29日メインはA級一組「水沢青年会議所杯」(水沢1800m)、8頭立て。今年度の最優秀古馬に選出されたカネショウエリートが出走する。
3歳時まで活躍の場はほぼ芝に限られ、A2級でも頭打ちだったが、昨年は芝ダートを問わず大活躍。6月、B1戦(盛岡ダート1800m)を皮切りに圧巻の5連勝をマーク。一気にオープンまで上り詰めた。その後はトップグループの壁に突き当たったが、4歳の成長度で克服。不良馬場のきんもくせい賞(芝2400m)で初の重賞タイトルを手にし、ついにはファン投票・桐花賞も完勝。遅咲きの血が一気に開花した。
冬期間は完全リフレッシュに専念し、自厩舎で休養。2月中旬から順調に乗り込みをこなし、最終追い切りの動きも上々。好発進を決め、また父メイセイオペラにビッグなプレゼントを贈ってほしい。
オウシュウクラウンは長い長いスランプからようやく脱出。白嶺賞、トウケイニセイ記念2着でようやく復活の手ごたえを掴んだ。休み休みの実戦だったのは、球節に爆弾を抱えていたため。しかし幸いなことに腫れそのものは引かなかったが、患部が固まって落ち着いたから。冬休みもオウシュウクラウンには好都合となり、「納得の仕上がり」と陣営。
カネショウエリートが今年度の最優秀古馬なら、こちらは2年前の年度代表馬。その面子にかけても反撃に転じたいところだ。
ヤマニンエグザルトは毎年コンスタントに結果を出し、これほど長期にわたって活躍する馬も本当に珍しい。昨年も水沢1900mのレコードを更新し、特別2勝。惜しくも重賞には手が届かなかったが、年間を通じて岩手のオープン戦線を支えた。
休み明けもまったく苦にしないタイプで、昨年3月の特別開催でも見事1着。歴戦のキャリアで通算26勝目を狙う。
サイレントエクセルは昨シーズン、まったく不本意な内容に終わったが、一貫して?2の座をキープしてきた実力牝馬。この冬は遠野馬の里へ移動し、坂路で再度鍛えなおしてきたという。この時期は本質的には合わないが、今年は信じられないほどの暖冬。復活の1年を期待したい。
ソーユアフロストは桐花賞で1番人気に支持されたが、案外の10着。しかしこれは中間の降雪でまともな攻め馬ができなかったのが敗因。北上川大賞典3着の実力を持ってすればアッサリあって不思議はない。
◎ ?カネショウエリート
○ ?オウシュウクラウン
▲ ?ヤマニンエグザルト
△ ?サイレントエクセル
△ ?ソーユアフロスト
3連単は5、6、8のボックスが本線。しかし思い切って7、1から入る手も十分
馬複は5−6、5−8、5−7、1−5
<お奨めの1頭>
9レース ワイルドシャトー
園田では未勝利に終わったが、C2では役者が違うとばかり強いレースで完勝。連勝疑わず
28日(土)メインはA級馬による水沢1600m戦「5きげんテレビ3千回放送記念」。岩手県外のファンにはちょっと馴染みの冠だと思うが、これはテレビ岩手(日本テレビ系)で毎週月曜日から金曜日夕方に放映されている地元情報番組。
主軸はメタモルキング。重賞特別では結果を出せないでいるが、平場戦で抜群の安定感を誇り、昨年も3勝2着3回3着3回。トウケイニセイ記念はブービー11着に沈んだのは、いわゆる一線級の壁。果敢に逃げたが、3コーナーで早めに交わされてしまった。
しかしこのメンバーに入れば実力上位は明白。しかも水沢1600m戦は<5.8.3.7>と最も得意とする条件で、ここはきっちり勝ちたいところ。
ただ、ちょっと気になるのは尻上がりに調子を上げていくタイプなので、久し振りがどうでるか。それだけが不安材料だ。
逆転筆頭はエアルーア。中央デビューで9戦して2着2回3着2回のほかすべて入着の堅実派だったが、未勝利に終わって07年11月に岩手入り。A2級で2勝3着1回の成績で中央へ戻ったが、着を拾うので精一杯。再び昨年11月、岩手へ戻ってきた。
初戦は3番手追走のまま3着にとどまったが、2戦目を快勝。スタートで出遅れを喫したが、果敢にハナに立って押し切った。
おそらく中央で勝てなかったのはスピードに対応できなかったから。その点で岩手、特に水沢コースはエアルーアに打ってつけのようで絶好枠から一気押し切る。
ダークマターは中央ダートで4勝マークしたが、2度の長期休養を余儀なくされ、昨年8月、南関東を経て岩手へ新天地を求めてきた。母はビューチフル・ドリーマーカップ(当時:特別で実施)を含め、10勝マークしたパローニアクレスト。
