22日メインは今年から重賞へ格上げされた「第22回白嶺賞」。水沢1600mを舞台に行われるが、まずは過去5年の結果から。恐ろしいまでに超ビッグな配当が続出している。
2011年
1着・ベルモントダイヤ 6番人気(逃げ切り)
2着・リリーレインボー 7番人気
3着・リュウノキングダム 10番人気
*1番人気・ゴールドマイン=5着
馬単 8→4 1万4270円 3連単 8→4→3 76万1780円
2010年
1着・ダイメイジュエリー 8番人気(逃げ切り)
2着・マヨノエンゼル 5番人気
3着・ゴールドマイン 1番人気
馬単 2→1 13万4490円 3連単 2→1→3 44万3330円
2009年
1着・トキワノマツカゼ 4番人気(逃げ切り)
2着・ヒカルメイオー 5番人気
3着・マヨノエンゼル 2番人気
*1番人気・ゴールドマイン=4着
馬単 2→3 14520円 3連単 2→3→4 35100円
2008年
1着・アンダーボナンザ 3番人気(直線抜け出し)
2着・オウシュウクラウン 11番人気
3着・ヤマニンエグザルト 5番人気
*1番人気・ダンディキング=11着
馬単 5→11 2万4440円 3連単 5→11→6 26万7700円
2007年
1着・ダイワフォーチュン 7番人気(直線一気)
2着・タイキリオン 2番人気
3着・サイレントエクセル 1番人気
馬単 5→7 4万4990円 3連単 5→7→4 11万1280円
以上が過去5年の成績結果だが、馬単の平均配当が4万6542円、3連単が32万3838円。大荒れで定評がある白嶺賞だが、今年は重賞となって結果はどうなるか。非常に興味深い。
本命はシャイニーハリアー。今季も抜群の安定感を誇り、前々走・絆カップでは超ハイペースで逃げながら0秒3差4着に粘り、前走はプラス10キロと太め残りで反応ひと息だったが、それでも貫禄で1着。また水沢マイル12戦5勝2着5回3着2回にまとめ、ベストの舞台と見ていいだろう。
ゴールドマインは上記に記したように白嶺賞と相性が悪いが、今回は臨戦課程が別。これまではちょうど疲れが溜まっている時期に重なって凡走とも解釈でき、半年の休養明けから一戦ごとに着差を詰めている点に注目。ソロソロ格上の爆発が見られるか。
タケノトレジャーは前走、折り合いを欠くほどの行きっぷりで圧勝。マークした水沢マイル1分38秒9はコースレコードに0秒4差まで肉薄した。大外は若干痛いが、同じ舞台で再現を狙う。
クレムリンエッグは栗駒賞3着。イン強襲から鋭く突っ込んで好配当を演出した。前走は距離1800mを意識して早め追走から伸びを欠いて3着。マイル短縮で連対をもくろむ。あとは古豪健在スーパーワシントン、3年前の覇者トキワノマツカゼも軽視できないだろう。
◎(3)シャイニーハリアー
○(7)ゴールドマイン
▲(11)タケノトレジャー
△(6)クレムリンエッグ
△(9)スーパーワシントン
△(5)トキワノマツカゼ
<お奨めの1頭>
6R マルケイスマイル
3戦連続で惜しくも2着。あと一押しが足りなかった。しかし今回は相手緩和に加え、絶好の1枠を引き当てた
12月31日、大晦日恒例となった「第38回桐花賞」ファン投票の中間発表があった。12月10日時点で1位はトーホクキング、2位がロッソコルサ、3位・カミノヌヴォー、4位・アスペクト、5位・コアレスランナー。
トーホクキングの暫定1位は誰もが納得するところ。シーズン開幕から快進撃を続け、岩手伝統のみちのく大賞典を優勝。JpnⅢ・マーキュリーカップでも見せ場を作って5着に健闘した。その後は勝ち星に恵まれないでいるが、一貫して重特路線を歩み、毎回のように上位争い。岩手競馬のオープン戦線を突っ走ってきた。
