★重賞 知床賞/北海道のヤマショウブラックが優勝
10月28日に行われた2歳馬による北海道・岩手交流重賞『知床賞』は4番人気の北海道ヤマショウブラックが制しました。
レースは序盤から北海道勢が激しく先行争いを繰り広げる展開。ヤマショウブラックは最後方から徐々に追い上げ3コーナーからの勝負所では先行集団に取りつく位置に。最後は抜け出し粘るグロリアスカメオを外から一気に差しきってのゴール。ヤマショウブラックは初の重賞制覇、また騎乗した鈴木祐騎手にとっても自身初の重賞タイトルとなりました。
10月28日のメインレースは8Rの芝特別『秋嶺賞』。OROパーク盛岡競馬場での開催も僅かとなりましたが、今季最終となる来週は芝レースが行われないためにこの秋嶺賞が"今季最後の芝レース"となります。あいにくの雨模様で馬場状態はあまり良くないのが残念ですが、今季最後の芝戦をじっくりお楽しみ下さい。
さて本命は。ここは(8)マコトハインケルとしました。
本馬の父マコトスパルビエロは2009年のマーキュリーカップを制しているようにダートの中長距離の馬という印象があります。産駒もダート向きかと思いきや、マコトハインケルは昨年のジュニアGPで僅差の5着に、また今年のオパールカップでも2着に入っていたりするように少なくとも盛岡の芝との相性は悪くありません。
前走は11着でしたがこれは2000mという距離でハイペースの先行争いに巻き込まれたため。馬の状態は非常に良く映り、より適距離に近い1700m、それも自己条件なら前走のようなことにはならないでしょう。
対抗は(1)ピンクスパイダー。最近は大きな着順の数字が目だってしまっていますが基本的に芝でこその馬。それは前走で改めて証明もしています。差し馬のこの馬にとって最内枠が意外に悩み所かもしれませんが芝適性と堅実度では上位になる存在です。
3番手も(5)タイキパラドックスと前哨戦が良かった馬をピックアップ。1000mもこなしましたがやはりちょっと短かったのでしょう。強気に立ち回って押し通した前走は高く評価していいと思いますし、馬場状態の悪い芝なら先行力が大きな武器になるのでは。
(6)プリムラブルガリスの前走、タイキパラドックスやピンクスパイダーの3着の内容は悪くないと言えるのですが、もうひと押し何か欲しかった気も。ここは芝云々よりは本来格上の安定感に期待してみる方向で。(4)メドゥシアナの近走は状態自体は悪くないように見えます。大きく出遅れずに立ち回れれば上位争いも。
●8Rの買い目
馬単(8)=(1)、(8)=(5)、(8)→(6)、(8)→(4)
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★オッズパークLOTO 5重勝/10月29日(対象8R~12R)
8R/評価A: 8番 評価B: 5番、 6番 穴:4番
9R/評価A: 8番 評価B:11番、 4番 穴:1番
10R/評価A: 6番 評価B: 7番 穴:8番、9番
11R/評価A: 3番 評価B: 4番、11番 穴:7番
12R/評価A: 7番 評価B: 8番、 9番 穴:2番
10月28日メインは北海道、岩手2歳交流「第9回知床賞」(盛岡ダート1400m)。
このレースは人馬の交流を促進する目的でスタート。1年ごとの持ち回りで実施された。初年度2008年は門別1200mで「岩手山特別」の名称で行われ、北海道クラフィンライデンが優勝。翌年は「知床賞」が水沢1600mで行われ、岩手のダンストンルティーが優勝。
3回目の岩手山特別は北海道ドラゴンウィスカーが、4回目(2011年)の知床賞は岩手アスペクトが優勝した。
5回目(2012年)の岩手山特別はグレイスウォードが優勝したが、知床賞の重賞昇格に伴い、岩手山特別は発展的解消。盛岡ダート1400mを舞台にして現在に至っている。
その第3回以降は北海道勢が6連勝中。昨年もスタークニナガ、ヒガシウィザードで北海道ワンツーでフィニッシュを決めた。
さすがハイレベルと層の厚さを誇る北海道2歳。今年も優位は動かないだろう。
本命はラブミージュニア。デビュー戦2着から2戦目を圧勝。続く栄冠賞は1番人気14着に沈んだが、軌道修正して1、2着。前走は2ヵ月ぶりの実戦だったが、直線いい脚を使って連対を確保した。
