7月19日 第31回せきれい賞(3歳以上・地方競馬全国交流 盛岡芝2400m)
(せきれい賞 写真・佐藤到)
1着 コスモヴァシュラン
カネショウエリートが逃げ、2番手にカクテルラウンジ、その外にケイジーウィザード。インにボスアミーゴ、外にコスモバルクの隊列。
コスモヴァシュランはスタート直後、先団から離れた後方5番手の位置だったが、徐々に前へ接近して内と外と離れていたが、コスモバルクをマークする形でレースを進める。
ラスト800mからピッチが上がり、コスモバルクが3番手に進出し、連れてコスモヴァシュランもスパート。3コーナーから一気に仕掛けると3〜4コーナーで先頭。直線入り口では後続に4、5馬身離してセーフティリード。
コスモバルクも必死に追い上げにかかったが、その差は詰まるどころかさらに突き放して7馬身差。通算2勝目が重賞制覇、コスモバルクを破る大金星をあげた。
「芝向きの馬だとは分かっていたが、まさかコスモバルクを破るとは思わなかった。あまり離されずに追走し、コスモバルクが動いたのを見てスパート。一瞬はいい脚を使う馬だが、先頭に立つのが早すぎた。それでソラを使わないか心配だったので、最後まで気を抜かずに追ったら7馬身差。こんなに離して勝ったことにもビックリした。今までマイル前後ダートで忙しい競馬が合わず着止まりだったが、今回は条件も流れもすべてこの馬に向いた。」と町田直希騎手。
コスモヴァシュランは中央8戦0勝2着1回から一昨年7月に川崎・河津裕昭厩舎へ転籍。追い込み一辺倒の脚質のため1勝のみ。しかし昨年9月、OROカップへ挑戦したところ、前が塞がる不利がありながら0・7秒差(7着)。この結果から盛岡芝適性があると踏んで今回のせきれい賞へ挑戦してみたと河津調教師。
また町田騎手は06年、12番人気のビービートルネードに騎乗。低評価を覆して優勝した実績があった。今回も思い切った騎乗が見事はまり、9番人気の単勝8950円の高配当を演出した。
「まだC1級の条件馬だが、せっかくの権利を行使してオールカマーに挑戦してみたい気持ちもある。あくまでもオーナーと相談の上だが」と河津調教師。
2着 コスモバルク
「押し出されて逃げの手になるかもしれないが、できれば2、3番手で競馬をしたい」(田部調教師)の希望どおり、不利を受けない5番手外につける。1周目4コーナーで掛かる仕草をちょっとみせたが、小林騎手がうまくなだめる。
向正面に入って徐々に前へ接近し、3番手まで進出。いつでも抜け出せるかと思ったが、まったく伸びずモタモタしっぱなし。鞍上・小林騎手が手をしごいても反応がひと息で出し抜け的に先頭に立ったコスモヴァシュランに離される一方。
直線を向いてもピリッとする訳ではなくジワジワと伸びるのがやっと。2着は確保したものの7馬身差もつけられてしまった。
「水しぶきが飛び散る不良馬場に泣いた感じ。こんな経験がなかったのが敗因かも」と田部調教師。
また小林騎手は「返し馬でも落ち着いていたというか元気がなかった。走る気がなかったようです」と語っていた。
折りからの激しい雨で極端な不良馬場。陣営も折り合いと馬場を最も心配していたが、その不安がずばり。ただ、それらを割り引いても7馬身は離されすぎ。馬体重も久々に500キロを割り、パドックでも気合いがもう一つ。厳しい言い方だが、迫力を取り戻すには相当の労力が必要かもしれない。
3着 ソーユアフロスト
前半は後方待機策に徹し、3コーナーからスパート。前にいたカネショウエリート、ボスアミーゴの脚色が一杯となるところ大外から鋭く突っ込んで3着に食い込む。ペースは速く見えなかったが、先行馬で最先着がカネショウエリートの4着。思った以上にタフさを要求される競馬となった。
第13回マーキュリーカップ(Jpn? 盛岡ダート2000m)
