この日曜日はディープインパクトが出走する天皇賞・春が京都競馬場で行われますね。ディープインパクトファンの方や武豊騎手ファンの方は気が気でないのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
ディープファンでなくても、やっぱり天皇賞は伝統あるレース、G1の中でも別格ですものね。どんなレースになるのか、こうれはもう、胸が高鳴らない方がおかしいでしょう。
果たしてディープインパクトがどんなレースをしてくれるのか。結果は順当なのか、それとも意外な結末が待っているのか・・・。
さて、日曜、岩手ののメインレースは駒形賞。出てくれば天皇賞のディープインパクト並に自信の本命にしようと思っていたゲイリーエクシードが、なんと回避。実力的にもデータ的にも、このレースに最も強いタイプの馬だっただけに残念です。そして、この回避によって俄然混戦ムードも強くなってきました。
さあ、そこで本命に推すのは3枠3番サンシャインヘイロです。前走・4月16日のA2級戦は5番人気から優勝し、あの173万馬券の先棒を担いだ格好となりましたが、その時騎乗していた関本浩司騎手が言うには「休み明けで嫌われたにしても人気が無さ過ぎ。本来これくらいの力がある馬だよ」。
実際サンシャインヘイロは、一昨年冬の転入後から昨年夏までの間、8戦7勝の成績を挙げてC3級からB1級まで駆け上がりました。その後も、一度だけ7着に敗れたのを除いて安定した成績を残しており、前走のようにA2級でも十分通用するのがこの馬の本当の力なのでしょう。距離も問題ありません。
以下、まずはスピードパンチ。前走、勝ったとはいえ調子のピークからやや下降し始めた印象を受けた分、狙いを下げましたが、実力馬であるうえ鞍上には名手小林俊彦騎手となれば対抗以下に落とす事はできません。
そしてミススズラン。調子はまだ決して良くない印象を受けるのですが、実戦になると非常にねばり強いレースをしている点を素直に評価。マクロプランナーは、1900mは明らかに長いと思うのですが、叩き2戦目だった前走の伸び脚は明らかに好調期のもので魅力を感じます。差し馬向きの展開になればチャンスがありそうです。
穴にはドラグーンなんてどうでしょう。前走は競り合って失速しましたが、単騎で行けるならもっと粘れるはず。
ということで3番サンシャインヘイロから2、5、8、9へ。馬単・3連単なら出来ればボックスで。
◇注目この一頭
8R5枠6番のオリエントボス。素質はA1級でも通用する。気性的に難しい馬だが、休み明け初戦、それも格上がり戦をそこそこにまとめた前走は、やはり能力の片鱗を伺わせたものだ。
(文/横川典視)
今シーズン、岩手競馬第一弾の重賞は4月29日、3歳牝馬による「第6回留守杯 日高賞」。レース名は日高地区(現奥州区水沢地方)の旧藩当主・留守家から由来したもの。
毎年29日には同地区で火防を祈願した「日高火防(ひだかひぶせ)祭り」が行われ、山車や御輿が水沢市内を練り歩く。
また競馬開催に合わせて向正面の桜並木を一般開放。30日には乗馬体験、焼肉パーティ(有料300円)などのイベントもあり、昼夜ともファミリーで楽しめるウィークエンドとなりそうだ。
さて本題。岩手版桜花賞に位置付けられるこの留守杯日高賞。当初、遠征予定のエイシンテアトル(名古屋)が回避したため、地元12頭による争いとなった。
主軸にサイレントエクセルを採ってみたい。シーズンイン直前、外傷を負い調教を1週間ほど自重したが、その後は乗り込み急ピッチ。
昨年11月、2歳牝馬重賞・白菊賞では当面の敵ゴールデンパンジーを並ぶ間もなく交わして0.9秒差の圧勝劇。また重賞・南部駒賞で牡馬相手に3着、GIII・エーデルワイス賞にも挑戦を試みるなど、ここでは実績が違い過ぎる。
1月2日、金杯以来、3ヵ月半ぶりの実戦は常識的には大きく割り引きだが、それはサイレントエクセルの総合力でカバーできるのではないか。
(昨年の白菊賞を優勝したサイレントエクセル)
順調度でサイレントエクセルを大きく上回るのがゴールデンパンジー。トライアル・菜の花賞で好位抜け出しを決めて快勝し、年をまたいで目下2連勝中。白菊賞2着の雪辱を晴らすに持ってこいの舞台となった。
前記2頭を斬って捨てる可能性十分のパワフルビクトリ。菜の花賞は3ヶ月ぶりにもかかわらずマイナス5kgと馬体の張りがひと息だったし、冬毛も残って明らかに仕上がり途上。それでもゴールデンパンジーにゴール前、猛追して惜しいクビ差2着。改めて底力のあるところを見せつけた。この一戦を叩かれて気配アップしない訳がなく、待望の重賞獲りを狙っている。
モエレタキシードの末脚も軽視できない。400kgを割る小柄な牝馬だが、加速ついてからの伸びが実にシャープ。菜の花賞でも最後方から0.1秒差3着にまとめ、ハイペースになれば馬群を割って抜け出すシーンがあるかも。
