25日(日)メインは3歳牝馬クラシック第二弾「第22回ひまわり賞(オークス)」(水沢1900m)、12頭立て。このレースの優勝馬主には社台スタリオンステーションから、種牡馬トワイニングの配合権利が提供される。
1900mは全馬が初距離のため、適性より実績重視で攻めていくのが正攻法。よって留守杯日高賞の再現となる公算が高く、主軸にカネショウプルートを指名する。
デビューから芝ダートを問わず上位入線を果たし、着外に沈んだのはわずか一度のみ。抜群の安定感を誇っていた半面、詰めの甘さがついて回り日高賞出走まで10戦未勝利。
このあたりを村上実調教師に聞いてみたところ「牝馬だが、馬体がいいので期待した1頭だったが、認定競走を取らしてやりたくて使い出しを失敗してしまった」との回答。
つまり、ちょっと無理使いしたのが裏目に出て勝つまでに到らなかった。それを考慮して4月7日、3歳B1戦3着後、トライアルをスキップしてぶっつけで重賞・日高賞に臨んだが、読みがズバリ的中。道中、2番手を追走して直線に入ると後続を突き放す一方。2着ピンクゴールドに6馬身もの大差をつけ、うれしい初勝利が重賞制覇の快挙に結びついた。
その結果、ひまわり賞トライアル・あやめ賞には見向きもせず、このレースに照準をピタリと合わせて調整を進めてきた。「おそらく体重は増えているだろうが、十分乗り込んでの増加だからまったく気にしていない。追い切りも満足のいくものだった」と村上実調教師。
唯一の懸念材料は「気のいい馬なので、スローに落ちたときに折り合いがうまくつけられるかどうか」。間違いなく未知の1900mが舞台でスローペースは必至だが、目下リーディング首位を突っ走る村上忍騎手の手腕に託したい。
相手も順当にピンクゴールドが演じる。今季、大幅に減らした体重も430キロ前後まで回復。あやめ賞はメンバーも楽だったにせよ、キッチリ白星で飾って上昇ムードは明らか。こちらの不安は菜の花賞から日高賞、あやめ賞と使い、今回4連闘で臨むこと。3歳の牝馬にこのローテーションは過酷。毎回、全力投球のタイプだけに連戦の反動が出なければいいな―と願うしかない。
単穴はマツノマオ。日高賞、あやめ賞はピンクゴールドに次ぐ3、2着。しかも日高賞はアタマ差、あやめ賞ではクビ差まで詰め寄り、一戦ごとに地力アップが目につく。
以上の序列はあっさり決まったが、それ以外の馬は少々、水を開けられた印象。それでも一発を秘めるユノカサブランカ、モエレアンドロメダ、サチノマオの押さえも必要だろう。
◎ ?カネショウプルート
○ ?ピンクゴールド
▲ ?マツノマオ
△ ?ユノカサブランカ
△ ?モエレアンドロメダ
△ ?サチノマオ
3連単は7を1着固定に4、3の折り返し本線。あとは5、6、2を3着押さえ
馬複は4−7、3−7、5−7、6−7
<お奨めの1頭>
6レース ケイジーウォリア
岩手転入後、5戦4勝2着1回と快進撃。今回からC1へ昇級したが、むしろメンバーが楽になった。連勝を3に伸ばすのみ
24日(土)メインはB1級馬による「第9回緑風賞」(水沢1600m)、10頭立て。勝敗のポイントは実力比較もさることながら、距離適性が大きなファクターとなるかもしれない。
(オリエントボス 写真・佐藤到)
人気の中心はオリエントボス。06年からオープンを張り、同年7月の重賞・栗駒賞(水沢1400m)をレコードで快勝。一躍、短距離界のホープと期待を集めたが、気性難と距離適性を越えたレースなどに持っていかれたりして、以降はずっと白星から見放されてしまった(それでも2着に食い込んだりしていたが)。
しかし今年3月からB1級へ降格した途端、あっさり快勝。1年8ヶ月ぶりに美酒を味わった。続く岩手日報杯は守備範囲を大きく越えた2000mが舞台だったが、底力で3着にまとめ、新緑賞(水沢1600m)3着。
ちょっと足踏みが続いたが、前回・駒形賞は待ちに待った水沢1400m戦。2戦3着のうっ憤を晴らすかのように、本来の豪脚が爆発した。
