春の水沢競馬を締め括る大一番は「農林水産大臣賞典 第36回シアンモア記念」(水沢1600m)。東海地区から強豪2頭が参戦したのに恐れをなした訳でもないだろうが、相次いで出走を回避。8頭立ての少頭数となってしまったが、それでも見応え十分。
名古屋・キングスゾーン、笠松・マルヨフェニックス、そして迎え撃つ岩手・ゴールドマインはどの馬が勝っても納得がいくし、ハイレベルの戦いが必至だからだ。
しかし、キングスゾーン、マルヨフェニックス本線に迷いはなかった。最大理由は地元のJpnⅢ・かきつばた記念(5月3日 名古屋1400m)をスキップ。うまくいけば両馬とも入着の可能性があったはずだが、それを回避しての参戦。勝ちに来たのは誰の目にも明白。わざわざアウェーのハンデを覚悟してきたのだから、かなりの勝算があってこそ。
ではどちらを本命にするか。直結する参考成績は昨年7月、園田1400mで行われた1000万円レース・オッズパークグランプリ2009。キングスゾーンが3コーナーで先頭に立ったが、直線を向いてマルヨフェニックスが豪快に抜け出して快勝。キングスゾーンには流れも厳しかったが、それ以上にマルヨフェニックスの強さが際立っていた。
それを裏付けるように過去3度の直接対決でマルヨフェニックスが2勝1敗とリード。キングスゾーン8歳に対し、マルヨフェニックスが6歳。2歳の年齢差、総合力を考えるとマルヨフェニックスを主軸視するのが妥当だろう。
逆転の目はないか。いや、ある。少頭数8頭立てに加え、キングスゾーンに競りかける馬は1頭もいない。なおかつラッキーなことに中間の雨で馬場が軽くなっている可能性が高い。
もう一つキングスゾーンの強みは水沢コースをすでに経験済みで、実際に昨年のみちのく大賞典を勝っている。マルヨフェニックスも遠征経験が豊富だが、今回のような長距離輸送は初めて。陣営も「長距離輸送が不安材料」と語る。
原口調教師の意気込みも半端ではなく「マルヨフェニックスを負かすつもりで調教をこなした」そうで、船橋・房の国オープンを勝った時よりさらに上向いているという。
以上2頭のラインは強力だが、ゴールドマインも勝ち負け十分。トウケイニセイ記念2着直後、山元トレセンに移動してリフレッシュ。その後は坂路でじっくり乗り込んで帰郷したが、効果てき面。馬体の張り、毛ヅヤともすばらしく転入来、最高の仕上がりでトライアル・赤松杯に臨み、余裕タップリで完勝。
その好状態をキープして本番を迎えたのが何よりも心強い。ゴールドマインの最大セールスポイントは、追ってからの反応の良さ。鞍上がゴーサインを出すと矢のような伸びを披露する。
ウィークポイントは1頭で先頭に立つとソラを使うことだが、キングスゾーンが易々と沈むことは考えられず絶好の展開になるはず。中央ダート4勝のうち3勝が1600m戦だった点も見逃せない。地の利を生かして2頭をまとめて負かすシーンまで。
以上3頭の争いと見るが、どの馬も勝ちに行くレースをするため、逆に紛れが生じるケースも考えられる。その時には今季2連勝と地力アップ明白マルブツワイルドが浮上するかも。無欲で臨んで好走するケースも結構あるだけに、3着には押さえたいところ。
◎(2)マルヨフェニックス
○(3)キングスゾーン
▲(4)ゴールドマイン
△(8)マルブツワイルド
3連単は2、3、4のボックスが本線だが、配当的に当たりパンクもあり、点数を絞った方が得策だろう
馬複は 2-3、2-4
<お奨めの1頭>
5レース サージェリー
追い込み一辺倒の脚質ゆえ、前走のように後方のままに終わるケースもあるだろうが、今回はメンバーが弱化。チャンスをガッチリモノにしたい
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5日(水)メイン10レースは、水沢1800mを舞台に行われるC1特別「石桜杯」。主軸はハッピートークで動かないだろう。
昨年終盤、2戦連続で3着止まりに終わり、頭打ちのイメージも抱かせたが、今シーズンは目下3連勝中と快進撃。しかも3戦すべてワンサイドで圧勝し、4歳馬が本格化を迎えたと解釈して間違いない。
前走・田沢湖賞も2番手キープから4角で先頭。あとは後続を引き離す一方で4馬身差。前々走・大屋梅賞も強かったが、さらに凄みを増している感じだ。
今回は未経験の1800m。アグネスデジタル×デピュティミニスターは本質的にマイラーだろうが、今の勢いをもってすればアッサリ克服してくれるだろう。