以下は堅実バルク、スローに落としたいムーンプライドにもマークが必要。
3連単は10、1、6のボックスに10を1着固定に1、5を2着折り返しから5,7、3へ
馬複は1−10、6−10、1−6、5−10
<お奨めの1頭>
9レース マツリダブロッコ
前走はハイペースにも恵まれたが、4角先頭の強いレースで完勝。平場戦なら信頼の軸となる
(文・松尾康司/写真・佐藤到)
通常、岩手競馬の開催は土、日、月の3日間開催だが、今週はゴールデンウィーク突入に合わせて28日(金)〜30日(日)の変則開催。
28日は全10レースで実施され、特別レースはなし。また格付けの時点ではA1級・エクセレント競走がメイン9レースだったが、出走取り消しが相次いで7頭立ての少頭数となったため、7レースへ変更。
よってメイン9レースはA2級、1600m戦、9頭立て。主軸にヤマヨダイミックを指名する。
旧地・北関東で7勝をマークし、昨年岩手に転入。しかしA1級へ編入したため、メンバーがきつく連対を果たしたのは一度きり。しかし結果はともあれ、時にシャープな末脚を披露し、意外性のあるところを見せた。
そして今シーズンはA2級へ降級。初戦となった前走、スタートで出遅れを喫してヒヤヒヤさせたが、豪快に外を回ってサージェリーの2着を確保した。
そのサージェリーは30日の特別・駒形賞に駒を進め、目の上のたんこぶが不在。今回、ヤマヨダイナミックに岩手初勝利の局面を迎えたと見ていいだろう。
相手はタイキスペクトルが演じるか。昨年終盤、中央500万下から移籍してB3級へ編入。あっさり2連勝をマークし、シーズンを終了した。
今季は3ランクアップのA2級に入ったため4、8着に敗れたが、これから成長するであろう4歳馬。負けながらでも力をつけていく馬は少なくなく、タイキスペクトルもそのパターンにはまって欲しい。将来含みの対抗格。
トチノヒリューも同じ4歳馬。北海道、大井を経て昨年、岩手入りした。シーズンラストを2連勝で飾り、3月のA2昇級戦も逃げて2着にまとめた。ところが、前走は3番手から失速して12頭立て10着。これで評価は微妙になったが、父がサクラチトセオーならムラさも納得。巻き返しに転じて不思議はないはずだ。
以下は2戦連続6着ながらタイム差は0・3秒、0・6秒と僅差タケデンノエガオ、走り頃のアドマイヤスパーク、スロースターター・ゲイリープリズムと続く。
3連単は8を1着固定で2、3着は9、5、2、7、4と手広く
馬複は8−9、5−8、2−8、7−8
<お奨めの1頭>
7レース レストオブセール
岩手初戦まんさく賞は最後方からインをスルスル伸びて3着。負けはしたが、今後の活躍を抱かせるに十分の内容だった。シルクディヴァインが本線
競馬場で写真を撮っていると、競馬ファンの方から時々、「それだけ馬を見ていれば勝つ馬がわかるでしょ?」と言われます。ところが情けないことに、これが私には全然わからないんですよ。
確かに私は10年の間、シーズン中は毎週欠かさず競馬場で馬を見ています。しかし被写体としてファインダー越しに馬を見ているときというのはピントや構図、露出にシャッターチャンスで頭が一杯になってしまい、馬自体の気配や脚さばきなどにはあまり神経がまわっていないようです。余裕がないというか、観察力の不足なのか。う〜む、このへんがいつまでたっても写真が上手くならない理由かもしれません。もともと動物写真家を目指していた私は「体温が伝わるような写真」を目標としているのですが、理想にはまだまだ届きませんね。これからも日々精進していきたいと思います。
もっとも走る前に勝つ馬がわかるぐらいになれば、馬券で生活した方がいいかもしれませんが…
また、よく「私も馬の写真を撮ってみたいけれど、なかなか上手に撮れないのでコツを教えて下さい」という質問をいただくことがあります。私もなかなか上手に撮れなくて悩んでいるほうなので、コツを伝授するなどという大逸れたことはできないのですが、思うことを少し書きましょう。
私たちカメラマンが持ち歩いている大きくて重いカメラやレンズを見て、「いや〜さすがプロはすごいね。私のは初心者向けだけど、これでも使いこなせなくて」と言う方がおられますが、これには誤解があります。よく聞く「使いこなせない」という言葉ですが、最近のカメラはとっても多機能に進化していて、ひととおりの撮影モードや、一度も使いそうにない便利機能がたくさん内蔵されています。これらを全部覚えて「使いこなす」のは土台無理な話で、自分が撮りたい被写体に必要な設定だけを覚えればいいのです。例えば競走馬を撮るなら、全自動モードで撮影することも可能ですが、シャッタースピード優先露出や連写モード、連続追尾オートフォーカスが設定できればより有利になります。ただしカメラによって機能の有無や設定のやり方が多少違いますので、詳しいお友達やカメラを買った販売店などで質問してみて下さい。
