1日(日)メインは牝馬オープンによる「フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。このレースから8月30日、水沢1900mを舞台に行われるグランダム・ジャパン2010シリーズ「第36回ビューチフル・ドリーマーカップ」への道が開かれる。
昨年まで牝馬オープン戦線の常連だったサイレントエクセル、ジュリア、マツリダワルツ、ピンクゴールドらはそろって引退。4頭とも繁殖生活に入り、勢力図は大幅に変わってしまった。これが世の常とは言え、一抹の寂しさを感じるのは自分だけではないだろう。
いずれ彼女たちの子供たちが来春、無事に2世を出産し岩手に戻ってくることを願ってやまない。
さて本題。主軸はマイネベリンダ。今季からA級入りを果たしたが、厩舎サイドは無理をせずジックリ始動。シーズン当初は4、2着にとどまっていたが、3戦目からエンジン全開。自慢のスピードが冴え渡り、逃げ切り2連勝をマークした。
前走は9着に沈んでしまったが、これは同型エイシンイッパツに出バナを叩かれたから。当のエイシンイッパツも3着に沈んだように前半が超ハイペース。マイネベリンダが直線失速したのも仕方なしだった。
今回もマークがきつくなりそうだが、2番手までなら我慢ができるタイプ。なんたってA級で白星をあげ、2勝マークしているのはマイネベリンダ、ただ1頭のみなのだから。
逆転筆頭はラビットサプライズ。昨年の快進撃は記憶に新しく10戦連続で連対を確保。夏から圧巻の5連勝を飾った。A級入り初戦で出走を取り消し、以降は本調子を欠いていたが、ここにきてようやく復調の兆しがはっきり。
前走はハイペースの一角を形成しながら、1秒差5着。マイネベリンダに先着したのが何よりも収穫だった。どんな流れにも対応できる自在脚を武器に、待望のオープンタイトル奪取を狙う。
ハッピートークは今シーズンの充実ぶりが目覚しく7戦6勝2着1回。ただ一度の2着は石桜杯でラストトレジャーの強襲に遭ったもので、わずかハナ差。走りながら成長続けているのがすばらしい。
ただ、本質的にはマイラーで1800m戦で勝ってはいるが、気持ち長い印象。マイネベリンダ、ラビットサプライズ2頭が56キロのハンデに対し、54キロのアドバンテージを味方に逆転をもくろむ。
モエレアンドロメダは昨シーズン活躍の反動が大きく、ずっと精彩を欠いていた。しかし、前走は積極策に転じてスウィープザボード以下を一蹴。ようやくスランプから脱出した。
距離1800m延長を最も歓迎するのがモエレアンドロメダ。ハイペース模様になれば、さらに望むところ。自慢の決め手が爆発するか注目。
昨年のひまわり賞を見事逃げ切ったアンダーゴールド。南関東から帰郷後は白星に手が届かないが、2着1回3着1回。インでジッと我慢して直線勝負に賭ける。
サクラアーバンの評価が低くなってしまったが、岩手転入後7戦7勝とパーフェクト成績。まだB2の身分でいきなりオープン馬相手はきついが、中央1勝・名古屋A級なら格負けはまったくない。
◎(7)マイネベリンダ
○(1)ラビットサプライズ
▲(5)ハッピートーク
△(4)モエレアンドロメダ
△(2)アンダーゴールド
△(10)サクラアーバン
3連単は7,1、5の3頭ボックスが本線、あとは4、2、10を3着押さえ
馬複は 1-7、5-7、4-7、2-7
<お奨めの1頭>
5レース マイネカラフル
岩手初戦は3番手キープから3着止まりだったが、相手が強すぎた。ここでは走破タイムが抜けている
ジャパンダートダービー(JDD)で9着に敗れたロックハンドスターが、リベンジを胸に8月17日(火)、大井競馬場で行われる「黒潮盃」への参戦表明をした。
JDDは確かに相手も強かったが、ロックハンドスターは初のナイターに戸惑ってほとんど能力を出せず終い。レース後の反動がほとんどなく、陣営はナイターへ再チャレンジすることを決定した次第。
しかも今度は地方所属馬同士の戦いとなり、条件緩和は明白。はたしてロックハンドスターが、どんなレースができるのか。今から興味尽きない。
