27日・日曜日に行われた重賞「赤松杯」。ナムラタイタンが2着以下を大差でぶっちぎる圧勝を遂げて幕を閉じました。
陣営は調教師も厩務員も鞍上も「勝って当然」のプレッシャーの中で馬を送り出したわけですが、そんな重圧の中でもきっちり調整できた事がこの快勝につながったのだと思います。
ネット上の意見を見るに、やはり『勝って当たり前』が多く、次いで『岩手の馬が弱すぎる』系のコメントが多く出てくる感じ。あとは『地方競馬の流れに慣れて馬が鈍らないか?』とか。
先の二つについて思うのですが、2月の佐賀記念でも3着に入っているような馬なわけですからまともなら「勝って当然」はその通りですね。小回りが合わない馬とかカンカン泣きする馬ならまだ分からなかったですが、ナムラタイタンはそういう所を苦にしない馬ですから、仕上げさえ問題なければ佐賀記念程度のパフォーマンスは出すわけです。
で、その佐賀記念では、現時点の地方所属馬の中で最上位レベルのオオエライジンを3馬身引き離している。勝ちに行ったオオエライジンと流れに乗る事を優先していたナムラタイタンと・・・の違いはあるとはいえこの差はその通り大きいですし、その他の地方勢となると2秒3秒と離れていたわけですから、恐らく今の「地方所属」で区切るなら"赤松杯の能力を発揮するナムラタイタン"に真っ向勝負できる馬はそう何頭もいないでしょう。別に岩手の馬がことさら弱いわけではないと思いますよ。
あとは三点目ですけど、その辺は陣営も分かっていて、今後は遠征馬が来る交流重賞を中心に使って"ヌルいレース"は極力させない方針のようです。
次戦はシアンモア記念。その後はみちのく大賞典からマーキュリーCを前半戦の目標にすると思われます。グレードレースでの戦いぶりを楽しみにしたいですね。
●9Rの買い目
馬単(2)=(7)、(2)=(3)、(2)→(11)、(2)→(4)、
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27日メインは「第39回赤松杯」(水沢1600m)。この一戦からオープン重賞戦線がスタート。シーズンを占う意味で重要な一戦だが、例年以上に注目を集める。もちろんナムラタイタンが初出走するからだ。
中央ダート9勝。2011年の武蔵野ステークス(GⅢ)を制し、今年の佐賀記念3着。これほどのビッグネームの転入は本当に久しぶりだ。
すでに3月から競馬サークルで話題持ち切りだった。最初は盛岡に入ると噂されたこともあったが、水沢・村上昌幸厩舎に所属。この赤松杯を叩いて交流重賞・シアンモア記念が当初からの青写真。2月、佐賀記念以来の実戦だが、追い切りを3本消化して万全の態勢で臨む。
攻め馬、そして実戦でもコンビを組む坂口裕一騎手。「馬場に入っても遊びながらコースを回っているが、追い切りになると一変。特に併せ馬をやると闘志をむき出しにして1週前追いの49秒台のタイムにびっくり。さすが中央オープンは違うなと思いました」
当面の目標はシアンモア記念だが、最大目標は12年ぶりに盛岡で開催するJBC。クラシックへ向かうか、スプリントへ向かうかは今後の結果次第だろうが、いずれ岩手の大将格になるのは間違いのないこと。好発進を決める。
当初、岩手12戦12勝コミュニティの登録もあったが、ローテーションを考えて自重。対決は次走以降に持ち込まれた。
相手はスーブルソー、ドリームクラフト。スーブルソーは昨年4月、転入戦を完勝。主役に躍り出ると思ったが、次第に迫力が薄れて長いスランプに陥った。しかし冬の水沢戦でようやく復活。ファン投票・桐花賞を優勝。待望の重賞タイトルを手にした。
トウケイニセイ記念3着は59キロの酷量を背負ったため3着も仕方なし。今季2、1着にまとめ好調キープで赤松杯に臨む。
どうやらスランプのきっかけは盛岡コースに戸惑ったのが最大要因。次開催からコースが替わり、赤松杯が全力投球の舞台。ナムラタイタン相手にどんな戦いで挑むのか、興味深い。
ドリームクラフトも同じことが言え、水沢がベスト。特に1400m、1600m戦に絶対の自信を持っており、昨年重賞4勝。年度代表馬の座も射止めた。
