2日(月)メインは2歳馬によるHBA協賛「知床賞」(水沢1600m)。
このレースは北海道競馬と岩手競馬の交流を深めるために昨年、門別競馬場で「岩手山特別」を実施。北海道・クラフィンライデンが1着、2着に岩手のセンリグランピーが入った。
それを受けて今年は水沢で開催され、北海道からリュウノアイドル、リュウノスターの2頭が遠征。迎え撃つ岩手勢8頭の計10頭で覇を競い合う。毎年、2歳レベルの高さには定評がある北海道だが、今回に限れば岩手勢が優位と見ていいだろう。
主軸にゴールデンライフを指名する。これまで6戦2勝2着3回。一度5着に沈んだのは芝の交流重賞・テシオ杯ジュニアグランプリ。これはメンバーが大幅に強化されたもので敗因がはっきり。他はすべて連対を果たし、抜群の安定度を誇っている。
反面、2着の多さがゴールデンライフの課題。レースセンスは決して悪くないのだが、このメンバーで前走のように突き抜けることができるか否か。ひとまず連軸の見方で◎とした。
同一厩舎(村上昌幸厩舎)のナイスディはデビュー前から期待の1頭だった。オールドファンならご存知かもしれないが、スーパークリークの母もナイスディ。現役時代、岩手で走って1勝。インターメゾの子供で母系もしっかりしていたので早めに繁殖入り。それがGⅠホース誕生の礎(いしずえ)となった。
こちらはナイスディの2代目。デビュー水沢850m戦を51秒9の好タイムで圧勝して2戦目に臨んだが、勝ったリュウノボーイが盛岡ダ1400mで1分26秒7で快勝。いかに軽い馬場だったにせよ、このタイムを出せる2歳馬も滅多にいない。
ナイスディも初コース、初の1400mなどを克服して1分27秒3をマークし、自身の能力は出し切ったが、巡り合わせに恵まれなかった。普通ならば圧勝してもおかしくないタイムだったのだから。
その敗戦があっても陣営はあせらず、今回もレース間隔をキッチリ開けて出走。いずれ頭角を現す逸材に間違いない。同厩ゴールデンライフが勝ち味の遅さがあり、その間隙を突いて直線抜け出すシーンまで。
ダークライは7戦を消化して芝の1勝のみ。この成績だけを見ると大したことがないと思うかもしれないが、前走・若駒賞では3角で早め先頭に立ち、マークされる苦しい競馬となりながら最内で粘って4着。見せ場はたっぷり作った。
北海道の2頭はリュウノ軍団2頭。リュウノアイドルは10戦0勝2着1回3着1回。ここ3戦とも着外が気になるし、体重が徐々に減少。長距離輸送がこたえないか不安があるが、強いメンバーに揉まれてきた点がなんとも不気味。
もう1頭のリュウノスターも同じく0勝2着1回3着1回だが、うまく流れに乗れれば好走の可能性大。先のジュニアGPでボヘミアンが初芝を難なく克服して快勝したことを考えればアッサリも十分あり得る。
◎(7)ゴールデンライフ
○(5)ナイスディ
▲(4)ダークライ
△(8)リュウノアイドル
△(9)リュウノスター
3連単は7、5の1、2着折り返しから4、8、9の3着流し
馬複は 5-7、4-7、7-8、4-5
<お奨めの1頭>
7レース ヨイチラブソング
岩手初戦を4角先頭の強いレースで完勝。水沢の重い馬場がネックだろうが、ここでは実力が一枚上
今開催から戦いの場が水沢へ替わり、その開幕を飾るのが九州・佐賀、荒尾所属の騎手交流戦「M&Kジョッキーズカップ」が3戦にわたって繰り広げられる。
Mはみちのく(岩手)、Kは九州の頭文字で前身は荒尾騎手招待競走。その後、九州騎手招待競走を経て平成13年から「M&Kジョッキーズカップ」へ発展、名称変更となった。今年は11月1日(土)から3日(月)まで3戦行われ、舞台が盛岡から水沢へ移ったが、ポイント戦ではなく一戦一戦が単発。第1戦はB2級・水沢1600mで行われる。
主軸はグッゲンハイム=阿部英俊。中央未勝利ながら札幌ダート1700mで2着1回。この実績があればB2通用は過去の転入馬で証明済みだったが、それにしても初戦の強さは際立っていた。
前走比プラス20キロと大幅な体重増だったが、2番手を楽々と追走。逃げたシンボリカッシーニを4角で早々と交わして先頭。あとは余裕たっぷりで2着に5馬身差の圧勝劇を演じた。走破タイムも文句なく、小回り水沢も難なくこなす。