また、私たちプロが使っている大袈裟なカメラは、どんなに厳しい撮影環境下でも確実に良い写真が撮れることを目指して設計されています。特に競馬は雨や雪、あるいはナイターという環境下で被写体が速く動きますから、条件としては厳しい部類に入ります。その中で第一に壊れにくいこと、そしてなるべく失敗しないことを追求した結果、耐久性・信頼性実現のために大きくて重くなり、また高性能なオートフォーカスや高速連写機能が備わったハイスペック機でレンズも大口径で…という具合に私たちの腕や肩、腰に負担をかけるヘヴィな道具の出来上がりという訳です。しかしそれらを除けば「夜景モード」のような便利機能がついていない分、ファミリー向けカメラよりもむしろシンプルなぐらいなんですよ。
逆に言えば、晴天で十分に明るい恵まれた条件下なら、一般的なカメラでも良い写真が撮れるかもしれないということ。もし競走馬のカッコイイ写真を自分で撮ってみたいと思ったら、結果を気にせずたくさん写してみてはいかがでしょうか。もしかしたらその中にビシッと決まった傑作が撮れているかもしれません。
具体的な設定などについては、また次の機会にでも書きたいと思います。あるいはもし盛岡や水沢で私を見かけたら、興味のあるかたは気軽に声をかけてみて下さい。
(文・佐藤到)
水沢で厩舎を開業した佐藤祐司調教師が4月22日、第2レース・アクティブハートでデビューを飾った。
佐藤祐司調教師は同じ水沢で開業する佐藤浩一調教師の実弟で厩務員、調教師補佐を経て今年、調教師免許を取得。初陣は惜しくも4着に終わったが、早速、佐藤祐司調教師に話を聞いてみた。
(インタビューに答える佐藤祐司調教師)
―(アクティブハートは)無事に走ってくれましたし、4着なら上々だと思っています。ですからレースを終えた(山本)聡哉騎手と馬に“よくやってくれた。お疲れ”と声をかけました。
あせりはありませんが、一日でも早く1勝をあげてファンに佐藤祐司の名前を覚えてもらいたいですね。そしていい馬を作って、微力ですが岩手競馬を盛り上げて行きたいと思っています。
理想の馬は勝負の世界ですからね、出るたびに勝ってくれる馬ですが、それ以上にメイセイオペラみたいな皆さんから応援してもらえるような馬を送り出せればと思っていますので、よろしくお願いします―。
佐藤祐司調教師はインタビューでも答えていたが、まずは1日でも早く初勝利を飾ってくれることを期待したい。
<次走へのメモ>
4月23日 第32回スプリングカップ(3歳オープン 水沢1600m)
1着 ダンディキング
スタートダッシュが見事に決まったとは言え、今回の強さにはただただ脱帽するばかりだ。マイルが不安点とレース展望で書いたが、それはアッサリ一蹴された。向正面で2番手以下に2、3馬身差のセーフティリードを保ち、折り合いもしっかりついていた。
そして直線は後続を突き放す一方で、2着に6馬身差ブッチ切った。しかもマークしたタイムが1分42秒7!
直前の9レース、古馬B1級戦が1分44秒0だったから、いかにダンディキングのタイムがすばらしかったかが、一目瞭然だった。
それでも沢田騎手は「あまりスピードを感じるタイプではない」と言っていたが、おそらくそれは跳びが大きく、一完歩が他の馬と違っているからだと思う。
逃げ一辺倒ゆえ、今後も展開、ペース次第の注文がつくだろうが、一級品のスピードであることは間違いない。
母は東海アラブダービーを制したこともあるアラブの女傑ミスハクギン(父トライバルセンプー)。この異色血統がサラブレッド相手に旋風を巻き起こすか、非常に楽しみだ。次走は5月14日、重賞・岩鷲賞(盛岡ダート1400m)を予定している。
2着 テンショウボス
「もう少し後ろを考えていたが、反応が良かったので2番手からの競馬になった」(阿部英騎手)。3コーナー手前からずっと手をしごいていたのは、ダンディキングの手応えがすばらしかったため。6馬身差は完敗だったが、これは勝った馬を誉めるべきで2着確保を素直に評価したい。
ティンバーカントリー産駒で520kg前後の大型馬。七時雨賞を叩かれて気配アップ歴然。このまま順調に成長すれば恵まれた馬格からも将来性は十分。
3着 ブラックショコラ
自分の本命はこの馬だったが、スタートで痛恨の出遅れ。元々、そのクセがある馬だが、それが最後まで影響した。とは言え、スタート互角でも今回のダンディキングには敵わなかっただろう。
次走予定は岩鷲賞。盛岡ダートは初だが、ダンディキングは母同様、左回りに課題を抱えており、そこに活路を見出すか。
4着 ギンガスター
これまで一線級に全く歯が立たなかったが、今回は離されたにせよ4着は善戦。父サクラローレル、母ハッピーガーランドの奥手血統からも成長確か。
(文・松尾康司/写真・佐藤到)