5月から連続で行われてきたOROパーク盛岡競馬場での開催もいよいよ残すところ1週・3日、この月曜日を含めても4日となりました。
震災の影響によるものとはいえ、ここまで長い間、一つの場だけでの開催となったのは、近年の岩手競馬では無かった事です。
また、OROの開催が12月に食い込むのも初めてなんですよね。シーズン序盤の4月の開催は実績がありますが、後半の方は長くても11月いっぱいまで。12月まで盛岡というのも希な事でした。
12月10日から水沢競馬場での開催になるわけですが、先日訊ねた時にはスタンドに設置された足場があらかた無くなり、割れていた3階や4階のガラス類の修理も終わっていました。内部の方も今週末から業務エリアが使えるようになるそうで、ようやく「水沢で競馬ができる」という実感が湧いてきますね。
ただ、当初はスタンド棟もテレトラック棟もお客様エリアは3階まで、スタンド4階は業務用エリア部分を一部使用(実況席とか裁決室とか、ゴールカメラとかありますから)のみ。テレトラックは4階は使わず、3階の一部を改装して個室を準備する形でオープンするそうです。スタンド指定席も4階ではなく3階が復活する模様。まだしばらくは制約が残りそうですね。
それでも、水沢での実戦は今年の1月以来ほとんど1年ぶりですからね。非常に楽しみです。
過去33回の歴史を重ねてきた「ゴールデンステッキ賞」。今年は初めてOROパーク=新盛岡競馬場(旧・緑ヶ丘では実施)を舞台に行われ、舞台も過去最長の2000m。各ジョッキーの腕が試される。
今年、目についたのは過去最多5勝の小林俊彦騎手、過去3勝・菅原勲騎手が出場していないこと。しかも7人中4名が盛岡所属ジョッキー。これも過去に例のないこと。時代が変わったことを実感する次第だ。
出場7名ということは出走馬が7頭。少頭数レースとなって超スローペースは避けられない。これが勝敗に大きく影響するのは必至で、一躍主役に躍り出るのがヤマトスバル=関本淳騎手だ。
今年5月、大井から再転入後、初戦・七時雨賞(ダ1800m)でベストマイヒーローの2着。続いて重賞・ダイヤモンドカップ(ダ2000m)へ駒を進めて3着。続くオパールカップは実績のない芝で10着に大敗を喫したが、以降も堅実に走り続けて2着2回3着3回。ダートでは着外が一度もない堅実さを誇っている。
最大の課題は詰めの甘さだが、少頭数で2000m戦なら話は別。マイポジションをきっちりとキープし、先陣でのアドバンテージを今度こそ生かす。
逆転首位を狙うのがシュクモモコ。シーズン当初は凡走の連続だったが、馬体重増加とともにグングンと頭角。JRA交流・エメラルド賞を快勝し、高配当を演出。古馬編入初戦はダートに戻って8着に沈んだが、続く一戦で2着確保して名誉回復。
そして3歳重賞・不来方賞へ臨んでヤマトスバルに先着4着。前走は早め追走も功を奏して快勝。400キロ前後だった馬体重が420キロまで増加。明らかに実が入った印象を与えた。
今回の課題はスローの流れをはね返すことができるかどうか。切れる脚はメンバー中一番は間違いないが、道中の位置取り次第では届かないケースも考えられる。鞍上・南郷騎手がどう乗るかにも注目してみたい。
2頭をまとめて負かす実力を持っているのがシャイニーハリアーだ。こちらも前半戦は勝ち切れないレースの連続だったが、夏を境にひと皮むけ目下4連勝中。芝ダートを問わず快進撃を続けている。
ただ同クラスで4勝マークしているため、今回の負担重量が58キロ。56キロまでなら前々走で勝った実績があるが、さらに2キロ増が微妙。このハンデを考えると▲評価が妥当となる。ジョッキー戦でアッと言わせる菅原俊吏が一発を狙う。
ラヴセンスは一戦置きに好、凡走。当てにしづらい面はあるが、2勝はいずれも強いの一語。本質的にはマイラーで2000mは長すぎる感じだが、父がシックスセンスなら距離もこなせる素地はあるはず。鞍上は目下絶好調の斎藤雄一騎手。
サクラアーバンも2000mは気持ち長いが、堅実な差し脚が最大の武器。前々走・ひいらぎ賞でも人気の盲点を突いて3着確保。軽視すると痛い目に遭う。主戦・山本聡哉騎手から兄・山本政聡騎手に乗り替わったのも興味深い。
◎(3)ヤマトスバル
○(4)シュクモモコ
▲(2)シャイニーハリアー
△(7)ラヴセンス
△(6)サクラアーバン
3連単は3、4の1、2着折り返しから2、7を厚めに。あとは6を3着押さえ
馬複は 3-4、2-3、3-7、3-6
<お奨めの1頭>