逆転筆頭はオウシュウカイザー=沢田盛夫利。相手なりにか駆ける堅実さを身上とし、今シーズンも着外に沈んだのはわずか一度のみ。目下7戦連続で馬券対象となっている。
その反面、追い込み一辺倒の脚質ゆえ届かないケースが多く、取りこぼしがあることも否定できない。それでも行き脚ついてからの伸びが実にシャープ。沢田騎手がどんなレースをするのかも興味深い。
モエレアンドロメダはオクトーバーカップで後方のまま8着に終わったが、敗因は明らかに適性低い芝が合わなかったため。それ以前には今季5勝(3月の特別開催を含めると6勝)を荒稼ぎし、本格化を迎えた。佐賀リーディング5位・下條知之とのコンビが見もの。
センタージールはシーズン半ばまで白星に恵まれなかったが、5走前に1勝、そして前走と2勝。特に前走はハイペースにも助けられたが、鮮やかなマクリを決めて高配当を演出した。着順が安定せずムラな面は否定できないが、先日、地方競馬通算3300勝をマークした小林騎手の手腕に託したい。
ドーリーゴンザレスの充実ぶりも目を引く。年を重ねるごとに地力が強化され、今季<4.5.2.4>と末脚が冴え渡っている。ただ近走が示すように芝を最も得意とし、ダートは若干割り引きが必要だが、リーディング首位・村上忍騎手がそれをカバーするか。あとは脚質に幅が出てきたハルカゼゴールド=河野直人が押さえ。
◎(3)グッゲンハイム
○(10)オウシュウカイザー
▲(7)モエレアンドロメダ
△(1)センタージール
△(5)ドーリーゴンザレス
△(6)ハルカゼゴールド
3連単は3、10の1、2着折り返しから7、1、5へ3着流し
馬複は3-10、3-7、1-3、3-5
<お奨めの1頭>
6レース ローレルアズーリ
格付けに恵まれて岩手初戦をハイタイムで完勝。右回りは初めてだが、水沢は地元コース
10月25日 第32回北上川大賞典(3歳以上・地方競馬全国交流 盛岡ダート2500m)
1着 リュウノキングダム
エイシンイッパツが逃げ、2番手にドリームスナイパー、3番手インにサイレントエクセル。リュウノキングダムは4番手外の絶好ポジションをキープ。いつもどおり1周目スタンド前からペースがガクンと落ちて超スローの流れになったが、しっかりと折り合いがついていた。
ラスト1000mからペースアップし、サイレントエクセルが脱落。3コーナー手前からリュウノキングダムが徐々に前へ接近し、後方に待機していたゴールドマインといっしょにスパート。
4コーナーでは最内エイシンイッパツ、中リュウノキングダム、外ゴールドマインが横一線で並んだが、それもわずか一瞬だけ。直線入り口でリュウノキングダムが先頭に立つと、あとは後続をグングン突き放して独走状態。
余裕たっぷりでゴールに入り、2着に4馬身差をつけて完勝。シアンモア記念に続いて岩手の根幹重賞2勝目をマークした。
「今回が初騎乗だったが、何度かいっしょのレースで騎乗して強いのは分かっていたので、自分がミスしなければ勝てると思っていた。
緩いペースで自分の馬の手ごたえも良かったが、前にいた馬も同様に余裕があったので自分から仕掛けていった。ただコーナーワークがあまりうまくなくて一瞬モタモタするところがあったが、気合いをつけたら鋭く反応。直線で勝利を確信した。
折り合いがまったく問題ないし、追い出してからの伸びも鋭く非常に乗りやすい馬。まだ若いので、これからもっと走ると思う」と村上忍騎手。
リュウノキングダムは今年5月のシアンモア記念で初遠征。アッサリ好位抜け出しを決めて初重賞を獲得。続いてみちのく大賞典へも参戦したが、ダートグレードの常連キングスゾーンに逃げ切られて2着。しかし半馬身差まで詰め寄り、成長確かなところを見せていた。
その後、地元に戻って1勝を積み重ね、重賞・埼玉栄冠賞へ挑戦。ハイペースに巻き込まれ2番手から5着に失速。今回はそのレースから中10日の強行軍に加え、輸送のハンデもあったが、まったく関係なく圧勝。
今後の予定については「ちょっと無理をさせて可愛そうだったので、疲れを取ることにまずは専念したい」と斉藤敏調教師。
2着 ゴールドマイン
