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2008年8月28日 アーカイブ

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ばんえいジョッキーファイル(10) 藤野俊一

2008年8月28日(木)

第10回 笑いが絶えない重賞請負人 藤野俊一

 今回は、最近ではニシキダイジンでばんえいグランプリを制したのをはじめ、数多くの名馬でたくさんの重賞を制している藤野騎手です。

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スーパークリントン

--- 騎手になったきっかけを教えてください。出身は森町(旧砂原町)ですが、ばん馬大会にも参加されていたのでしょうか?

 うち、農家だったんだよね。牛と馬いたからね。実家の近くに馬主さんがいて。森はそんなんでもないけど、函館の方とか多いね。
 小学校の時はばん馬大会出てたよ。今の会場(森高校裏)ではなくて、青葉ヶ丘公園の近くの方でやってたの。
 オレ畑起こしたこともあるしな。

--- 馬耕をやられていたのですか。他にやっていた騎手はいるでしょうか?

 いや、いないんじゃないか。やってたのは小学校5年生くらいかな。
 あれ難しいんだよな。畑プラウで起こしてさ……起こすのはいいんだよね。馬がひとりでまっすぐ歩いてくれないとできないんだ。
 でも高校行ってからね、生き物とかさわらなくなったんだわ。遊びが忙しくてね(笑)。
 ハタチの時に競馬場来たんだな。仕事辞めて遊んでる時に近くの馬主さんが来て、遊んでるんなら競馬場行けって言われて来たんだ。

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--- では、最初騎手になるつもりだったのでしょうか。

 いや、ただ競馬場来ただけ。騎手試験は、受けては落ちて、何年も受かんないで、7年目にして受かって。
 5年目に(1次試験の)学科だけ受かったんだ。でも、2次の面接で落ちて。なんでって……普段の生活態度悪かったからでないか(笑)。

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--- 騎手デビューはどのような感じだったのでしょうか。

 今と違って、冬は開催やってなかったから能力テスト終わって4月からだったんだ。
 はじめは乗ってないよ。最初ね、1開催乗れんかった。
 その頃、騎手試験に合格すると那須の教養センター行かないとならなかったの。1週間かな。
 帰る前の日に酒飲んで見つかって、自粛せいって言われて……1開催乗れんかった。
 そして初めて馬乗るって時に、寝て寝て寝て、検量遅れてな。ハハハ(爆笑)。
 朝調教して、起きたんだけど、レースの時間に間に合わんくらい寝過ごして戒告になったの。レースは2着になったんだよな。
 緊張? 寝過ごしたくらいだから全くなかったんでないか(笑)。
 最初の頃は1頭か2頭くらいしか乗れんかった。

--- デビューの頃から大物感があったんですね(笑)。では、思い出に残る馬を教えてください。

 最初に重賞とった馬だな。キクスピードか……。
 その次のヤマノルビーは地元の馬主さんだったな。

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--- 藤野さんはたくさん重賞を勝たれていますよね。重賞請負人と言われていますが、意識していますか?

 オレそんなに勝ってるっけ。いい馬乗せてもらってるからでないか。

--- 中でもファンの多い2頭の馬について教えてください。まずはシマヅショウリキ(ばんえい記念連覇など重賞9勝)。

 シマヅね。友達の親父さんが持っていたのさ。能力テストからずっと乗せてもらったの。調教もつけて。
 登坂力が素晴らしい。いろんなオープン馬乗せてもらったし、(スーパー)ペガサスにも乗ったけど、登坂力じゃ全然かなわないね。
 体不自由なんだわ。生まれつきね。左だったかな……腰の辺りが不自由だったの。
 生まれつきだから競走能力にはたいした影響なかったの。後からなったら影響あるけども。
 寝たら起きれんから、牧場のじいさんが毎日、時間になったら起こしに行くんだってよ、仔っこ馬を。そのうち体力ついたら自分で起きれるようになったんだと。

--- それでよくあそこまで……。心臓が悪かった覚えがあります。

 そうだ。2度も頂点極めたもんな。年ちょっといってからはさ、鼻の毛細血管弱かったんだわ。鼻血出して調教中に倒れてみたりね。
 心臓悪かったの、帯広でなかったかな。障害降りて中止してね。(旧)7歳の時かな。

--- それでは、スーパーペガサスについて教えてください。

 ペガサスは……途中から乗せてもらった馬だからな。
 見てて乗りたい馬だったよ。まさかオレにまわってくると思わんしな。
 どんな馬場にも対応できたね。そうじゃなかったら重賞19回も獲れないわ。
 足痛くなるのが大変だったな……。
 オレより厩務員の渡辺さんが大変だったんでないか。毎日見るんだぞ。

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スーパーペガサス

--- では、プライベートについて教えてください。趣味はなんでしょうか?

 趣味? ねぇ(無い)。 寝ることか?

--- 釣りとかは……新聞に料理が得意だと出ていましたが。

 おお、海釣りな。料理得意だって? あー、たまにね。火起こすの得意だぞ(笑)。
 食品衛生管理者か? おお、取ったぞ。細川(弘則騎手)と一緒にな。
 それな、岩見沢の競馬場あった時にさ、騎手みんなで金出しあって、ソフトクリームを販売するかって話が出た時に、ちょうど岩見沢で講習会あるって聞いたから、偶然休みだったし取りにいったの。一昨年の岩見沢。
 子どもが来ても食べるものないとかいうからさ。子どもが長い時間いたら、大人もいてくれるしな。

--- そういえば岩見沢では焼鳥焼いたりしていましたよね。今の競馬場をこうしたいとかありますか?

