21日(土)メインはB1級「北山崎レース」(水沢1600m)。主軸にケンタッキーハットを指名する。
中央7戦0勝から一昨年12月、一旦岩手に移籍し獲得賞金が0円だったためC2でも最下級条件へ編入。メンバー有利は明白でアッサリ2連勝を飾り、JRAへ復帰。初戦の芝1200m戦で5着入線したが、以後の4戦はいずれも二ケタ着順に終わり、昨年9月に岩手へ戻ってきた。
多分、中央で通用しなかったのはスピード適性がなかったことと多頭数が合わなかったのだろう。いきなり3連勝をマークし、一度3着に敗れたあと再び3連勝。12月最終戦・師走賞は3着に敗れたが、これはハイペースに巻き込まれて末が甘くなったため。
陣営は疲れも出たと判断して早めにシーズンを終わらせ、リフレッシュに専念させた。
ケンタッキーハットのすごさは勝ちっぷりのすばらしさ。8勝でつけた2着とのタイム差が合計7秒。つまり1レース平均、0・9秒差のワンサイドを決めており、いずれオープンへ出世すること間違いないと見ている。
一つネックがある。今回のメンバーを見渡すとトウショウグローズ、ノースアルテミス、エアテムジン(これは逃げなくても問題ないが)と先行馬がそろったこと。本来なら絶好の1枠を引き当てたと言いたいところだが、もし外から被せられたらどうなるか。
水沢1600mは基本的に内枠有利の傾向がはっきりあるが、終始内に包まれて凡走するケースも多々。
はたして初コンビを組む山本聡哉騎手がどのようなレースを作り上げるのか。昨年、ひと皮むけ成長著しい同騎手の手綱さばきにも注目してほしい。
逆転首位を狙うのがエアテムジン。兄が二冠馬エアシャカールという超良血馬で、550キロ前後の雄大な馬格を誇る。一昨年10月、中央未勝利から転入し着外に沈んだことが一度もなし。相手なりに駆ける堅実さが身上で芝ダート含めて19戦7勝2着5回。
ただ大型馬にありがちだが、ピリッとした脚がないため取りこぼしも結構多いし、体が絞れているか否か。馬体重が大幅に増えていた場合には若干割り引きが必要かもしれない。
昨シーズン精彩を欠いたトウショウグローズだが、11月までオープンに在籍したため。それが尾を引いてB1降格後も不振だったが、見逃せないのが春シーズンの好実績。休み明け成績でも2勝マークし、昨年開幕週の栗駒賞(オープン特別)で3着に粘っていた。すんなりマイペースなら持ち味の粘り強さを発揮する。
コスモスパングルは休み明け前の睦月賞で10着に敗れたが、これは守備範囲を超えた距離2000mが敗因。マイル前後がベストの条件でツボにはまれば抜群の破壊力を披露する。しかも今回は先に行きたいタイプがそろい、展開有利は明白だ。
あとは水沢戦になると安定感に欠けるが、うまく折り合いをつければ実力を発揮マンハッタンナイトも軽視できない。
◎ ?ケンタッキーハット
○ ?エアテムジン
▲ ?トウショウグローズ
△ ?コスモスパングル
△ ?マンハッタンナイト
3連単は1、4の2頭軸から3、5、7流し
馬複は1−4、1−3、1−5、1−7
<お奨めの1頭>
9レース ウメノレイメイ
転入初戦をアッサリ逃げ切って能力上位を証明。ヒシアケボノ譲りの大型馬がパワーで押し切る
2ヶ月のご無沙汰です。岩手競馬は1月12日、トウケイニセイ記念から冬休みに入ったが、いよいよ3月20日(金)から春競馬に突入する。
今開催は前半が20日から23日(月)までの4日間。後半は28(土)、29日(日)の2日間開催。計6日間で2008年度の全日程が終了する。
ご存知かもしれないが、地方競馬はJRAと違って4月から翌年3月までの年度で区切るため、4月4日(土)からが新年度のスタート。よってリーディングなどのデータ関連などもすべて3月31日で集約される。
とは言ってもファンにしてみればあまり関係のないこと。それもあって岩手競馬では『春競馬スタート!!』と位置づけた次第だ。