7R エスプレッソ
南部駒賞は北海道勢に先着を許して5着。ちょっと不満が残る結果だったが、地元2歳馬が相手なら能力の違いが歴然
26日、シルバーステッキ賞、翌日27日のゴールデンステッキ賞は、その名称どおりジョッキーが主役のレース。それぞれ34回、33回と長い歴史を重ねてきたが、OROパーク=新盛岡競馬場で行われるのは初めて。
ちなみに今回の出場騎手で最多勝は山本政聡騎手の3回だが、昨年は弟の山本聡哉騎手が優勝。2着に山本政聡騎手が入り、兄弟ワンツーを決めた。余談だが、現在リーディング独走中の村上忍騎手は平成11年、シルバーステッキ賞、ゴールデンステッキ賞ダブル制覇の快挙をやっている。果たして今年はどんな戦いが繰り広げられるのか興味深い。
両レースとも完全抽選によりカップリングが決定し、どのジョッキーがどの馬を引き当てるのかが勝敗を大きく左右。特にシルバーステッキ賞で顕著に現れる。その点を加味すると主軸はパークセラピイ=南郷騎手に落ち着く。
パークセラピイは今年5月、名古屋A級から転入。C2最下級に編入し相手に恵まれたが、1200mの忙しい競馬が合わずなかなか勝ちきれなかった。しかし常に馬券対象を果たし、着外はわずか2度のみ。これまで6勝2着6回3着1回と抜群の安定感を誇っている。
前々走は追い込み届かずニシノエックスの4着に敗れたが、そのうっ憤を晴らすかのように前回完勝。B2通用を証明した。
パークセラピイの特長はいい脚を長く使えること。加速ついてからの伸びがすばらしく、豪快なマクリを身上とする。ただ不安点は持ちタイムで見劣ること。速い時計勝負になると取りこぼす可能性もある。
他陣営はそこが狙い目で逆転筆頭はニシノエックス。転入当初は入着止まりを繰り返していたが、古馬編入後に快進撃。いきなり4連勝をマークし、3歳重賞・不来方賞へ強気に挑戦。メンバーが一気に強化され、7番人気の低評価だったが、直線勝負に賭けて3着。3連ものの高配当を演出した。
それがフロックなかったのは前走1着で証明。道中インを追走し、直線で追い出し始めると鋭く反応。前記パークセラピイ以下を一蹴し、マイル1分39秒7の好タイムで圧勝した。
このタイムはB2級以上は間違いなく、昇級初戦も全く問題ないはず。あとは皆川騎手がうまいレース運びができるかどうか。LJS第2ラウンドへ弾みつける意味でも何とか勝利をモノにしたいところだろう。
モエレアンドロメダは今季すでに7勝マーク。前走・LJS第1戦で山本茜騎手に白星をプレゼントし、好調をアピールした。何と言っても魅力は展開有利が明白なこと。おそらくサケダイスキが逃げ、絶好の2番手キープ。主導権を握れるのは間違いない。菅原辰徳騎手があわてなければ、首位も十分可能だ。
昨年、ワンツーを決めた山本政聡騎手、山本聡哉騎手はそれぞれリュウノツバサ、エーシンスローインを引き当てた。どちらも末脚勝負型だが、その切れ味が実にシャープ。常識的な展開予想ではミドルかスローペースだが、シルバーステッキ賞は往々にしてハイペース傾向が強く、2頭まとめて台頭のシーンも考えておきたい。
トーホクキングも末脚勝負型。乗り方が難しい面あるが、仕上がりは文句なし。追わせたらヒケを採らない菊地騎手がどうさばくか注目。他にもブリッジポート、ケイジートレジャーなど好調馬がいるが、印が回らないほど伯仲したメンバーがそろった。
◎(4)パークセラピイ
○(10)ニシノエックス
▲(2)モエレアンドロメダ
△(12)リュウノツバサ
△(9)エーシンスローイン
△(11)トーホクキング
3連単は4、10、2の3頭軸に12、9、11へ3着流し24点
馬複は 4-10、2-4、4-12、4-9
<お奨めの1頭>
11R ラブルビー
一筋縄ではいかない相手多いが、再転入後、10連勝の快進撃を信じる手。ここも軽く突破し、全国区へ殴り込みをかける
盛岡では2007年以来となるダービーグランプリ。昨年の、GI格付け以前のダービーGPのイメージが戻った形もいいですが、盛岡でのレースもまた良いものです。
盛岡でのダービーGPというといまだに語りぐさになっている回があります。1998年11月23日の第13回。正確に言えば「その日行われるはずだった」レースです。
その週は確か土曜日あたりから雪で、前日に行われた北上川大賞典の時もコース脇に雪が積もったままでした。それで収まったかなと思いきや23日月曜日は朝から大雪。除雪しながらのレースが続けられ、最後はギリギリまで除雪しつつダービーGPだけ行うという話も出たものの結局降雪取り止めとなって、ダービーGPは12月14日の水沢競馬場に延期になってしまいました。
