台風が通り過ぎると一気に夏らしくなりましたねえ。水沢競馬場も暑いです。いや本当に暑い。水沢の厩舎の方がいうには「水沢は蒸し暑い」。その通りです。
昨年まではこの時期の開催は盛岡でしたから水沢の蒸し暑さを経験する事もあまりなかったのですが、今年は7・8月の暑い盛りが水沢です。今からこれではお盆の頃はどうしよう、と真剣に心配しています。皆様も水沢競馬場に来る際には暑さ対策を万全に。
買い目は2枠2番コスモスパーブから10、1へ単で勝負。7と9は基本は3着までですが、それほど力差のないメンバー、オッズによっては手広くBOXでも。
◇お奨めこの一頭
9R:ツジジオット
3000m戦はさすがに乗り切るのが難しかった。得意の水沢戦、距離もマイルと手頃。再び単騎逃げ狙えるメンバー構成。ベリーメリーホークと1点で。
29日(日)メインは3歳以上オープン牝馬による「ビューチフル・ドリーマーカップ」(8月26日 水沢1900m)トライアル「第8回フェアリーカップ」(水沢1800m)、10頭立て。
オープン在籍馬は負担重量が56キロ、それ以外は54キロ。ハンデ差が2キロ程度ならA1級馬の圧倒的優位さは動かし難いが、中でも断然の実績を誇るのがサイレントエクセルだ。
(サイレントエクセル 写真・佐藤到)
前走・マーキュリーカップ(Jpn?)では先行馬群の外につけ、3コーナー手前までは手応えが悪くなかったが、ペースが上がった3コーナー過ぎから脚色が怪しくなって失速。善戦及ばず8着に敗れてしまった。当初、想定タイムが2分5秒から6秒台で決着なら好勝負になるのでは個人的に踏んでいたが、シャーベットトーンは2分4秒ジャストで駆け抜けられては一溜まりもなかった。改めて中央勢の層の厚さを見せつけられた格好となった。
しかし今回は地元同士の戦いだし、すでに牡馬オープン・あすなろ賞を制している実力馬。しかも牝馬限定なら一枚も二枚も抜けており、ほぼ死角なしの本命と見て間違いないだろう。
あえて不安を探せばマーキュリーCの疲れが残っていないかだが、それは実力がそれほど離されていない場合のこと。昨年、重賞ビューチフル・ドリーマーカップでコースレコードをマーク、またあすなろ賞でもレコードタイで駆け抜けていれば、たとえ疲れがあっても能力の違いで圧倒するだろう。
単不動。ここはヒモ捜しの一戦となり、その一番手にジュリアを指名する。3月の特別開催のA1、2級戦を逃げ切り、栗駒賞へ挑戦。さすがに一線級に交じって苦しい競馬を強いられて10着に大敗してオープンではきつい印象を与え、以降の2戦も3、5着に敗れてしまったが、前々走、そして前走と鮮やかに逃げ切って2連勝。特に前走は3歳ダート?1・セイントセーリングを振り切って周囲を驚かせた。
ただ、ご存知のように水沢1800mは内枠が圧倒的に有利。サイレントエクセルが1枠に対し、ジュリアは7枠。今回も是非、逃げたいところが、先手を取るのに脚を使ってしまうとちょっと微妙。ベストは1600mの馬だけに、ラスト1ハロンがきつくなるかもしれない。カギは前半でどう楽な競馬ができるか、それに尽きるだろう。
ドリームカーニバルはここにきて地力アップに加え、距離延長も克服できるようになった。昨シーズン途中までは守備範囲が限られてマイルでも苦戦の連続だったが、今季は距離への融通性を持つようになり、1800m戦でも2勝。
ウイングアローもそうだったが、アサティス産駒の成功例は二段階の成長をとげるケースがあり、ドリームカーニバルも同様のことが言える。枠順も2枠に入り、自分のポジションが取れるのが心強い。
マルカンジョオーは3走前のJRA条件交流・アンタレス賞で中央勢を一蹴。その勢いを駆って川崎・スパーキングレディーカップ(Jpn?)へ遠征。さすがに大幅なメンバー強化のためしんがり負けを喫し、帰郷初戦の前回はその疲れが懸念されたが、2着にまとめてまったく影響ないことを証明した。水沢1800mの持ちタイム1分55秒8もメンバー中一番(サイレントエクセル、ジュリアは未経験)で、時計勝負になればいい競馬に持ちこめるはずだ。
あとはB1級を勝ったばかりだが、昨年のフェアリーカップでグローリサンディの0・5秒差3着ミススズラン、前回ハイタイムで圧勝クルセイズも押さえが必要だろう。
◎ ?サイレントエクセル
○ ?ジュリア
▲ ?ドリームカーニバル
△ ?マルカンジョオー