前走が今季初戦だったが、本調子には程遠い印象。苦戦免れないと思ったし、鞍上・陶騎手も同様だったが、直線を向いて猛追。3着に突っ込み、改めて底力を誇示した。
この一戦を叩かれて気配アップ。まだ完調ではないが、気合いが一変した。距離適性はスーブルソーより上。それを考えれば先着も十分ある。
ハカタドンタクは3歳最優秀馬、最優秀ターフホースと2部門で選出。岩手競馬の最優秀馬では初のダブル受賞となった。
ダービーグランプリ以来の実戦となった前走は同僚スーブルソーの追撃を封じて逃げ切り快勝。これ以上ないスタートを切った。本質的にパワー勝負の馬場は合わないが、若さが最大の武器。おそらく今回も先手を主張するはずで、マイペースに持ち込みたい。
エバーオンワードはトウケイニセイ記念2着。こちらは盛岡の方が合うが、水沢も決して苦手ではない。前走はレース勘を取り戻せず5着だったが、叩かれた変わり身を見込めるはず。3着押さえは必要だろう。
◎(10)ナムラタイタン
○(4)スーブルソー
▲(8)ドリームクラフト
△(6)ハカタドンタク
△(5)エバーオンワード
<お奨めの1頭>
6R カズノタイショウ
南関東では精彩を欠いたが、クラスもきつかった。岩手C2へ編入されたのは幸い。あっさり2連勝を飾った。さすが中央2勝馬。連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
水沢競馬場の桜並木をご存知だろうか。1988年、レースを演出する目的で向正面の堤防沿いに150本のソメイヨシノを植栽した。
そのすばらしい桜並木を見た関係者が感動。映画『禅ZEN』(2009年公開)の撮影舞台にも使われたのは有名な話だ。
今年は26、27日に一般開放(先週もひとまず開放)されるが、この桜をテーマとしたフォトコンテストが実施される。応募はデジタルカメラ、携帯とスマホの2部門。詳細は岩手競馬公式ホームページに掲載されていますので、そちらをご確認ください。
26日(土)メインは「田沢湖賞」(C1 水沢1600m)。桜並木をバックにしたサラブレッドの疾走は一見の価値がある。
主軸はクリスティラビット。昨年までB1に在籍していたが、今季はC1降級。2ランク下がれば地力の違い明らか。好位キープから一瞬のうちに抜け出し、直線はほぼ持ったまま。2着スノースケイプに4馬身差をつけて圧勝した。
体重が冬休み前に比べて10キロも減っていたが、それをモノともしなかった。今回、さらに大幅減なら不安が残るが、一桁台ならレースには影響ないはず。ここも期待に応える。
エナモラードは南関東C1から転入。一時はB3級にも在籍したことがあり、移籍後2、1着。初戦2着は元A級馬ニホンピロララバイ相手で仕方なし。格付けに恵まれたのは誰の目にも明白。大外12番枠が気にならない訳ではないが、地力で克服してくれるに違いない。
スノースケイプは前走、クリスティラビットの2着。追い込み一辺倒の脚質のため届かないケースもままあるが、久々に豪脚を披露した。今回は先行タイプがそろってミドルペース以上の流れ。展開も味方にしそうだ。
ガラパは前走、スノースケイプに次ぐ3着。詰めの甘さに課題があるが、一連の安定度からマーク欠かせない。
もっとも不気味な存在が絶好枠を引き当てたスミヨシルビー。水沢6勝をすべて水沢1600mでマークしたようにベストの条件。鞍上も目下リーディング首位の山本聡哉騎手が巧みなレース運びで連対をもくろむ。
あとは距離延長でも前回快勝で弾みついたソーラーインパルスを押さえたい。
◎(7)クリスティラビット
○(12)エナモラード
▲(10)スノースケイプ
△(5)ガラパ
△(1)スミヨシルビー
△(6)ソーラーインパルス
<お奨めの1頭>
8R マイネルラヴォーロ
転入初戦を圧勝。走破タイムも文句なしだった。3歳トップグループまでノンストップで突っ走りたい
19日・土曜日の鈴木麻優騎手デビュー。まさしく「フィーバー」とな1日となりました。
注目のデビュー戦は19日の第3レース。パドックに鈴木騎手の姿が現れた途端に大声援、騎乗馬に跨ったらまた大声援、パドックを周回し始めれば大声援・・・と、まあ新人騎手のデビュー戦にしてはちょっとないくらいの盛り上がりよう。
