11月1日メインは「第6回知床賞」。岩手と北海道の人馬交流を目的に2008年に創設。門別と岩手の持ち回りで行われ、1回目は門別1200mを舞台に「岩手山特別」を実施。
優勝はクラフィンライデン。2着に岩手から遠征したセンリグランピーが健闘した。
翌年は岩手開催の「知床賞」。水沢1400mを舞台にダンストンルティーが優勝。2着ダークライ、3着ゴールデンライフと岩手勢が上位を独占した。
以上のように1年ごとに門別、岩手と交互に実施されていたが、2012年を最後に「岩手山特別」は休止。「知床賞」はそのまま残り、同年に重賞へ格上げ。
舞台も2011年から盛岡に移り、今年で6回目を数える。その年はアスペクト、エスプレッソ、マーライオンパークと岩手勢が1着から3着を確保したが、重賞へ格上げされて以降は北海道勢が3年連続で優勝。
昨年に至っては1着ミラクルフラワー、2着クリールジェニー、3着コーズウェイと上位を独占。北海道2歳の層の厚さとレベル差をマザマザと見せつける結果となった。
これらの足跡を考えると今年も北海道優位と見るのが妥当。正直、例年に比べて小粒なのは否定できないが、それでも力量上位は間違いないだろう。
主軸にシュネルバレイを指名。初勝利まで4戦を要したが、すべて1番人気。素質の高さを買われていたのは確か。
続く一戦も勝ち、ヤングチャレンジカップでも2着確保。重賞・イノセントカップ7着、サッポロクラシックカップ5着と上位の壁は厚かったが、今回は相手有利。重賞制覇に王手をかけた。
バッテリーパークは門別1200m・2歳新馬戦を1番人気に応えて快勝。エーデルワイス賞を制したアンペアの子供が幸先のいいスタートを切った。
以降の2戦は3、4着だが、内容を見ると勝負どころで一度下がりながらも直線ではいい脚を使っていた。まだレースを覚えていない感じだった。
今回、長距離輸送に加え、初コースなど克服するべき課題は多いが、クリアーさえできれば勝つ能力は持っている。
一方、地元の利を生かしたいのがウマノジョー。実戦を使われながら成長一途。まだ道中でフラフラしながらも3戦目から2連勝を飾った。
若駒賞は5着に終わったが、最後方に置かれては仕方なし。直線のみの競馬に終わり、反動は少しもなし。今度こそ積極的に攻めて素質開花といきたいところだ。
タッチワールドはキャリア8戦。2勝をマークし、タッチデュールの弟が着実にパワーアップ。前崩れになれば台頭十分。
ボーンインタイムは若駒賞7着に失速したが、出鼻を叩かれたのが致命傷。今度はハナを譲れないだろうし、絶好枠を引き当てた。
リックカグラは1000mのみしか経験ないが、直線の伸びを考えれば1400m延長は歓迎のはず。
◎(12)シュネルバレイ
〇(9)バッテリーパーク
▲(8)ウマノジョー
△(5)タッチワールド
△(4)ボーンインタイム
△(6)リックカグラ
<お奨めの1頭>
11R シークロム
自慢のスピードを前面に目下2連勝。破格タイムで逃げ切った。1800m延長は微妙だが、絶対能力でカバーする
先週お伝えした盛岡競馬場の紅葉は、おそらく今週がピーク。向う正面の森は赤、黄色、緑、そして茶色も入り交じり、最も見ごろを迎えた。
反論覚悟で言い切ってしまうが、これほどの紅葉を楽しめるのは盛岡競馬場が一番。視界に民家の類(たぐい)は全く入らず、あるのはスタンド、芝ダートコース、緑の屋根で統一されたきゅう舎、そして色づいた木々だけ。
交通アクセス的には不便だが、競馬場に到着したら完全な異空間。スタンドを背にすると岩手山を裾野から眺めることができるし、コース側は多色で彩られた紅葉と全力疾走する競走馬たち。
春もいいし、夏もいいが、盛岡競馬場は今の季節がお奨め。今シーズンの盛岡開催は残すところ今週と来週の2週間のみ。紅葉をバックに熱い戦いを期待したい。
31日メインはB1級二組による盛岡ダート1600m戦「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」。岩手県調騎会騎手部会が協賛し、賞金の一部はいわての学び希望基金へ寄付される。
主軸はコスモイフリート。相手なりに駆ける堅実さを身上とするが、詰めに課題を抱えて昨年1勝のみ。
忙しい競馬が合わなかったが、今年は3勝マーク。マイル克服が最大の収穫となった。ここ4戦に限れば2勝3着2回。鞍上・菅原辰徳騎手が自信を持って乗っている。
