21日(月)、復活2年目を迎える「第24回ダービーグランプリ」の出走馬を調べれば調べるほどワクワクしてきた。
昨年は羽田盃シーズザゴールド、三冠達成を目指すロックハンドスターの対決で盛り上がったが、今年は地元の切り札ベストマイヒーローが脚部不安のためにリタイア。興味半減もいいとこだったが、どうしてどうして。個性派がそろい、どの馬にもチャンスありの一戦となりそうだ。
実績は断然キスミープリンス。東京ダービー3着、ジャパンダートダービー4着(繰り上がり)、そして全日本2歳優駿3着と華麗な足跡を残してきた。しかし昨年9月、鎌倉記念以降は白星なし。前走も4コーナーで不利、ゴール前でも前がふさがる不運があり、それを払拭できるかどうか。
北海優駿で死闘を演じたピエールタイガー、スタープロフィットも南関東所属で参戦し、両馬にも勝つ可能性は十分にある。また気性難を抱えていながら東京湾カップを逃げ切ったジャクソンライヒも怖いし、ロングスパートが脅威ミサキティンバー、笠松移籍後、2連勝中エーシンイグアス。エーシン(エイシン)軍団は東海を席巻している。
岩手の大将格カミノヌヴォーは不来方賞を4角先頭で圧勝。スタートが決まり、折り合いさえつけば好勝負に持ち込めるかもしれない。今年のテーマは決まった。成長続ける3歳馬の中から抜け出す馬はどの馬か―だ。枠順確定が楽しみだ。
19日メインは「滝観洞レース」(A級二組・B1級一組 盛岡ダート1600m)。人気はオウシュウサンクス、ラヴセンスの2頭が集める。安定度ならオウシュウサンクス、センスの良さならラヴセンス。両馬は甲乙つけ難い実力だが、オウシュウサンクスを主軸に推す。
オウシュウサンクスは北上川大賞典が今年最大目標だったが、取りこぼしが多く未だB1の身分。今シーズン着外に沈んだのは一度のみで安定度抜群だが、勝ち切れないレースが出世を妨げている。
それでも主軸視したのは前走・ひいらぎ賞のレース内容が良かったから。1番人気は岩手再転入後、9戦9勝のラブルビーに譲り、結果も2着。しかし、いつもの先陣キープから一転して後方待機策に戦法を替えたところ、3コーナーから一気にスパート。1400mと距離不足だったが、ラブルビーにクビ差まで肉薄。あと一歩で勝利をモノにできる勢いがあった。
これでひと皮むけたか、今回はオウシュウサンクスがさらにパワーアップするための重要な一戦となった。
ラヴセンスは中央2歳新馬戦を快勝。1勝500万下から転入し、B1通用するかと半信半疑だったが、転入1600m戦を直線鮮やかに抜け出して完勝。シャープな切れを披露した。
その勝ちっぷりの良さから2戦目は2番人気に支持されたが、痛恨の出遅れを喫して中団のまま6着。1800mの距離に不安も見せ、前走3番に甘んじたが、再び切れる脚を発揮して完勝。B1級卒業は時間の問題と思わせた。
しかも今回は適距離のマイル戦。直線の決め手勝負になればオウシュウサンクスより上と見て、こちらから入る手も十分。
アッサリか、それとも馬群に沈むのか。両極端の結果を考えなければならないのがクリスティラビットだ。今季3勝はいずれも圧勝劇。自分の型に持ち込むと惚れ惚れとするスピードを披露する。
その半面、前走のように早めに交わされると一気に失速。突かれると脆さを出すケースも多い。要はオウシュウサンクス、ラヴセンスがどこで仕掛けるか。2頭がけん制し合えば漁夫の利を得ることもあろだろう。
逆にオウシュウサンクス、ラヴセンスが早めにスパートをかけた際にはキャニオンルナの末脚が脅威となる。エンジンのかかりが遅いタイプで1800m以上の距離が合い、マイルの忙しい競馬は本質的に合わない。近走にもそれが顕著に現れているが、ハイペースなら切れる末脚がさく裂する。
あとは常識にかからないが、格上アドマイヤサムライ、堅実派サクラアーバンが連下押さえ。
◎(9)オウシュウサンクス
○(4)ラヴセンス
▲(1)クリスティラビット