31日(土)メインはC1級馬による芝1600m戦「南昌山賞」、10頭立て。目下5連勝中オンワードアコールか、盛岡芝の実績が高いダイショウローズを採るか、それとも初の盛岡芝を克服したスズノエイユウを採るか―。
迷いに迷った末、ダイショウローズを主軸に決めた。現在休養中だが、盛岡ターフ王ボスアミーゴを筆頭に、アドマイヤボス産駒は盛岡芝が大好き。
ダイショウローズもその典型で水沢戦は36戦して1勝もなし。盛岡ダートは2勝マークとソコソコの成績を収めているが、芝での安定感が抜群。前走を含めて2勝3着3回とすべて馬券対象となっている。
その前走は3番手の積極策に出て直線で早め先頭。スズノエイユウの直線猛追をクビ差封じ、待望の今季初勝利を飾った。今回、スズノエイユウは盛岡芝2度目。さらに対応力が増すに違いないが、ダイショウローズは何が何でも勝ちたい一戦。その意欲に託してみたい。
逆転筆頭はスズノエイユウ。中央未勝利から金沢で3勝(8戦)後、脚部不安が発生して1年の長期休養を経て転入。
初戦はさすがに息が持たず5着に敗れたが、一度叩かれて気配アップ。2戦目を快勝し、前走は初の盛岡芝を難なくクリアーしてタイム差なし2着。ダイショウローズはいい意味で平行線だろうが、こちらは間違いなく上積みを計算でき、逆転首位も十分。
オンワードアコールは岩手入り後、圧巻の5連勝をマーク。逃げて良し、差して良しの自在脚が冴え渡っている。芝(平地)もJRA時代に4度経験済みで問題ないと思うが、盛岡芝は1周1400mの小回りコース。
元々、器用さには定評があるオンワードアコールだが、やはり初モノに不安残るのは否定できないところ。アッサリか、それとも凡走かの意味で▲評価が妥当だろう。
ダイショウルシアンは前走・田瀬湖賞でオンワードアコールに1秒差3着と完敗を喫したが、盛岡芝は1勝2着2回。適性はすでに証明している。
あとは再転入初戦をハイタイムで圧勝フレッシュゴールド、尻すぼみ気味の内容を芝で盛り返したい格上ダイワフォーチュンも押さえが必要だろう。
◎(9)ダイショウローズ
○(6)スズノエイユウ
▲(10)オンワードアコール
△(5)ダイショウルシアン
△(2)フレッシュゴールド
△(8)ダイワフォーチュン
3連単は9、6、10の3頭ボックスが本線。あとは5、2、8を3着押さえ
馬複は 6-9、9-10、5-9、2-9
<お奨めの1頭>
8レース ベルローラン
名古屋C級から転入し、初戦を抜群のタイムをマークして快勝。幸先の良いスタートを切り、もう一丁いける
暑い日が続きますね。盛岡も連日30度越えの蒸し暑さですが、南の方の34度とか36度とかに比べるとまだマシなのかなあと思って我慢しています。
そんな夏の風物詩・内田利雄騎手が今年も岩手にやってきました。例年よりは少し遅く来た分、今年の滞在はいつもより少し長く、7月24日から10月11日までの実質3ヶ月間。岩手が一番盛り上がる時期にずっと滞在という事で、レースをさらに盛り上げてくれそうです。
この項を書いている時点ではまだ未勝利で、本人は「来る度に若手に騎乗テクニックを伝授していたらみんなうまくなっちゃって。本気で困ってるところです」と笑っております。
そういえば5年前か。内田騎手が岩手で騎乗し始めた頃。若手騎手たちに「お前達はまだまだヘタだ。俺みたいな年寄りでもお前達に負ける気がしない」と口を酸っぱくして発破をかけていたのを思い出します。
それが昨年あたりからか、「みんなうまくなってる」と感心するようになっていました。
内田騎手って本当に若手に慕われているんですよ。騎乗法、心構え、そしてファンサービス。いろいろな事を教えてくれるし自ら現してもくれる。内田騎手自身も自らをそういう立場に、自分が得てきた物を若手に伝えるべく全国を回っている、そんな立ち位置に置いているようにも思えます。
いや、もちろん本人自身もまだまだやる気満々ですよ。そろそろ後進に道を譲ってやろうか・・・なんて甘っちょろく考えてない。自分のカッコイイ姿を見せつける気満々の人ですから(笑)。期待しています、内田騎手。
対抗は(9)トーホウライデン。オープン挑戦の2戦はわずかに及びませんでしたが、その前のB1級特別4連戦の内容は上々。依然としてB1級トップクラス、いやコアレスレーサーらがA級に上がった今は間違いなくB1級最上位の馬です。
