岩手競馬はいよいよ南部杯ウィークに突入するが、その露払いを務めるのが10日メイン「第15回ハーベストカップ」(盛岡芝1000m)。
ハーベストC自体の創設は2000年。1回目はB1特別・水沢1600mで実施され、アラブのライトジュピロがサラブレッドを一蹴した。
第4回は3歳特別で行われ、2004年に一度休止。翌年にC1特別で復活したが、クラス、舞台も芝1600m、芝2400m、盛岡ダート1800mなど毎回のように変更。
しかし第9回から盛岡芝1000mで舞台が固定し、当時B1戦でウメノレイメイが2連覇を達成。盛岡の名物レースとして定着。
一昨年からオープンに格上げされ、スーパーワシントン、ダブルスパークが優勝。今年5回目を迎える「OROターフスプリント」のトライアルと位置付けられた。
昨年から『OROターフスプリント』は地方競馬全国交流に昇格し、ハーベストCの1、2着馬に優先出走権が与えられ、より興味深い一戦となった。
主軸にエーシンシャラクを推す。園田7勝からJRAへ移籍。2勝マークして準オープンまで駆け上った。その後、園田、東海と転籍して今年6月に岩手入り。連対を外したのは芝1600m・桂樹杯5着のみ。短距離では芝ダートを問わず、2勝2着2回と連対パーフェクトを誇っている。
また4走前の盛岡芝1000mでケイアイアストンとの直接対決で完封。58秒2の破格タイムで逃げ切った。
今回はエーシンシャラクがトップハンデ58キロに対し、ケイアイアストンは56キロ。前回は57キロ、55キロ対決だったが、58キロは正直微妙。それでも総合力でエーシンシャラクが一歩リードと見る。
逆転筆頭はそのケイアイアストン。シーズン途中までは凡走を繰り返し、年齢的な衰えが見え隠れしたが、得意の短距離戦で見事復活。目下3連勝と完全に勢いを取り戻した。
10歳馬ながら馬体の張りは衰えなし。中央芝短距離オープンの底力で待望の重賞タイトルを手にするか。参考までに一昨年の覇者スーパーワシントンも10歳でハーベストCを制した。
エゴイストは中央ダート1勝2着3回から転入。これは特筆できるものではないが、岩手初戦で抜群のダッシュ力を披露。盛岡ダート1400mで前半3ハロン35秒1の超ハイラップで逃げた。
さすがに直線で一杯となったが、4コーナーでは勝つかの勢い。芝に替わるが1000m短縮は望むところだろう。
芝は2歳新馬・京都芝1200mでシャイニーガールの0秒3差4着。それ以来の芝だが、スピードで押し切るシーンまで十分。
ウインドジャズは中央芝4勝、オープンに在籍。高知1勝を経て転入し、初戦は後方から差を詰めただけに終わったが、実績のある芝で一変の可能性大。軽視はできない。
ナリタメロディは盛岡芝1000m2着2回。いずれもケイアイアストンに完敗だったが、適性は引けを取らない。エゴイストの出方次第だが、スンナリなら残り目あり。
シルクアーネストは昨年の最優秀ターフホース。今季は順調さを欠いて連覇を狙ったOROカップ10着。しかし叩かれた変わり身は見込め、未知の1000m戦でも不気味さが残る。
◎(9)エーシンシャラク
〇(11)ケイアイアストン
▲(8)エゴイスト
△(10)ウインドジャズ
△(7)ナリタメロディ
△(4)シルクアーネスト
<お奨めの1頭>
6R ヴァーサス
転入初戦で出遅れながらもキッチリ捕えて快勝。着差以上に強い内容だった。相手はロッセーラ
★マイルチャンピオンシップ南部杯 出走予定馬選定
10月12日に盛岡競馬場で行われる『マイルチャンピオンシップ南部杯JpnI』の出走予定馬が選定されました。
○JRA代表
アドマイヤロイヤル
エーシンビートロン
セイコーライコウ
タガノトネール
ベストウォーリア
ワンダーアキュート
(JRA補欠/レッドアルヴィス、キクノストーム、フミノファルコン、キングヒーロー、ダブルスター)
○地方他地区代表
オグリタイム(北海道)
カネマサゴールド(高知)
タイムズアロー(船橋)
ハッピースプリント(大井)
ポアゾンブラック(北海道)
(地方他地区補欠/ニシノカチヅクシ、クロスオーバー、シャトーコジーン)
○岩手代表
エアラギオール
コミュニティ
ナムラタイタン
ワットロンクン
中心はやはり昨年の南部杯の覇者・ベストウォーリアになるでしょう。しかし実績では最上位・最右翼のワンダーアキュート、地方の雄ハッピースプリント、ポアゾンブラックも有力馬の一角と見ていいでしょうし、岩手からナムラタイタンもその中に入れておきたい物。レースは来週の月曜日、あと一週間を切りました。皆様お楽しみに!