△(3)キャニオンルナ
△(7)アドマイヤサムライ
△(5)サクラアーバン
3連単は9、4の1、2着折り返しから1、3流しが本線。あとは7、5を押さえ少々
馬複は 4-9、1-9、3-9、7-9
<お奨めの1頭>
9R ブライティアアネル
1戦ごとに迫力が増す一方。前走はロードクリスタル相手に1秒8差の圧勝劇を演じた。相手はシャイニーキセキの1-6一点勝負
今年で6回目を迎える女性騎手の祭典・レディースジョッキーズシリーズ。全国の競馬場を転戦するスタイルになって6年という事になるのですが、その前身と見なされる「全日本レディース招待」、さらにその前身となる「卑弥呼杯」まで遡るとこのシリーズももう10年以上続いている事になります。
中津競馬場で行われていた卑弥呼杯は同競馬場の廃止に伴い公営新潟に移動して「駒子賞」となりました。しかしこれも当時「第1回」とカウントされたものの、その年度限りで公営新潟競馬が廃止された事で打ち切りに。
2年の間を置いて荒尾競馬場で再スタートを切ったのがLJSの直接の前身となる「全日本レディース招待」競走。それを2年やって発展解消の形になったのが今のLJS。女性騎手招待競走の近年の流れはざっとこんな感じでした。
卑弥呼杯の頃の出場騎手をみると、しかしたった10年ちょっとですが隔世の感がありますねえ。例えば97年の第1回には9名が出場していましたが、金沢から2名・福山から2名出ていたり。第3回からJRA騎手も出場するようになり、この時は北は北海道から南は開催地中津まで、10主催者・11名が登場しています。南関東にも複数の女性騎手がいた時代ですね。
今年のLJSの出場騎手は過去最少の6名となりました。ここ数年わりと固定されたメンバーでやって来ていたのが転身や引退、休養で一気に減って、今年デビューの北海道・下村騎手を含めてもこの人数。来年はさらに減ってしまう可能性もあり、LJSの今後もなかなか難しいように感じます。
やっぱり少頭数にすぎると売上げ面はもちろんの事、騎手対抗戦本来の妙味も薄れてしまいます。海外の女性騎手を呼んでくるか、いっそ男女混合のハンデ戦かなんかにするか。シリーズの実質的中心だった荒尾競馬も今年限りで廃止になりますし、今の形のLJSは今年で最後になってしまうかもしれません。
皆さんに簡単な問題です。『今年出場の6名の女性騎手の中で、一番古くから女性騎手招待競走(卑弥呼杯からLJSまで)に出ていたのはだれでしょうか?』。答えは最後に。
対抗はこの辺のクラスでも十分に通用する力を持つ(1)セイウンノーブル、三番手は若干距離不足に感じますが調子悪く感じない(3)サイレントステージを。(4)サクラエルセダンもここに来て安定して力を出せるようになっていますし距離もマイルよりは戦いやすいはずですが、けっこう難しい馬だけに初騎乗で乗りこなせるかどうかがカギ。
●11Rの買い目
馬単(2)=(1)、(2)=(3)、(2)=(4)
★10R アルテミス賞
B2級でもイキのいい馬が多く混戦気配。本命は(6)ヤマニンワーシップに期待します。若干詰めが甘い感じはありますがマイルよりはこの距離の方が強気に戦いやすいでしょうし実力も遜色ないはず。イメージほど後方から来る馬でもない、むしろハイペースの先行も辞さないで行ける馬ですし、場合によってはハイペースになるかもしれないこのメンツの中で一番戦いやすそうに感じます。
対抗は(3)ホッカイナシュア。C1を勝ったばかりですが持ち時計を見る限りここで見劣るとは思えず、ならば連勝の勢い重視で。(1)トーホクキングも好走続ける流れに乗ってみましょう。(4)モエレアンドロメダにとっては意外に展開厳しくなりそうな予感。前残り傾向強い馬場とはいえこの頭数ではその恩恵も少なそうで・・・。
●10Rの買い目
馬単(6)=(3)、(6)=(1)、(6)=(4)、(3)=(1)
※答え/増澤(牧原)由貴子騎手