(マーキュリーカップ 写真・佐藤到)
1着 マコトスパルビエロ
スマートファルコンが楽にハナに立つと思ったが、マコトスパルビエロ=安藤勝己騎手が手をしごいて先手をアピール。それを見てスマートファルコンがスッと控え、マコトスパルビエロが逃げ、2番手にサカラート、3番手外にスマートファルコンの順で落ち着く。
テン3ハロン36秒0だけはちょっと速かったが、その後は12秒台から13秒に落として前半1000mが62秒0。交流レースでは決して速くはなく、むしろスローに近い流れ。安藤勝己騎手が絶妙のペースで逃げた。
3コーナー過ぎからサカラート、スマートファルコンが徐々にマコトスパルビエロに接近し、直線入り口ではスマートファルコンが並び、一瞬交わすシーンもあったが、そこからが安藤勝己=マコトスパルビエロの真骨頂。
二の脚を使ったというより、直線まで脚を貯めていたのを我慢させ、満を持してスパートをかけると再びジワジワと突き放して4馬身差。逃げ馬のお手本になるような絶妙なペース配分で完勝。安藤勝己騎手は待望の初重賞をマコトスパルビエロにプレゼントした。
「能力がある馬なのでスタートさえ決まれば逃げの手に出るつもりだった。道中、馬がリラックスして走っていたので直線でまた伸びてくれるだろうと思っていた。コーナー回りが下手な馬だが、今回はスムーズ。長い距離ならこれからも楽しみになった」と安藤勝己騎手。
「賞金を加算させて選択肢を増やしたかったので是非、勝ちたかったレース。涼しくなる秋まで夏休みを取ってビッグレースに向かわせたい。その前に一度叩くと思うが、具体的なレースは決めていない」と鮫島調教師。
意表を突く逃げから絶妙のペース配分から鮮やかな逃げ切り。これまでモタモタしていたのがウソのような快走劇。安藤勝己騎手の手腕によるものも大きいと思うが、これでマコトスパルビエロはひと皮むけた印象。広いコースでコーナーワークさえうまくこなせれば、ビッグタイトル獲得も決して夢ではないはず。
2着 スマートファルコン
マコトスパルビエロが先手をアピールしたのを見て、無理をせず3番手に控える。道中の手ごたえも悪くなく、3コーナーからスパートをかけて直線で一旦先頭に立ったが、そこからの伸びが案外。今回は2着確保が精一杯でダートグレードの連勝は6でストップした。
「太いとは思わなかったが、ちょっと余裕があったかも。馬も落ち着きすぎて行く気もなかったから、2着は仕方なしかも」と岩田康訓騎手。
さきたま杯からレース間隔が1ヵ月半もなかったが、それでもプラス20キロの504キロ。名古屋大賞典でも501キロだったが、今回は放牧から戻って2週間あまりでの出走。まだ仕上がり途上の感は否めず、レースでもシャープさがもう一つだったようだ。
加えて盛岡ダート2000mは直線の上り坂を2度通過しなければならず、最後で伸びを欠いたのはそれも理由だったかもしれない。
3着 サカラート
終始2番手を追走し、スマートファルコンといっしょにスパート。マコトスパルビエロ、スマートファルコンの間に入り、苦しい流れだったが、最後まで気力は衰えなかった。
裂蹄の持病を持ち、名古屋大賞典から直行だったが、山元トレセンで入念に調整。栗東帰郷後も週に1回程度、坂路で追い切りマイナス4キロで出走。さすがに往時の張りは薄れていたが、体はきっちり仕上がっていた。
「盛岡とは相性がいい。9歳馬だが、盛岡みたいなコースならまだまだ戦力になる」と中舘騎手。
4着 エスケーカントリー
前半は後方5番手に待機し、3コーナー手前からスパート。4コーナーで4番手まで進出しメンバー最速の36秒1の上がり脚を駆使したが、前の3頭で決着したように追い込みタイプには苦しい流れだった。
先週から盛岡競馬場での開催に移た岩手競馬ですが、荒れる事荒れる事!
