24日メインは岩手競馬の最長距離戦「第46回北上川大賞典」(水沢2500m)。昨年、一昨年は盛岡ダート2600mで行われ、2021年は盛岡ダート2500mで実施。今年は2020年以来、4年ぶりに水沢2500mで行われる。
北上川大賞典の特徴は何といっても連覇が多いこと。ボールドマックス、グレートホープ、エンパイアペガサスが3連覇を果たし、スリーパレード、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラ、グローバルゴットが2連覇。つまりリピーター、連覇が多いことで定評がある。今回の予想はそれが最大根拠となった。
ノーブルサターンは中央4勝、南関東を経て一昨年に転入。トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞2連勝を飾り、シーズンを終了。昨年は、シアンモア記念を完勝。秋以降は北上川大賞典を皮切りにトウケイニセイ記念、桐花賞と圧巻の重賞3連勝。満場一致で年度代表馬に選出された。今季も赤松杯から始動したが、4着に終わりシアンモア記念も3着止まり。4ヵ月半の休養に入り、9月に復帰。初戦をタイム差なし2着にまとめたが、すずらん賞は伸びを欠いて5着。案外の結果に終わったが、長距離戦・北上川大賞典で今季初勝利を飾る。
フレイムウィングスは中央ダート2勝、川崎1勝から転入。いまだ未勝利ながら昨年は北上川大賞典2着、桐花賞2着、一條記念みちのく大賞典3着。マーキュリーカップで地元最先着6着に善戦した。今季は重賞・あすなろ賞3着が最高だったが、前走・すずらん賞で2着確保。典型的なジリ脚タイプで距離が長ければ長いほどいいタイプ。今回の北上川大賞典が千載一遇の勝機と言っても過言ではない。
サクラトップキッドは東北優駿2着からやまびこ賞を快勝。待望の初タイトルを獲得し、JpnII・不来方賞6着から青藍賞へ挑戦。初の古馬オープンを相手に3着。すずらん賞はスローにも泣いて7着止まりだったが、前走ヒロシクンに0秒3差4着。これで上昇ムードに乗り、得意の長距離戦を迎えた。
ライアンは2歳時に平和賞(船橋)を制し、3歳時は羽田盃で2着を確保。ただ3歳以降は勝ち星から見放され、障害3戦を経て転入。赤松杯2着、シアンモア記念4着から芝からダート変更の交流・せきれい賞へ駒を進めて快勝。3年ぶりの白星を手にした。2ヶ月休養明けのすずらん賞6着に終わったが、ひと叩きされて変わり身必至。
ゴールドギアは昨年5月、中央芝5勝から転入。準重賞・かきつばた賞を制し、交流・せきれい賞2着などの成績から最優秀ターフホースへ選出された。ダートは未勝利だが、一條記念みちのく大賞典3着、前走・すずらん賞3着など長距離なら上位進出。昨北上川大賞典5着より上を目指す。
◎②ノーブルサターン
〇⑩フレイムウィングス
▲⑤サクラトップキッド
△⑪ライアン
△⑨ゴールドギア
△⑥ハクシンパーソナル
<お奨めの1頭>
4R エデバリ
転入戦は3ヵ月ぶりの実戦、未知の1000m戦だったが、0秒1差2着に惜敗して実力を証明。今度は首位を奪取する
11月17日(日)「第51回南部駒賞」(2歳・地方競馬全国交流 水沢1600m)
確実に圧倒的1番人気に支持されたであろう、ミラクルヴォイスが出走取り消し。前走・ネクストスター門別を完勝し、目下2連勝中。また母が岩手で活躍したミラクルフラワーも人気を後押ししたに違いない。想定は好枠を引き当てたバリウィールをマークして早めにまくる展開。カセノタイガーは追い込みタイプだが、展開を味方に次位、もしくは逆転のイメージだっただけに、様相は一変した。
逃げたのは想定どおり2番枠に入ったバリウィール、2番手にスティールブライト、3番手インにマツリダマスラオ、4番手にナンパセン。カセノタイガーも逃げ有利を意識していつもより前目5番手をキープした。