相手筆頭は田沢湖賞2着キラメキパスワード。連勝は3でストップしたが、これはハッピートークを負かしにいった結果。最後で一杯となってしまったが、2着を死守した点を評価するべき。今回は前半でもう少し先につけることができそうだけに、ハッピートークとの差を詰める可能性はある。
以下の序列にちょっと迷ったが、ヤマニンリボールトが▲評価。B2から降格し、休み明け2戦目を快勝。これで弾みついたはずだし、ペース落ち着く1800mの方が合う。
アドマイヤアマゾンは前走が6ヶ月ぶりの実戦。そのハンデがありながら、2番手から直線でもマズマズの粘りを見せて0・7秒差。久々を考えれば上々の滑り出しといえ、叩かれた変わり身を見込めば好勝負に持ち込める。
あとは1400m→1800m延長がネックだが、前走の勝ちっぷりの良さからラストトレジャーも押さえが必要か。
◎(4)ハッピートーク
○(6)キラメキパスワード
▲(5)ヤマニンリボールト
△(2)アドマイヤアマゾン
△(3)ラストトレジャー
3連単は4を1着固定に6、5の折り返しが本線。あとは2、3を3着押さえ
馬複は 4-6、4-5、2-4、3-4
<お奨めの1頭>
11レース コアレスレーサー
今シーズンもスケール大きく2連勝。ついにA級入りを果たしたが、この馬が目指すのはトップの座
しかし暑いですね~。4月までは冬の寒さだったのにこの連休は一気に夏の暑さになりましたね。1日シャツ一枚を腕まくりして過ごしましたが、そうやって見る桜ってのも不思議なものです。
GW開催3日目のメインレースはB1級の駒形賞。準オープンのクラスにふさわしい好メンバーになりました。ざっと見てチャンスが全く無さそうという馬はせいぜい1~2頭。展開ひとつで・・・という馬がゴロゴロいます。また、4月18日の新緑賞がそうでしたが、この春のB1級上位のレースは特別・一般とも激戦が目立ちます。ここにも逃げ馬から追い込み馬まで多彩な脚質が揃い、激戦必至でしょう。
そんな中から本命は(4)トーホウライデンを選びます。この春3戦は2着2回3着1回と勝ち星こそないものの、降級に加え復調気配も濃厚でいつ勝っても全くおかしくない状態。
そしてこの馬は、一昨年は1200mと1600mの重賞を計2勝した名うてのスピード馬でもあります。そんな馬が久々の短距離出走となれば期待したくなるのは当然。
懸念としてはまず、さすがにその当時ほどの力はないだろうという事と、今のこの馬には1400mは短いのでは?とう2点。前者は年齢が年齢だけに仕方ないとして、後者は走ってみるまで分からない面はありますが、しかし前走のようにマイルの激しい流れに自分から飛び込んでいけるくらいの先行力があれば、あの走りで大丈夫と見ました。
あとは6枠の2頭、(7)グラスバラードと(6)センリグランピーを。(7)は最近ちょっと気持ちが空回り気味ですが、逆にいえばあれだけ折り合いを欠きながらも大きくは崩れない所に地力の高さを感じます。いつ逃げ切ってもおかしくない馬。
(6)にとってこの距離はかなり短いのは確かですが、好調さ、勢いの良さではメンバー中1,2。前走のような展開になれば面白いレースをしてくれるでしょう。
★買い目
馬単 (4)=(8)、(4)=(3)、(8)=(3)、(4)→(7)、(4)→(6)
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3日(月)メイン10レースはB2級「メイカップ」(水沢1600m)、12頭立て。好調メンバーそろったが、ポイントプリムが今度こそ勝利をモノにする。
昨年10月、中央未勝利から転入し4勝マーク。今シーズンからB2へ昇格したが、冬をはさんで4戦連続で2着と惜敗を繰り返している。これは最後の詰めが甘いためでもあるが、1800mは守備範囲を若干超えているから。ひとまずこなしているものの、アグネスワールド×フジキセキの血統が示すとおり1600m以下がベストの条件。
その意味で今回のメイカップは距離的にも合い、ここなら先手を取れるメンバー構成。馬体重減が気にならないではないが、マイペースの逃げに持ち込み、そのまま押し切る。
コアレスブライトは2戦2着のうっ憤を晴らし、前走2着に4馬身差をつけて圧勝した。特長はいい脚を長く使える点で先に行っても控える競馬でもOK。確かにメンバーは結構、骨っぽくなったが、引き続き好気配をキープし上位争い必至だ。
