今年で20回目を迎える2歳芝・地方競馬全国交流「ジュニアグランプリ」(M1 盛岡芝1600m)。
創設は1999年。当初は新潟、上山の東北三県交流でスタートし、2003年から全国の地方競馬に門戸を開放。
以降、北海道7勝、岩手7勝、船橋1勝。北海道と岩手は五分だが、ここ10年に限ると北海道7勝、岩手3勝と北海道勢が優位に立っている。
以上のデータから今年も北海道に分がありそうだが、一昨年はダズンフラワー、3年前はソロフライトと岩手代表が優勝。地区レベルは厳然としてあるが、地の利を生かす可能性も十分考えられる。
主軸にサンエイフラワーを抜てきする。姉は前記ダズンフラワー。父がバトルプランからロージズインメイに変わったが、デビュー戦の芝1000mを59秒7の今季一番時計で新馬戦を快勝。奇しくもダズンフラワーの1着タイムと同じだった。
続いて重賞・若鮎賞に駒を進め、出遅れながらも逃げたマリーグレイスの2番手をキープ。しかし後続にいた1番人気ミラクルジャガーの動きを意識してマリーグレイスを楽に逃がしたのが致命傷。いつでも交わせる態勢だったが、まんまと逃げきられた。
結果、ミラクルジャガーの追撃を3着に封じたが、クビ差2着に惜敗。高橋悠里騎手も悔しかったに違いない。
続くビギナーズカップはダートに手こずって中団のまま5着。改めて適性ある芝・ジュニアグランプリへ仕切り直しで選んだ。
今年は過去最多頭数の14頭立て。引き当てた1枠は包まれれば凶と出るし、内の経済コースを進んで馬群がばらけたら吉と出る枠。
基本的に盛岡芝1600mは内枠有利。思い切ったプレーに徹すれば優勝する可能性は十分あるはずだ。
ライズインザノースは札幌芝1800m・コスモス賞へ挑戦。4コーナーで失速したが、2番手を追走できたのが収穫。勝ったナイママは札幌2歳ステークスで惜しくも2着。強豪と戦った経験がこのレースに生きるのは確実。
管理する田中淳司調教師は過去、セラミックガール、パーティメーカーでジュニアグランプリを優勝。勝算あっての遠征は間違いない。
リンゾウチャネルは先行力と強じんな粘りで4戦2勝2着2回。特に前走はスタートから2頭が併せ馬の形でハイペースを形成。逃げたゲッテルフンケンを競り落としたが、中団にいたタイムゴールドに漁夫の利を得られた格好。
未経験の芝対応がネックだが、父はオールウェザー時代のドバイワールドカップを制したモンテロッソ。母父がタヤスツヨシならこなせる血統。レースのカギも握る。
ミラクルジャガーは芝2連勝から若鮎賞に挑戦したが、ゲート難を出して最後方からの競馬。メンバー最速の上がりを駆使したが、0秒1差3着に敗れた。
今回もスタートが課題だが、交流レースは総じてハイペース。流れ速くなれば直線一気に突き抜けるシーンまで。
ピュアセレニティーはブラックタイド、母父ストラヴィンスキー。しかも小柄な牝馬ならダートより芝向きは明らか。時計のかかる門別に手こずっている印象があり、盛岡芝で一変する気配を感じさせる。
アンビートゥンは札幌・クローバー賞をモレイラ騎手指名でエントリーしたが、残念ながら出走取り消し。ダート色が強い配合だが、田中淳司調教師が芝が向くと踏んだはず。やはり不気味さが残る。
◎①サンエイフラワー
〇⑨ライズインザノース
▲⑥リンゾウチャネル
△④ミラクルジャガー
△⑫ピュアセレニティー
△⑭アンビートゥン
<お奨めの1頭>
7R ダズンフラワー
芝1000mで目下3連勝中。姉が勝てばサンエイフラワーにも弾みがつく。ここは必勝のクラ
先週9日、水沢1600mで行われた南部杯トライアル「第26回青藍賞」は戦前の評価どおりエンパイアペガサス、ベンテンコゾウのマッチレース。抜きつ抜かれつの攻防を繰り広げ、最後はエンパイアペガサスがパワーでねじ伏せた。
菅原俊吏騎手「位置取りはスタート次第でしたが、雨が降って馬場が軽くなっていたので(ベンテンコゾウを)早め射程圏に入れてレースを進めました。
レース間隔を取ったおかげで馬もリフレッシュできたのか、いつも以上に動きも反応が良かった。南部杯はJRA勢のレベルが高いと思いますが、地元の期待に応えて頑張りたいと思っています」