一方、暫定2位のロッソコルサは不来方賞で待望の重賞タイトルを手にし、全国の強豪が集まったダービーグランプリも見事優勝。復活後、3年連続で地元制覇を成し遂げた。そしてダービーGPを制したロックハンドスター、カミノヌヴォーは桐花賞も快勝し、年度代表馬にも選出された。
今年の桐花賞も世代交代がテーマ。31日当日の結果はもちろんのこと、ファン投票1位に選出されるのはどの馬か。非常に興味深い。応募締め切りは23日。詳しくは岩手競馬公式ホームページをご覧ください。
16日メインはB1級「銀嶺賞」(水沢1600m)。ポイントはひいらぎ賞組を重視するか、水沢マイル適性を重視するか、それとも別路線を歩んできた馬を評価するか。それによって印は大きく変わる。
メンバー的にはひいらぎ賞の方が上位と見るのが妥当。水沢1900mを舞台に、中団をキープしたトーホクスピリットが3角からマクリを決めて4角先頭。そのまま押し切って2着マイネルレーサーに3馬身差をつけて完勝した。
ただ、今度の舞台は1600m。ゆったりと流れる1800m以上がベストの条件だが、忙しい競馬になるともたつく場面もある。加えてハンデが前走より1キロ増えて57キロのトップハンデ。充実度で克服する可能性もあるが、あえて対抗評価とした。
主軸にグラスシューターを抜擢。天性のスピードと驚異の粘りを身上として今季<9.5.2.0>とすべて馬券対象。さらに水沢戦は10戦7勝2着3回と連対パーフェクトを誇り、水沢マイルも4戦3勝2着1回。
何よりも強調できることは、逃げたい馬が絶好の1枠を引き当てたこと。強力な同型が不在でマイペースの逃げが打てるのは間違いなし。トーホクスピリットと1キロ減のハンデ差も生かして逃げ切ると踏んだ。
ユウキタカラオーは中央未勝利から転入し、アッサリ3連勝。B1特別・白神賞も2着にまとめ、3歳伝統の不来方賞はロッソコルサの2着を確保。さすがにダービーグランプリでは相手が大幅に強化された上、レコードタイの高速決着。それでも0秒9差6着なら健闘したと判断でき、自慢のマクリがさく裂するか。
マイネベルヴィは岩手6戦とも3着以上。前走はバラディーの大外強襲を封じて2勝目を飾った。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、マーク欠かせない。同じ意味がマイネルレーサーにも言え、ひいらぎ賞2着からも軽視禁物だろう。あとはひと叩きされて体が絞れることを条件に、サクラエモーションを押さえたい。
◎(1)グラスシューター
○(6)トーホクスピリット
▲(2)ユウキタカラオー
△(11)マイネベルヴィ
△(4)マイネルレーサー
△(10)サクラエモーション
<お奨めの1頭>
9R カーステンボッシュ
岩手転入後、圧巻の5戦5勝。一戦ごとに相手強化も難なくクリアーした。ここも楽々と突破する
15日メインは今年から重賞へ格上げされた金杯トライアル「第11回寒菊賞」(2歳 水沢1600m)、12頭立て。1、2着馬には1月6日、伝統の重賞・金杯への優先出走権が与えられる。
当初、全日本2歳優駿挑戦も構想に描いていたロックハンドパワー陣営だったが、南部駒賞5着によって白紙。地元競馬に専念することを決めた。その南部駒賞はミータローに続く2番人気に支持されたが、いつもの鋭い反応がまったくなし。若駒賞で完全に水を開けたテンショウリバイヴにも先着を許した。
敗因は何だったか。層の厚い北海道2歳とのレベル差は大きい。強豪相手に揉まれてきた実績はダテではなかった。キャリア不足は否めなかった。水の浮く不良馬場も合わなかったかもしれない。
しかし、もう一つ考えられる。勝負どころの3コーナーでオグリタイムが早々と先頭。それを見てロックハンドパワー、ミータローがスパートをかけたが、片や大外を回り、後者は内に進路を採った。ミータロー2着、ロックハンドパワー5着の結果は進路に違いも少なからずあった。当時、水沢コースの3、4コーナーは内側が有利だった。