バンドマスターはエイプリルCへ2連勝で臨み、勝ちっぷりの良さからも2番人気に支持されたが、中団からまったく動かず8着。敗因はスローペースに求めることができるだろうが、それにしても反応ひと息。意外な凡走に戸惑い、評価に迷ってしまうが、2連勝は強いの一語。今回が正念場と言える。
タニノレジェンドもエイプリルC5着。ついに転入後の連対記録が8でストップしてしまった。こちらの敗因は思ったほど体重が回復していなかったことか。今度は通算4勝2着2回とパーフェクト連対を誇るマイル戦。回復しさえすれば反撃に転じて当然。
テバギアは好走が水沢に集中。それを裏付けるように休み明けをアッサリ2連勝。コース替わる前にもう一丁と行きたいところだ。
あとは叩かれながら上昇示し、前回豪快なマクリを決めたカートゥニストも軽視できず激戦必至の一戦となった。
◎(6)ポイントプリム
○(5)コアレスブライト
▲(11)バンドマスター
△(10)タニノレジェンド
△(1)テバギア
△(3)カートゥニスト
3連単は6、5、11のボックスが本線。あとは6を1着固定に5、11、10、1へ手広く流したい
馬複は 5-6、6-11、6-10、1-6
<お奨めの1頭>
3レース シルクナトゥール
前走2着は出遅れが痛かった。それでもタイム差なし2着にまとめ、再び首位を奪回する
2日(日)メイン10レースは3歳牡馬(牝馬も出走権あり)第一弾の重賞「第10回阿久利黒賞」(水沢1600m)、11頭立て。
昨シーズンまで阿久利黒賞は岩手クラシックの一冠目に組み込まれていたが、今年、ダービーグランプリ(地方競馬全国交流)が復活。それに伴い、三冠ボーナスは「岩手ダービー ダイヤモンドカップ」(5月31日 盛岡ダ2000m)、「不来方賞」(10月24日 盛岡ダ2000m)、「ダービーグランプリ」(11月22日 水沢2000m)へ移行。
阿久利黒賞はその三冠から外れた格好となったが、時期的なことを考えても"岩手版皐月賞"であるのは変わりない。
主軸はもちろんロックハンドスター。実績、順調度、絶対能力とどれを取り上げても抜けた存在。"ほぼ"ではなく、99%死角なし。残り1%は競馬に絶対はないからだが、よほどのアクシデントがない限り負けない。焦点は菅原勲騎手が今後をにらみ、どんなレースをロックハンドスターに課すのか。それに尽きるだろう。
相手筆頭も順当にダークライ。スプリングカップはロックハンドスタート同様、金杯3着以来の実戦で体はまだゆるい印象もあったが、持ち味の先行力と粘り強さを発揮して2着。結果的に6馬身の差をつけられたが、3着トーホクキングに0・4秒先着。重特路線で揉まれてきたキャリアはダテではなかった。
続く3歳A級戦では目の上のたんこぶが不在ならオレの天下とばかり、貫禄の逃げ切りを決めて快勝。状態の方も叩かれながら上昇一途をたどっている。
仮に2着を確保できないとしたら、ロックハンドスターが早めに動いて交わした時だが、それでもベタ負けしないのがダークライのセールスポイント。こちらも次位は動かない。
このラインは堅そうだが、3着以下が混戦。狙いは3連モノの3着争いが馬券のポイントとなる。
まずイシノウォーニング。北海道で2戦1勝3着1回の成績からJRA入り。500万下で2戦走ったが、12着、14着。気になったのは2戦とも出遅れを喫し、まったく競馬に参加できずに終わっていたこと。
それゆえ岩手初戦はスタートに不安を抱え、あとは大幅に体重が減っていたことだったが、好位キープからダークライに0・1秒差まで肉薄して2着。潜在能力の高さを証明した。依然、ゲート難を抱えているが、体重が増えていれば2着争いに参加して不思議はない。
トーホクキングは追い込み一辺倒の脚質のため届かず3、4着に終わっているが、加速ついてからの伸びがすばらしい。休み明け3戦とも先行競馬で決着し、運がなかったことも事実。ロックハンドスターの仕掛けどころ次第では、大外一気に台頭のシーンまで。
あとは着順安定せずムラな面あるが、ベルデンアイン、セイントネイティブも押さえが必要。
◎(10)ロックハンドスター
○(7)ダークライ
▲(2)イシノウォーニング
△(9)トーホクキング
△(8)ベルデンアイン
3連単は10→7の1、2着固定から2、9へ3着流し。あとは8を3着押さえ少々
馬複は 7-10、2-10、9-10
<お奨めの1頭>
6レース エイシンテンライ
移籍2戦は2着に終わったが、目下2連勝中。笠松A級の実力を見せつけている。距離延長もまったく問題にしない