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2008年3月21日 アーカイブ

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3/23ばんえい記念プレビュー

2008年3月21日(金)

 3月23日(日)のメインは第40回ばんえい記念。負担重量1000キロ(牝馬980キロ)で行われます。17日(月)の最終レース発走時点での馬場水分が1.4%。その後も帯広ではまとまった降雨はなく、レース当日は時計のかかる馬場が予想されます。
 となればパワーで押しまくる昨年の覇者トモエパワーの出番でしょう。前走チャンピオンカップでは、高重量戦を得意とする同馬にとっては780キロと不向きな重量でしたが5着に健闘。調子は上向きの印象をうけます。この重量なら苦しむ他馬をしり目に逃げ切りが期待できるでしょう。
 相手筆頭にはスーパークリントンを推します。今季は重賞では未勝利ですが、すべて掲示板内に健闘と大崩れがありません。決め手不足なところはありますが、力のいる馬場は得意。1000キロという常識にかからない重量だけに、先行してそのまま流れ込み、穴をあける可能性もあります。
 シンエイキンカイは例年この時期は成績が良い傾向にあり、今年もオープン混合とはいえここ2戦連続して2着と好調です。今回は相手が格段に強化されましたが、7年連続でのこのレース出走の経験と昨年2着の実績を生かし上位進出が期待できます。
 今季、北見記念、帯広記念を制しているのがナリタボブサップ。ばんえい記念に次ぐ負担重量を課せられる帯広記念を制していることで、高重量への適性は証明済み。初経験の1000キロでも登坂力上位の同馬ならこなしてくれそうです。しかしパワー勝負になりそうな今回、トモエパワーを負かすまではどうかといったところです。
 昨年の3着馬ミサイルテンリュウは、昨年夏に重賞を連勝した実績があります。しかし負担重量が増えるにつれ苦戦が目立つようになっており、昨年以上の結果を望むのは酷かもしれません。
 今年の話題の中心はやはり、これが引退レースとなるアンローズでしょう。今年2月17日には通算56戦目にして帯広未勝利から脱出すると、その次走(3月3日)も快勝し周囲を驚かせました。時計のかかる馬場は向くようですが、勝ち負けまでは厳しいでしょう。もう1頭の牝馬スターエンジェルは、これまで高重量戦では時に大駆けをみせてきました。しかし最近はやや衰えがみられるようで、上位進出は難しそうです。

出走表はこちら

【参考レース】

 3/25 H18年度ばんえい記念(勝ち馬:トモエパワー)
 9/30 岩見沢記念(勝ち馬:トモエパワー)
11/25 北見記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)
 1/ 3 帯広記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(3/22~3/24)

 今週の日曜日(23日)には、いよいよ最強馬決定戦・ばんえい記念が行われます。当日は、3歳(牡馬、牝馬)、4歳、5歳の各世代のオープン特別が組まれるなど非常に豪華な番組構成。また須田鷹雄氏(競馬評論家)、当情報局の重賞予想やコラムでお馴染みの、矢野吉彦、古林英一、斎藤修各氏による「ばんえい記念トークショー」をはじめ盛りだくさんのイベントが予定されています。
 なおその前日(22日・土曜日)には、重賞13勝を挙げた名牝サダエリコ引退式(16:00ころより競馬場スタンド正面にて)が行われます。こちらにもどうぞご参加ください。
 この3日間はすべて全11レース制で行われます。第1レースの発走時刻は、ばんえい記念が行われる23日のみ11:00、そのほかの日は11:30となりますのでお間違えなく。

 3月22日(土)のメイン第10レースは、じゃらんカップ(430万円未満)。前開催の同条件戦・桜月特別の再戦模様となりました。
ここは昇級後3戦連続して2着のユウシテンザンに注目します。その3戦いずれも先頭で障害をクリアしながら、ゴール前で粘りが足りずの惜敗。しかし今回は、3走前の勝ち馬はすでに500万円条件に昇級、2走前の勝ち馬は今開催は世代限定戦への出走で不在、前走で先着を許したホクショウドラゴンとは5キロ重かった重量が、同重量になることで逆転の目は十分。4度目の正直が見込めます。
 相手筆頭はもちろんホクショウドラゴンですが、豪快な末脚を秘めるキングシャープカネミセンショーの2頭や、このクラスの上位安定勢力であるシンエイスターも争覇圏でしょう。