7月11日の土曜日が11R中9Rで3連単万馬券。恐らく3連単発売開始後最多の万馬券だと思っていたら、翌12日が11R中10Rで3連単万馬券。前日の記録を塗り替えたばかりか、間違いなく史上最高の万馬券数となりました。
12日も、前半は穏やかだなと思っていたのですが、後半から荒れ始めて万馬券7つ。結局この3日間34R中26Rで3連単万馬券という途方もない荒れっぷりに。
そして今週も、18日土曜日が万馬券6本。19日日曜日が9本。堅いと思われていたメインのコスモバルクが敗れたために44万馬券が飛び出したのをふくめ、10万越えが3本もある荒れ方。
結局何が原因かというとコース状態なのでしょう。先週はまだ「逃げ・先行有利」がはっきりしていたのですが、今週はひたすら高速決着の中で逃げ切りがあったり追い込みが届いたりつかみ所がない。乗っている騎手が首をひねるくらい難しいです。
今日月曜日は天候も回復し、コース状態もいくらか回復するでしょうが、基本的には波乱前提で心づもりをしておくのがいいのかも・・・。
とはいうものの、メインのマーキュリーカップのこの馬は堅いでしょう。ダートグレード6連勝中の(4)スマートファルコンです。
昨年、芝のクラシック挑戦の夢は叶いませんでしたが、ダートではデビューから13戦10勝2着3回とパーフェクト。昨秋の白山大賞典優勝後からダートグレード8連続連対中、彩の国浦和記念から6連勝中。ダートの歴史の中でもまれに見る優れた成績を残しています。
既に2100mの重賞を勝っているのだから距離に全く不安はないし、勝ち方もほとんどがワンサイド。G1獲りに向けここは通過点に過ぎないでしょう。黙って本命視。
対抗は(11)マコトスパルビエロ。ちょっと気難しい馬で以前はすんなり先行できないと好結果が出ないような所がありましたが、最近は前で粘り込む競馬が板に付いてきました。鞍上はこの馬の事を最も良く知る騎手だし、今のコース状態を考えれば先行できればそうそう崩れないでしょう。
JRA勢の中でもこの2頭が抜けている印象、(4)と(11)が前にいってそのまま、という事になりそうですが、どこかで食い込むとしたら(1)エスケーカントリーでしょう。
重賞での実績はなくJRA勢の中では最も格下。しかし左回り・中距離が得意という点に注目したいところ。昨年のブリリアントS優勝、今年の東海SG2で5着ならここでも上位に食い込む資格あり。
(9)メイショウトウコンは過去の重賞実績なら(4)に次ぐNo.2。全国各地で様々な条件を戦ってきている経験値も魅力です。しかし、名古屋大賞典でのスマートファルコンとの5馬身半の差は、こちらが休み明けだった分を考慮しても力の差がはっきりした感があります。
昨年の覇者(8)サカラート。ローテーションは昨年同様、その前も割と順調に使われていた点は昨年以上といえますが、近走を見る限りやや年齢の影響が出ている印象です。おそらくは盛岡コースとの相性が良いでしょうし、それを武器にしてどこまで・・・。
地方の期待は(2)クインオブクインにかかるのですが、ここは同型があまりにも強力。この中でどこまで自分の戦いができるか。それ次第では上位に食い込めるかも。
◆買い目
馬単(4)=(11)、(4)=(1)、(11)=(1)、(4)→(9)、(4)→(8)、(4)→(2)
19日(日)メイン10レースは盛岡芝2400mを舞台に行われる「第31回せきれい賞」、12頭立て。注目はもちろんコスモバルク。盛岡遠征は2年前、OROカップ以来2度目となる。
(コスモバルク 写真・佐藤到)
あのときのレースを振り返ってみたい。五十嵐冬樹騎手は前半無理せず3番手を追走。1周1400mの小回りを意識してコーナーワークに最大の注意を払い、安全運転に心がけた。
しかし能力の違いが歴然で3コーナーでオグリホットを馬なりで交わして先頭。ラスト100mで気合いをちょっとつけると後続を突き放す一方。ボスアミーゴも早めスパートをかけ、「本気で勝ちに行った」(菅原勲騎手)が、4馬身前をコスモバルクが楽々走っていた。
当時、馬インフルエンザ渦に巻き込まれ、加えて使うレースがなかったため遠征前に地元重賞・瑞穂賞へ出走。ダート適性がないのは分かっていたが、よもやの3着に敗れていた。