●11Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(9)、(4)=(8)、(4)→(6)、(4)→(11)
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昨日に続いて南部杯の話。今年は10月上旬にダートグレードレースが集中。10月3日、シリウスステークス(阪神ダート2000m)。10月6日、白山大賞典(金沢2100m)。そして日本テレビ盃(船橋1800m)が例年より1週間ほどずれ込み、10月7日に実施。これほどの過密スケジュールはかつてなかった。
必然的に有力馬が分散し、各レースとも表現は悪いが、手薄なメンバー構成となった。また11月3日にはJBC・大井、さらにはチャンピオンズカップも控え、各陣営ともローテーションを慎重に検討している印象がはっきりうかがえる。
現在、JRAと地方競馬の格差は広がる一方だが、今回の過密スケジュールによって地元馬にも好走の可能性が出てきた。岩手ではナムラタイタンが上位を争う絶好チャンスとなった。
村上昌幸調教師「青藍賞後も順調に乗り込んでいますし、ひと叩きされた上積みもあります。
昨年はみちのく大賞典からぶっつけで臨みましたが、本音を言うと使いたくなかった。7分程度の仕上がりでしたからね。ただ、JBC盛岡開催を盛り上げるのが役目と腹を括りました。
結果、JBCはひと叩きされていい状態で使えましたが、GIホースが6頭。役者がそろい過ぎました。
今回のメンバーならソコソコの競馬ができると踏んでいます。中央時代からのファンも多いですからね。大舞台で好レースをお見せしたいと思っています」
村上昌幸調教師は電光掲示板が目標と謙遜して答えたが、展開次第では馬券対象にもなれると勝手に思っている。できれば良馬場を願いたい。
4日メインは白神賞(B1 盛岡ダート1400m)。毎回、B1特別は激戦区だが、今回は序列に迷いがなかった。主軸はシークロムで断然だろう。
シークロムは前走・イーハトーブマイルを快走。盛岡ダート1600mを1分37秒8の破格タイムで逃げ切った。
前のレースでB1・1600m戦が行われたが、勝ったコスモイフリートの走破タイムが1分38秒7。シークロムは0秒9上回り、すでにB1は楽々突破の時計だった。
今回の条件がB1を考えると相手有利は明らか。距離が1400m短縮もスピードタイプゆえ、むしろ望むところ。順当に勝利をモノにする。
ただ、不気味な存在がいる。ドナエテルニテだ。中央500万下から転入初戦の水沢1300mを逃げ切り、2戦目の牝馬重賞・ヴィーナススプリントでも果敢に逃げてタイム差なし2着に惜敗した。
盛岡は初めてだが、今の馬場は先行有利。特に1400m以下が顕著だけに枠差を利して逃げ切りのシーンまで。
エーシンプローストは名古屋、園田、佐賀、名古屋と転籍して8勝。笠松B級からの転入ならB1通用だが、岩手2戦とも着外。これは条件が合わなかったのも大きく、3勝2着3回の1400m戦で巻き返しに転じる。
ゼンノブショウは前走、果敢にハナを主張して0秒8差4着。この芸当ができれば通用のメドが立ったし、距離1400m短縮も好材料。大外を引いたのが痛かったが、自分の競馬ができれば連対の可能性も十分。
ニホンピロララバイは今季3戦目から連勝を飾り、健在を誇示したと思ったが、以降は尻すぼみ気味。3戦連続で着外が気になるが、コース問わず1400mがベストの舞台。距離適性は見逃せない。
マイネヴァイザーは展開がカギを握るが、スンナリなら粘り発揮。枠順に恵まれた。