今回はほぼ勝負付けが済んだメンバー構成。時計も1丁ほど抜けており、連勝の可能性は高い。
逆転があるとすれば同僚のスパンコール。シャープな末脚を武器に2勝2着4回。牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップでも岩手最先着3着を確保した。
前走8着はJRA相手だけではなく、先行2頭での決着。自慢の切れを出せずに終わったもので気配落ちはまったくなし。地元同士の戦いに戻り、鮮やかなまくりを決める。
ドナエテルニテは中央1勝・500万下から転入。初戦の水沢1300m戦を逃げ切り、2戦目の牝馬重賞・ヴィーナススプリントでもタイム差なし2着。
盛岡に替わって白神賞8着、前走4着と精彩を欠いているが、コースよりもハイペースがたたった印象。マイペースの逃げならマイルでも残り目は十分ありそう。
イキナヤツは3戦連続で着外だが、元々はA級でも勝ち負けの実力馬。反撃に期待したい。あとは白神賞2着カネツパワー、積極策を条件にゼンノブショウが押さえ候補。
◎(4)コスモイフリート
〇(3)スパンコール
▲(10)ドナエテルニテ
△(1)イキナヤツ
△(2)カネツパワー
△(5)ゼンノブショウ
<お奨めの1頭>
9R スティンライクビー
名前のとおり『蝶のように舞い、蜂のように刺す』シャープなスピードで初戦を圧勝。昇級戦もまったく問題ない
★OROターフスプリント/エゴイストが芝短距離重賞2連勝
10月24日に行われた芝1000mの重賞『OROターフスプリント』。今季最後の芝の交流重賞は地元エゴイストがV。交流タイトルを守りました。
ハーベストカップ同様、今回も逃げたエゴイストは快速ぶりを存分に発揮。後続を寄せ付けないままに58秒2の好タイムで優勝しました。
また、2着はケイアイアストン、3着はエーシンシャラクと、ハーベストカップの上位馬が今回も上位を占めています。1番人気に推された北海道・クリーンエコロジーは9着に終わりました。
★不来方賞/転入初戦ダイワエクシードが6馬身差完勝
10月25日は3歳の伝統の一戦『不来方賞』。春の実績馬がほとんど不在の混戦ムードでしたが、1番人気、転入初戦のダイワエクシードが優勝しました。
これが転入初戦だったダイワエクシードは初コースの戦いもものともせず逃げ切り勝ちを納め、転入初戦Vが重賞Vという離れ業。また、同馬を管理する千葉幸喜調教師は昨年に続きこのレース連覇です。
そして2着には11番人気ラブブレイブ、3着は5番人気ヴァイキングが占めて馬番3連単は26万9350円の大波乱となっています。
●10Rの買い目
馬単(10)=(8)、(10)=(5)、(10)→(1)、(10)→(2)
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ここにきて岩手は朝晩がめっきり寒くなった。放射冷却現象の影響もあると思うが、23日朝の盛岡は最低気温が0℃4分。これは気象台のある地点での気温。山の中腹にあるOROパーク=盛岡競馬場は下界より2度から3度は低い。
つまり盛岡競馬場は氷点下を記録したことになる。それを裏付けるように朝、攻め馬に向かう厩務員の一人が車に乗ろうとしたら、窓ガラスにびっしり氷が張っていたという。
この日の最高気温は17℃4分。ひとまず昼は平均だが、寒暖の差が激しく競馬場向う正面の木々は一気に紅葉が進んでいる。まだ緑が多く残っているが、今週来週あたりが見ごろになりそう。画面越しでもいいので、競馬観戦とセットで紅葉を楽しんでください。
25日メインは岩手伝統の3歳重賞「第47回不来方(こずかた)賞」。舞台は盛岡ダート2000m。
岩手競馬で47回を数えるのは不来方賞と岩鷲賞の2レースのみ。しかし岩鷲賞は血種、クラス、条件が何度も変更。一貫し同じ条件(サラブレッド3歳)で実施してきたのは不来方賞のみ。本当の意味で岩手のダービーは不来方賞。これを頭の片隅にでも置いてほしいと思う。
主軸にダイワエクシードを指名する。2走前の東京ダート2100mを逃げ切り勝ち。ほかにダート1800mで3着1回の実績を残した。
これは明らかに不来方賞をにらんでのトレード。兄姉はコンスタントに白星を挙げ、シュテルンターラー2勝、スペシャルポケット2勝、シュテルングランツ3勝など活躍馬が多いのも心強い。移籍初戦でいきなり重賞制覇を狙う。
