシクンの逃げ切りに屈して2着。久々の実戦もこたえたが、最後はクビ差まで肉薄。敗れて強しの内容だった。赤松杯を叩いてシアンモア記念は予定どおりのステップ。コース広い盛岡も合い、古馬タイトル制覇に王手をかけた。
ヘリオスは中央ダート8勝。重賞タイトルこそ手にしていないが、2022年のJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯で逃げの手に出て直線でも強じんな粘りを披露。ゴール寸前でカフェファラオにハナ差交わされてビッグタイトルを逃がした。ほかにダートグレードで2着5回3着2回とダート強豪で名を馳せた。転入戦の栗駒賞は案外の4着に終わったが、この一戦で陣営も手のうちに入れたはず。南部杯と同じ盛岡1600mへ替わり、反撃に転じる。
ヒロシクンは昨年、中央1勝クラスから転入。一條記念みちのく大賞典を皮切りに青藍賞、トウケイニセイ記念と重賞3勝。桐花賞は4着に敗れたが、岩手の水が合って4歳以上最優秀馬に選ばれた。今季初戦の赤松杯では1番人気をフジユージーンに譲ったが、鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。好発進を決めた。盛岡マイルも青藍賞など4戦3勝で問題ないことを証明済み。重賞2連勝へ王手をかけた。
ミニアチュールは昨年、重賞3勝を含めて6勝2着2回。桐花賞でも僅差2着に惜敗し、最優秀牝馬に選出された。今季初戦3着、栗駒賞8着と精彩を欠いたが、昨年も3戦目を快勝。加えて盛岡コースは8戦8勝とパーフェクト成績。今度こその期待がかかる。
ノーブルサターンは一昨年の年度代表馬。昨年は未勝利に終わったが、それでも桐花賞0秒1差3着。今季初戦の赤松杯でも3着に粘り、健在を誇示した。シアンモア記念は一昨年に優勝し、昨年3着。古豪健在を誇示する。
ライアンは昨年、芝からダート変更・せきれい賞、大みそかの桐花賞を優勝。軽い走路で重賞2勝をマークした。パワーの要るダートが課題だが、今季初戦を快勝し、幸先のいいスタートを切った。馬場が軽くなれば激走のシーンまで。
◎⑧フジユージーン
〇③ヘリオス
▲⑩ヒロシクン
△④ミニアチュール
△⑨ノーブルサターン
△②ライアン
<お奨めの1頭>
2R グロー
未勝利馬だが、中央芝で2着4回3着1回。園田で2着3回3着1回、川崎で3着1回。最終格付けが南関東C1で岩手C2なら地力の違いが明白
盛岡開幕から約2週間、はや5月も半ばが近づいてきました。関東や西日本は「この時期一番の暑さ」のような気温が高い日が多いようですが、岩手はどちらかといえばグズグズした空模様が多くて、ここまでは長袖ばかりかその上に着る上着も手放せないような肌寒い日が続いています。掲載した画像のような、スッキリと岩手山が見える開催日も多くなく・・・。
とはいえこれも"続いていました"と、そろそろ過去形になりそう。今日・火曜日あたりからは気温が急上昇して、毎日の最低気温がここ数日の最高気温・・・くらいになる模様。初夏らしくなるといえばそうなのですが、気温の急変動には皆様も体調維持にお気をつけ下さい。
そして来週の岩手競馬では18日に古馬マイルの重要な一戦・シアンモア記念が行われます。前走の雪辱を狙うフジユージーン・ヘリオス、今回もまたタイトルを奪取しようと虎視眈々なヒロシクンらライバルたち。出走予定メンバーは早くも前半戦のクライマックスになりそうな印象。お楽しみに!
5月13日のメインレースは11Rです。B1級ダート1800mの特別戦『紫陽花賞』。ここでの本命は(2)サトノバトラーを採りました。
今回が転入初戦になる同馬はJRA1勝クラスからの移籍。7歳セン馬ですがここまでまだ18戦とキャリアが少ない馬です。1勝クラスを突破できなかったとは言え突破寸前までいったレースは多く、力量は1勝クラス以上のものがあったという評価ができるでしょう。
距離経験に関してもJRAでの初勝利がダートの2100m。その後も2100~2400mの間で戦っており、2000m以下での3戦しか無いくらいに長距離にふった戦跡をたどってきています。その点で今回の1800mはむしろ"この馬には短いのでは?"と懸念したくなるようなところもありますが、JRA東京でのダート経験が多い点は強みにもなるのでは。
懸念とすれば、JRA時代にはなかなか体調が整わずに間隔を空けた出走になりがちだった点、そして馬装をいろいろと取り替えていたように難しい面もあっただろうと想像させる点。昨年は1月から始動してひと叩きされてからは僅差の競馬を続けていたので、今回は、2月の戦線復帰から2度叩かれての移籍になったのはひとまず良い方の材料と受け取りたいところ。2億7000万ホースの転入初戦、まずは注目。
対抗は(9)レールガン。前走敗れてこの春3連勝はなりませんでしたが、この春の水沢の馬場傾向で、この馬の脚質で、常に上位争いしているだけでもやはり地力はあると感じさせたものです。それで評価は下がらないし1800mに伸びる点も有利な材料。
三番手は(4)ジャッジでどうでしょうか。A級でも勝ち負けしていた一昨年ほどの勢いではないものの、この春も状態は決して悪くない印象。JRA時代以来の1800m戦ですが、JRAでの2勝目が東京2100m、長めの距離にも対応するシニスターミニスターの産駒。1800mの条件は合っていいと見ます。
以下は(6)メイショウメイスイ・(7)サンエイコンドル。メイショウメイスイは以前盛岡1800mで好走経験ありとはいえマイル以上が凄く良い戦績ではないのは確かですが、近走で見せている好気配さが武器になって良いと見ての押さえです。(横川典視)
●11Rの買い目
馬単(2)=(9)、(2)=(4)、(9)=(4)、(2)→(6)、(2)→(7)
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