父ゴールドアリュール、母ラブミーチャン、母父サウスヴィグラスはダート界を代表する名馬の結晶。個人的にも知床賞を優勝し、今後の飛躍台になることを期待したい。
イコライザーは盛岡芝1600m交流・ジュニアグランプリへ参戦。カネヒキリ産駒で芝が不安視されたが、3着同着。優勝リンゾウチャネルが完勝したが、2着とは僅差の戦いを演じた。
今度は実績のあるダートが舞台。コースは違っても盛岡競馬場を走ったのも強み。角川きゅう舎のワンツーが本線となった。
ウィズジョイは水沢850mを10馬身差で圧勝し、衝撃のデビュー戦。直後に放牧に出て帰郷2戦は2、3着に終わったが、前走ダート1000m戦を逃げ切り完勝。コースレコードに0秒5の破格タイムもマークし、改めて能力あることを証明した。
北海道勢は強力だが、スケール引けを取らないはず。地の利を生かして7年ぶりの岩手勢優勝なるか。
ハッピーエマーブルはデビュー2戦目を逃げ切り勝ち。父サウスヴィグラスから豊かなスピードを受け継いだ。コース広い盛岡はタイプ的に若干不安あるが、4番枠は好材料。マイペースに持ち込んで逃げ切りをもくろむ。
グロリアスカメオはデビュー2戦2着から3戦目を勝ち、園田プリンセスカップへ挑戦。3番人気に支持されたが、1コーナーで外方逸走。これで戦意を喪失した。その意味でワンターンの盛岡で反撃があるかも。
ヤマショウブラックは距離延びて頭角を現し、1700m2勝。ジリ脚タイプの印象があり、距離短縮がカギだが、早めに動ければ連対十分。
◎⑨ラブミージュニア
〇⑥イコライザー
▲②ウィズジョイ
△④ハッピーエマーブル
△⑪グロリアスカメオ
△⑧ヤマショウブラック
<お奨めの1頭>
4R ウインカルナヴァル
転入2戦も完勝し、C2では地力の違いが明らか。距離延長も難なくクリアーする
21日、盛岡ダート2000mで行われた「第50回不来方賞」は歴史に残る名勝負となった。
S1・戸塚記念(川崎)を豪快なマクリで完勝したチャイヤプーンが凱旋帰郷。不来方賞、ダービーグランプリの岩手三冠を目指した。
一方、サンエイキャピタルは長期休養をはさみながら、デビューから無敗4連勝。距離経験は1600mまでだったが、果敢に不来方賞へ挑戦した。
逃げの手に出たサンエイキャピタルに対し、チャイヤプーンは中団キープから3コーナーで徐々にスパート。4コーナーで射程圏に入れ、直線を向いて2頭のマッチレース。
内で粘るサンエイキャピタルを直線半ばでチャイヤプーンが交わしたが、サンエイキャピタルが驚異的な根性を発揮。内から差し返し、クビ差抜け出したところがゴール。スタンドから大歓声が巻き起こった。
サンエイキャピタルはこれで自身の連勝を5に伸ばし、ダービーグランプリへ直行する。仮に優勝すれば史上初の無敗二冠馬となる。
もちろんチャイヤプーンも黙って引き下がるはずがない。今年のダービーGPは盛り上がること確実だ。
27日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1二組・B2一組 盛岡ダート1600m)。
主軸はアイアムヒラケゴマ。一昨年9月、中央未勝利から転入。2戦目4着以外はすべて3着以上。11戦7勝2着3回の好成績を収め、南関東へ転籍。1勝2着3回3着6回とマズマズの結果を出し、B3へ在籍した。
転入前3戦は着外だったが、それ以前は大崩なし。トップハンデ57キロを背負っても500キロを優に超える大型馬。岩手B1・B2ならフリーパスと見ていいだろう。
ただ勝ち味の遅さがあり、ほかもつけ入る余地は十分。逆転筆頭はロジテースト。中央芝ダートで2勝。高知2勝、名古屋B級から移籍して4戦2勝3着2回。
前走は好位キープからアッサリ抜け出しを決めて2勝目マーク。その前2戦は差しに転じて3着とどんな戦法も取れるのが強み。マイルへ替わっても好勝負必至。
ヤコウレッシャは今季着外は守備範囲外の2000mと適性ない芝の2戦のみ。他はすべて入着を果たしている。
ここ4戦は着止まりだが、1800mが長く、近2走は1200mの忙しい競馬が合わなかった。今度は3戦2勝2着1回の盛岡ダ1600mが舞台。しかも絶好の1枠を引き当て、反撃のお膳立ては整った。
リンノメサイアは高知A級から転入して2勝2着4回3着5回。相手なりに駆ける堅実さを身上とする。前走は流れが合わず、折り合いを欠いたのが致命傷で5着。それならばマイル短縮で反撃に転じて不思議はない。