今回のカギは1ハロン距離延長されたこと。1600m戦は通算5勝マークして守備範囲なのだが、時に折り合いを欠くと凡走するケースもままあり、絶対の軸と言い切れない。それでもB1では底力が違うし、前回快勝で弾みもついたはず。A級復帰のためにもスッキリ勝ちたいところだ。
相手ガイアヴァンテにするか、テンショウタイヨウにするかちょっと迷った。ガイアヴァンテは中央未勝利に終わったが、2着2回(いずれも芝1200m)。昨年10月、南関東へトレードされC1級へ格付けされ、5戦とも着外。今年1月に名古屋へ転籍し、岩手転入直前のレースではひとまず4着に入線していた。
初戦(4月29日)は3着。しかし前回は好位キープからあっさり抜け出しを決めて快勝し、待望の初勝利を飾った。この一戦のみでは評価が定まらないが、当時の馬場を考えれば上々の走破タイムだった。
テンショウタイヨウはデビューが遅かったため出世は遅れたが、昨年終盤にグングン頭角を現して本格化。荒尾滞在で3戦2勝2着1回の成績を残し、3月の浦和交流レースにも果敢にチャレンジ。そこでも白星をマークして3連勝で岩手へ戻ってきた。
帰郷初戦は遠征の連続で疲れが残っていたのだろう直線伸び切れず5着に止まったが、前回のB1戦では鮮やかな直線抜け出しを決め、再び上昇ムードに乗った。
ここは自身の実力を試すには絶好のメンバー。もし白星を飾るようなら4歳の成長度からもA級で勝ち負けできるに違いない。
駒形賞で2着に食い込み古豪健在を誇示したツジジオット、相手なりに駆ける堅実さが身上マチカネダイキチ、成績安定しないがツボにはまれば一気突き抜けるインターサウンドなど個性派もそろい、馬券的にもおもしろい一戦だ。
◎ ?オリエントボス
○ ?ガイアヴァンテ
▲ ?テンショウタイヨウ
△ ?ツジジオット
△ ?マチカネダイキチ
△ ?インターサウンド
3連単は1を1着固定に7、10の折り返し。あとは9、8、4を押さえ
馬複は1−7、1−10、1−9、7−10
<お奨めの1頭>
11レース シルクライムライト
前回は4ヶ月ぶりの実戦だったが、それをモノともせずに圧勝。水沢1600mは初だが、C1では能力が違いすぎる
菅原右吉厩舎の3歳馬でマルケイランボーという馬がいます。この馬の名を聞けば、誰しもがシルベスター・スタローンの顔を思い浮かべずにはいれないでしょう。(え、そんなことない?)
初回作「ランボー」が公開されたとき、日本中で1億人ぐらいの人が「え、乱暴?」と思ったといいますが(え、そんなことないですか?)、これは邦題で現代は「FirstBlood」。2作目以降のヒーロー物っぽい雰囲気と違い、ベトナム帰還兵の心の病的な部分を描いたちょっと暗めの作品でした。
そのランボーシリーズの続編がなんと20年振りに製作されたのはもう皆さんご存知でしょうね。タイトルは「ランボー/最後の戦場」。
今回の舞台はミャンマーで、スタローン本人が監督も行うのはシリーズ初。アメリカでは中東情勢にばかり注目が集まっている中、世界中で最も長く内戦が続いているミャンマーをスクリーンに描き、人権が踏みにじられていることへ警鐘を鳴らすことを、スタローン本人が決断したそうです。
余談ですが、しかしそのスタローンもまさか映画がクランクアップしてからそのミャンマーにサイクロンが来襲し世界の注目を集めるとは思っていなかったでしょう。四川省地震で世間の注目が逸れてしまった感のあるミャンマーですが、現在でも被災者が援助を待っています。ところが軍事政権は友好国以外の救援隊を拒否!チベットやウイグルの問題といい、まったく「ひとりの命より国家の面子が大事」という国の考えは理解できません。
と、話がヘヴィなほうへ行ってしまいましたがシルベスター・スターロンは現在61歳。肉体派俳優としては高齢ながら、一昨年には「ロッキー」シリーズの新作を公開し、今年はランボー。さらには「クリフハンガー」の続編も予定されているというから驚きです。