前半は後方4番手にじっくり待機策に徹し3コーナーから一気にスパート。そのときの伸びがすばらしくリュウノキングダムと並んで先陣に襲い掛かり、4コーナーでは3頭が並ぶシーンもあったが、勢いはそこまででラスト200mで力尽きてしまった。
これまで最長が2000mで勝ち星が1600~1800mへ集中。距離が不安材料の一つだったが、前半で脚を貯める戦法で解消。関本淳騎手の好プレーが光った。
「3コーナーでの手ごたえは良かったが、直線で伸びを欠いた。最後は力の差」と関本淳騎手。
3着 マヨノエンゼル
リュウノキングダムをマークする形で進め、6番手を追走。3コーナーでゴールドマイン、リュウノキングダムが動いたのを見て追い出したが、反応がひと息。その遅れた分と未体験ゾーンの2500mにも戸惑って3着確保がやっとだった。
「いつもより気合いが足りなかったかも。それと3戦連続でマイルを使っていたので、いきなり長距離もきつかったのでは」と小林騎手。
4着 エイシンイッパツ
当初の作戦どおりだったようで、手をしごいて先手を奪う。スタート500mからペースダウンさせ、超スローに落としてマイペースに持ち込んで3、4コーナーまでは渋太く粘っていたが、直線で一杯となる。それでも見せ場を作って4着なら健闘だろう。
転入直前の南関東では1200mをメインに使われていたが、むしろ長い距離が合いそうな今回のレース内容だった。
5月から行われてきた盛岡開催も今日で終了。3つのグレードレース、芝の重賞、それぞれ熱く面白いレースばかりでした。夏の開催ではとことん荒れまくって"大万馬券祭り"があったのも印象深い出来事。馬券的には苦い思い出でしたけどね・・・。
この土・日の2日間はお天気も良く、競馬場の紅葉が秋の青空に映えて綺麗でした。昨年はほとんど赤くならないうちに終わりましたが、今年は急に寒さが厳しくなったせいかここ何年かで一番綺麗なくらいになりましたね。最終日にもう一度見たい、と思ったけれど月曜は天気が悪いのですね。それがちょっと残念。
さて、月曜メインの「遠野物語 プレ100周年レース」。A級一組戦ですが、この土・日にオープン級のレースがあったためか一組といってもちょっと手薄なメンバーです。
なにせ前走勝ち馬0、転入馬あり長期休養馬あり・・・。軸はともかくヒモは何とでもなりそうで、盛岡開催は最後まで悩まされそう。
本命は近走の安定度を素直に評価して(3)ダークマターとします。昨年の転入時から「好走すれども勝てない馬」の典型のような馬でしたが、この夏、内田利雄騎手騎乗で勝ってから馬が一変。それ以降も立て続けに勝ち星を挙げて8月以降だけで3勝しています。
前走こそ4着に敗れましたがそれはこの馬向きの展開にならなかったというだけの事。距離にしても、ここ何戦かの間に盛岡1800mで2勝、水沢1800mで1勝しているから問題はなし。心配があるとすれば前走のように先行馬のペースになって持ち味が活かせない場合ですが、このメンバーなら前走よりも強気に動けるでしょう。
対抗は(8)ケイジーウォリアをピックアップ。以前は盛岡1800mで3連勝した事もありますが近走はマイルの方がよさそうな結果。ただそれは自身の状態とも関係していたようです。夏を越して調子が上がってきたのはこの2戦の内容からも明らか、ならばこの距離でも期待していいでしょう。
3番手は(7)サンシャインヘイロを狙ってみましょう。どちらかといえば水沢がいいという事もあってのこの時期の始動でしょうが、当然盛岡がダメという事はないですし、最近は一息入った後の方が走りが良い。前走のような思い切った先行策を取ったりすれば、今の前残り馬場なら残り目も十分。
(6)トウショウアタックですが、距離実績はともかく長期休養明けを叩きつつ内容を悪くしながらの臨戦過程が気になる所。1000万下で好走しているならこのメンバーなら足りて良いはずも、今回は様子見という事で押さえ程度までの評価。
ちょっと気になるのが(10)ストロングラムダ。長期休養明けの前走は7頭立ての7着、しかし500kg前後の大型馬が順調に叩いていけばいずれ前進があっていい、というのがセオリー。その前走にしても1分58秒2で走っており、すんなり行ければ大きな差はなさそう。
