いよいよ大一番「第41回桐花賞」、決戦の火ぶたが切って落とされる。大晦日31日、15時15分。ファン投票1位・ナムラタイタン、2位・コミュニティ、3位・ライズラインが予定どおり出走。この3頭がそろって対決するのは、今回が初めて。まさに1年を締め括るにふさわしい一戦となった。
ナムラタイタンは南部杯13着。JRA相手だったにせよ、これは負けすぎだった。昨年はぶっつけで南部杯に臨んで6着。仕上がり途上でも底力を披露したが、見せ場すら作れず後方のままに終わった。
それゆえ絆カップでは崖っぷちに立たされていた。年齢的な衰えだったのか、走る気がなくなったか。しかし杞憂に終わった。逃げたニシノファイターをぴったりマークして直線で満を持してスパート。アッという間にニシノファイターを交わし0秒3差。強いナムラタイタンがよみがえった。
その後は桐花賞をにらんで一旦放牧に出て帰厩。最終追い切りで4ハロン49秒台の好時計を叩き出し、万全の態勢で臨む。
村上昌幸調教師「昨年、モズを深追いしてコミュニティに負けたが、今年は何が何でも負けられない」と相当気合いが入っている。
コミュニティは北上川大賞典2着。敗因は超スローに落とされ、上がりの競馬に持ち込まれたから。5馬身先を走ったライズラインは上がり3ハロン37秒3の脚を使われたら如何ともし難かった。コミュニティも37秒0の上がりを駆使したが、3馬身差で完敗した。
この敗戦で分かったことがある。北上川大賞典の2500mはコミュニティには合わない。イメージは距離が長ければ長いほどいい印象があるが、レースが流れていることが条件。スローから上がり勝負になると位置取りからも苦しい。昨年の北上川大賞典も37秒4の上がりで猛追したが、ナムラタイタン、モズの先行2頭を捕え切れなかった。
結論を言おう。コミュニティのベストは2000m、そして水沢。昨年の桐花賞完勝、今年のみちのく大賞典を10馬身差で圧勝したことでも証明されている。2度目のナムラタイタン越えなるか。
ライズラインは前日ブログで紹介したとおり。試行錯誤の中、北上川大賞典で見事復活した。背景にはいろいろなハミを着用して試した結果。ぎりぎり折り合いをつけるハミが北上川大賞典の勝利を導いた。
しかも今回はモズがいても枠順的に逃げの手に出れるはず。最も競馬をしやすくなったのがライズラインとなる。ナムラタイタンは前にいるライズライン、そして後ろに控えるコミュニティの動向を見なければならず、仕掛けのタイミングが非常に難しい。ライズラインには願ってもない展開だ。
有力3頭がけん制し合うと伏兵が突っ込んでくるのが競馬の常。マイネルコランダムが侮れなくなった。
転入初戦で大外一気を決めて完勝。最後方から直線ごぼう抜きを披露し、周囲の度肝を抜いた。白嶺賞はワットロンクン、エーシンシャラクの先行2頭の決着で5着も仕方なし。流れ次第で連対も十分。
ブルースイショウは転入後、未勝利ながら2着3回3着1回と堅実さが売り。相手強いが3着には押さえたい。
トーホクアローは4年連続で桐花賞に選ばれた。過去3着1回4着2回。突き抜けるのは至難だが、2000mなら鋭い脚を使う。
◎(6)ナムラタイタン
〇(8)コミュニティ
▲(5)ライズライン
△(2)マイネルコランダム
△(11)ブルースイショウ
△(9)トーホクアロー
<お奨めの1頭>
2R ナイスクオリア
2戦連続で2着を確保し、好調キープ。緩急自在の脚質が最大の武器となる。相手はサンエイインパクト。馬複2-4一点勝負
明日31日は岩手版グランプリレース「第41回桐花賞」(水沢2000m)。先の有馬記念は驚異の上がり馬ゴールドアクターが優勝。高配当を演出した。
父はスクリーンヒーロー。その仔がゴールドアクターとは何とおしゃれなネーミング。そして母父がキョウワアリシバなんて渋い。
これでスクリーンヒーローは安田記念、マイルチャンピオンシップ、さらには香港マイルを制したモーリスに続いてビッグホースを2頭も輩出。一躍、注目を集める種牡馬となった。
両馬ともスクリーンヒーローの初年度産駒。来年は一気にブレイクすると思うが、岩手にもスクリーンヒーローの初年度産駒がいる。
桐花賞ファン投票3位に選出されたライズラインだ。2歳時に若駒賞、南部駒賞の2冠を制し、父に初重賞をプレゼントした孝行息子。
3歳時には岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、不来方賞の2冠馬に輝き、今年もシアンモア記念を優勝。順風満帆だったが、短距離へ路線変更して歯車が狂ってしまった。