そう。次走は岩手代表で臨む南部杯。すでにゴールドドリーム、ノンコノユメ、ルヴァンスレーヴなどが参戦を表明し、過去最強のメンバーがそろいそうだが、成長続けるエンパイアペガサスがどんな戦いで挑むのか。今から決戦当日が待ち遠しい。
15日メインは3歳準重賞「第6回イーハトーブマイル」(盛岡ダート1600m)。2年前、エンパイアペガサスが順当勝ちを収め、以降に弾みをつけた一戦でもあった。今年もスターホースの誕生なるか。
その筆頭候補はもちろんサンエイキャピタル。日本で最大規模を誇る北海道サマーセールで1458万円(税込)で落札された期待馬がデビュー戦を完勝。
大物誕生で注目を集めたが、脚部不安が発生。約1年の休養に入り、今年6月に戦列復帰。いきなり重賞・ウイナーカップへエントリー。潜在能力は誰もが認めたが、長期休養明けでは厳しいと判断。10頭立て8番人気に甘んじたが、出遅れを喫しながらもロングスパートを決めて優勝。周囲をアッと言わせた。
続いてJRA3歳交流・アンバー賞へ駒を進め、今度は逃げ切り圧勝。中央馬をアッサリ一蹴し、改めて能力の高さをアピールした。
その後はごほうびも含めて暑い夏は休養に専念。秋のビッグレースに向けてイーハトーブマイルから始動する。
ここも迷わず追いかける手。先日、南関東重賞・戸塚記念で鮮やかな直線抜け出しを決めたチャイヤプーンが里帰り。不来方賞、ダービーグランプリを制し、ロックハンドスター以来の岩手三冠を狙うが、それを阻止できるのはサンエイキャピタル。イーハトーブマイルは今後に向けても負けられない一戦となった。
エルノヴィオはやまびこ賞3着、岩手ダービーダイヤモンドカップ2着。いずれもチャイヤプーンが優勝したが、トップで通用を証明済み。
前走は伸びを欠いて5着に終わったが、水沢開催替わり初日は逃げ馬と内枠が圧倒的有利。外を回ったロスが一番の敗因だった。その反動もなく順調そのもの。今季実績から次位は譲れないところだろう。
ムゲンノカノウセイは典型的な奥手タイプ。初勝利まで6戦を要したが、一戦ごとに地力強化。今季2戦目のスプリングカップで2着を確保した。
前走は適性なかった芝で基準外。前々走でエルノヴィオとの叩き合いの末、惜しくもハナ差2着。流れ速くなれば先着の可能性は十分ある。
ミスティカルは中央未勝利ながらダートで2着1回3着1回。浦和交流で初勝利を飾り、そのまま岩手入り。初戦は久々の実戦で4着だったが、2戦目を完勝。58キロのトップハンデが微妙だが、地力は互角以上。
コスモキリュウは2連勝で臨んだJRA交流で連続3着。芝が課題だったが難なくクリアーし、前回圧勝。格下だが、勢いに乗っているのは間違いない。
ナムラバンザイは持ち賞金の関係で58キロを背負う。ガサのない牡馬でこの酷量は厳しいが、中央1勝・南関東1勝。大外でも逃げれば侮れない。
◎①サンエイキャピタル
〇⑦エルノヴィオ
▲⑪ムゲンノカノウセイ
△④ミスティカル
△⑨コスモキリュウ
△⑫ナムラバンザイ
<お奨めの1頭>
2R ウェーブスピリッツ
転入初戦は出遅れながらも3着確保。このメンバーでただ1頭だけ1分23秒台をマークし、能力上位は明らか
★重賞 青藍賞はエンパイアペガサスがベンテンコゾウを破る
9月9日に行われた南部杯トライアルの重賞『青藍賞』は戦前の下馬評通りエンパイアペガサス・ベンテンコゾウの一騎討ち。ゴール寸前まで続いた接戦はエンパイアペガサスがクビ差でベンテンコゾウを退けました。
逃げたベンテンコゾウを3番手から追うエンパイアペガサス。3コーナー手前からはこの2頭の一騎討ちの形になりました。いったんは前に出るエンパイアペガサスでしたがベンテンコゾウも懸命に粘り直線では盛り返す勢い。しかし最後はエンパイアペガサスの脚色がやや優勢になって勝敗決しました。
エンパイアペガサスはこれで重賞11勝目。次戦は南部杯に向かう予定です。