★買い目
馬単(3)=(8)、(3)=(7)、(8)=(7)、(3)=(6)、(3)=(10)
★お奨めこの一頭
9R:エイシンウルフオー
ここ何戦か地道に上昇を続けてきた。距離に不安なし、展開も向きそう。そろそろ頭まであっていい。
25日(日)メインは岩手競馬の最長距離ダート2500mを舞台に行われる「第32回北上川大賞典」。
盛岡での開催は3年ぶりで旧・盛岡(緑ヶ丘)、OROパークで行われた北上川大賞典でフロック勝ちはほとんどなく、真の実力が問われる。
その裏付けの一つは連覇した馬が多いこと。過去にスリーパレード、ボールドマックス、グレートホープ、トウケイニセイ、モリユウプリンス、メイセイオペラ、グローバルゴッドが快挙を成し遂げ、ボールドマックス、グレートホープは3連覇の偉業を達成している。
以上の名前を連ねれば、ハッキリ分かると思う。岩手競馬の一時代を築いた強豪がズラリ。つまり、北上川大賞典がその時代を象徴するレースといっても過言ではない。
例外(失礼!)はグローバルゴッドだが、11歳まで現役で走り、北上川大賞典2連覇のほかにもみちのく大賞典を優勝。個性派で名を馳せ、ファンも結構多かった。ふじポンもグローバルゴットに出会って以降、競馬にのめり込んでいった。
話が逸れてしまったが、実力どおりに決まるのが北上川大賞典。今年の焦点は船橋・リュウノキングダムvs岩手の若き王者・マヨノエンゼルの雌雄対決に尽きる。
主軸をどちらにするか迷ったが、マヨノエンゼルの成長度に賭けてみたい。ポスト・ワタリシンセイキの重責を十分に果たして岩手クラシック二冠を獲得し、その後、古馬に殴り込みをかけ、すずらん賞、青藍賞と古馬の重賞・特別を連勝。南部杯でも岩手の大将格で臨み、地方最先着の6着に善戦した。
当初、不来方賞へ直行する予定もあったが、レース間隔が開きすぎるし、南部杯激走の反動もなく元気一杯。それで北上川大賞典を使うことになった。
ここ3戦ともマイルばかりに出走し、いきなり2500mを不安視する向きもあるが、元々がズブく追えば追うほど伸びるタイプ。スローでも折り合いを欠くことはほとんど考えられず、終い勝負に持ち込んで直線抜け出しを狙う。
一方のリュウノキングダムは5月に行われたシアンモア記念へ参戦。好位追走から4角で先頭に立ち、そのまま押し切る強いレースで快勝した。続いてみちのく大賞典へも登場したが、ダートグレードの常連キングスゾーン相手ではキャリアの差がハッキリ。直線で猛追したが、キングスゾーンの逃げ切りに半馬身差届かない2着に敗れた。
その後、地元に戻ってA2特別で1勝。重賞・埼玉栄冠賞ではハイペースの2番手を追走し、4コーナーで一杯となって5着に敗れた。
実績は言うまでもなく、ここでは№1。なんと言っても岩手所属馬に一度も先着を許していないのだから、能力は一枚上だろう。
ただ、不安点は中10日の強行軍と輸送になれているとは言え、盛岡は初コース。もう一つはスキャターゴールド、母父ロイヤルスキーの血統。レースセンスの良さが売り物で大丈夫とは思うし実際2000mを勝っているが、ステイヤーでないことは間違いない。
ソーユアフロストは2500mの距離も合うはず。中央時代の6勝すべてが芝2000mでマークし、昨年の北上川大賞典では3着。今季未勝利だが、距離を味方に反撃の可能性は十分にある。
ゴールドマインは中央ダート1600~1800mで4勝。OROカップ10着は実績のない芝だったので度外視できるし、長距離といっても上がりの競馬になることは間違いなく、そうなれば出番となる。
あとは川崎・エンジンソウル、盛岡向きのピンクゴールドが連下押さえ。
◎(8)マヨノエンゼル
○(5)リュウノキングダム
▲(3)ソーユアフロスト
△(6)ゴールドマイン
△(1)エンジンソウル
3連単は8、5の1、2着折り返しから3、6を厚めに。あとは1、10を3着押さえ少々
馬複は 5-8、3-8、6-8、3-5
<お奨めの1頭>
8レース マルブツワーキング
前走・区界賞は芝が懸念されたが、案の定、後方から差を詰めただけに終始。しかしダートに戻れば実力の違いを見せつける