ヴァイキングは岩手デビュー2戦後、門別1勝、大井2勝、名古屋0勝を経て里帰り。未勝利ながらウイナーカップ(3歳)、フェアリーカップ(牝馬オープン)、ひまわり賞(岩手版オークス)、イーハトーブマイル(3歳)で2着4回。
唯一、連対を外したのは牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップ9着のみと抜群の安定感を誇っている。しかも道中の手応えが悪くヒヤッとさせるのだが、結果は2着死守。能力の高さは相当なものと解釈していい。牡馬相手にも勝ち負け必至。
ゴッドバローズは福島芝1800mの2歳新馬戦を快勝。新潟2歳ステークスにも駒を進めた。初戦はパワーの要るダート克服がネックだったが、盛岡ダ1800mを1分52秒9の破格タイムで圧勝。単純に1ハロン分、13秒を足すと2分5秒9。これは不来方賞の勝ちタイムに匹敵し、アッサリも十分。
アクティブボスは中央2歳時は凡走の連続だったが、3歳を迎えて2着1回3着2回。成長の跡がはっきりうかがえ、転入初戦でロングスパートを決めて完勝。さらに上昇ムードで不来方賞を迎えたのが不気味。
カスミチャンは中央未勝利ながらダート1200m~1800mで幅広い距離で上位を確保。こちらも軽視できない。
◎(3)ダイワエクシード
〇(9)ヴァイキング
▲(7)ゴッドバローズ
△(11)アクティブボス
△(5)カスミチャン
<お奨めの1頭>
3R ペネトレイト
前走はスタートダッシュがつかなかった上、マークがきつく失速。しかし今回はメンバーが大幅に甘くなり、首位奪回に燃える
盛岡芝1000m重賞・OROターフスプリントのルーツは2009年にさかのぼる。元々は芝2400m特別だった『きんもくせい賞』を芝1000m・オープン特別に衣替え。
ウメノレイメイが2連覇を果たし、一躍注目の的。芝1000m戦のスピード、迫力がファンから熱い支持を集め、2011年に「OROターフスプリント」と命名された。
第1回から3回までは地元重賞で実施したが、昨年から地方競馬全国交流へ格上げ。今や岩手競馬の名物レースになるまで出世した。
昨年はトライアル・ハーベストカップを制したダブルスパークが優勝。2着にダイワスペシャル、3着にドリームフォワードが入り、地元岩手勢が上位を独占。3連単43500円の高配当で幕が閉じた。果たして今年はどんな結末が待っているか。
主軸選びに迷ったが、最終決断はクリーンエコロジーだった。中央5勝のうち3勝を芝1200mでマーク。北海道移籍後、門別1200m重賞・エトワール賞を豪快な大外一気で圧勝した。
レース間隔が開いたのと大外13番枠が気になるが、仕上げのすばらしさに定評がある田中淳司調教師のこと。遠征するからには自信ありと見ていいはず。地力上位。
逆転筆頭はエゴイスト。中央1勝からの転入だったが、初戦の盛岡ダート1400mで驚異的なダッシュ力を披露。前半3ハロン35秒1の超ハイペースで逃げた。
さすがに直線は一杯となったが、続くトライアル・ハーベストカップを逃げ切り完勝。初戦で見せたスピードはダテではなかったことを証明した。
一本調子の逃げタイプゆえマークされると厳しいが、願ってもない内枠3番枠を引き当てたのも強運。ダブルスパークと同じ道へまい進する。
インプレスウィナーは中央7勝。芝1400mで6勝をマークし、芝1200mでも2着1回。オーシャンステークス4着から高松宮記念に挑戦した実績を誇る。
OROカップは芝1700mが長く4着止まりだったが、今度の芝1000mは望むところ。コース2度目も心強い。
エーシンシャラクは転入後、芝1600m・桂樹杯以外はオール連対。ハーベストカップでも勝負どころでもたつきながら底力で2着をもぎ取った。1枠が微妙だが、経済コースを進めれればイン強襲を決める可能性も十分にある。
ミラクルフラワーは2歳時に知床賞、プリンセスカップと岩手重賞を驚異的なタイムで快勝した。芝も3走前の札幌芝1200mで経験して0秒7差9着。53キロの軽ハンデを生かして大物を食うか。
ケイアイアストンは短距離路線で古豪復活を誇示。ハーベストCでも巧みなレース運びで3着ならマーク欠かせない。
◎(13)クリーンエコロジー
〇(3)エゴイスト
▲(11)インプレスウィナー
△(1)エーシンシャラク
△(6)ミラクルフラワー
△(12)ケイアイアストン
<お奨めの1頭>
7R チョーハッピー
転入初戦で類まれなスピードで逃げ切り圧勝。ここでは走破タイムが違いすぎる