今回は地元同士の戦いなら負けられないところ。馬場はその時より悪化しているが、それを克服できないようだと将来に暗雲が立ち込める。ロックハンドスターには真価を問われる一戦となった。
逆転候補はテンショウリバイヴ、ハカタドンタク。両馬は前走、2歳・JRA認定競走で戦い、直線で2頭のマッチレースに持ち込まれ、わずかハナ差でハカタドンタクに軍配が上がった。
それでもテンショウリバイヴを上位に採ったのは、自分で先行馬を捕らえにかかったから。レースを作ったのは間違いなくテンショウリバイヴで負けて強しの内容。しかも南部駒賞ではロックハンドパワーに先着して4着に気を吐いた。
550キロを超す大型馬で前走が560キロ。毎回、体を絞るのに陣営は苦労しているが、潜在能力はロックハンドパワーにもヒケを取らないといっても過言ではない。馬体重が前走程度か、それ以下だったら強気に狙う手も十分ある。
ハカタドンタクは若駒賞5着とロックハンドパワーに完敗したが、これはブリンカー着用による逆効果の面があったかもしれない。続いて北海道2歳優駿へ挑戦したが、相手が大幅に強化され追走のまま8着。
しかし、これは陣営も折り込み済み。帰郷初戦でハナ差を接戦を制し、遠征効果ははっきり現れていた。コーナーでもたつくと心もとないが、スムーズなレース運びができればチャンスはある。
マンセイグレネードは新設重賞・若鮎賞(芝1600m)を逃げ切ってデビュー2戦目で重賞制覇。若駒賞は3着だったが、初めて控える競馬を試みての中身なら上々。知床賞は8着に沈んだが、これはレース間隔がなく仕方なしの結果。
その後は寒菊賞1本に絞って調整を進め、乗り込みは万全。気がかりは初の水沢で物見をしないかだが、前記3頭がいずれも差しタイプ。有力馬がけん制し合えば自慢のスピードで押し切るシーンまで。展開は間違いなく有利だ。アクイラは脚質転換に成功したのが最大の収穫。パンチ力は兄アスペクトに見劣るが、レース運びのうまさで上位をもくろむ。
◎(2)ロックハンドパワー
○(5)テンショウリバイヴ
▲(12)ハカタドンタク
△(4)マンセイグレネード
△(9)アクイラ
<お奨めの1頭>
8R メダグリアスズカ
ここ2戦とも2着惜敗。悔しいレースが続いたが、今回は大幅にメンバーが弱化。近走のうっ憤を一気に晴らす
8日の土曜日は突然の大雪のせいで荒れた一日になりました。まず6R、出走予定10頭のうち3頭が「装鞍所遅刻」で競走除外。この3頭は盛岡から輸送されてきた馬たちなのですが、運悪くインターチェンジに辿り着いたちょうどその時に高速道路が雪で閉鎖になり、そこから一般道を3時間近くかけて水沢まで来たもののついに間に合わず・・・とのこと。
高速道路が閉鎖になったことが分かっていればはじめから一般道を通ったり(高速が閉鎖された時用のルートが、大きな道・裏道あわせ何パターンかあるんだそうです)早めに出発したりするのですが、今回の場合目の前で閉鎖されてしまった事が誤算になりました。
そして9R。みぞれ交じりの吹雪の中、10頭がスタートを切ったのですが、ゴールしたのはその内の5頭。他の5頭は3コーナーで1頭が転倒したあおりを受けて連鎖的に落馬し、騎手を乗せない空馬の状態でばらばらと帰ってきました。
菅原俊吏騎手騎乗のヤマニンジンジャー号が最初に転倒して、すぐそばにいた2頭ほどが巻き込まれる形で落馬。さらにはやや後ろにいた2頭も、その落馬で沸き上がった水しぶきに視界を奪われる形で突っ込んでしまい、結局5頭が落馬・競走中止となる事故に。
2008年にも同じ水沢競馬で9頭中5頭が落馬競走中止するという大量落馬事故がありましたが、今回はそれ以来の大規模な落馬に。結果的には落馬した5人の騎手のうち菅原辰徳騎手が足の指の骨折でこれが一番重い怪我で、他の騎手は打撲程度で済んだのは不幸中の幸いでした。パトロールビデオを見る限りもっと大きな事故になってもおかしくなかったですからねえ・・・。