ゲットザグルーブは着順安定しなかったが、前走は思い切って最後方待機策から直線一気に台頭。メンバー最速の上がり37秒5の末脚で2着を確保した。アテにしずらいタイプだが、ペース次第で再現可能。
パラボラは前走、1200m戦で決め手を生かして快勝。1600mでも2勝マークし、延長も大丈夫。弾みついたのが不気味。
◎④アイアムヒラケゴマ
〇⑥ロジテースト
▲①ヤコウレッシャ
△⑨リンノメサイア
△⑤ゲットザグルーブ
△②パラボラ
<お奨めの1頭>
5R レヴァンタール
芝に替わった移籍2戦目をハイタイムで完勝。中央1000万下の底力を誇示した。好調馬がそろったが、ここでも地力は一枚上
★重賞 OROターフスプリント/9歳シャドウパーティーが優勝
10月20日に行われた今季最後の芝重賞『OROターフスプリント』は7番人気の9歳馬シャドウパーティーが差切り勝ちを収めました。
前走は8枠から終始外を回らざるを得なかったシャドウパーティーは今回は中団で上手く流れに乗れるポジションを確保。先行勢の勢いが鈍った所に乗じて脚を伸ばすと最後は上がり3ハロン34.0秒、メンバー中最速の脚を繰り出して差し切り勝ち。9歳秋にして初の重賞制覇となりました。
2着は1番人気コスモロングソード、3着は浦和のジョーオリオン。2番人気スタークニナガは9着、3番人気ユイノルフィは7着に終わっています。
★重賞 不来方賞/死闘の末サンエイキャピタルが金星
10月21日に行われた3歳ダートの重賞『不来方賞』。戦前のチャイヤプーン・サンエイキャピタル二頭一騎討ちの下馬評は確かにその通りでしたが、勝ったのはサンエイキャピタルでした。
ハナに立ったサンエイキャピタルと中団から徐々に追いつめていったチャイヤプーン。直線でチャイヤプーンが前に出た所まではそのもくろみ通りだったはず。しかしゴール寸前、一度は不利な体勢に追いやられたサンエイキャピタルが盛り返します。最後はクビ差巻き返してゴール。死闘の末にタイトルを手にしたのはサンエイキャピタルでした。
サンエイキャピタルはこれでデビューから5戦5勝。次戦は「無敗のダービーGP馬」を目指します。
10月22日のメインレースは8Rです。C1級芝1000mの『五葉山賞』。盛岡競馬場は9月下旬からコース照明を使用したはくぼ競馬を続けていますが、現状では芝コース用の照明が無いため芝のレースは日没前に組まれます。今週は、先週よりもさらに早くの8R。馬券購入の際にはレース番号にご注意下さい。
このレースの本命は(9)ハガキノハナです。
前走が岩手転入2戦目の初勝利となった同馬ですが、JRA時代にも芝短距離で健闘してきていたようにやはり短距離の方が合う印象。今回はその前走で破った相手がほとんどでもあり、走破タイム的にはもう少し速いものが欲しいのは確かですが、ここも主力視できるでしょう。
余談ですがこのハガキノハナはシニスターミニスター産駒。不来方賞を制したサンエイキャピタルもシニスターミニスターの産駒でした。どちらかといえばダートの中長距離が得意な種牡馬で芝はイマイチなのですが、唯一得意と言えるのが短距離の芝。そういう視点でも興味深いレースになるのではないでしょうか。
対抗は(6)ゲートウェイアーチ。前走でやはり芝が合うことを証明。短距離も、もの凄く得意では無いかもしれませんがこなせそうな戦績です。もしかしたら芝の短距離向きかも・・・を狙ってみる所。
3番手は(3)アロを。暑い時期に調子を崩していましたがここに来て連続で踏ん張りを見せて復調気配が出てきました。1000mで1分を切るかどうかの戦いになるのならそろそろ通用して良い頃合い。
(2)ガトリングエイトは芝も短距離もこなすのですが、デビューから未勝利な事に現れている通りどうも善戦止まり。ここは相手が軽いだけに何とかしたい所ですが。(5)ディクタムは前走がそんなに悪い内容ではない。前走がフロックの6着と思われて盲点になるようなら狙い目です。
●8Rの買い目
馬単(9)=(6)、(9)=(3)、(9)=(2)、(9)=(5)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/10月22日(対象7R~11R)
7R/評価A: 7番 評価B: 1番 穴:8番
8R/評価A: 9番 評価B: 6番 穴:3番、5番
9R/評価A: 2番 評価B: 6番、 9番 穴:10番
