スピードキングを決める戦い!
山陽オート12月の恒例GI・スピード王決定戦が始まる。レースタイトルに相応しく、例年ハイスピードのバトルが展開される。現在オート界トップ2が参戦し、シリーズを形成していくが、最近では若手の成長が著しく、記念初制覇が今回になる選手が現れる可能性もある。初日から目が離せない戦いになりそう。
シリーズの中心になるのはこの二人。青山周平と鈴木圭一郎だ。どちらも近況の動きは好調。青山は前走の地元で完全優勝を決めた。ここ数節は、ほぼ車券の対象から外れておらず、更に言えば1着率がかなり高い。エンジンの仕上がりも良く、前走の優勝戦では試走23、上がり36の好タイムをマークした。競争路が山陽に移るとはいえ、今はどこの走路でもエンジンを合わせてくるので、優勝戦まではノルマ。優勝争いにまで参加してくるだろう。鈴木圭も同様に、ここ数節はほぼ車券に絡めている。もちろん1着率も高い。前走の飯塚ナイターでは準優勝だったが、その前はGIIとGIを連続で制している。試走タイムも25を切る数字を連発。青山との直接対決が楽しみだ。
今回の地元山陽勢は佐々木啓、松尾啓史、丹村飛竜、丸山智史などが有力。佐々木は近況の着取りはイマイチだが、エンジン自体は高位で安定している。松尾啓は前走の川口で優出。11月12日に行われた山陽一般開催では優勝している。地元走路でのセッティングは出ている。丸山、丹村もおおむねエンジンは悪くない。
そしてA級ではあるが人見剛志が完全復活した。今年の前半は苦しんでいたが、徐々に調子を取り戻し、11月24日の山陽ミッドナイトで優勝。そして前走の飯塚ナイターでは鈴木圭を振り切って優勝してみせた。この時はハンデが10M前だったが、今回からはさすがに最重ハンに戻るだろう。それでもそれが本来のハンデ位置。乗れている強みで白星を量産しそうだ。
外来S級では荒尾聡、中村雅人、金子大輔、木村武之などが上位争いに参加してきそうだ。荒尾は前走の地元GIIではエンジンが折り合わなかったが、その前の浜松GIでは優出し3着入線。中村と金子はエンジン自体はもうチョイだが、仕上がれば捌きが発揮できる。木村武は近況、優出するケースが増えており、大舞台でも強い印象がある。
佐藤裕二、若井友和、大木光などは前走の地元で優出しての参戦。重富大輔は地元のナイターで強烈なタイムを叩き出していた。
そして今回、台風の目的存在になりそうなのは中山光。全て一般開催ではあるが、地元戦で怒涛の4連続優勝を決めている。まさに破竹の勢い。今年は記念レースで初優勝する若手が目立っている。中山光もその仲間入りを目指し、初日から好走を連発させそうだ。
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主な出場予定選手
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佐々木 啓〔山陽 S-8(23期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
金子 大輔〔浜松 S-14(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-24(26期)〕
人見 剛志〔山陽 A-88(28期)〕
今年の川口開催もあと2つ!
川口オートは今回の開催を終えるといよいよ年末のスーパースターフェスタが待っている。王座決定戦に出場する選手も、シリーズ戦に出場する選手も、川口バンクでの最終調整の方向性をしっかりと掴んでおきたい。
今回出場するS級は地元から5者のみ。その内4人がSS王座決定戦のシリーズに出場する。佐藤摩弥、永井大介、山田達也、森且行だ。佐藤摩と森は前走が飯塚GIIだった。佐藤摩は初日からまずまずの滑り出しを見せたが、3日目の7着が響き、準決には乗れなかった。連日、30近辺の試走タイムを出していたが、その開催ではかなりのスピードレースが展開され、試走2台は当たり前のシリーズだったため、佐藤摩は仕上がり不足だった。ただし、今回は地元での競争。そこまで高速戦になる事は考えづらい。いつもの地元の仕上がりができれば十分戦えるだろう。森は2日目の8着が響き、3日目にして一般戦回りとなってしまった。ただし、その後は立て直し、試走も30を切るタイムを出せていたのでエンジン面は心配ない。
永井と山田達は前走が地元4日間の一般開催だった。永井は2日目の重走路で結果を残せず準決には乗れなかったが、それ以外の3走は全て1着。初日と最終日は川口オートではソコソコのタイムが出ていたので、今回は前回のリベンジに燃えたいところ。山田達は準決7着だったが、それ以外は全て車券に絡めていた。どちらもSS王座決定戦へ向けて、しっかりとエンジンを仕上げておきたい。