秋の水沢開催の最終日になる10日月曜、メインレースは12RのA級一組『仲秋特別』ダート1900m戦です。秋の・・・とは書きましたがこの水沢開催は非常に蒸し暑かったり、そうでなければ雨の影響でグズグズしたりと爽やかな感じの日があまりなかった印象ですよね。この月曜日も1日雨の予報ですので馬場状態にはご注意下さい。
さて仲秋特別の本命は(3)ダンストンレガーメを狙ってみます。前走のビューチフルドリーマーカップ、今回と同じ距離の1900mでの戦いでは6着に終わっている同馬ですが、距離がやや長いのは確かだったでしょうが展開も微妙に向かなかった印象でした。みちのく大賞典5着の実績どおりここで極端な力の差は無いでしょうし、なにより水沢の方が戦いやすい馬ですからコース替わりを前に一度好レースを期待したい所。
対抗は(1)グランウブロ。準重賞勝ち、みちのく大賞典では3着とここまでの実績では断然の存在。どちらかといえば叩き良化型に思える分、今回は対抗にしたのですが、このくらいのメンバーならあっさり勝っておかしくないでしょう。
(4)ケルヴィンサイドはA級特別では非常に堅実に戦います。展開に注文がつきやすいのかそれとも相手なりに戦うタイプなのか。その辺、自力で勝ち抜くシーンを想像しづらいものの、他馬との比較で上位なのは確かだし先行競馬ができる点も有利。
(5)シンゲツ。直近の戦績はやや奮わない感じも春先はこの条件で見せ場を作っていました。前走で変化を見せたように水沢も合うはずで穴ならこれ。(2)ヒドゥンブレイドは逆に、状態は悪く無さそうなのにもうひとつらしい形にならない。雨馬場になって変化を期待。
●12Rの買い目
馬単(3)=(1)、(3)=(4)、(3)→(5)、(3)→(2)
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★オッズパークLOTO 5重勝/9月10日(対象8R~12R)
8R/評価A: 1番 評価B: 4番、 6番
9R/評価A: 3番 評価B: 9番 穴:2番
10R/評価A: 6番 評価B: 3番、11番 穴:2番
11R/評価A: 3番 評価B: 6番 穴:11番、12番
12R/評価A: 3番、 1番 評価B: 4番 穴:5番
9日メインは"Road to 南部杯"「第26回青藍賞」(M2 水沢1600m)。1着馬に南部杯への優先出走権が与えられる。
前日8日から南部杯カウントダウンもスタート。残り30日を切り、いよいよ決戦の日が近づいてきているのを実感する。
特に今年は過去最強の布陣ともっぱらの噂。GI4勝ゴールドドリーム、フェブラリーSで見事な追い込みを決めたノンコノユメ、ジャパンダートダービーを完勝した3歳馬ルヴァンスレーヴ、ダートグレード6勝、ダートGIの常連インカンテーション、2014年、15年を連覇したベストウォーリアなどそうそうたる顔ぶれ。
岩手勢も南部杯の最終切符を手に入れるべくベンテンコゾウ、エンパイアペガサスが名乗り。出走予定馬が相次いで回避し5頭立てとなったが、この激突が見られれば十分。どちらに軍配が上がるか非常に興味深い。
ベンテンコゾウはシアンモア記念を圧勝し、南関東からの連勝を4に伸ばして休養。恒例のテンコートレセンへ移動した。
理由は前年、北海道3冠制覇を目指したものの、王冠賞を前に夏負け。それもこたえて3着に敗れたため、早めに休養に入った。
青藍賞から始動は当初の予定どおり。英気を養ったベンテンコゾウが久々を問題にせず、勝利をモノにして南部杯へ挑戦するか。久々の再会を楽しみにしている。
エンパイアペガサスは昨年、報知グランプリカップ優勝。今年はオグリキャップ記念圧勝の勲章を手にして帰郷。ひと叩きされて伝統のみちのく大賞典2連覇の偉業を達成した。
マーキュリーカップは善戦及ばず7着だったが、自身の盛岡2000m最高タイムを大幅に更新した。
近走は一貫して1800m以上を使われて、久々の1600m対応が最大ネックだが、昨年の桐花賞でベンテンコゾウを完封。2度目の対決でも先輩の貫禄を見せつけるか。
チェリーピッカーは昨年の覇者。重賞初挑戦でタイトル獲得の快挙を果たした。その後は勝ち星から遠ざかり、スランプ状態が続いたが、あすなろ賞、みちのく大賞典、すずらん賞2着確保で復活ののろし。