バリウィールが快調に飛ばし、それを見てカセノタイガーが2コーナーを回ってスパート。3コーナーで2馬身差まで詰め寄ったが、バリウィールとの差は縮まらず直線へ突入。セーフティリードを取って逃げたバリウィールにカセノタイガーが徐々に接近したが、0秒2差をつけてゴール。3連勝を飾り、重賞初挑戦で制覇を果たした。
1着・バリウィール=石川倭騎手
「ゲートを出るまではハナに行こうと思っていたので、隣の馬の様子を見ながら1コーナーまでには位置取りを判断した。リズムよく行けたし、もう一回ハミを取り直してくれる道中でしたから自信があった。最後は一杯一杯だったが、馬が強かった。元々、体質の弱かったところがあったみたいで、最初の方は成績が出なかったですけど、夏を過ぎてからしっかりしてきた。どこまで成長していくのか楽しみです」
小国博行調教師
「体質的に弱いところがあって、ここまで我慢しただけはあった。調教量も前回よりはずっとやってきていました。追い切りを二本行っても大丈夫なくらい丈夫になってきていたから、これなら良いかなと思ってここに挑んだ。馬も成長して体も20キロくらい大きくなって良くなっていたと思います。レースはジョッキーに任せた。序盤で結構出して行っているからどれだけ我慢できるかなと思っていたけど、1コーナーに入るところでも落ち着いていたから大丈夫だなと。ここまでは無理をさせたくないと思って間隔をあけてしたし、これからも長めの距離を使うことになるでしょうが、次戦については馬と相談して、オーナーやジョッキーとも相談して考えます」
バリウィールは5月28日、デビュー戦2着。2戦目は出走取り消ししたが、続く一戦で初勝利をマークした。4戦目4着、5戦目2着から2連勝をあげたが、今回は約2ヵ月ぶりの実戦。調教師コメントどおり、馬の状態と相談してぶっつけて重賞初挑戦、初遠征を試みて見事結実。父フォーウィールドライブは高知・ドライブアウェイ(ネクストスター高知)に続いて2頭目の重賞ウイナーを輩出した。
2着・カセノタイガー
デビュー2戦目からメンバー最速の上がりを披露。今回も最速の上がりを駆使したが、先行ペースに持ち込まれては如何ともし難かった。このタイプは交流レース向き。もう少し器用さが備わるようになれば、重賞タイトルを手にできる器だと思う。
今週の岩手競馬
11月24日(日) 「第46回北上川大賞典」(オープン 水沢2500m)
11月25日(月) 「スプリント特別」(オープン 水沢1400m)
11月26日(火) 「初冬特別」(A級 水沢1600m)
11月17日の水沢競馬場で行われた2歳馬の地方競馬全国交流重賞『南部駒賞』。当初は地元3頭・ホッカイドウ勢6頭の構図だったところから遠征馬が1頭出走取消となって8頭立てで行われ、遠征馬のバリウィールが優勝しました。
スタート直後こそスティールブライトに前に出られそうになったバリウィールでしたがすぐに巻き返してハナに。その後はペースをコントロール、「最後は一杯一杯でした」と鞍上・石川倭騎手は振り返ったものの、後続の追撃を振り切るには十分な、最後までしっかりとした脚取りでゴール。自身初遠征、初の重賞挑戦で初制覇を果たしました。
1番人気カセノタイガーは最後まで食い下がったものの2着まで。9馬身離れた3着にステラビアンカと遠征勢が馬券対象圏内を独占。地元マツリダマスラオが4着に食い込んで遠征勢の掲示板独占を阻止しました。
岩手競馬は今週から水沢競馬場に舞台を移しました。その初日の17日は、日中は汗ばむほどに高い気温でパドックで馬を曳く厩務員さんの中には半袖で出てきている人もいましたが、翌18日は一転して氷雨が降って底冷えする、みぞれも降るような寒い一日になりました。冬近しというよりは本来は今頃は冬なんだなということを改めて思わされましたね。体調管理には皆様もお気を付けて・・・。