◎(9)シークロム
〇(6)ドナエテルニテ
▲(10)エーシンプロースト
△(12)ゼンノブショウ
△(4)ニホンピロララバイ
△(3)マイネヴァイザー
<お奨めの1頭>
10R アフリカンブルー
岩手転入後、圧巻の8連勝中。いずれもワンサイドで決め、どこまで連勝を伸ばすか楽しみ
いよいよ次週12日(月祝)は岩手唯一のJpnI「第28回マイルチャンピオンシップ南部杯」が行われるが、出走予定馬が発表された。
◇JRA代表・アドマイヤロイヤル、エーシンビートロン、セイコーライコウ、タガノトネール、ベストウォーリア、ワンダーアキュート。
◇他地区地方代表・タイムズアロー(船橋)、タッチデュール(笠松)、ハッピースプリント(大井)、ピッチシフター(名古屋)、ポアゾンブラック(北海道)ほか補欠5頭。
岩手代表・ナムラタイタン、コミュニティ、ワットロンクン、エアラギオールほか補欠3頭。
昨年の1、2着馬ベストウォーリア、ポアゾンブラックがそろって登場。またかしわ記念優勝で古豪健在を誇示ワンダーアキュートは昨年のJBCクラシックに続いて2度目の盛岡参戦。
以上3頭が人気になると思うが、地元期待のナムラタイタンも実績的にはそん色はない。昨年は6着に敗れたが、みちのく大賞典からぶっつけで臨み、完調には程遠い状態だった。
しかし、今年はトライアル・青藍賞を完勝し、予定どおりのステップで南部杯にエントリー。状態アップは間違いなく、密かに上位争いを期待している。12日、本番当日が待ち遠しい。
3日メインは盛岡芝1600m「オクトーバーカップ」(B2)。このクラスの芝巧者がずらり顔をそろえた。
主軸はツキミチャン。前走・オクトーバーターフチャレンジ(芝1700m)はスタート直後にランデックディオサが外方逸走。手綱を控える不利を受けたが、2番手キープから直線アッサリ抜け出して完勝。これで盛岡芝4勝2着2回とし、抜群の適性を誇っている。
今回は斤量が2キロ増の56キロを課せられたのがネックだが、芝適性でカバー。B1でも勝ち負けの実力を存分に発揮する。
逆転筆頭はラフィナート。シーズン当初は精彩を欠いていたが、ここにきて4戦連続で2着と上昇一途。前走は内に包まれて苦戦を強いられたが、馬群を割って2着死守した。
こちらは据え置きの54キロで臨めるのが強み。ハンデ差を生かして待望のシーズン初勝利を飾るか。
エクソールナーレも芝に絶対の自信を持っている。3走前はJRA馬相手に直線一気を決め、前走もスローをはねのけて完勝。良馬場なら2頭をまとめて負かすシーンまで十分。
ゴッドバローズは2歳新馬・福島芝1700mを勝ち上がった逸材。その後は頭打ちのレースを繰り返し、岩手へ新天地を求めてきた。
その選択がズバリ。初戦の盛岡ダート1800mを逃げ切り圧勝した。今回は実績のある芝に替わってさらに真価発揮の舞台。57キロの負担重量は400キロそこそこの馬に微妙だが、B2通用はすでに証明済み。
ダイワスペシャルは昨年、芝1000m重賞・ハーベストカップ3着、OROターフスプリント2着と実績断然。今季はスランプが続いたが、前走3着で復調のメドが立った。
パオロッサは前走逃げて4着。芝1700mから芝1600m短縮は望むところ。
◎(1)ツキミチャン
〇(3)ラフィナート
▲(10)エクソールナーレ
△(11)ゴッドバローズ
△(7)ダイワスペシャル
△(2)パオロッサ
<お奨めの1頭>
6R シャイニーパンサー
前走は転入2戦2着のうっ憤を晴らし、破格タイムで圧勝。好メンバーがそろったが、実力上位は明らか