8月29日に行われた牝馬の地方競馬全国交流重賞『ビューチフルドリーマーカップ』は1番人気に推された浦和・ラインカリーナが優勝。JRA所属時代の2019年関東オークス以来となる重賞制覇となりました。
自らハナに立つ形でレースの流れを支配したラインカリーナ。道中はライバル達に競りかけられるシーンもありましたが最後まで退け続け、ゴールでは2馬身半の差を付ける快勝。自身二つ目の、地方転籍後は初めてになる重賞タイトルを獲得しました。
2着はゴール前急襲した北海道・サイファリス、3着には2番手追走していた船橋・アブソルートクイン。4着も川崎・サルサレイアが確保。しかし5着には岩手のユノートルベルが食い込んで遠征勢の上位独占は阻止した形。このレースはこれで11年連続遠征勢の勝利となりました。
8月最終日となる31日。メインレースは青藍賞トライアルとなる準重賞『すずらん賞』です。
先週あたりは夏の暑さが戻ってきた感があった盛岡ですが今週はすっかり気温が下がり秋の気配の方が強くなってきました。そう思って中長期予報を見に行くと・・・「予想される気温:低め」になってる・・・。先々週くらいまでは「残暑が厳しく平年よりも高め」だったのに・・・。まあそれだけ天気の変化が激しく予測しづらいという事ですよね。2日先の天気予報もその通りにならないくらいですから。
さて盛岡はこの一週間ほどぐずついた天候が続き、この週末も競馬開催時こそ降りませんでしたが夜間や早朝に雨が降ることが多かったです。火曜の盛岡競馬も「重」の発表、時計やや速めで先行有利の傾向は火曜日も大きく変わることはないと思われます。
すずらん賞の本命は(5)ロードキングを狙います。
JRA時代には芝・ダート両方に勝ち星あり、岩手でも双方を経験したのですが、ここまでの印象からはどちらかといえばダートの方がより強さを発揮するように感じます。前走にしても結果は3着でしたが先行馬が止まらない馬場傾向の中で上がり最速の脚を繰り出してのもの。それはやはり"ダートの方が末脚が活きる"と見るべき結果だったでしょう。
今回も先行優勢が想定される馬場傾向ですが、前走時ほどの強力な先行馬はいないだけに立ち回りのうまさの勝負になりそう。その点でも極端に後方から動くタイプではないこの馬にとっては戦いやすい条件になるのでは。ただやはりある程度差し届く馬場になった方がベターなのも確か。馬場傾向には最後まで注意が必要でしょう。
対抗は(3)タイセイブラスト。三走前に重賞・栗駒賞を制しているように、またそれ以外の安定した成績のように、本来ならここでも頭ひとつ抜けた実績・地力を持っている馬です。マイルが若干長いかもしれませんが守備範囲でしょうし前走だけで軽視はできません。ただ一番調子が良かったのは水沢戦の頃だったという印象もあります。気配には注意しておきたいところ。
三番手は(7)レールガンでどうでしょうか。以前は長めの距離で末脚を活かす競馬をしていましたが今季はマイルに対応した走りを見せています。1200mのグレードレースだった前走はともかくマイルなら、狙い目は十分にあるはず。
(1)ヤマショウブラックも前走で立ち直り気配を見せました。というかこの馬の場合、これまでは馬場傾向に持ち味を殺がれて良い結果を残せずにいたと思います。手頃な頭数・相手関係のここなら前走同様の、それ以上の結果も期待して良さそう。
もう一頭は(4)ペイシャリル。前走なども少頭数・やや手薄な相手関係だったので過信は禁物ですが、近走はこの馬なりに高いレベルで安定しているように見えます。後方から来るタイプが多いここで前走のようにマークの薄い逃げを打てれば面白い結果になるかも。
●11Rの買い目
馬単(5)=(3)、(5)=(7)、(5)=(1)、(5)=(4)
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山本聡哉騎手が岩手競馬史上5人目の地方競馬通算2000勝を達成した。8月24日(火)第5R・3歳C1戦で自きゅう舎のホーリーバジルに騎乗。中団キープから直線抜け出しを決めた。
山本聡哉騎手は2005年4月16日デビュー。約1ヵ月後の5月14日、デビュー戦と同じ騎乗馬シンボリプレーリーで初勝利を飾った。16年4ヵ月での2000勝は史上最速(騎乗数は別)での達成となった。
山本聡哉騎手「1500勝を達成したとき、次の目標を2000勝に置いていましたから、達成できた今はフワフワしている感覚です。デビュー当時からあこがれていた数字でした。