冬休み明け初日20日(金)メイン10レースは、3歳A級戦「奥馬の会会長杯」。改めて振り返るまでもないが、昨年の2歳戦線はワタリシンセイキの一人舞台。ダート戦で無敗の7連勝を飾り、史上初めて2歳ダートの重賞・特別全制覇の偉業を成し遂げた。
その結果、2008年度の岩手競馬グランプリ年度代表馬の栄誉も獲得。内部事情を話すと各委員から様々な意見が飛び交い、ワタリシンセイキかカネショウエリートかで票が割れたが、ワタリシンセイキがネイティブハート以来、史上2頭目となる2歳馬の受賞となった。
ワタリシンセイキは年明けの金杯を優勝後、南関東へ移籍(すでに2月の準重賞・雲取賞に出走し4着)し、岩手不在の馬に与えていいのかという意見もあったが、それ以上にワタリシンセイキのパフォーマンスを評価する委員が多く栄えある年度代表馬の座を射止めた。
今、岩手競馬のファンが願うことはただ一つ。是非、南関東クラシックを制してほしい――。それ以外にはない。
今年の3歳戦線は必然的にポスト・ワタリシンセイキが最大テーマとなり、最有力候補はマヨノエンゼルだろう。
(マヨノエンゼル 写真・佐藤到)
先ほども記したとおり、ワタリシンセイキが圧倒的なパフォーマンスで圧巻のダート7連勝をマークし、ほとんどがワンサイドで完勝。その中で最も肉薄されたのが、重賞・南部駒賞でマヨノエンゼルがアタマ差2着。この時、ワタリシンセイキは北海道2騎アラベスクシーズ、モエレオフィシャルをマークする形でレースを進め、彼らを退けて誰もがワタリシンセイキの勝利を確信したところ、大外一気に強襲したのがマヨノエンゼルだった。
関本淳騎手は「正直、マヨノエンゼルには驚いた。一瞬、交わされるのではと思った」とレース後、本音を漏らすほど。
続く寒菊賞ではワタリシンセイキになし崩し的に脚を使わされ、ダンストンジールに先着を許して3着に敗れたが、12月末の最終戦を圧勝して冬休みに入った。
このレースは収穫が大。いつもはワタリシンセイキと同じ位置か、それより若干前かの競馬だったが、4番手を追走し4角先頭での圧勝劇。追い込み一辺倒の脚質だと展開に紛れが生じるケースもあるが、悪くても中団をキープできれば鬼に金棒。400キロ前後の小柄な牡馬ながら、破壊力はワタリシンセイキにもヒケを取らない。
逆転筆頭はセンリグランピー。なぜか昨年の岩手2歳有力馬は追い込みタイプが多かったが、こちらも同様の脚質。門別遠征の岩手・北海道交流「岩手山特別」ではポツンと最後方から直線一気に伸びて2着に食い込んだ。
ただエンジンの掛かりが遅いため着順がムラ。今のところ重賞では金杯の4着が最高だが、マヨノエンゼルより馬格があり、2月にJRA挑戦(10着)で揉まれてきたのが強調材料。この一戦を使われた強みを全面に大勢逆転を狙う。
マルブツコンバットは父サッカーボーイ、母父ビワハヤヒデで現役時代の活躍を知っているファンは思わず肩入れしたくなるような血統。
いまだ1勝のみだが、着外に沈んだのはわずか1回。それ以外は芝ダートを問わず、堅実に入着を果たしているのが最大のセールスポイント。レース運びも巧みで終いもしっかり。マヨノエンゼル、センリグランピーは展開によって末脚が不発に終わることもあり、その場合に漁夫の利を得る可能性も十分ある。
リリーミッションは牝馬ながら470キロ前後の好馬体。デビューが11月と遅かったため4戦でシーズンを終了したが、これは無理をさせたくないとの陣営方針から。2勝はいずれもスケールが大きく、今年秘かに注目している1頭だ。
以下、仕上がり上々クラサッキー、逃げ一辺倒の脚質から脱皮したアイビーを連下押さえ。
◎ ?マヨノエンゼル
○ ?センリグランピー
▲ ?マルブツコンバット
△ ?リリーミッション
△ ?アイビー
3連単は3、4の1、2着折り返しから6、8、1流し
馬複は3−4、3−6、3−8、2−3
<お奨めの1頭>
7レース キョウエイノーブル
活きのいい4歳馬がそろい激戦必至だが、ここはキョウエイノーブルのスピードが一枚上と見る