この時期は日替わり・時間替わりに馬場状態が変化するし、シーズン末期で状態を落としている馬も多く、騎乗する騎手は非常に気を使いながらレースに挑むそうです。残る1ヶ月ほどのシーズン、こんな事故が起きないことを祈ります。
9日メインは岩手競馬の最長距離、2500mが舞台「第35回北上川大賞典」。水沢で行われるのは一昨年以来、通算7度目。同レコードは1979(昭和54)年、スリーパレード(鞍上は村上昌幸元騎手)の2分44秒1。第2回北上川大賞典で樹立した。
実は昭和の時代のレコードで残っているのは、このスリーパレードの2500mのみ。もちろんレース回数が少ないことも大きいが、他の記録はことごとく塗り替えられている。
そのスリーパレードは中央11勝。当時の大種牡馬ネヴァービートの産駒で芝でもソコソコの結果を出したが、活躍の舞台はダート。それを証明するように岩手転入後、みちのく大賞典2連覇、桐花賞2連覇、北上川大賞典2連覇、東北サラブレッド大賞典優勝と当時の重賞を総なめにした。
仮に今の時代のようにダートグレードがあったら、間違いなくGⅠを獲得できた逸材。当時、ダート競馬は過小評価されていただけに非常に惜しまれる。そんなスリーパレードは岩手の地で持てる能力を全開した。その頃を知るファンは異口同音にスリーパレードの強さを讃える。是非、生で観たかった。
本題に戻る。人気は今季実績からトーホクキングが集めるだろう。昨年秋から本格化して、みちのく大賞典優勝、マーキュリーカップで見せ場を作って5着。みちのく大賞典後は白星に恵まれなかったが、絆カップ2着、栗駒賞2着。健在ぶりを誇示している。
ただ、一連の激戦の疲れが残っているのは否定できない事実。好調時なら絆カップ、栗駒賞も突き抜けていたに違いない。しかも今回は2500mの長丁場。これが最大ネックとなるかもしれない。
トーホクキングのレースパターンは3コーナーから一気にマクリに出る戦法。この時の伸びがすばらしいのだが、2500mのスタート地点はゴール手前100m。馬場を2周以上も回ることになり、1周目の3コーナーでどのような反応をするか。
仮にそこでトーホクキングが行く気になってしまうと、2500mの距離は正直きつい。折り合いつくことを祈るのみだが、その不安点を考えると実力は断然だが、本命にはしづらい。
主軸にコアレスランナーを指名する。今季3勝2着2回。毎年のことだが、夏場に体調を崩したが、現在は元気一杯。前走も4角先頭の強いレースで圧勝した。
特筆すべきは12月、1月の活躍。今年で岩手4年目に突入したが、同時期の成績が8戦6勝2着1回3着1回。昨年の桐花賞でもカミノヌヴォーの2着確保で気を吐いた。
また水沢2000m<2.1.0.1>と抜群の成績。2500mは今度が初めてだが、2000mでこの結果を出せれば2500mもまったく問題にしないはず。コアレスランナーの何よりも強みは折り合いがつくこと。長距離ランナーの資質を十分持っている。
マイネルアトレは前走、絶妙の逃げに持ち込んだが、伸びを欠いて3着。この内容に不満が残るが、スロー必至の2500m向き。自分の競馬ができれば春当時の活躍からも巻き返しあって不思議はない。
クリスティラビットは前走、逃げたマイネルアトレの2番手を追走し、アッサリ抜け出して快勝。逃げ一辺倒のタイプがひと皮むけたレースを披露した。これができれば2500mも我慢でき、伏兵として浮上する。あとは近走精彩を欠いているが、折り合い面で問題がないマイネヴィントも押さえ必要。
◎(7)コアレスランナー
○(2)トーホクキング
▲(6)マイネルアトレ
△(1)クリスティラビット
△(5)マイネヴィント
<お奨めの1頭>
9R キャニオンランズ
ここ2戦連続で2着だったが、相手にも恵まれなかった。メンバーが大幅に楽になった今回はキッチリ勝つ