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーステーション」へ
13日メイン「第39回南部駒賞」はアスペクト、ヘヴンズパワーの対決が最大テーマとなる。舞台は盛岡ダート1600m。この舞台はアスペクトに絶対的に有利。同じ条件で行われた重賞・若駒賞でエスプレッソ以下をブッチ切って圧勝。走破タイム1分38秒8にも度肝を抜いた。
同日、盛岡ダート1600mで行われたレースは2つあったが、B2の勝ちタイム(1着・セイウンノーブル)1分40秒4をはるかに上回った。またJRA500万下、B1との交流・プロキオン賞の勝ちタイムが1分38秒1(1着・リサーチアゲン)には劣るが、これは3歳馬がマークしたタイム。単純な比較で言えばオウシュウサンクス3着(1分38秒6)に次ぐタイムだが、アスペクトは改めて言うまでもなく2歳馬。
アスペクトは若駒賞レコード(従来はベストマイヒーローの1分39秒4)を大幅に更新して逃げ切り圧勝した。スピード、完成度は相当高く、母アプローズフラワーから素質を全面的に受け継いだ。
以上のことを考えると死角なしの大本命と言えるが、唯一ダート戦で9着に敗れたことがある。9月11日、札幌ダート1000mで行われた2歳500万下。このときの優勝馬シェアースマイルはその後、門別・エーデルワイス賞(JpnⅢ)を完勝。レベルの高いレースだったことを証明したが、2着がヘヴンズパワー。アスペクトに0秒9も先着している。
この結果からヘヴンズパワーが上位と見るのが当然だが、続く川崎遠征・鎌倉記念でコーナーを回り切れず外方逸走。初の左回りにとまどって3秒8差10着に大敗した。陣営のコメントは「一番の敗因は川崎が小回りでコーナーがきつかったから。盛岡なら二の舞はない」と踏んでいる。
果たして2度目の対決はどうなるのか。しかも2頭とも天性のスピードを身上とするため、共倒れの可能性もない訳ではない。2頭で決まるのか、それとも第3の馬が出現するのか。これは目が離せない一戦となった。
2頭が激しくやり合った際に浮上するのがエスプレッソだ。アスペクトには若駒賞、知床賞で完全に水を開けられてしまったが、2着死守が底力。しかも終いがしっかりしたタイプだけに、ハイペースは望むところ。漁夫の利を得て首位の可能性も出てきた。
それはグランデスボスケにも言える。ここ2戦とも2着止まりだが、タイム差0秒1、0秒0。切れる末脚が最大の武器で流れさえ向けば台頭のシーンも十分。
もう1頭注目してほしいのがリアルサンボーイ。デビュー戦(ダート1000m9を快勝後、2ヶ月休養。そのため出世が遅れたが、復帰戦のジュニアグランプリを叩いて動きが一変。若駒賞ではエスプレッソが深追いしたこともあったが、0秒2差3着まで肉薄。さらに気配アップの中間から、どんな競馬ができるのか楽しみだ。
◎(8)アスペクト
○(9)ヘヴンズパワー
▲(2)エスプレッソ
△(5)リアルサンボーイ
△(4)グランデスボスケ
△(7)マーライオンパーク
3連単は8、9の2頭軸から2、5厚めに。あとは4、7を3着押さえ
馬複は 8-9、2-8、5-8、4-8
<お奨めの1頭>
11R ピカソ父ディープインパクト、母スカーレットブーケの超良血馬。岩手初戦の芝を快勝したものの、反応ひと息のところが目についた。それならばダート初だが、適性あるかもしれない
馬も人も環境が変わって大成功を収めるケースがある。ラブミープラチナもその典型といっていいだろう。北海道1勝、南関東0勝。入着はそれなりにあったが、さほど強調できるモノではなかった。
岩手初戦の3歳B1戦(盛岡ダート1600m)でも10頭立て7着。前途多難を思わせたが、2戦目の芝1600m(3歳100万下)で反応が一変した。10頭立て10番人気の低評価を覆し、鮮やかな直線抜け出しを決めて快勝。秘めた素質が開花した瞬間となった。