11月19日のメインレースは12Rです。B2級ダート1600m戦『夢・希望 未来へ前進』。本命は(11)キタノコンドルを採りました。
古馬編入後は2着・6着・5着と勝ち星までは手が届いていない近況ですがいずれも大きな差ではなく、むしろ常に上位争いに加わってきていると安定感を評価してもいい内容でした。前走なども勝った馬は元A級の格上馬、そこからは少し離されましたが2着以下の争いではより僅差でしたし、であれば今回のメンバーは相手関係が少し楽になっているという見立てもできるはず。上位争い、勝ち負けもできると判断しました。
対抗は(1)ピースワンパルフェ。最近の勝ち星は盛岡に偏った形ですが水沢・マイルでも何度も好走しています。最内枠からすんなり逃げを打つことができたなら粘りこむチャンスも十分有り、では。
(10)ファイナルマズルが三番手。勝ち星はC1級、B級では敗戦という結果をそのまま見ればクラスの壁ということにもなるのでしょうが、この馬も◎同様に前走などは強敵にぶつかった結果と見るべき。右回りも決して合わない戦績ではないですし、ここで大きく変わってきても不思議はないはずです。
(8)ニーケススマイルは相手強化で少し立ち止まった感じになりましたが前走でB2級にもメドを立てました。右回り経験も豊富。(3)テーオーアマゾンは後方から来る脚質だけに今の水沢の馬場傾向とマッチするかどうか?が懸念材料になるわけですが、流れが向きさえすれば盛岡・水沢は問わないですし、当日の傾向を見ながら狙いの厚みを変えるのがベターでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(11)=(1)、(11)=(10)、(11)=(8)、(1)=(10)、(11)→(3)
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追悼・トーホウエンペラー③
2001年、マイルチャンピオンシップ南部杯2着後、トーホウエンペラーは新潟(県競馬)・朱鷺大賞典(当時GIII)へ遠征。左回りでは激しく内にササる癖があったが、鞍上・菅原勲騎手はなんとか持ちこたえ快勝。初のグレードタイトルを手にした。
続いて浦和記念(当時GII)へ駒を進めたが、再び内にササりっ放しだったためレイズスズランの2着に敗退。東京大賞典(当時GI)は3番人気に甘んじたが、リージェントブラフの追撃を半馬身差で退けて快勝。ついにGIタイトルを手にした。
菊池武騎手「東京大賞典の優勝が一番うれしかった。ついにやったなという感じでした。トレードマークの覆面も自分がオーナーの勝負服をイメージして作ってもらいました。志半ばで騎手を断念しましたが、トーホウエンペラーに出会って本当に幸せだなと思います」
続いてマイルチャンピオンシップ南部杯も期待に応えて完勝。2着にも地元バンケーティングが入り、スタンドから大歓声。大地が二度揺れた。
「実は妻といっしょにトーホウエンペラーに会いたいとJTBへ行こうと考えていました。仕事の都合がつかず先送りしましたが、間に合わなくて残念です。大好きなバナナを1本、食べさせてやりたかった。それが心残りです」。現在、菊池武くんは茨城の牧場にいる。毎日、雑務にも追われて忙しい日々を送っている。
盛岡競馬場アトリウムに設置された記帳は100名を超えた。遠くは宝塚市から訪れてくれたという。(終)
18日メインはB2級特別「ノベンバーカップ」(水沢1400m)。今週から舞台が盛岡から水沢へ替わった上、各馬が一長一短のメンバー構成。非常に難解な一戦となった。
アルティマボスは現在、8戦連続で馬券対象。すべて3着以上にまとめ、抜群の安定感を誇っている。前々走タイム差なし2着、前走0秒1差3着と惜しいところで勝利を逃がしているが、今回は絶好の1番枠。主導権を握り、今季2勝目を飾る。