 この日の第9レースにオッズパーク携帯ライブ配信記念(勝入別定250万円未満)が行われます。
 ここは、3月15日と3月17日の250万円未満をそれぞれ制しているサロマオーザンマルトオーカンの一騎打ちが濃厚。
 割って入るなら近3走の250万円未満で2連対のチカラショウグンが有力です。

 3月23日(日)のメイン第10レースは重賞・第40回ばんえい記念。(16:30発走予定)。このレースは別掲ばんえい記念プレビューをご覧ください。

 この日の第9レースは5歳オープンによるオッズパーク賞スターライト特別です。
 ここはハンデ有利なメダマに注目します。今回とほぼ同メンバーだったダイヤモンドダスト賞(2月10日・5歳オープン)を障害先頭から押し切りました。今回も軽量を生かして前に行き、障害でつけたリードを自慢の末脚で守り抜く盤石のレースが見られそうです。
 世代限定戦ではトップハンデを負うことが多いものの安定して上位に食い込んでいるホクショウダイヤや、前々走の重賞チャンピオンカップで古馬一線級を退けたツジノコウフク、昨年の4歳三冠のうち2戦で2着と実績上位のヒロノドラゴンらも上位争いが期待できそうです。

 この日の第8レースに4歳オープンによるクリスタル特別が行われます。
 ここは昨年、賞金別定で行われた3歳三冠の一冠目・ばんえい大賞典制覇の実績があるプリンセスモモに期待します。ハンデ差を生かせれば、今回も好位からの抜け出しに期待できそう。軽馬場での活躍が印象的ですが、前々走のウィナーズカップでは馬場水分0.9%の重馬場でも逃げ切り勝ちを収めるなど、地力強化も顕著です。
 相手も、軽ハンデのミサキスペシャルコーネルフジエリザベスライデンらが有力でしょう。

 この日の第5レースは若草特別(3歳オープン牡馬)です。
 3月9日に行われた定量戦の重賞イレネー記念はオレワスゴイが圧勝し、3歳ナンバー1の座を射止めました。今回オレワスゴイは出走せず、混戦模様となりました。
 中心はニシキボス。今年に入ってからの5戦で、同重量~10キロ軽いハンデでオレワスゴイとほぼ互角の勝負を繰り広げていました。オレワスゴイ不在の今回は、安定した先行力を武器に、勝ち負けが期待できるでしょう。
 相手候補は、障害巧者ライデンロック、ハンデ有利なカイセテンザンが有力。上がり馬ウィナータカラの勢いも見逃せません。前走イレネー記念では第2障害で転倒し最下位だったホクショウジャパンは、前々走と比べ、ほかの有力馬とのハンデ差が小さくなっており巻き返しも期待できます。

 この日の第4レースは福寿草特別(3歳オープン牝馬)です。
 ここはデビューから11戦して8連対、3着を外したのは1回だけと堅実なウィナーナナに注目です。スピードとパワーを兼備。前開催の3歳オープン特別でもハンデ差があったとはいえ、障害先頭から牡馬一線級を完封しています。これまでに牝馬に先着を許したのは、障害で大きく体勢を崩した3走前の3歳A2戦(6着)のみ。トップハンデでも牝馬限定戦の今回は、格の違いを見せつけてくれるでしょう。
 相手は、牝馬オープン特別勝ちがあり牝馬で唯一イレネー記念に挑戦したニシキエースや、前走条件級を快勝して勢いのあるプリンセスビジンカネヅルらが有力です。

 3月24日(月)のメイン第11レースは蛍の光賞(500万円未満)。昨年まではその年度で(定年により)引退する11歳馬、8歳牝馬のためのレースでした。しかし今年度より定年制がなくなったため、そのレース名を引き継ぎ、シーズンの最後を飾るレースとして生まれ変わりました。
 ここはタカラオーシャンの昇級2戦目の変わり身に期待します。オールカマー、430万円未満と連勝して臨んだ前走夢見月特別(500万円未満)は障害で後手を踏んで最下位でした。しかし負担重量740キロは前々走で勝利した実績があり、あと問題はペース慣れだけ。決め手ではこのクラスでも間違いなく上位で、今回は勝ち負けが見込めるでしょう。
 その夢見月特別では1番人気で7着だったイナノプリンセスは、極端に重い馬場(馬場水分0.8%)に自慢の先行力を削がれたのが敗因。少しでも馬場が湿るようなら巻き返しも十分にありそう。
 今回のメンバーで夢見月特別最先着の3着ワカテンザンや、登坂力魅力のストロングペガサスも争覇圏。前走混合500万円未満を制しているオホーツクブルーも侮れません。