内田利雄騎手もこの時イヴニングスキーで遠征に来ていて、「"こんな雪でレースするなんて本当かよ!"って思いましたよ」だとか。
雪の中のレースって、たしかにあまりないですよね。北海道や金沢は冬季休催が早いし、確かに国内では、いや世界的に見てもばんえいか岩手くらいしかないかもしれません。岩手にいるとけっこう見慣れてしまうのですが・・・。
月曜の盛岡も天気予報は雪、あの日のように降り続くという事ではないですが、1日中寒さが続くようです。近年は盛岡開催の終了が早くなっていて秋の間に水沢に移っていましたから「真冬モードの盛岡」は久しぶり(調べてみたら03年以来でした)。馬や関係者にとっても手探りな寒さ、いったいどうなる事やら・・・。
盛岡競馬場を舞台に行われるオープン特別(重賞も含む)は、20日メイン「栗駒賞」(ダート1400m)が最後。2週間後には水沢へ舞台が移る。大きなダメージを受けた水沢競馬場だったが、復旧作業が急ピッチで行われ、12月10日の再開を今か今かと待ちわびている。
今回のオープン特別は1400mが舞台。絆カップ組、北上川大賞典組、あとは別路線組が入り混じり、能力比較が難解。波乱の目も十分考えられるが、距離適性を重視してファーストメジャーから入りたい。
ファーストメジャーは中央500万下から転入。ダート1150mで1勝マークだったが、2着4回3着3回。芝ダートを問わず安定した成績を残してきた。岩手初戦は9月、A級・盛岡ダート1600m戦。中団キープから直線鮮やかに抜け出して快勝。
幸先のいいスタートを切り、新設重賞・絆カップに登場。船橋・リュウノボーイに完敗を喫したが、ハイペースの中、2番手の積極策から4角先頭。見せ場を十分に作って2着確保した。さすが中央短距離で好成績を収めたのはダテではなかった。その転入2戦の内容から前走は1番人気に支持されたが、直線で早々と失速7着。1800mの距離がこたえたようだった。
しかし今回はベストの1400m戦。好調馬は確かに多いが、鞍上に菅原勲騎手を指名し、自信満々。特別タイトルに王手をかけた。
逆転筆頭はゴールドマイン。北上川大賞典を使った直後でなければ◎にしたかった。今シーズンは岩手の看板レースにフル出場し、重賞・青藍賞、特別・すずらん賞を優勝。東京遠征・南部杯は相手が強く歯が立たなかったが、地元同士の戦いに戻って北上川大賞典1番人気に支持された。
北上川大賞典は過去2度出走し2、3着。本質的にはマイラーだが、長距離もこなせるのが最大セールスポイント。当然のように勝つと思ったが、超スローの流れに泣いて終始掛かりっ放し。3コーナー過ぎからペースアップし、いざ追い出し始めたが、まったく反応なし。0秒7差3着に完敗した。
1400mはひとまず守備範囲。あとは2500m戦からいきなりこの条件で戸惑わないかどうか。総合力は言うまでもなくメンバー中一番。評価に迷うところだ。
このラインに割って入るのがリュウノケンシロウ。船橋時代に青藍賞へ遠征して2年連続で2着。昨年はゴールドマイン(3着)にも先着を果たした。今年10月、園田から再転入し初戦2着。2戦目の前走は中団キープから鮮やかなマクリを決め、早くも白星マーク。走破タイムも非常に優秀だった。
肝心の1400m適性は南関東、園田で経験豊富だし、結果も出しておりむしろ望むところ。2頭をまとめて負かす可能性も十分にある。
ワイルドキャットも怖い存在だ。あすなろ賞2着、みちのく大賞典3着。そして今回と同条件で行われた重賞・岩鷲賞でも0秒2差3着にまとめた。課題は最後の詰めが甘いことだが、前走待望の岩手初勝利をマーク。これで弾みついたのは間違いない。
レース間隔が開いたのは、このレースに照準を合わせたから。乗り込みは万全で追い切りでも絶好の動きを披露した。
あとは絆カップ3着リリーレインボー、前走2着で復調のメドが立ったベルモントギルダーも押さえが必要だろう。
◎(11)ファーストメジャー
○(8)ゴールドマイン
▲(9)リュウノケンシロウ
△(3)ワイルドキャット
△(1)リリーレインボー
△(5)ベルモントギルダー
3連単は11、8、9の3頭軸から3着に3、1、5のフォーメーション24点買い
馬複は 8-11、9-11、3-11、1-11
<お奨めの1頭>
3R ヤマニンバルーシュ
転入初戦を好位キープからアッサリ抜け出して完勝。タイムもすばらしく2連勝疑いなし