本質的に水沢1600mがベストの条件。破壊力が薄れたのは中距離以上を使われた可能性もあり、すずらん賞から駒を進めたのは好材料。豪快なマクリがよみがえるか注目。
メイショウオセアンは昨年未勝利に終わったのはメンタル面も大きかったか。今年2戦目から短距離に矛先を変えて心機一転。850m戦で岩手初勝利を飾り、前々走・岩鷲賞で悲願のタイトルを獲得。今ならマイルでも好勝負に持ち込める。
◎①ベンテンコゾウ
〇④エンパイアペガサス
▲②チェリーピッカー
△⑤メイショウオセアン
<お奨めの1頭>
3R ゼットヴィグラス
能力検査からレース間隔が開いたが、乗り込み万全。サウスヴィグラス産駒の期待馬がデビュー戦を飾る
先週2日、水沢1400mで行われた2歳重賞第二弾「第36回ビギナーズカップ」(M3)は5番人気グレートアラカーが優勝。デビュー戦の芝1000m3着から一変の動きを披露した。
レースはサンエイロイヤルが逃げ、2番手に北海道から転入ポエムロビン、その外をウィズジョイが追走。さらに大外にグレートアラカーがつけたが、1コーナーで外にふくれて幼い面を見せた。
それでも軌道修正して3コーナー手前からスパート。4角手前で先頭に立ち、そのまま押し切ってゴール。タイムパラドックス産駒の大型馬がキャリア2戦で重賞タイトルを獲得した。
管理するのは千葉幸喜調教師、鞍上は高松亮騎手。このコンビで思い出すのは2年前の2歳重賞・若鮎賞=メドゥシアナ。
舞台は芝だったが、デビュー戦は勝ったリュウノビーナスから1秒2差4着。2戦目に若鮎賞へ駒を進め、9番人気の低評価を覆して鮮やかなマクリを決めた。
陣営はデビュー戦3着は芝でもあり、想定内だったのだろう。この一戦を叩いてビギナーズカップへ臨み、舞台もダート。きっちり仕上げて自信の挑戦だったに違いない。
さすが数々のオープン馬を育ててきた千葉幸喜調教師。次走予定は若駒賞(10月14日)。レース間隔が開くと思うが、陣営に手抜かりなし。グレートアラカーがさらに成長した姿を楽しみに、再会を待ちたい。
8日メインはC1特別「夏油賞」(水沢1400m)。シゲルカガの出走も影響したのだろう。7頭立ての少頭数でシゲルカガに、さらに有利な条件がそろった。
シゲルカガは中央芝4勝、ダート1勝。2015年には北海道スプリントカップ(JpnIII)でポアゾンブラック、ダノンレジェンドを相手に逃げ切り快勝。
その後、南関東5戦0勝を経て今年1月に岩手入り。初戦A級8着の一戦のみでシーズンを終了し、今年6月から始動。
この間に年度替わりの格付けが行われ、シゲルカガは過去15走の持ち賞金が『0円』。岩手格付けルールでA級から一気に最下級C2でも一番下のクラスに編入された。
グレードウイナーで、なおかつ先行力が武器。地力の違いマザマザに今季7戦7勝。すべて逃げ切り勝ちを決めてきた。
今回からC1昇級だが、まだまだお釣りがくる相手。ここもフリーパスで自身の連勝を伸ばすのみ。
相手筆頭はドルメロ。南関東B3からアッサリ3連勝をマーク。シゲルカガと同様、C2で格の違いを見せつけたが、以降は勝ち切れないレースの連続。7戦未勝利だったが、前走・田瀬湖賞(C1・水沢1600m)を快勝。久々の美酒を味わい、勢いを取り戻した。
流れが落ち着くと不安だが、そこは総合力でカバー。盛岡へ替わる前に賞金を稼ぎたいところ。
モズアムールは田瀬湖賞で2着確保。苦手盛岡3戦のうっ憤を晴らした。距離短縮は望むところ。ドルメロに先着は十分あり得る。
スクリーンハッピーは田瀬湖賞で逃げたが、直線一杯3着。こちらも1400m短縮は歓迎だし、揉まれなければ控える競馬も可能。流れ次第で残り目あり。
前回初勝利で上昇明らかブライトエンジェル、相手なりに駆ける堅実派ヴァベーネは3着押さえ。
◎②シゲルカガ
〇⑤ドルメロ
▲⑥モズアムール
△④スクリーンハッピー
△①ブライトエンジェル
△③ヴァベーネ
<お奨めの1頭>
8R ウインプラージュ
目下3連勝中と破竹の進撃。ダート替わりも問題にせず、アッサリ逃げ切った。同じ850m戦なら中心に迷いなし