 若い馬主増やさんとならんな。
 毎週土曜日はフリーマーケットやったりさ。ここでやったらさ、金かかんないし。子どもが集まるイベントに親ついてくるよ。

--- ソフトクリームもフリーマーケットも実現させたいですね。
 では最後に、渋い勝負服について教えてください。

 これねー。オレが決めたわけでないんだ。あまり模様ついたの好きでなかったから、こんな感じにしただけで。ただそれだけだ。
 山本さん(正彦騎手)の色もオレ決めたんだよ。昔黄色だったんだよな。
 (周りの騎手に向かって)オレ、渋いよな?!

(すると某騎手から「飲んだところ見たことないのか!」(笑))

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 濃いえんじ色の勝負服、ソツのない騎乗。渋い騎手だと思っていましたが……。
 過去のやんちゃぶりに、取材中も笑いが止まりませんでした。トップジョッキーなのにイメージ壊しちゃったかな?
 結果を残しても自らは飄々として周りを立てる態度に、信頼を置く馬主さんや関係者が多いのかもしれません。
 それにしても、飲むとどうなるのか、見たいような、見たくないような……。


取材・文・写真/斎藤友香

今週の見どころ(8/29〜8/31)

 30日(土)は「道新十勝川花火大会」(19:00〜19:50)が行われるため、30日、31日(日)の両日とも、第1レースの発走予定時刻が14:10に繰り上がり、以降のレースの発走時刻も変更となります。詳しいレース発走時刻につきましては、ばんえい十勝ホームページでご確認ください。
 帯広競馬場でも大パノラマで花火をご覧いただけますので、ぜひお出かけください。なお雨天の場合、花火大会は31日に順延となります。

 8月29日(金)のメイン第11レースは、らわんぶき特別(300万円未満)。出走9頭中、前開催の夕焼特別(300万円未満)のメンバーが6頭を占めます。そのレースは、残り30メートルから一騎打ちを繰り広げたライデンロック、アアモンドヤワラが1、2着。障害3番手に続いたコブラダイオーが勝ち馬から8秒9差の3着に入り、4着ニシキタカラ(3着と9秒差)以下はさらに離されました。
 今回は、アアモンドヤワラが同日の世代限定戦に出走で不在、ライデンロックが回避で、コブラダイオーにチャンスがめぐってきました。安定した障害力で今季300万円未満特別2勝目を狙います。
 強力な同型馬不在で今回は楽に先行できそうなニシキタカラが相手として有力。早めに障害をクリアできれば末脚切れるキヨマサ、軽い馬場は向きそうなヤマトチカラも侮れません。

 8月30日(土)のメイン第10レースは道新十勝川花火大会開催記念(400万円未満・18:55発走予定)
 オレワスゴイはこのクラス初戦だった入道雲特別(7月25日)で、1番人気を裏切り10着に敗退。初経験となる680キロ、古馬中堅クラスの厳しい流れなどが影響したかもしれません。前々走の3歳重賞・ばんえい大賞典は再び680キロのトップハンデハンデで惨敗しましたが、前走の3・4歳オープンでは、唯一の3歳馬ながら670キロで障害先頭から2着に健闘しています。今回は680キロを曳くのが3回目、400万円未満特別も2回目で、大きな変わり身が期待できそうです。
 前開催の十勝川特別(400万円未満)を制したイッスンボウシは近5走の同条件特別で3着以内4回、十勝川特別2着のキングシャープも近5走の同条件特別で4連対と堅実な走りをみせており、今回は、この3頭による上位争いとなりそうです。
 力上位のグレートサンデー、障害次第では決め手あるタケノホウシュウの食い込みもありそうです。

 この日の最終第11レース(20:00発走予定)に、3歳以上オープン混合が組まれています。
 オープンから6頭、500万円条件から4頭が出走しますが、このメンバーなら、実績上位のミサイルテンリュウが圧倒しそう。底力あるトモエパワーは不向きな軽量690キロですが、上位進出も期待できるでしょう。
 500万円条件からはアローコマンダーに注目します。このところ大敗続きですが、障害さえまともなら差のない競馬ができるはずです。

  8月31日(日)のメイン第11レースは第1回とかちえぞまつ特別(オープン・20:00発走予定)。前々走シーサイド特別(オープン・馬場水分5.8%)、前走ばんえいグランプリ(馬場水分2.9%)と連戦している馬が5頭いる組み合わせ。今回は、負担重量、馬場状態とも前々走に近い条件となりそうです。
 ホシマツリは、その前々走は障害を先頭でクリアしたものの、フクイズミに差されて2着でした。しかし今回は、フクイズミがそのレースから5キロ加増、ハナ争いのライバル・ニシキダイジンも同じくプラス5キロとなっており、勝利のチャンスでしょう。
 相手筆頭はフクイズミ。軽い馬場で先行勢が止まらない流れになると厳しいですが、今季1度も4着を外していないように、ここも大崩れはなさそうです。
 しぶといタケタカラニシキ、軽馬場得意の追い込み馬ホクショウダイヤや、別路線組では最軽量タイ700キロを生かしたいトカチプリティーも争覇圏です。

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