みなさんは昨年のユニコーンSで圧倒的なパフォーマンスを披露したユビキタスのお母さんでお馴染みかもしれない。
ダークマターは岩手未勝利だが、A級のトップグループとも勝ち負けを演じ、赤松杯5着、白嶺賞4着。ここでアッサリあって不思議はない。
ゴールデンクリークは岩手ダービー・ダイヤモンドカップを見事優勝。飛躍が期待された1頭だったが、その後は白星がなく古馬編入後もひと息。案外の結果に終わったものの、最終戦で3着。これで通用のメドが立った。馬体の良さは同世代でも群を抜き、今年こそ重特戦線へ殴り込みをかけてほしい。
トキノプリンセスは中央1勝から昨年転入。当初はA級のペースに戸惑ったが、一戦ごとに良化一途。3戦目のA・B1混合戦で待望の白星をマークした。ゴールデンクリークと同じ4歳。今後の成長も楽しみだ。
◎ ?メタモルキング
○ ?エアルーア
▲ ?ダークマター
△ ?ゴールデンクリーク
△ ?トキノプリンセス
3連単は9、1、2のボックスが本線。あとは7、4を3着押さえ
馬複は1−9、2−9、1−2、7−9
<お奨めの1頭>
6レース デポジットブック
昨年A級馬が最下級C2へ一気に降格。初戦はグリフィンアイズの大駆けに屈したが、2着を死守。叩かれて今度は首位譲れない
3月20日。私は岩手競馬の今年度最終開催が始まる水沢へは行かず、滝沢村にある「馬っこパーク・いわて」(http://umakkopark-iwate.org/top.htm)へ向かいました。地元TV局の報道陣も集まる中行われたのは、岩手の怪物と呼ばれた名馬・トウケイニセイの一般公開開始に先立って行われたセレモニー。式では馬主の小野寺喜久男さん、馬っこパーク・いわてを運営するNPO法人乗馬とアニマルセラピーを考える会の渡辺史朗理事長や現役当時のトウケイニセイを担当した獣医師の山手さんらの手によってテープカットが行われました。
今さら解説するまでもありませんが、同馬はデビュー以来18連勝、41連続連対の大記録を持つ最強馬で、種牡馬生活を送った後は日高のエクセルマネジメントで余生を過ごしていました。今回は伝説の名馬に岩手競馬のファンがもっと気軽に逢いに行けるようにという関係者の願いが実現し、ここを終の棲家をすることとなりました。
関係者のエピソード披露のあとはいよいよトウケイニセイの登場。馬っこパークスタッフの手によってトウケイニセイが曳かれてきました。1月12日の水沢競馬場以来となるトウケイニセイは長かった冬毛も大分さっぱりとし、体つきもふっくらしてきて人間でいえば80歳という年齢をあまり感じさせないほど。それどころかたくさんのカメラを前にやや興奮気味で、引き綱を放せばいまにも全力疾走しそうでした。
余談ですが、山手獣医師は私の飼い猫がお世話になっている動物病院の院長先生。盛岡競馬場の厩舎でお仕事されているのは知っていましたが、トウケイニセイを診ておられたとは存じませんでした。またもう一人のボランティア獣医さんも大学時代のサークルの大先輩だったり、その先輩の奥様とも意外なつながりがあったりと、いやはや、馬の世界も狭いものですね。
岩手の至宝・トウケイニセイとは、馬っこパークの休園日月曜以外はいつでも会うことができ、11〜13時までは放牧も行われる予定。またクラブハウスでは現役時代に勝ち取ったトロフィーや肩掛けなどの展示も行われます。ただし現在、同厩馬がやや体調を崩しているため厩舎への立ち入りを制限することがあるそうですので、確認してから出掛けるのが無難でしょう。
(文/写真・佐藤到)
月曜のメイン10RはB1級一組の楽天競馬杯。この春競馬が始まって初めてのダート1800m戦です。
この距離では内枠有利、というのは皆さんもご存じでしょうが、今シーズンはコース状態のせいなのか、外枠からダッシュしていって上位争いする、というシーンがしばしば見られます。今回も8頭立てという事で、あまり枠の内外にはこだわらなくて良いのではないかと思います。
この3日間のメインの中でも最上位クラスとあって、B1級からA級まで上位クラスの馬が入り乱れていますが、本命は(5)サイレントカイザーを狙いました。
昨年は一時スランプっぽくなりましたが秋から復調、10月以降の7戦では4勝、加えて掲示板を外していません。確かにここまでの実績として水沢1800mではイマイチ。しかしこの条件で凡走した時は馬の状態や相手関係にも難があった印象で、この距離が長いという事はないはずです。ここは素直に本命視で。