早池峰賞2着、岩鷲賞4着に敗れ、今度は芝に矛先を向けたが、折り合いを欠いて桂樹杯4着、OROカップ7着。前途に暗雲が立ち込めたが、あろうことか岩手最長距離戦・北上川大賞典(2500m)で見事復活を遂げた。
もちろん桐花賞有力馬の一角だが、気になるデータがある。3番人気に支持された馬は過去2着すらなく、3着1回が最高。果たしてこのデータをライズラインは覆すことができるか。その意味でも興味深い。
30日(水)メインはA級二組「節季特別」(水沢1600m)。ボストンリョウマ、エリモサプライズの雌雄対決が焦点となった。
主軸にボストンリョウマを指名する。園田B1級から転入して入着止まりを繰り返していたが、芝重賞・桂樹杯で鮮やかな直線一気を決めて快勝。秘めた素質が開花した。
その後は低迷を続け、ここ3戦連続で着外に沈んでいたが、白嶺賞で4着善戦。490キロ台だった体重が484キロまで絞れ、本来のシャープさを取り戻した。今回はメンバーが大幅に緩和され、絶好の勝機と見る。
エリモサプライズは中央ダート2勝・1000万下から北海道4勝・A2から転入。北海道で短距離専門に使われてマイルが課題だったが、じっくり待機策からひとまくり。直線で一旦先頭に立ち、マツリダアンバターに交わされたが、2着を確保した。今度は逆転首位まで十分。
カリスマアキラは春当時は毎回勝ち負けを演じていたが、以降は精彩を欠くレースン連続。4走前の2着で盛り返したかと思ったが、再び沈黙。3戦着外に沈んだが、枠順にも恵まれなかった。今回は4番枠を引き当て、巻き返しを狙う。
リトルキングは足踏み状態が続き、勢いが薄れつつあるが、それでも入着を確保。堅実さは健在ならマークを欠かせない。
エイトプリンスは3ヵ月休養明けだが、芝重賞・せきれい賞3着。休み前の一戦を快勝。久々でも底力が不気味。
◎(8)ボストンリョウマ
〇(5)エリモサプライズ
▲(4)カリスマアキラ
△(7)リトルキング
△(10)エイトプリンス
<お奨めの1頭>
10R ケイジースワロー
転入後、7戦6勝2着1回と連対パーフェクト。ここ2戦も圧勝し、依然底を見せていない。マイル延長もまったく問題なし
年末の5日連続開催まっただ中の岩手競馬。その"中日"の12月29日のメインレースは騎手たちの戦い『ゴールデンジョッキーズシリーズ』第2戦になります。
舞台は第1戦の1400mから1600mへ。コースの傾向なども第1戦の頃よりだいぶ変化していそうですが、今回はどんな戦いに、どんな結末になるのか。
予想に行く前にまずは第1戦のポイントを見ておきましょう。
1位/阿部英俊騎手 20P
2位 山本聡哉騎手 15P
3位 南郷家全騎手 13P
4位 菅原俊吏騎手 11P
5位 関本 淳騎手 10P
6位 村上 忍騎手 6P
7位 山本政聡騎手 5P
8位 齋藤雄一騎手 4P
9位 木村 暁騎手 3P
10位 高松 亮騎手 2P
11位 坂口裕一騎手 1P
11位 陶 文峰騎手 1P
現状この様な順位・ポイントですがあくまでも第1戦が終わったばかりの段階。重要なのは今回の第2戦、シリーズの趨勢を決めるここでしょう。第2戦でどんな成績を残すか?が重要。
あともうひとつお断りを。8番ラブブレイブに騎乗予定だった木村暁騎手は落馬負傷のため騎乗できなくなっております。替わりの騎乗者はレース当日に発表される予定です(なお代理騎乗者はシリーズ順位には関係なし)。
●9Rの買い目
馬単(11)=(2)、(11)=(9)、(2)=(9)、(11)→(7)、(11)→(6)、
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26日(金)午後から水沢、盛岡両競馬場は雪が降り始め、今年初めて大雪に見舞われた。前日まで温暖だったが、北日本一帯に寒波が来襲。一気に冬景色となった。
その影響を受けて27日(日)の9、10Rは走路悪化のため取りやめ。すでに馬券購入した方がいると思いますが、払い戻しとなりますのでご確認ください。
28日(月)メインはB1特別「銀嶺賞」(水沢1600m)。実力伯仲のメンバーがそろったが、ディアブレイズンを主軸に指名したい。
函館ダート1700m・2歳新馬戦で2着。その後、未勝利に終わり昨年3月に金沢へ移籍。5戦目に3歳重賞・北日本新聞杯を豪快なまくりで快勝した。
その獲得賞金からA級に格付けされ、勝ち星から遠ざかり岩手へ新天地を求めてきた。初戦はA・B1混合戦だったが、道中ずっと内に包まれた上、直線でも前がふさがる不利。
それでも馬群をこじ開けて直線鋭く伸びてマイネルコランダムの0秒3差3着まで盛り返した。今回はB1条件でメンバー弱化は明白。今度は首位奪取できる可能性が高いと見る。