それもあったのだろうコスモバルクがゴールに入った直後、場内はシーンとしていた。無事に走り、負けられないレースをちゃんと勝ってファンはホッとした表情。時間差があって歓声と拍手が起こった。
あれから2年が過ぎ、さすがに衰えを隠せず3度目のシンガポール航空国際カップ6着後、5戦とも大敗の連続。宝塚記念では「押し出される格好で逃げることになった」(田部調教師)が、4コーナー手前で早くも一杯。馬群にどんどん飲み込まれてブービー13着に沈んだ。
今回、せきれい賞を選んだ理由は「勝ち味を思い出させて立ち直るきっかけを何とかつかみたい」ということと「天皇賞・秋トライアルの権利を取りたい」(いずれも田部調教師)の二つ。
不安は「体が重いかもしれない」と「間違いなくスローになるだろうから折り合いがつくかどうか」だという。確かにゴール板を2度通過する2400m。1周目スタンド前がゴールだと錯覚してガンと行きたがる可能性も高いが、そこは初コンビを組む小林騎手がうまく御してくれるだろう。
相手筆頭は盛岡ターフに絶対の自信を持っているボスアミーゴ。3歳時、4歳半ばまではマイル前後がベストだったが、年々ズブさを増している中、今回の2400mが最も合う距離。コスモバルクに折り合いの不安が残るとすれば、つけ入る隙はそこ。OROカップの4馬身差をどこまで詰めることができるか、そして菅原勲騎手は秘かに逆転を狙っているかもしれない。
カネショウエリートは本質的には芝が合わない。村上忍騎手はそう断言している。ただペースがゆったりとする長距離戦向きで芝ダートを問わず不良馬場を得意とする。天気予報では今週末は雨模様だそうだから、陣営は雨乞いをしたいところ。それならばボスアミーゴに先着できる可能性も十分にある。
カクテルラウンジは昨年のオパールカップでリュウノツバサ、ウィンエヴリーに次ぐ3番人気だったが、芝適性を前面に快勝。さすがダイナアクトレスの孫と大向こうを唸らせた。その後、勝ち星から遠ざかっているが、ゲンのいいコースでコスモバルクと同様、復活の手応えをつかみたい。
なかなか軌道に乗れないでいるソーユアフロストだが、中央時代に芝6勝マーク。心機一転を図りたいところだし、同じ意味がコンバットキックにも言える。2年前、オパールCで落馬中止の憂き目にあったハイベットタイム。今度こそそのときの雪辱を晴らしたい。
◎?コスモバルク
○?ボスアミーゴ
▲?カネショウエリート
△?カクテルラウンジ
△?ソーユアフロスト
△?コンバットキック
3連単は9を1着固定に1、3の折り返し本線。あとは5、6、2が3着押さえ
馬複は1−9、3−9、5−9、6−9
<お奨めの1頭>
11レース ドーリーゴンザレス
基本重量55キロだが、騎手ハンデ戦53キロで騎乗は恵まれすぎ。ここ2戦2着はエアメギド相手では仕方なし。今日こそ白星をゲットする
18日(土)メインはA級一組「ブロードバンドカップ」(盛岡ダート1600m)、10頭立て。
カギを握るのはもちろん中央オープンからの転入馬トーセンザオー。短距離1本に絞って芝1200m<6.8.3.18>、ダート1200m<1.1.2.4>。
昨年のG?・ガーネットステークス(中山ダート1200m)でタイセイアトムの0・6秒差5着、同じくG?・オーシャンステークス(中山芝1200m)でプレミアムボックスの0・2秒差6着など実績も申し分なし。おそらくクラスターカップを狙っての移籍と見て間違いない。
7ヵ月半ぶりの実戦に加え、1600m経験は芝で一度のみ。さらには上積みをそれほど見込めない9歳馬など不安材料はあるが、これまでの実績がすべてカバー。好発進を決め、短距離路線の主役を突っ走りたい。
逆転筆頭はメタモルキング。岩鷲賞は逃げたフリーモアを徹底的にマーク。3コーナー過ぎに競り落としてそのまま押し切るかに見えたが、ダンストンリアル、リュウノツバサの強襲に屈してアタマ差、アタマ差の悔しい3着に敗れた。
しかし、大方はメタモルキングが最も強いレースだった―と評価。同馬の渋太さとスピードには舌を巻いた。7歳馬ながら衰えはまったくない、というより老いて益々盛ん。毎回、好勝負を演じて個性派健在を誇示している。