ここまで決して平坦ではなくて、嬉しいことや楽しいことだけじゃなく、辛いことや悲しいこともいっぱいあって、こうして2000勝を達成できたのは感慨深いです。
今日の記録達成は真っ先に家族へ伝えたい。今年5月、怪我をしているときはほとんど介護に近い状態だったんですけども、身体的にも精神的にも支えてくれましたからね。
この先、目標としている数字はまだありますが、今日はゆっくりしていて達成したことを味わいたい。落ち着いたらまたそういう数字に向かって頑張っていきたいと思っています」
山本聡哉騎手は2015年から4年連続でリーディングジョッキーに輝き、2019年は村上忍騎手に首位を譲ったが、昨年奪回。今年も5月に肘脱臼などの大怪我を負ったが、7月には復帰。白星を着実に伸ばしている。まずはおめでとうと伝えたい。
30日メインはA級二組「新涼特別」(盛岡ダート1600m)。オープン牝馬は前日のビューチフルドリーマーカップ、牡馬は翌日31日の準重賞・すずらん賞へエントリー。手薄なオープン戦となった。
本命はチスジ。中央4戦未勝利から3歳8月に岩手入り。なかなか勝利を飾ることができなかったが、6戦目に初勝利をあげたのをきっかけに4勝マークでシーズンを終了。
今季はC1級からB1級へ二階級特進。初戦10着、2戦目から3、4着止まりだったが、4戦目から2連勝。ついにA級入りを果たした。チスジがおもしろいのは昇級すると苦戦を続けること。壁に突き当たってしまうのだが、使うたびに地力アップ。昇級4戦目で待望のオープン勝利を飾った。
続くフェアリーカップは牝馬一線級が相手で後方のまま7着に終わったが、自己条件に戻った前走2着に反撃。健在を誇示した。今回はメンバー有利が明らか。チャンスをモノにしたいところだろう。
マイネルエメは中央1勝、南関東B3級から昨年4月に転入。C2編入にも恵まれて8勝を荒稼ぎ。A級でも勝ち星をあげた。冬場は南関東へ移籍して2戦5、9着から里帰り。凡走を繰り返していたが、徐々に本来の動きを取り戻してここ2戦2、3着。ようやく復活の気配をうかがわせている。
前走は2着チスジから1秒3差も離された3着。常識的には逆転は至難の業の印象を与えるが、上昇度はこちらが上。元々、レース運びのうまさに定評があり、流れ次第では単まで十分。
アドマイヤコメットは昨年3勝。A級でも逃げ切りを決め、重賞・トウケイニセイ記念にもエントリーしたが、残念ながら取り止めとなった。今季未勝利と粘りを欠くレースが続くが、2着1回3着1回。外目枠を引いたのは割り引きだが、スンナリ逃げれればシーズン初勝利のシーンまで。
エクスポーネントは昨年6月、ジューンカップ(B2)快勝後、戦線離脱。10ヵ月の休養から今年4月に復帰。当初は休み明けの影響もあって凡走したが、近走1勝3着2回と持ち味の安定感を発揮。前走4着が物足りないが、巻き返す余地は十分。
ウインルーカスは今季2勝を水沢1300m、1400mでマーク。マイルは入着一杯だが、こなせない訳ではなく押さえ必要。
サマニーは短距離タイプだが、3走前に同条件の盛岡1600m戦を快勝。
◎③チスジ
〇①マイネルエメ
▲⑨アドマイヤコメット
△⑦エクスポーネント
△④ウインルーカス
△⑧サマニー
<お奨めの1頭>
3R フタイテンロック
前開催の芝1000m戦も使えたが、万全を期してダート1000mをデビュー戦に選択。ここは不退転で臨む
29日(日)メイン12Rは3歳以上牝馬による地方競馬全国交流「第47回ビューチフルドリーマーカップ」(盛岡ダート2000m)。昨年まで水沢1900mが舞台だったが、2011年以来、10年ぶりに盛岡で実施される。
同レースが"GRANDAME-JAPAN2021"古馬シーズンに組み込まれたのが2010年。その年は地元岩手のマイネベリンダが逃げ切って優勝したが、以降は遠征馬が10年連続制覇。北海道7勝、南関東3勝という足跡となっている。今年も遠征馬が6頭参戦し、圧倒的優位は動かない。
ラインカリーナは3歳時、中央ダート2勝からJpnII・関東オークス(川崎2100m)へ参戦。4番人気ながら鮮やかな逃げ切りを決め、1番人気マドラスチェックの追撃を完封した。マドラスチェックはその後、TCK女王盃優勝、JBCレディスクラシック2着。関東オークスのレースレベルは推して知るべしだった。
一方、ラインカリーナは勝ち星こそないが、ブリーダーズゴールドカップ3着、クイーン賞(船橋)3着。牡馬相手にも佐賀記念4着。重賞の常連となった。
