第23回 200mで見せる破天荒 藤島隆雅
--- 騎手になられたきっかけを教えてください。ご出身は風連町(現・名寄市)すね。
家に馬いたんで。うん、ばん馬用の馬を飼ってた。子どもの頃から馬の世話してた。
本当は農業高校行きたかったんだけど、高校行かないで競馬場行けって言われて。
--- そうでしたか。それで、中学を卒業してすぐ競馬場に来たのですね。騎手になろうと思って?
そうですね。騎手になりたくて競馬場に来た。
--- では、今までで思い出の馬を教えてください。初勝利はキクノフミヒメでしたが。
キクノフミヒメ……うーん、思い出……(考え込む)あのときは。結構楽勝だったんで。
--- そうですか? 8番人気で穴をあけていましたが……
そうそう、ダイコーアラシ。でかいんですよ。自分の担当馬で、一番競馬場ででかったの。一番大きいときで1300キロ近くあったし。乗るときも大変(笑)。
--- では勝負服について教えてください。
この色は藤野さんからもらった色です。藤野さんからは色々もらってたんですよね。ヘルメットに、弁当箱ももらったし……。最初はこの騎手服じゃなかったんです。受かって1月から3月まで、3ヶ月しか着ないで(笑)。あまり目立たないからって変えました。最初は、赤い部分が青だったんです。
--- かわいがられていたのですね。では、プライベートについて教えてください。よく行くお店とかありますか?
食べ物屋さんね。屋台村にあったんだけど、札幌に引っ越しちゃって……。今は何もないな。
この前、ダチョウに会ってきた!
--- 芽室町にあるファームクロダですね! ダチョウに乗れるんですよね、私も行きたいんです。乗りましたか?
いや、乗んない。乗りたくないなって。50kg以下じゃないと乗れないって。ロデオマシンに乗った。牛の形してるやつ。
--- さて、昨年度のガイドブックに座右の銘を「破天荒」と書かれていました。藤島騎手は穴をあけるイメージがありますので、ぴったりだと思いました。
あー。最近そうでもないけど(笑)。破天荒は、中学生の頃文集に書いてね。その時から。
で、どんな意味だっけ?(笑)。
--- 俺のここを見てくれというところはありますか?
難しいな。レースを見てほしい。乗り馬も見てほしい。
--- 乗り馬? パドックのでしょうか。どんな暴れ馬でも手なずけるとか。
(笑)うん。
--- 大きなダイコーアラシにも乗っていたわけですものね。大きい馬っておとなしいですか?
ダイコーアラシはおとなしかったけど、馬はピンキリですね。
--- では、目標を教えてください。自分自身でも、ばんえい全体でも。
ばんえいは、もう少しメジャーになってほしい。
風連でも、みんながみんな馬に関わっていたわけではないから、友達でも知らない人いるしね。
雪まつりだったら、雪の上そりでひっぱらすのやってたけどね。今はやってるのかな。
おとなしそうな藤島騎手。何を考えているかわからないけれど、突然面白いことを言うそのギャップが面白かったです。
それがレースにも現れて、穴を開けてくれるのでしょう。
これからも驚くような馬券を期待しています!
取材・文・写真/斎藤友香