日本でも最近、クルム=伊達・公子さんの大活躍が話題になったばかり。ピークを過ぎたと思われてしまいそうな方々が一線で踏ん張り、踏ん張るどころか若者に引けをとらない力を示す。なんだか現在の岩手競馬でもよく見る光景ですね。クルム=伊達・公子さんは現役復帰の理由のひとつに「日本のテニスプレイヤー達に刺激を与え、テニス界を活性化したい」というのを挙げています。深読みかもしれませんが、世界ランキング4位まで上った自分の後に続き自分を超えていくような日本人プレイヤーが出てこないことに、少々やるせない思いを感じているのではないでしょうか。
岩手競馬も、トキオパーフェクトらの活躍を受けて若駒が力を伸ばしてくれると嬉しいのですが。
5月18日 第13回七時雨賞(3歳オープン 水沢1800m)
(七時雨賞ゴール 写真・佐藤到)
1着 ゴールデンクリーク
サイレントヘネシー、テンショウベストハナを譲らず2頭でハイペースを形成。ゴールデンクリークは5馬身離れた3番手の絶好ポジションをキープする。コンバットキックがまずスパートをかけ、ゴールデンクリークも先陣に接近しようとするが、モタモタするシーンも。それでも馬群が固まった4コーナーでは前を射程圏に入れ、ラスト200mで先頭。あとはセーフティリードを取ったままゴールし、待望の特別タイトルを手に入れた。
「3月(20日 3歳A級)のレースが強く、そのイメージで乗っているのだが、反応がもう一つ。勝ってホッとはしているが、あえて厳しく言うとまだまだ物足りない。それだけ期待できる馬ですからね。次回は盛岡にコースが替わり、2000mへ距離延長だが、跳びの大きいのでむしろ歓迎でしょう。今度はすっきり勝ちたいですね」と板垣騎手。
板垣騎手のコメントどおり、3コーナー手前から仕掛けたが、前を捉えるのにモタモタしていた。まだ本気で走っていないと思うだけに、次走の岩手ダービー・ダイヤモンドカップにはさらに期待がかかる。
2着 モエレハナオー
ゴールデンクリークから3馬身後ろを追走。鞍上がずっと追って何とかジワジワと伸びて2着を確保した。「フワフワして走って集中力に欠ける感じ」と菅原勲騎手。
前走比プラス2キロで470キロ台にようやく回復したが、注文をつければまだ小さく見える。元々、馬体を大きく見せるタイプだけに菅原勲騎手のコメントと合わせて、まだ本調子ではないと言うことだろう。3着以下は6馬身離されての入線で、底力は垣間見せた。
3着 テンショウベスト
絶好のスタートを切り、一旦先手を奪ったが、内からサイレントヘネシーが手をしごいてハナを譲らない構え。それを見て2番手に控え、4コーナーで先頭。しかし前半のハイペースもたたって直線で一杯となって3着に敗れたが、決してバテないのが身上。ひとまず面目は立った。
4着 コンバットキック
パドックの気配は上々。レースは少頭数でもあり、5番手をキープして向正面からスパートをかけたが、前半置かれるのがやはり痛い。大外からゴールデンクリークに次ぐ上がり脚を駆使したが、4着にとどまった。次回は直線が長くコースも広い盛岡が舞台。底での巻き返しに期待したい。
春かと思えば一転夏、そしてまた冬がやってくる、という風に天気に振り回される日々が続いています。半袖の服と冬物の上着の両方を用意しておかないといけない天気にはいい加減閉口しますが、しかし、もっと困ったのが水沢競馬場のコース傾向の変化。
先週までは2週間続けて『差し・追い込み有利、逃げ圧倒的不利』だったのが今週は一変、『逃げ・先行有利、差し追い込み不利』に。
まあ、差しも届かないわけではなく、逃げもどんな馬でも逃げれば残る、という事ではないのですが、そうなると逆に取り捨てのさじ加減が難しく・・・。馬よりもコース状態を見ながらの予想はたいへんです。
買い目は2番マンジュデンツルギを信頼して馬単2→9が本線。しかし2番手以下は展開その他によって簡単に替わりそうで、2→3・5・7・9とヒモはBOXにしておきたいところ。
◆お奨めこの一頭
3R:マイネルクライス
転入初戦圧勝、ここでは頭二つくらいリードしている。連勝の可能性大だ。相手は配当が安くても黙って2。