ピヤージュは南関東から再転入後、凡走を繰り返していたが、ようやく状態アップ。前々走3着から前回快勝。待望の白星を手にした。距離1400mも合い、逆転2連勝まで十分。
ソルデベラーノは前回2着。休み明け3戦目で好走し、今度から3勝2着2回の水沢が舞台。得意コースに替わって首位奪取のシーンまで。
ケイティキセキは中央芝2着1回、ダート2着2回。転入後は入着止まりだが、徐々に内容が良化。そろそろ激走が観られる可能性が大きい。
ハシュマルは自分の競馬ができないとモロいが、前々走のようにうまく流れに乗れると粘りを発揮。今回は好枠にも恵まれ、巻き返し必至。
シャンブレーは堅実な差し脚が武器。前走のようにハイペースが理想だが、時には自力で動けるケースもあり、マークが欠かせない。
◎①アルティマボス
〇③ピヤージュ
▲⑤ソルデベラーノ
△⑦ケイティキセキ
△②ハシュマル
△④シャンブレー
<お奨めの1頭>
5R トモサカエ
デビュー戦2着から2戦目を完勝。ひと叩きされて反応がシャープになった。これで軌道に乗ったのは間違いなし。2連勝に王手をかけた。
17日メインは2歳馬による地方競馬全国交流「第51回南部駒賞」(水沢1600m)。過去10年は北海道5勝、岩手5勝とまったく五分の成績だが、あくまでも岩手は世代レベル。昨年のフジユージーンが象徴だが、現時点で岩手は正直に言うと小粒。よって北海道勢優位は動かない感じだ。
ミラクルヴォイスの母ミラクルフラワーは、一條記念みちのく大賞典を含めて岩手で10勝、門別で3勝をマークした強豪牝馬。岩手のファンにもお馴染み。デビュー戦で逃げ切りを決めたが、2戦目から出遅れグセを出して5、3着。しかし4戦目を快勝し、ネクストスター門別へ出走。豪快なまくりを決めて重賞初制覇を果たした。長距離輸送、初コースが不安だが、克服できれば重賞2連勝の可能性が高い。
カセノタイガーはデビュー戦4着後、2戦目から2勝2着4回。前走・JBC2歳優駿を含め、メンバー最速の上がりを披露してきた。ネックは前半で置かれる脚質で小回り水沢対応がカギ。しかし過去に戦ってきたメンバーは門別一線級、JRA馬が相手。地力で水沢も克服する。
ナンパセンは門別1200m・新馬戦を6馬身差で圧勝。2戦目は1700m延長もこたえて6着。続いて1200mへ戻って首位を奪回し、サッポロクラシックカップ8着。オープンに戻って快勝、重賞・サンライズカップ7着。好走、凡走を繰り返しているが、自分の競馬ができれば巻き返し必至。
バリウィールはデビュー2戦目を快勝し、6戦3勝2着2回。馬券対象から外れたのは4走前4着のみと抜群の安定感。持ち味は軽快な先行力と強じんな粘り。有力馬に差しタイプが多く、先行有利の流れ。目下2連勝中と波に乗り、願ってもない絶好枠。あっさり逃げ切りまで。
スティールブライトはデビュー戦2着、2戦目を快勝して重賞路線へ名乗りをあげたが、リリーカップ4着が最高。ネクストスター門別で10着に沈んだが、続く門別1000m・0秒3差5着から盛岡・プリンセスカップへ参戦。積極的なレース運びから直線半ばで先頭。クビ差2着に惜敗した。牡馬相手にも好勝負必至。
ステラビアンカは門別1100m・新馬戦を快勝。2戦目は1700m延長も影響して4着に終わったが、距離2度目の前走で首位を奪回した。キャリアわずか3戦で伸びしろ十分に加え、中央、地方を問わず活躍馬を多数輩出するダノンレジェンド産駒。重賞初挑戦で制覇のシーンまで。
印はすべて北海道所属馬に付したが、岩手期待はマツリダマスラオ。調教の動きがなかなか実戦に結びつかなかったが、若駒賞で馬群を割って快勝。待望の重賞タイトルを手にした。レースに集中できれば上位進出が可能。
◎⑧ミラクルヴォイス
〇⑦カセノタイガー
▲⑤ナンパセン
△②バリウィール
△③スティールブライト
△④ステラビアンカ
<お奨めの1頭>
7R マグナムハート
前走8着は出遅れが致命傷となった。水沢850m1勝2着1回と問題なく、首位を奪回する