対抗は(6)マイネルアンセム。A級でカネショウエリートを破ったのは見事。重賞では全くでしたが平場では安定してきており、基本的には好調サイクルに乗っているのでしょう。この距離も手頃なはず。
(2)サクラアリエルは水沢中距離の鬼といっていい存在。この馬の場合、ポイントは馬体重で、きっちり力を出すには少なくとも480kg台前半に絞れている事が必要です。休み明けで手頃な体重に落ち着くかどうか?が微妙な点ですが、ここまで乗り込みも順調のようですし、そこさえクリアできているなら上位争い。
あとは、ですが、まず(4)アルディ。この馬にとっては1800mは気持ち長い気がしますが、日曜の雨で渋り気味のコース状態が味方になれば。
転入2戦目の(1)シグナルパス。前走の1番人気3着という結果をどう見るか。私は、やや気合い先行気味で折り合いに苦しんだ分伸びを欠いた、という印象でした。ただ、前回は外枠だった分でそうなったのかもしれず、この枠ならば折り合える、と期待しても良いでしょう。
●買い目
馬単(5)=(6)、(6)=(2)、(5)=(1)、(5)=(4)、(6)→(2)
◆お奨めこの一頭
6R:アマデウス
微妙にクラスが下がって相手関係は引き続き楽。短い距離にも全く苦手感無く、冬休みを挟んでの連勝濃厚。
いよいよ春競馬スタート、なのですが、今回は競馬以外のネタで入りたいと思います。
「禅(ZEN)」という映画の中で、主人公・道元らの一行が桜並木の下を歩くシーンがあります。このシーン、実は水沢競馬場の桜並木を使って撮影されたのだそうです。
『ロケーションジャパン』という雑誌によれば「桜が散り始めた頃の撮影だったため、スタッフが落ちた花びらを集めて舞い散らせたりした」とありましたが、昨年は4月20日頃に満開、次の週にはもうすべて散ってしまっていたので、とすれば撮影は4月22〜23日頃だったのでしょうか。
映画ではロングで撮って“壮大な桜並木”という印象が強調されていますが、実際もそんな感じだと思います。確かに、桜の名所は多数ありますが、2列に並んだ桜を遮る物なくずーっと見通せる所というのは案外ないですよね。
この水沢競馬場の桜並木、毎年桜が満開の時期には一般公開されています。「禅(ZEN)」を見て「おおっ!」と思った方、ぜひ水沢競馬場に来て、実際の桜並木の迫力を体験してみて下さい。
なお、例年は4月20日前後に満開になるのですが、今年はかなり早くなりそうだという予想です。一般公開は競馬開催日のみですので、そうですねえ、4月11日〜13日あたりを狙ってみて下さい。
本命は(5)ヒカルメイオーでいいでしょう。1月3日の睦月賞で3着に敗れ連勝が10で止まってしまいましたが、使い詰めできた上に1600m→2000mの距離延長が応えたのでしょう。一息入れてのマイル戦なら雪辱可。相手関係も、クラス的には若干強化された格好ではありますが、実力的には全く強化感はありません。
対抗は(8)サイレントステージで。前走の勝利が実に1年7ヶ月ぶりの美酒。実力馬が長いスランプからようやく立ち直ってきました。いや、ここ3戦で見せたしぶとい走りは“立ち直った”という以上に目を惹くものがあります。やや外枠過ぎるのがマイナスになるかもしれませんが、ここは注目すべき馬でしょう。
(2)ヒドゥンアジェンダは荒尾に遠征して3戦1勝3着2回、軌道に乗りつつの岩手帰還となります。B1級は一度突破しているし、水沢マイルも4戦3勝と好相性。長距離輸送の疲れさえ無ければ好勝負。
まずは上記3頭が中心。この3頭三つどもえの中に食い込むとすれば(4)サンワードグロー・(6)ブラックオーメンでしょうか。
まずサンワードグロー。08年シーズンここまですでに10勝を挙げており、また前走ではヒカルメイオーを破っているように実力はここ通用レベル。相手なりに走って崩れない所も魅力です。
ブラックオーメンはA級からの降級がプラス材料。加えて06年〜08年、3月開催の初戦で掲示板を外した事がない、意外に仕上がり早の所があります。少しの展開の助けがあれば上位争いも十分に可能でしょう。
●買い目
馬単(5)=(8)、(5)=(2)、(8)=(2)、(5)→(4)、(5)→(6)
◆お奨めこの一頭
7R:リーガルマインド
金沢A級→東海B級からC1編入は恵まれた。金沢時代は追い込みに近い差し馬だったようだが、ここなら前目での競馬も可能。