△ ?ミススズラン
△ ?クルセイズ
3連単は1を1着固定に7、2本線。あとは5、10、6を3着押さえ
馬複は1−7、1−2、1−5、1−10、1−6
<お奨めの1頭>
6レース ケイアイフォーユー
連勝は3でストップしたが、前回は展開のアヤ。地元に戻って仕切り直しといこう
今週から舞台は盛岡から水沢へと替わり、初日28日(土)メイン10レースはB3級「第1回風鈴賞」(水沢1600m)、10頭立て。
かつて岩手競馬ではアラブB級で同名レースが行われ、昭和50年から平成11年まで25回の歴史を重ねてきた。しかしアラブ競走廃止に伴い、平成11年をもって風鈴賞も休止。今回、8年ぶりに風鈴賞が復活したが、カウントは第1回。これに対する評価は分かれるだろうが、8年のブランク、品種も条件も変わったこと、そして心機一転という意味で第1回としたと思う。
ちなみに風鈴は岩手名産の一つで水沢江刺駅(新幹線)、水沢駅(東北本線)、盛岡駅などで数多くつるされており、通勤者、旅行者の心を癒してくれる。そう、とりわけ岩手では夏の風物詩として欠かせないのが風鈴なのだ。
さて本題。中心はノーブルウィングで動かない。中央7戦(うち1戦は地方交流・川崎7着)0勝から今年1月に転入。持ち賞金が“0円”だったため、最下級C3、その中でも最低条件からのスタートで当然と言うわけでもないが、2着に8馬身差のぶっち切りで圧勝した。
(ノーブルウィング 写真・佐藤到)
よく勝ち味を覚えると自信がついて一皮むけるケースがあるが、ノーブルウィングはその典型。以降もワンサイドに次ぐワンサイドで圧巻の6連勝をマークした。
しかし前々走2着に敗れ、連勝はストップしてしまったが、これは距離経験が1400mまでしかなく、いきなり1800mへ距離延長されたのに戸惑ったため。そのお返しとばかり、前回は2着に7馬身差をつけて逃げ切り、前々走のうっ憤を一気に晴らした。
マイルは今回初めてだが、前回で1800mは経験済みだし、すでに勝負付けも済んだメンバー構成ならほぼ死角なし。再び連勝街道を突っ走ってくれるに違いない。
相手も順当にルートマスターが演じる。こちらは時に取りこぼしもあるが、一戦ごとにレース勘を身につけて成長一途。前回は圧倒的な1番人気に支持されたアドマイヤウイングをまったく寄せ付けず、2番手追走から4角先頭のパーフェクトのレース内容で完勝した。父がサクラバクシンオーで母父ウッドマンなら1600mまでがベスト。ノーブルウィングが初のマイルに戸惑うようなら(大丈夫だと思うが)、逆転の目まであるかもしれない。
エイシンリトルオーは中央1勝、南関東0勝、東海2勝を経て今年4月に転入。格付けがC3スタートで相手にも恵まれたが、現在B3でも勝ち負けを続け、岩手<5.3.1.0>。すべて3着以上にまとめ、依然底を見せていない。そしてマイル経験の豊富さも見逃せない材料となる。
前回、アドマイヤウイングはルートマスターに完敗を喫したが、気配落ちはまったくない。シーズン当初は仕上がり途上のため、なかなか勝ち切れなかったが、叩かれながら徐々に上昇。ここ3戦1、1、2着にまとめ充実ぶりが目を引いているし、何たって夏に強い芦毛(真偽は確かではありませんが)。白い馬体を唸らせて豪快なまくりを披露してくれるか。
他では前回、ノーブルウィングの2着確保キザキノフラッグ、シャープな末脚が売り物のロイヤルプレミアムにもマークが必要だろう。
◎ ?ノーブルウィング
○ ?ルートマスター
▲ ?エイシンリトルオー
△ ?アドマイヤウイング
△ ?キザキノフラッグ
△ ?ロイヤルプレミアム
3連単は4、5を1、2着固定に8、3を厚め。あとは4を1着固定に5、8、3のフォーメーション。それに2、9を押さえ少々
馬複は4−5、4−8、3−4、2−4
<お奨めの1頭>
11レース チェリーフォティ
今季はメンバーが大幅に楽になり逃げ圧勝で5連勝をマーク。前回は2着に敗れたが、守備範囲の1400mなら巻き返して当然
先週の開催では、テシオPOGの対象馬がたくさん出走しましたので、各馬の写真をお見せしたいと思います。