ゴッドバローズは水沢に替わって2勝2着1回。ひいらぎ賞でも果敢に逃げたが、現在3連勝中のマツリダアンバターが相手では仕方なし。そのお返しとばかり、前走ハイペースを形成しながら見事逃げ切った。
1枠に同じ逃げ馬ホレミンサイヤがいるため楽な展開ではないが、強引にでも逃げれば強じんな粘りを発揮する。
イルポスティーノは中央ダート2勝・1000万下から南関東でも1勝マークしてB3に在籍。久しく勝ち星から見放されているが、南関東B3=岩手B1は勝ち負けできるのは過去の転入馬で証明済み。初戦から狙い十分。
デルマシシマルは移籍直前の門別1200m戦で2着に突っ込んで転入。初戦は8番人気に甘んじたが、最後方から一気に伸びて0秒3差4着。うまく馬群をさばければ怖い存在となる。
マイネルナロッサは中央1000万下から一昨年に転入して2着3回。牝馬重賞・フェアリーカップで2着確保した。その後、南関東へトレードされて3勝。岩手2戦はいずれも6着だったが、当初は肩が腫れて順調さを欠いたのも敗因。現在はほぼ回復傾向にあり、ソロソロ一発があるかも。
ナスタイザンは南関東C1から転入。5着2回が最高だが、前走はA級馬との混合戦で0秒8差。伸びはマズマズだった。
◎(8)ディアブレイズン
〇(10)ゴッドバローズ
▲(4)イルポスティーノ
△(5)デルマシシマル
△(7)マイネルナロッサ
△(2)ナスタイザン
<お奨めの1頭>
10R タイセイオーシャン
金沢から転入後、3勝2着5回と連対パーフェクト。依然、底を見せていない。前走タイムもここでは抜けており、連勝十分
現在、盛岡水沢両競馬場、各テレトラック等で張られているポスターは『岩手競馬クライマックス』の告知。
12月31日、ファン投票・桐花賞、1月2日、2歳最終決戦・金杯、シーズンラストを飾る重賞・トウケイニセイ記念の告知がメインだが、注目してほしいのは写真。村上忍騎手、山本聡哉騎手が主役となっている。
題して『魅せるぞ!岩手競馬の集大成』。ご存知の方も多いかもしれないが、シーズン当初から村上忍騎手、山本聡哉騎手が激しいリーディング争いを演じている。
先週12月21日時点で山本聡哉騎手188勝、村上忍騎手180勝。山本聡哉騎手がちょっと引き離したが、村上忍騎手はまとめ勝ちするケースも多々。
加えて村上忍騎手は昨年まで4年連続でリーディング首位を堅持し、これまで通算6度もリーディングジョッキーになった岩手の顔。意地でも首位は譲れないところだろう。
今開催は12月27日から31日までの5日間連続開催。そして年明け2日から4日まで。翌週の9日から11日までの計11日間の開催が残っている。両ジョッキーの首位争い、最後の最後まで目が離せなくなった。
27日(日)メイン9RはB1級二組「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(水沢1600m)。強豪が抜けてレディアントデイズに久々の白星を手にするチャンスを迎えた。
レディアントデイズは今シーズン開幕から快調に飛ばして4月に2連勝。最高のスタートを切ったが、以降は勝ち運に恵まれず入着止まり。調子も下降気味だったが、秋を迎えてようやく反撃。
10月に白星を挙げ、ここ4戦も2着3回。ひいらぎ賞はマツリダアンバターの豪快なまくりに屈して6着に敗れたが、それ以外は連対をがっちりとキープ。前走もゴッドバローズの逃げを捕えにかかって猛追。0秒1差2着に惜敗した。今日こそ首位奪取に燃える。
ハーモニーフェアは東京芝1400m・2歳新馬戦を勝ち、フラワーカップにも挑戦した実績を誇る。転入初戦の水沢1600mを快勝し、地力の高さを証明したが、以降は入着止まり。
ただ前走は1ヵ月半ほどレース間隔が開いて伸び切れなかった印象。今度は叩かれた変わり身を見込めるはず。逆転単まで。
ドナエテルニテは逃げがベスト。前走はゴッドバローズに出鼻を叩かれて2番手の競馬だったが、直線でも渋太く粘って0秒4差5着。大外が若干気になるが、このメンバーなら楽にハナに立てる展開。アッサリも十分。
カネツパワーは水沢対応がカギだったが、一戦ごとに克服。流れ合えば連対以上の可能性がある。
ラルゴスパーダは前走、ベストの短距離(1400m)が舞台だったが、終始、周りが壁となって脚を余して負けた一戦。マイルは気持ち長いが、気配落ちはまったくない。
◎(4)レディアントデイズ
〇(10)ハーモニーフェア
▲(12)ドナエテルニテ
△(9)カネツパワー
△(8)ラルゴスパーダ
<お奨めの1頭>
2R シグラップエリー
さすがハイレベル北海道で新馬勝ちを収めた逸材。3ヵ月半ぶりの知床賞2着、プリンセスカップ僅差4着と交流重賞で好勝負を演じてきた。ここでは地力の違いが明白