ニシキダイジン有終の美を飾る!
25日(日)は重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝1番人気に推されたニシキダイジンが優勝。2010年に続いてこのレース2勝目を飾り、自身の引退に花を添えました。
ばんえい記念恒例となった新旧重賞ファンファーレが鳴り響き、精鋭9頭が一斉にスタート。ホッカイヒカルが第1障害でやや手間取りますが、馬場水分5.1%と軽いこともあって、各馬ともひと腰でクリアしました。フクイズミ、ニシキダイジン、トモエパワーなど高重量を曳き慣れたメンバーが、ゆったりとしたペースで馬群をリード。ナリタボブサップもこの一角でレースを進め、いよいよ第2障害を迎えます。
真っ先に挑んだのは、やはりニシキダイジン。1トンを曳いているとは思えない登坂を見せ、ひと腰で天板近くまで上がります。フクイズミ、トモエパワーも仕掛け、やや遅れてナリタボブサップがチャレンジ。残りの馬たちも果敢に挑みはじめました。
しかし先頭クリアはニシキダイジン。やや遅れて、障害巧者のナリタボブサップが続きます。ここから間隔が開いて、フクイズミが3番手で障害を突破しました。
こうなれば高重量戦でしぶとい粘りを見せるニシキダイジンに有利な展開。ナリタボブサップはいったん脚が止まったことで水をあけられ、これにフクイズミがあっという間に迫ります。そんな激しい2番手争いを尻目に、先頭は圧巻の歩きっぷりを見せるニシキダイジン。1トンを曳いているにも関わらず、障害後はまったく脚を止めず、一気にゴールまで荷物を運び切りました。
注目の2着争いは、フクイズミが脚を止めながらも徐々に差を詰めはじめます。残り10メートルでナリタボブサップがストップすると、フクイズミはこれを一気に交わし去り、結局ゴールでは1馬身ほどの差をつけて先着しました。
馬場が軽かったにせよ、第2障害後に一度も脚を止めなかったニシキダイジンのレースぶりは圧巻でした。王者カネサブラックが不在で相手関係はだいぶ楽でしたが、仮にカネサブラックが出走していても......、と感じずにはいられない強い勝ちっぷり。今後は種牡馬入りするとのことで、後世にこの強さをつないでいってほしいと思います。
同じく引退、繁殖入りするフクイズミが2着。末一手の個性派として鳴らした競走生活を締めくくるにふさわしい、切れのある末脚を発揮しました。ニシキダイジン同様、この馬の個性を受け継いだ産駒の誕生を期待したいと思います。
ナリタボブサップは今回の一戦で完全復調をアピール。障害力はやはりばんえい随一で、今後も高重量戦で馬場が軽くなった際には好勝負が期待できるでしょう。
鈴木恵介騎手「(自身のばんえい記念初制覇に)最高に嬉しいです。レース前は、障害のいい馬だから、その一番いいところを出せるように、と思っていました。馬場が軽く、道中は1トンの流れではなかったですが、障害を下りても1度も脚を止めずにゴールできました。この勝利で、自分もやっと一流になれたかなと思います」