10R/評価A: 7番 評価B: 5番 穴:9番、6番
11R/評価A: 4番 評価B: 7番 穴:1番、8番
競馬には待ちに待った一戦がある。岩手競馬なら古くはスイフトセイダイ、グレートホープのSG対決。トウケイニセイ、モリユウプリンスのTM対決。
今年は青藍賞でエンパイアペガサス、ベンテンコゾウの対決がそうだった。レースが成立する最小限の5頭立てながら、2頭は向正面から早くもマッチレース。プレッシャーをかけるエンパイアペガサスに対し、持ち前の粘りを発揮するベンテンコゾウ。直線を向いても差しつ差されつの攻防を繰り広げたが、最後はエンパイアペガサスが力でねじ伏せた。
そして10月21日、今年50回を迎える3歳伝統の「不来方賞」でチャイヤプーン、サンエイキャピタルが初めて激突する。舞台もダートのクラシックディスタンス2000m。
チャイヤプーンは父フェデラリスト、母サイレントエクセル(その父ウイングアロー)。岩手のファンは血統だけで感情移入ができるだろう。
サイレントエクセルはオウシュウクラウン、テンショウボスと同期生で近年では最強世代と言われた。
サイレントエクセルは牡馬相手に互角の勝負を演じ、当時GI格付けだったダービーグランプリで地方最先着3着に善戦。ほかに12勝をマークした女傑だった。
繁殖入り後はなかなかいい仔に恵まれなかったが、フェデラリストとの相性が良かったのだろう。馬格に恵まれた上、強じんな心肺機能を持っていた。
デビューは北海道で3戦2勝から岩手に移籍したが、入ったきゅう舎が千葉幸喜調教師。同師はきゅう務員時代、サイレントエクセルと苦楽を共にした。
初戦の知床賞は急仕上げだったため3着に敗れたが、態勢を立て直して寒菊賞から岩手ダービーダイヤモンドカップまで破竹の5連勝。
岩手No.1に君臨したが、より高いステージを求めて南関東へ移籍。最大目標はダービーグランプリだったが、それを手にするため、たとえ敗戦を喫しても強豪と戦うのは必ずプラスになるとオーナーは確信していた。
ところがチャイヤプーンは想定をはるかに超える強さで戸塚記念を勝った。1枠に入り、終始内で砂を被りっ放しだったが、4コーナーで外に出すと豪快にまくった。
さらに直線半ばで完全に先頭に立ったと思ったら、いきなり内に切れ込んで森泰斗騎手をヒヤッとさせた。これはいつも通りの風景、いつものクセ。チャイヤプーンはチャイヤプーンらしいレースで勝利をもぎ取ってしまった。
千葉幸喜調教師「南関東の強豪を倒し、今度は岩手同士が相手。負けられないプレッシャーがあるが、万全の態勢で臨めば自ずと結果は出るはず」とコメントした。
一方、サンエイキャピタルはサマーセールで1458万円(税込)で落札されたシニスターミニスター産駒。
思い出すのはデビュー戦。昨年7月30日、パドックで見た瞬間、一目惚れした。1頭だけモノが違っていた。
レースも衝撃的。決して芝向きの走法だとは思わなかったが、芝1000mを全身フルに使って完勝。口取り後思わず、瀬戸幸一調教師に「今年の一番馬ですよ!」と興奮して口走ってしまった。
当然、2戦目が待ち遠しくてならなかったが、脚元がモヤモヤしているとのこと。結果、復帰まで1年近くまでかかってしまった。
今年6月24日、サンエイキャピタルはウイナーカップへエントリーした。しかし、長期休養でいきなり重賞では荷が重いと思って無印。
良くても一度叩いてからだろうと考えていたが、出遅れながらも外を回って豪快なマクリで1着。
記憶に間違いなければ、デビュー1戦のみから1年近くの休養明けで、重賞を制したのは岩手ではサンエイキャピタルが初めて。ただただ感服した。
その後はJRA相手・アンバー賞、3歳準重賞・イーハトーブマイルと逃げ切り楽勝。スケールの大きさをアピールした。
今回はチャイヤプーンが相手。距離もマイルまでしか経験していないのに、一気に延長2000mが舞台。過酷な条件がそろったが、大器サンエイキャピタルはそれをも克服してしまうのか。
チャイヤプーンvsサンエイキャピタル。今年の不来方賞はまさしく"待ちに待った一戦"となった。
◎④チャイヤプーン
〇⑦サンエイキャピタル
▲⑧ムゲンノカノウセイ
△⑩マコトハインケル
△⑥ナナヒカリ
<お奨めの1頭>
3R ヒューリスティクス
3ヵ月ぶりの実戦をモノともせず、転入初戦を圧勝。相手強化感もなく、2連勝に疑いなし