今年2月、南関東へ移籍して2戦6、4着から休養。7月に復帰し、2戦目に兵庫サマークイーン賞へ名乗り。名古屋の伏兵シーアフェアリーに出し抜けを食らい、ラインカリーナもスパートをかけたが、前が壁になる不利。それでも直線で一完歩ごとに差を詰めて0秒1差2着。負けて強しの一戦だった。
ラインカリーナが仮に優勝すれば15ポイント加算され、合計24ポイントで暫定トップ。グランダム総合優勝に向けて、是が非でも勝利を飾りたいところ。関東オークス以来の美酒を味わう。
アブソルートクインは北海道5戦1勝から船橋入り。条件クラスから着実に白星を積み重ねて4勝マーク。昨年12月から牝馬交流へ名乗り。当初3戦は着外だったが、前走は門別・ノースクイーンカップへ遠征。
佐賀ヴィーナスカップで9着に敗れ、単勝6番人気だったが、直線であわやのシーンを作ってコーラルツッキーの0秒1差3着。これで今後のメドが立った。さらに2000mは2勝2着2回の好成績を残し、距離延長は望むところ。
サルサレイアは中央ダート2勝2着7回3着5回。二けた着順が一度もなく、南関東へトレード。JpnIII・クイーン賞(船橋)で姉サルサディオーネの3着に健闘した。
気になるのは兵庫サマークイーン賞が3着だったが、勝ち馬から1秒3差。離されすぎの印象があるが、中央2勝を左回りでマーク。盛岡に替われば反撃必至。
サイファリスは中央未勝利から北海道へ転入。着外に沈んだのは3走前の一度のみと堅実さを発揮。続く一戦を2着にまとめ、軌道修正。重賞初挑戦のノースクイーンカップでも4着に入った。ブリーダーズGC取り消し後だが、状態は問題なさそう。
フワトロは中央未勝利から園田2連勝後、再び中央入り。初戦で1勝クラスを快勝した。今年春に川崎2000mで2連勝を飾り、前走はA2下で3着。その成績なら十分通用する。
マルケイマーヴェルは次第に調子を上げ、前々走のA級戦を快勝してトライアル準重賞・フェアリーカップへ挑戦。コーナーでもたつきながらも直線を向いて一気突き抜けて6馬身差。上昇一途をたどっている。遠征馬は強力だが、盛岡コースと相性抜群。
◎①ラインカリーナ
〇④アブソルートクイン
▲⑭サルサレイア
△③サイファリス
△⑦フワトロ
△⑧マルケイマーヴェル
<お奨めの1頭>
10R ネイチャーモルサム
勝ち切れないレースが続くが、目下3戦連続で2着。直線長い盛岡を得意とし、今度こそ首位を奪取する
8月22日に行われた3歳馬の重賞『イーハトーブマイル』2番人気マツリダスティールが優勝。昨年9月のジュニアグランプリ以来11ヶ月ぶりの重賞制覇、自身3つめのタイトル獲得となりました。
2歳時は芝で4勝、昨年の岩手競馬最優秀ターフホースにも選ばれた同馬ですが今期はここまで未勝利。なかなか白星を掴めなかった同馬でしたが、ここでは3番手追走の積極的なレース運びから直線一気に突き放す強さを見せて快勝。同馬にとっては実はこれがダートでの初勝利。それが重賞という珍しい結果ともなりました。
8月24日のメインレースは11RのB1級ダート1600m『夢・希望 未来へ前進』。夏の日差しが戻り暑さも戻ってきたこの週末でしたが、日月と稍重・重という状態でレースが行われて、途中雨が降ったりもしたとはいえ、日差しがさしていても馬場状態の回復が遅めというあたり、夏の日差しが戻ったように見えてやはり真夏のそれとは変わってきているのかなと思ったりしますね。24日も、良馬場であっても以前ほどパサパサに乾いた良馬場ではないと考えて良いと思います。
このレースの本命は(5)ツーエムアリエスを採りました。
5月の水沢戦で10着・7着という成績がありますがそれは1800m・2000mという距離の影響があったでしょう。マイルでは岩手転入後7戦して3着以下なし。盛岡マイルにも苦手感はありません。先行タイプ故に展開、他の馬の出方に左右されやすい面があるのは確かでしょうが、ここ二走は強力な同型と競り合わざるを得なかった、それによっての3着続きだった点もまた考慮しなければならないでしょう。
今回も同型散在ですが近走ほどの手強さではないでしょうし、見方を変えれば同型と競り合っても3着を確保していたしぶとさがあるとも言えます。馬場傾向が極端に差し馬有利に変化しない限り、ここもこの馬の先行力を信頼していいと見ます。