ジョッキー時代、"芝の板垣"の異名を取った板垣吉則調教師は即刻決断。以降は芝1本でローテーションを組んだのが大正解。なかなか勝つことはできなかったが、3歳重特、そして果敢に古馬挑戦でも毎回見せ場を作り、そして前走、新設の重賞・OROターフスプリントでついに重賞ウィナーの仲間入りを果たした。
これほど成功した例も珍しいが、ラブミープラチナは盛岡芝で水を得た魚のように大活躍。ドクターコパさん、板垣調教師、まったくもって見事です。
さて12日メインは今シーズンラストの芝特別「秋嶺賞」(盛岡芝1700m)。平場戦はこれからも続くが、今季の芝特別(もちろん重賞も)フィナーレ。ラブミープラチナがそれを飾るにふさわしい。しかもB1条件に戻って勝つ条件はほぼそろったといっても過言ではない。
ただ、芝フィナーレにふさわしく盛岡芝に自信ありのメンバーがずらり。ドリームスナイパーはひと頃、足踏みした時期もあったが、前走の芝1700m戦で久々に直線一気を決めて完勝。これで同条件3勝目をあげ、走破タイムも優秀。キャリアを前面に逆転をもくろむ。不安は馬場が渋った際で良馬場がベスト。
シャイニーハリアーは目下3連勝中と絶好調。ダート2勝、前走はJRA相手の芝1700mで大金星マークと昇竜の勢い。奥手が本格化を迎えた。不安はここ3戦こそ好スタートを決めたが、出遅れの可能性もある。本来、1枠は絶好枠だが、逆に包まれる危険性をはらんでいる。
レディスウィフトは中央未勝利ながら2着3回。B1なら間に合うと2戦とも1番人気に支持されたが、伸びを欠いて5、3着。正直、物足りなさを感じた。しかし今回は芝が舞台。中央芝1600mで2着2回の実績があれば反撃は十分可能だろう。このまましぼんでしまうのか、それとも適性を披露するのか。真価が問われる。
アースグラビティは盛岡ダート2着最高だが、芝は1勝2着2回。切れる末脚が冴え渡っている。前走は早めマクリに徹し、ラストでドリームスナイパーに交わされたが、レースを作ったのは間違いなくアースグラビティだった。追い込み馬ゆえ不発のケースもあるが、ツボにはまれば一気台頭のシーン。
他にもソノマンマ、リュウノヒーローも怖い存在だが、ソノマンマは大外で割り引き、リュウノヒーローは桂樹杯2着でも3ヶ月ぶりが割り引き。手が回らなくなった。
ただ1頭の遠征馬パトリモーニオは父ネオユニヴァース、母がクイーン賞4着、フラワーカップ3着レディーシップと芝を走る素地はありそうだが、過去4着が最高だし、骨折明け。条件的にきついと判断した。
◎(10)ラブミープラチナ
○(2)ドリームスナイパー
▲(1)シャイニーハリアー
△(8)レディスウィフト
△(6)アースグラビティ
3連単は10、2、1の3頭軸から8、6が押さえ
馬複は 2-10、1-10、8-10、6-10
<お奨めの1頭>
11R レディージャスミン
ひと頃、差し競馬を覚えさせる考えもあったようだが、前走のように早めまくりがベストの戦法。それができれば芝2連勝はほぼ確実
6日の日曜日に行われた北上川大賞典は菅原勲騎手騎乗のマイネルビスタが優勝。今季から新規開業の関本浩司調教師に初重賞をプレゼントしました。
菅原勲騎手は今回の勝利でなんと11度目の北上川大賞典制覇。最近はちょっと優勝から遠ざかっていましたが、過去には5連覇(90年~94年)、レースレコード達成(02年)などレース史上に残る活躍をしている相性の良いレース。
というか、同一重賞を11勝もしているのが凄いですよね。そう思って改めて他の重賞も調べてみたのですが、さすがは4100勝を突破した大騎手、あるわあるわ。
通算8勝しているのがみちのく大賞典・シアンモア記念・東北サラブレッド大賞典。9勝しているのが南部駒賞・桐花賞。そして、不来方賞はなんと通算12勝もしています。全国各地の重賞を170勝以上しているのですから、そういうレースがいくつもあるのも当然という事なのでしょうね。