取材のマスコミも非常に多く、岩手県内のみならず宮城、在京大手まで詰めかけて、土曜日の騎乗終了後は合同の囲みインタビューまで行われました。
騎乗結果の方は、デビュー戦が6着だったのを始め土曜日は3戦して6着・6着・11着。日曜も3鞍乗って5着・9着・9着。とりあえず日曜日には「初賞金」を獲得しました。
今のところは一周回ってくると相当消耗しているような状態ですから、課題は「最後まで追える体力を付ける事」。騎乗を重ねる事でそれがかなえば・・・でしょうか。ただ、"スタートは上手い感じだね"という調教師さんたちの評価も聞きました。そうやって一つ一つ評価を上げていけば、初勝利の日もそう遠くなくなるだろう・・・と思います。
★写真/4月19日・第3レース デビュー戦に挑む鈴木麻優騎手
次週27日、今シーズンの古馬重賞第一弾「第39回赤松杯」(水沢1600m)があるが、今年の超目玉ナムラタイタンがいよいよ始動する。
2011年の武蔵野ステークス(GⅢ)を制し、今年2月の佐賀記念で3着。明らかに盛岡で開催するJBCを狙ったビッグトレード。開幕前から競馬サークルで話題持ち切りだったが、まずは赤松杯でお手並み拝見といきたい。
その赤松杯の前哨戦ともいえるA級戦が先週3レース組まれた。12日のスプリント特別は名古屋から帰郷初戦のコスモフィナンシェが快勝。プラス18キロと大幅に体重が増えていたが、みちのく大賞典馬の貫禄を見せた。
翌13日には水沢1600m「陽春特別」が行われ、圧倒的1番人気に支持されたコミュニティが余裕の逃げ切りを決めて圧勝。自身の連勝を12とした。
14日の「卯月特別」(水沢1800m)には桐花賞1、2着馬スーブルソー、モズが出走。快調に飛ばしたモズがゴール過ぎた瞬間、勘違いして走るをやめるハプニング。鞍上・高橋悠里騎手があわてて手をしごいて再び加速したが、直線でスーブルソーに交わされて2着。結果はともかく以降に期待を抱かせる内容だった。
スーブルソーは赤松杯に向かい、モズもひとまず登録はあるが、シアンモア記念に直行の可能性もある。以上の馬たちは今年のオープン戦線の主役。今後も逐一、報告をしていきたい。
19日(日)メインはB1級馬による水沢1800m戦「駒形賞」。ダノンボルケーノ、レディアントデイズの雌雄対決が焦点となる。
ダノンボルケーノは昨年、中央1000万下から転入して2勝2着3回。一頃、スランプに陥った時期もあったが、冬場に復調。いいムードでシーズンを終えた。
今季初戦は前記コミュニティが相手。7馬身差ちぎられたが、2着確保なら上々。健在を誇示した上、ラッキーなことにB1へ降格。当然のように前走を勝ち上がり、駒形賞へと臨む。負担重量は1キロ増えたが、480キロ台の馬格なら問題にしないはず。A級復帰へ弾みをつける。
レディアントデイズは休み明け2戦目を完勝。一瞬のうちに馬群を割って抜け出し、成長の跡がはっきりとうかがえた。
昨年はなかなか波に乗れなかったが、一冬を越してパワーアップ歴然。勢いに乗ってここも突破するか楽しみ。
ナデシコノハナは好、凡走の落差が激しいタイプだが、前走はレディアントデイズの2着。こちらも叩かれた変わり身十分だった。今年1月、メジロオマリーの連勝をストップさせた実績があり、潜在能力は相当なもの。集中力さえ途切れなければ首位も望める。
クロワッサンも前回快勝。太目を叩かれて反応が一変した。ネックは1800m対応だが、控える競馬で勝ったのが収穫。依然、底を見せていない。
テンショウリバイヴは休み明け戦を2着にまとめたが、前走7着。流れも合わなかった印象だが、元々がムラなタイプ。一戦のみで見限るのは早計。
ギンザマーシャルは前走、スローの流れをはねのけて3着。いい脚を長く使えるのが武器。ペース速くなれば台頭のシーンまで。
◎(1)ダノンボルケーノ
○(5)レディアントデイズ
▲(2)ナデシコノハナ
△(6)クロワッサン
△(9)テンショウリバイヴ
△(4)ギンザマーシャル
<お奨めの1頭>
6R イーグルドライヴ
前走は2戦2着のうっ憤を晴らし、4馬身差で圧勝。元オープンがきっかけを掴めば鬼に金棒だ