年に1度のお楽しみ「JRAジョッキーDAY」が、今年も8月3日に行われました。今年の参加騎手さんは何と9名。元騎手の細江純子さんを合わせれば実に10名もの騎手さんが帯広競馬場に集結して……。
でもね、本当は、もうお一方、ビッグなビッグな元騎手さんがいらしてた、ということは、案外知られていませんのよ。
その大騎手さんとは……加賀武見騎手! ばんえい関係の紙面ゆえ詳しくは説明しませんが、昭和40年代から50年代に一世を風靡した名手中の名手。そんな方が「札幌に来たから、ちょっと寄ってみた」と自前で遊びにいらしたのですから、私はのけぞってビックリ。JRA騎手諸氏も最敬礼でお迎えされていましたが……。ここは帯広競馬場、スタンドに出た加賀さんに観客は誰一人気がつかず、いや、それでも、さすがは大騎手、ニコニコと楽しげに、ばんえい競馬を堪能されていました。
さてさて、そんな賑やかなJRAジョッキーDAYの、しかし、一番の見ものは実は騎手さんの練習風景。日頃、凛々しい騎乗姿を見せるJRA騎手さん達が、馬の大きさ、ソリの不安定さに驚愕し、騒ぎまくる練習風景。「何とか観客の皆さんにも見せて上げられないかしら」と思うほど、本当に面白い。
今年は、初参加となった中舘騎手、岩田騎手、そして今をときめく三浦皇成騎手がソリ練習に臨んだのだが、案の定、バランスの取り方や馬の動きの違いに各騎手とも右往左往。岩田騎手は奇声をあげ、それを皇成君が冷やかして、練習場は爆笑の渦。
ソリ練習に励む岩田・三浦両騎手。なぜかモンキー乗り?
それでも、何だかんだという内に、いつの間にかコツをつかむところは、さすがアスリート。指導に当たった安部憲二騎手や藤本匠騎手の「手綱は長めに」なんていうアドバイスにも、ふんふん、なるほど、と、すぐに納得しておられましたよ。やるなぁ。
練習の後は記念写真。左から岩田騎手、藤本騎手、三浦騎手、中舘騎手
こんな調子なので、本番のエキシビションレースも無事に、というか大いに盛り上がって、例年以上に迫力のレースが繰り広げられて、良かった、良かった。
エキシビションレース第一戦を制した安藤勝己騎手と、サポート役の大口騎手
エンシビションレースを終えて、全員で記念写真
という訳で、楽しいJRAジョッキーDAYだったのですが、しかし!! それ以上に楽しいレースが、実は来たる16日、ばんえいグランプリの当日に行われる! ということを読者各位は、ご存知でしょうか?
その名も「ばんえいマスターズカップ」。そう、往年の名騎手が打ち揃ってレースを繰り広げる、あのレースを、ばんえい競馬でも行うのですよ。
出場される元騎手(現調教師さん)は…… 金山明彦、久田守、皆川公二、三浦孝幸、服部義幸、田上忠夫、岩本利春、中島敏博、金田勇、西康幸。以上10名の調教師さん。
3,299勝、リーディング13回という伝説的記録を残した名手・金山明彦と、その好敵手で2,103勝騎手の久田守。この二大騎手の対決だけでも一見の価値があるけれど、2,085勝の戦績を残す名騎手・岩本利春の手綱さばき、1,000勝騎手・皆川公二の「皆川ダンス」を見るのも楽しみ。他にも、調教師として1,000勝をあげた三浦孝幸、リーディングトレーナーの服部義幸などなど。日頃は表に出てこない先生方が自らの勝負服に身を固めて勢ぞろいするのだから、当時を知るオールドファンは勿論、先生たちの現役時代を知らない新しいファンだってワクワクする、でしょ?
聞くところによると、現役騎手さんに「おい、ズボン貸せ」と依頼したり、マスターズに向けて調教に励んだり、と既に臨戦態勢に入った調教師もいるとのこと。ここら辺の勝負への執着は、さすが勝負師。JRAの若い騎手さん達にも負けていない。
という訳で、今年のお盆は、ばんえいグランプリとマスターズ、夢の対決2レースが繰り広げられる帯広競馬場に、注目!