 この日の第10レースは大平原特別(600万円未満)
 中心視したいのはコマタイショウ。今年に入ってから混合700万円未満と600万円未満で6戦して4連対の安定した成績を挙げています。前開催の同条件戦・弥生特別でも真っ先に仕掛け、この馬の勝ちパターンかと思わせましたが、2歩目がなかなか踏み出せず坂の途中でへたりこんでしまい7着。しかし実績からすれば、今回は十分巻き返しが見込めるでしょう。
 相手は、弥生特別を逃げ切ったフクノカミカゼや、同レースで好位追走から1秒差の2着に食い込んだミスターハヤサキが有力。末脚が復活気配のキョクシンオー、障害しだいではハマナカキングの上位食い込みも警戒したいところです。

馬券おやじは今日も行く(第46回) 古林英一

地域資源としての『ばんえい競馬』を考えるシンポジウム

 3月20日、帯広市とかちプラザにおいて、「地域資源としての『ばんえい競馬』を考えるシンポジウム」(主催:帯広市、NPO法人とかち馬文化を支える会、(株)オッズパーク・ばんえい・マネジメント、後援:(社)日本馬事協会)が開催されました。

 2006年秋、存廃問題で大揺れし、12月オッズパークの支援で帯広市単独開催が決定し、1月30日ばんえい競馬を考えるシンポジウムが、同じとかちプラザで開催されました。あれから1年と2か月。ずいぶん昔のようにも思いますし、つい昨日のことのようにも思います。

 今回のシンポジウムは、小生の基調講演(というより前座です)に続き、われらが矢野吉彦さんの司会で、文豪・旋丸巴氏、十勝バス代表取締役でシーニークバイウエイ代表の野村文吾氏、「じゃらん北海道発」編集長ヒロ中田氏、Air'G(FM北海道)中田美知子氏、ソフトバンク・プレイヤーズ藤井宏明社長、そして砂川敏文帯広市長によるパネルディスカッションが行われました。

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Photo Yuka Saito

 まず、昨年のシンポジウムで「全員参加型のばんえい競馬」というスローガンを提唱した藤井社長は、具体的な数値を上げ、初年度としては合格点であるとしながらも、厳しい状況は以前続いており、全員我慢のばんえい競馬の状態であり、馬券収入以外の収入を確保していかねばならないと述べられました。「全員我慢のばんえい競馬」から「全員ハッピーなばんえい競馬」の創出に向け、すぐに行動を開始しなくてはならないという藤井社長の提言は、まことにもってその通りだといわざるを得ません。

 確かに、OPBM(オッズパークばんえいマネジメント)、帯広市役所をはじめとし、多くの関係者の努力の甲斐あって、本場の入場者数は大きく伸びました。「汚い、臭い、煙たい」の3K競馬場のイメージを払拭し、家族連れや若い人たち、観光客の来場は飛躍的に増えました。しかし、「じゃらん」をはじめとする様々なメディアでばんえいを支援してきたヒロ中田氏はまだ不十分だといいます。来場者23万人に満足すべきではなく、50万人をめざすべきだと述べられました。

 また、今回のパネルディスカッションでは、ばんえいの顧客としてどういう層をターゲットにすべきか、また、何から手を付けるべきかなど、昨年のシンポジウムより具体的な方向が議論されたように思われました。

 ばんえいはまだまだ試行錯誤の道をたどらねばならないと思います。とはいえ、試行錯誤できるようになったことが大きな進歩ではないでしょうか。ばんえいの試みは、おそらく、他の地方競馬、地方競馬のみならず、わが国の競馬全体の未来に大きなヒントを与えてくれるものだと、一馬券オヤジの小生は思うのであります。

 さて、今週はいよいよ大一番・ばんえい記念です。世界で唯一のばんえい競馬のチャンピオン決定戦、つまり世界一決定戦ですわな。世界最強の馬はどの馬か? 悩むところですなあ。晴れたら(たぶん晴れると思われます)、昨年の覇者トモエパワーが最強馬の地位を確固たるものにするのではないかと小生は思っとりますが、もし少しでも軽くなれば、この1年で地力強化著しいナリタボブサップかと。女王アンローズはやはりちょっと苦しいかも。スーパークリントンあたりの一発も……とはいえ、海の向こうのクリントンさんは2障害で膝折ったしなあ。小生、23日は片道燃料で帯広競馬場に特攻出撃する覚悟であります!

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