年齢と共にコースの得意不得意の差をはっきりと見せるようになって、現状は盛岡でこその馬。水沢で負けた後という事は一切気にしなくていいでしょう。
三番手は(8)バンドマスターで妥当か。こちらはB2級特別を3連勝しての昇級で、例えば対ハッピートーク戦の比較で(4)にやや劣るように、冷静に見て現状はまだ格下感が。
とはいえB2級特別で3連続好走してきた勢いは侮れません。鞍上が内田騎手に替わる点も一発の魅力大。
おおむねこの3頭が有力、以下(7)キングバッハ、(5)エアダーミあたりを押さえてみますがあくまでもヒモ穴。よほどコース状態が極端な方向に流れるか、意外な馬が先行争いに加わってハイペースにでもなるか、そんな紛れがあった時の伏兵という評価で。
★買い目
馬複 (4)=(9)、(4)=(8)、(8)=(9)、(4)=(7)、(4)=(5)
地方競馬の新企画「グランダム・ジャパン2010」3歳部門は、エレーヌが独走で総合優勝を決めた。振り返ればエレーヌが快進撃を始めたのが4月19日、水沢1600mで行われた「留守杯日高賞」からだった。
以降、ル・プランタン賞(佐賀)、のじぎく賞と牝馬重賞3連発を決め、ついには東海ダービーも制して圧巻の5連勝。当時、笠松勢に上位4着までを独占され、岩手のファンはショックを隠せなかったが、今年の笠松はハイレベルだったことを裏付ける結果。素直にエレーヌの強さを讃えたい。
さて本題。25日(日)メインは牝馬クラシック第二弾「第24回ひまわり賞」(岩手版オークス 盛岡ダート2000m)。
留守杯日高賞でただ1頭だけ勝負に持ち込めると期待されたのがダイメイジュエリーだった。昨年、北海道1勝から転入し、牡馬相手にも快進撃を続け3連勝でシーズンを終了。冬場は遠野馬の里でパワーアップを図ったが、それが裏目に出た。
元々、ダイメイジュエリーは気性面で難しいところがあったが、どうやら坂路に嫌気が差したようだ。それでも水沢に戻ってシーズン初戦、あやめ賞で貫禄勝ちを収めたが、道中は折り合いを欠きっぱなし。前途に暗雲が立ち込めた。
それがモロに出たのが先に記した日高賞だった。3コーナーで何とか2番手まで進出したが、あとは糸が切れたように失速。入着はおろか、2・4秒差9着に大敗した。
以降、七時雨賞4着、はまなす賞2着にまとめたものの馬体の張り、毛ヅヤもひと息。寒い季節が終わっても本調子を欠いていたのは誰の目にも明らかだった。
しかしウイナーカップでは体重こそさほど増えていなかったが、馬体の張り、毛ヅヤもグーンとアップ。大仕事をやってくれそうな予感を抱かせたが、4コーナーでダークライが外にふくれた影響をモロにかぶって戦意喪失。5着も仕方なしだった。
これまでの足跡を記したのは、成績だけでは語れなかった部分を伝えたかったから。今日こそ精彩を欠いていたうっ憤を一気に晴らし、待望の重賞タイトルに王手をかける。
ダイメイジュエリーの不安点は2000mの距離。本質的にはマイラーで、ごまかしのきかない盛岡ダート2000mをどう乗り切るかが最大焦点。
そこに他の馬がつけ入る余地があり、一躍浮上するのがサダチカガーベラ。通算2勝のみで前走・3歳B1戦(盛岡ダ1600m)で2秒差7着。常識なら狙いづらいのだが、3走前のダイヤモンドカップで4着入線。
レース前、鞍上・陶騎手が入着する自信があると語っていたとおりの結果。3着サクラエルセダンから10馬身離されたが、堂々4着に気を吐いた。
背景は父タップダンスシチー、母父スマートストライクの血統。明らかにステイヤーの血が流れており、まさにそれを証明する一戦となった。
一度でも2000mを経験したのは強みだし、しかも結果も出したのだから、今回は自信の挑戦。距離適性を前面に、一発を狙っている。
コンゴウプリンセスは転入初戦、他の追随を許さず2着に1・8秒差の大差をつけて圧勝。北海道1勝から中央入りし、6戦すべて二ケタ着順に終わったが、これは自分の競馬をさせてくれなかったから。明らかに地方向きのタイプだろう。あとは距離をどうこなすかだけ。
ゲンパチオブラヴは6連勝後、急ブレーキがかかったかのように8、6着に凡走。勢いが止まった印象もあるが、今回は牝馬限定戦。巻き返す余地は十分にある。