対抗は(10)サンサダンサー。前走が今季初白星、それも7番人気からの勝利ですから評価は上がらないかもしれませんが、大きく出遅れた二走前を除けばB1級マイルで崩れていません。盛岡マイルも好走経験が多い条件ですから軽視は禁物でしょう。課題とすれば大外枠、ただそれも流れ次第と考えて良いはず。
(6)ナムラバンザイは春先にA級に昇級してから少しリズムを崩していましたがここにきて流れを取り戻して来た気配があります。芝での健闘が目につく近走ですがもとよりダートに苦手感無し。上位突入に要警戒。
以下はまず(1)ナイトメア。B2級で3連勝からのB1昇級で連敗の形ですが内容的には僅差、敗戦は展開のアヤとみるべきでしょう。内枠に不利のない今週ならすんなり流れに乗ってそのままのシーンまで。
芝で好走が続いた(3)シンボリタピットは、しかし春の水沢戦、深いダートを苦にせず健闘していたことを思い出せばダートでも警戒したい存在。ただ、軽いダートで切れ味勝負になるのはつらいかも。どちらかと言えばコース状態の回復が進んで少し上がりがかかるくらいになったなら、でしょう。
●11Rの買い目
馬単(5)=(10)、(5)=(6)、(5)=(1)、(5)→(3)、
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昨日は2歳重賞・若駒賞を振り返ったが、今日はOROカップ・トライアル「第44回桂樹杯」を取り上げてみたい。
単勝1・7倍の圧倒的1番人気に支持されたのはロワアブソリューだった。前走・かきつばた賞はOROカップ以来、9ヵ月ぶりの実戦だったが、まったく問題にせず1秒差で圧勝。コースレコードに0秒2という破格タイムもマークした。
その後はせきれい賞をスキップして桂樹杯2連覇を狙って登場。最大目標OROカップへ向けて動き始めたが、前走が休み明け前に対してプラス9キロ。今度はさらに体重が増えてプラス7キロの527キロ。見た目にも太め残りの印象だった。
レース後、櫻田康二調教師に話を聞いたところ「夏負けが響いて乗り込めなかったのが痛かった。この一戦を叩いて変わってくるはずです」とコメント。本番までにはまだ時間がある。ロードクエストは強力だが、巻き返しに期待したい。
勝ったのはマスターコード。9番人気の低評価を覆し、鮮やかなまくりを決めて3馬身差。準重賞だったが、塚本涼人騎手に初タイトルをプレゼントした。「転入戦は脚を余して4着。もう少し手前から動いてもいいと思って臨みました」。
マスターコードは中央芝2000m以上で3勝。当初はせきれい賞狙いだったが、1700mに活路を開いた。こちらもOROカップへ直行する。
23日メインはB1級「秋桜賞」(盛岡ダート1200m)。実力伯仲のメンバーがそろい、伏兵も散在。一筋縄ではいかない印象だ。
サンエイキングダムは今年4月のA級戦を脚部不安のため出走取り消し。7月に復帰を果たし、シーズン初出走でも2着を確保した。続く1000m戦はデビュー以来2度目。さすがに追走するのに手こずって後方2番手からの競馬。届くのは至難の業と思ったが、上がり3ハロン35秒5の驚異的な末脚で盛岡坂を一気突き抜けた。さすが3歳時、岩手クラシックをにぎわした強豪。改めて地力を誇示した。
今回は1200mへ延長されたのは好材料。距離未経験だが、前回より前目でレースができるのは確実。2連勝を飾り、A級へ殴り込みをかける。
ジェドゥラシャンスは前走3着に終わり、自身の連対が5でストップしたが、大外に入り、前半で折り合いを欠いたのが痛かった。前々走で1200mを快勝したように、掛かる心配がないのが心強い。B1昇級戦でも好勝負に持ち込める。
サクセスストーリーは前走7着をどう評価するか。後方のままブービー負けを喫したが、馬場にも泣いた感じだった。今回の盛岡1200m戦は3走前に快勝し、これまで3戦2勝2着1回とパーフェクト連対。古豪健在を誇示する。
ラバーブも前走、案外の8着だったが、こちらも流れに乗れなかった。それ以前の2戦2着で粘りを証明済み。内枠を生かして巻き返しに転じる。
カガジャドールも前走以外は安定。強烈な決め手を武器とし、ペース速くなれば直線台頭のシーンまで。
ミスティカルは3戦連続5着。次第に存在感が薄れてきたが、ひとまず大崩れなし。前走大外から最内枠1番枠に反撃の余地がある。
◎⑤サンエイキングダム
〇②ジェドゥラシャンス
▲⑥サクセスストーリー
△④ラバーブ
△⑦カガジャドール
△①ミスティカル
<お奨めの1頭>
1R ライブスター
目下2連勝中に加え、前走1000m戦の強さが際立っていた。条件同じならもう一丁いける