ピンクゴールドは開幕当初、昨年と同様に体重を減らしていたが、徐々に回復。結果はともかく前回430キロまで回復したのが心強い。切れ勝負型のため水沢では末脚が不発のケースも多いが、盛岡ダートは4戦2勝2着2回。3歳重賞・不来方賞優勝を含め、すべて馬券対象も見逃せない。
今季、ダークマターが着外に沈んだのは距離が合わなかった早池峰賞9着だけ。いまだ岩手未勝利と詰めの甘さは解消されていないが、前回も2着確保。引き続きマークが必要。
トキノプリンセスは月1回のローテーションをキッチリ守り、前走は鮮やかな逃げ切りを決めた。レース運びが実にスマートだが、その半面で破壊力がもう一つ。これが強く押せない理由だが、上位争いの一角は譲れないだろう。
あとはハイペースになった際にはハルサンヒコの台頭があるかも。
◎?トーセンザオー
○?メタモルキング
▲?ピンクゴールド
△?ダークマター
△?トキノプリンセス
△?ハルサンヒコ
3連単は10、9の1、2着折り返しから7、4、8へ3着流し
馬複は9−10、7−10、4−10、7−9
<お奨めの1頭>
8レース コスモリュウキ
転入2戦目を2番手キープから直線抜け出して快勝。走破タイムがすばらしく、相手強化も難なく克服する
7月12日 第10回オパールカップ(3歳・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
(オパールカップ ゴール 写真・佐藤到)
1着 エイブルインレース
隣の枠(2番枠)からマーチボーイが手をしごいて先手をアピールしたのを見てスッと2番手に控え、うまく外に出す。レース前は最内1番枠に入り、包まれることも懸念されたが、そこは南関東のトップジョッキー・戸崎騎手に手抜かりはない。
道中のペースは決して速くはなく、エイブルインレースはいつでも抜け出せる態勢。3コーナーからフレンチマリーがスパートをかけ、徐々に接近。それでも戸崎騎手は手綱をガッチリ抑え、4コーナーでは馬なりで先頭。
直線を向いて一瞬、フレンチマリーが馬体を併せるシーンもあったが、満を持して追い出しをかけるとエイブルインレースはすばやく反応。後続を再び突き放してゴールでは余裕十分。結果的には1馬身差にすぎなかったが、それ以上に強さが際立っていた。
「どこからでも競馬ができるので自分のペースに持ち込むことに心がけた。久し振りだったが、休養で馬体がふっくらと元に戻っていたし、馬も芝が合うので安心して乗れた。直線で後ろから来たら闘争心も出してくれたので収穫も大きい。今回は八分ぐらいのデキだと思うので、これからもっと良くなっていくはず。秋も楽しみ」と戸崎圭太騎手。
次走予定は紫苑ステークス(JRA)。そこで上位2着までに入れば秋華賞の優先出走権を獲得できる。
2着 フレンチマリー
道中はエイブルインレース1頭をマークする形で進め、3コーナーからスパート。そのときの反応は悪くなかったが、やはり相手の実力が一枚上だった。
2歳時、ホッカイドウ競馬所属時にクローバー賞にエイブルインレースといっしょに挑戦。片や3着に入り、こちらは後方のまま11着に終わっていた。今回はそれ以来の芝で適性が心配だったが、これで芝でもメドが立った。
3着 センリグランピー
指定ポジションの後方2番手を追走し、向正面から外に持ち出してロングスパート。そこからいい感じで伸びて最後は脚色が同じくなったが、岩手最先着の3着は価値がある。
センリグランピーは過去3度、盛岡芝を使われて6、8、5着。ダートではソコソコの競馬を見せていたが、芝適性で劣ると判断されてブービーの10番人気。それを考えれば大健闘と言っていいし、ダイヤモンドC3着に続いて意外性の男ぶりを発揮した。
4着 エンジンソウル
終始4、5番手のインを追走し、直線でも最内を強襲。内と外の3着争いは惜しくもハナ差先着を許したが、初の芝でこの内容なら上々。パドックでも非常に良く映り、芝も難なくこなした。まだ1勝のみの馬だが、今後さらに力をつけていきそうな印象だ。
5着 マヨノエンゼル
二冠達成後、適鞍がなかったためオパールカップに駒を進める。道中は後方4番手に待機し、3コーナーからスパート。しかしダートで見せる切れはなく、入着を果たすので精一杯。もちろん力量差もあるだろうが、芝では本来の能力を出せない。ただレース間隔を開けたこともあって体重がプラスの408キロ。できれば420キロはほしい馬なので、これは好材料だった。