あとは帰郷2戦目を圧勝プリンセスマオ、重特でも2着の実績で距離をカバーできるイシノウォーニングも押さえが必要だろう。
◎(9)ダイメイジュエリー
○(8)サダチカガーベラ
▲(10)コンゴウプリンセス
△(11)ゲンパチオブラヴ
△(2)プリンセスマオ
△(5)イシノウォーニング
3連単は9を1着固定に8、10の折り返しが本線。あとは11、2、5を3着押さえ
馬複は 8-9、9-10、9-11、2-9
<お奨めの1頭>
11レース マルブツコンバット
前走・FM岩手杯は明らかに距離不足。1000m戦に戸惑い、脚を余して負けた。しかし今回はJRA相手にも五分の勝負を演じてきた芝1700mが舞台。主力視が当然
19日(月祝)、盛岡ダート2000mを舞台に行われた「第14回マーキュリーカップ」(JpnⅢ)は、圧倒的な1番人気に応えてカネヒキリが圧勝。GⅠ7勝馬の貫禄をマザマザと見せつけた。
レース後、横山典弘騎手は「帝王賞でも頑張ってくれたが、今回はさらに良くなっていた。馬がレースを知っているので自分は何もしなかった。エビ、いや屈腱炎、骨折を克服するのだから凄い馬。今回も感動しました」と感想を述べた。
そして公式インタビューが終わった後、こうも語った。「GⅠじゃなかったけど、乗った人しか分からない感覚だろうが、すばらしい精神力。無事に走ってくれるだけで十分」。この言葉だけでもカネヒキリに対する横典の気持ちは、ヒシヒシと伝わってきた。
カネヒキリが直線で独走状態に入り、ゴールした瞬間、スタンドから大歓声が上がった。ファンもカネヒキリの偉大さを十分分かっていた。19日、盛岡競馬場は熱く燃えた。
24日(土)メインは好評を博す芝スプリント決戦「姫神賞」(B2 盛岡芝1000m)。ビュレットライナーがFM岩手杯2着の雪辱を晴らす。
昨シーズン、北海道から転入しB1で1勝マーク。格下から重賞・トウケイニセイ記念に挑戦して8着ながら1秒差に健闘した。
今季はC1へ降格しメンバー有利は明白。3勝2着1回と抜群の安定感を示し、同条件で行われたFM岩手杯(B1)でも果敢に逃げて0・1秒差2着惜敗。今回は自己の条件B2へ戻った上、絶好の1枠。勝つお膳立てはほぼ整った。
相手筆頭はサイレントカイザー。4走前、ダート1000m「立夏賞」(B2)を1・2秒差で圧勝。その後も好走を続け、FM岩手杯は実績の薄い芝だったが、距離適性を前面に0・4秒差5着。これで芝でも通用のメドが十分立った。
アッサリ勝つか、凡走かの可能性があるラストモアだろう。中央3勝のうち2勝が芝1200m。岩手転入後は入着が精一杯のレースを繰り返しているが、ただ一度の3着は芝1000mのオープン特別・きんもくせい賞でマークしたもの。
仮にFM岩手杯を快勝したウメノレイメイが出走していたら断然の本命。すでにB1の身分ゆえ今回は出走権がないが、ウメノレイメイはラストモアに後塵を排して7着。タイム差も0・8秒もあった。
前走、取り消し後は乗り込みも万全ではないそうだが、短距離戦は順調さを欠いていても絶対能力でこなすことも結構多い。状態よりも適性重視。これが1000m戦の鉄則だ。
タカノグラディウスは昨年も短距離芝路線を歩み、FM岩手杯3着、姫神賞4着。何と言っても強調できるのは芝1000mで58秒4の持ちタイム。これは今回のメンバーで一番を誇り、速い時計勝負になれば首位も望める。
ディーエスファジーは今季好調サイクルをキープし、芝で1勝2着1回。1000mは生涯初めてだが、中央時代に芝1200m戦で3着に入ったこともある。あとは芝の方が安定した取り口を披露アドマイヤセレスを押さえ少々。
◎(1)ビュレットライナー
○(2)サイレントカイザー
▲(11)ラスのモア
△(3)タカノグラディウス
△(7)ディーエスファジー
△(8)アドマイヤセレス
3連単が 1を1着固定に2、11の折り返し本線。あとは3、7、8を3着押さえ
馬複 1-2、1-11、1-3、1-7
<厳選二鞍>
11レース スクリームイーグル
強いレース内容で転入後、2連勝をマーク。初の盛岡コースがネックだが、持てる能力はすでにオープン級