まず土曜日21日には新馬戦フューチャー競走が2レース行われ、第1レースにはセイントアスリート(コーリンビビアン2005)、ファイアアラーム(オーミディア2005)、ブループライム(カシノエイブル2005)と大挙3頭が登場しました。レースは薄暗い曇り空のもとでゲートが開かれましたが、能検でも高い能力を見せていたセイントアスリートが1番人気に応え快勝!POG馬3頭目の新馬戦勝利を挙げました。鈴木七郎調教師によりますと、のんびりとして落ち着いた馬だし厩務員もじっくりと仕上げるつもりでいるそうです。いま若馬が絶好調の鈴木七郎厩舎。セイントアスリートも、ボスアミーゴやセイントセーリングに並ぶ活躍を期待したいですね。
ファイアアラームは6着、ブループライムは残念ながらシンガリ8着でした。しかしまずは無事のデビューを喜びたいと思います。
左:ファイアアラーム 右:ブループライム
次いで第2レースにはマツリダミラクル(ブライトハイクイン2005)と、エース(ラビアンテーストの2005)がデビューし、こちらはそれぞれ5着、7着という結果でした。マツリダミラクルは半兄にマツリダパレスがいる青森県産馬。パレスは新馬戦4着から冬に向かって成績を上げ、翌3歳であのような大活躍をしました。ミラクルもこれからが楽しみです。
左:マツリダミラクル 右:エース
そして月曜23日のメインレースは、芝1600mで競われる「若鮎賞」。このレースには、新馬戦で好成績をおさめたハルカゼゴールド、バトルアイ、ビューティドリームの3頭が出走しました。中でも2連勝中のバトルアイはリザルトに次ぐ2番人気に支持され、4コーナー手前まで先頭でレースを引っぱりましたが、最後は優勝争いの3頭の伸びについて行けず4着。またハルカゼゴールドは7着、2番手で先行したビューティドリームは直線で遅れ9着と少し残念な結果となりました。しかし競走馬として順調にデビューし、2歳最初の特別戦となるこのレースに参戦できたことは、それだけでも素晴らしいこと。特にこの3頭ならば、ダートで行われる次の2歳特別「ビギナーズカップ」ではまた違った結果を期待しても良いのではないでしょうか。
左から バトルアイ ・ ハルカゼゴールド ・ ビューティドリーム
(ご協力/岩手県馬主会及び馬主のみなさま 文/写真・佐藤 到)
7月22日(日) 第8回オパールカップ(3歳オープン地方競馬全国交流 芝1700m)
(写真・佐藤到)
1着 ボスアミーゴ
ハイベットタイムがスタートでバランスを崩して落馬。から馬で先行グループにつけたが、ボスアミーゴはほとんど影響を受けず後方3番手を追走。向正面から徐々に差を詰めて3コーナー過ぎにスパートをかけ、4コーナーでも不利を受けない大外(内が荒れていたので落馬がなくても同じコースを行くつもりだった、と菅原勲騎手)を回り、内で粘るカネショウエリートをラスト150mで先頭。あとはほとんど追うところなく、余裕でゴールに入る。
「地元のレースであれば、負けられない一戦ですからね。遠征馬の実力が把握しづらかったが、3コーナーの脚色で見切った。本当はゆっくり仕掛けていくつもりだったが、反応がいい馬だから思ったより早め先頭に立ってしまった。今回、掛かるところがまったくなく、1600m前後がベストかも。1200mだと追っ付けで行くので、そうすれば前回(JRA福島・白河特別)のように末が甘くなるから、そのあたりのJRAを使えばいつかチャンスがあると思う」(菅原勲騎手)
次走の選択肢は多く、不来方賞、古馬の芝、JRAなどどれでも大丈夫なのでジックリ考えたいと鈴木七郎調教師。
2着 サイレントステージ
ハイベットタイム落馬の影響を受けてやや出遅れ気味のスタート。それでも中団まで盛り返して常にボスアミーゴより前の競馬に心がけたが、4コーナーでボスアミーゴにアッと言う間に交わされる。それでも直線で盛り返して内で粘っていたカネショウエリートをゴール寸前で捕らえて2着を確保した。
「落馬の不利があったので、よけいテンに行けなかったが、道中の位置取りは悪くなかった。どう乗ってもボスアミーゴには敵わないが、それでもキッチリまとめたから納得」(板垣騎手)
3着 カネショウエリート
終始3番手の外を追走して直線入り口で先頭。そこから渋太く粘ったが、最後の最後で3着に敗れた。今回も前で競馬をしたかったが、陣営には何とも痛い大外14番枠。それでスタートで脚を使わなければならず、そのロスは少なからず影響したが、高松騎手がうまく3番手につける。仮にだが、枠順が8枠より内だったら2着はあったかもと思わせる粘りを披露した。改めて芝適性の高さを証明した。