平田雅崇はSS王座決定戦回りではないが、シリーズ戦には出場する。前走では優勝戦まで進んでいたし、ある程度の動きを保ててはいる。今回で更なる底上げを図りたい。
その優勝戦で準優勝だったのは浜松の笠木美孝。近況は成績が安定しており、上位着でまとめられている。現在はA級にランクされているが、実力的には十分S級と変わらないモノを持っている。他にその優勝戦に乗っていたのは間中大輔と武藤博臣。間中は成績としては安定しない傾向あるが、エンジン自体は良いので今回も活躍できるかも。武藤は優勝戦7着だったが、それ以外はオール連対。SGウィナーらしいスピードが戻りつつある。
大注目なのは花田一輝。前走の飯塚ミッドナイトではオール連対の優勝を果たしている。これが自身2度目の優勝。成長盛りの33期とあって、これからの飛躍が楽しみな一人。
地元A級では加賀谷建明、中山透、山田真弘などにも注目。加賀谷は前走の飯塚GIIで大いに見せ場を作っていた。準決はフライングをした上に、3着で優勝戦には進めなかったが、5日間のシリーズで全て車券に絡めていた。上がりタイム的にも2日目に3・338を出すなど気持ち良さそうに走れていた。中山透は、川口で現在4節連続優勝を達成している中山光の双子の兄。弟の活躍に触発されない訳がない。山田真は近況まずまず。SG3Vの実力者ながら現在はハンデ位置に恵まれており、車券的にも狙いの一車となる。
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主な出場予定選手
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佐藤 摩弥〔川口 S-10(31期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
山田 達也〔川口 S-19(28期)〕
森 且行〔川口 S-25(25期)〕
平田 雅崇〔川口 S-48(29期)〕
加賀谷 建明〔川口 A-14(27期)〕
間中 大輔〔川口 A-129(28期)〕
笠木 美孝〔浜松 A-3(22期)〕
今節は勝ち上がりが2本立てで、楽しみも2倍!
今回は通常の勝ち上がりとは別に、新人王決定戦が組み込まれている。3日間の開催で、初日と2日目の第7Rと8Rで新人王トライアルが行われ、その得点上位8人が最終日第11Rの新人王決定戦進出となる。今の飯塚オートは高速バンクと化している。前回と同様にナイター戦で、ハイスピードのバトルが待っている。
通常の勝ち上がりでは、直前のGIIオーバルチャンピオンカップで活躍した選手が、引き続き今回も好走を見せてくれそう。そのGIIで優出したのは鈴木圭一郎、篠原睦、丹村飛竜、滝下隼平。ここで優勝したのが鈴木圭。優勝戦は文句付けようのない走り。エンジンも乗り手も最高潮だ。レース間隔が空いておらず、今回も優勝候補筆頭に挙げられる。篠原は5着だったが、スタートではしっかりと見せ場を作れていた。逆にスタートで大失敗してしまったのは丹村。エンジンは良さそうだっただけに、今回は奮起したい。滝下はレース道中で田中茂の抵抗にあったが、それを突破して猛追を見せていた。エンジンはかなり仕上がっている。
他では浦田信輔、有吉辰也、久門徹、岩見貴史などが地元の主力。浦田はエンジンがもう一つの状況だったが、決して崩れている訳ではなく、一般開催なら十分通用しそうな動きはある。ハンデ戦で最後方から次々と中団を突破して行くだろう。有吉は現在エンジンが並以下。大幅な立て直しが必要な状態。久門と岩見は、前走では準決で惜しいところまでいっていた。エンジン的には中堅上位あり、武器のスタートを決めれば速攻に期待できる。
外来では佐々木啓、丸山智史、松本やすし、中村友和などが注目の存在。佐々木は長らくエンジンが安定。今回も大きな着を取ることはないだろう。レースに派手さはないが、着実に1車ずつ番手を上げてくる。丸山もエンジンはまずまず。今年は記念を初制覇し、飛躍の年になった。松本もエンジン的には十分戦える現況。中村は調子の波がやや大きいが、タイムが出やすい今の飯塚オートに走りがぴったりとマッチしそう。いきなりの大駆けには注意を払いたい。
新人王シリーズの34期は実質2強の状態。デビュー前に評判が最も高かったのは上和田拓海。デビューしてからも順調な成長を見せ、勝ち星は同期トップの42勝で優勝は1回だ。そのライバル候補筆頭が川口裕司。勝ち星こそ34で上和田には及ばないが、優勝回数は2で、同期の中でトップ。飯塚は地元走路なので、上和田にも十分対抗できる。
他に優勝経験があるのは伊勢崎の横田翔紀。デビューしてから長い間、苦しい状況が続いていたが、ここ最近はコース取りが良くなり、地元の重走路の優勝戦で勝ち切るまでになった。成長の上昇度では今一番高いモノがある。他にも伊勢崎では野本佳章、石川哲也。川口は早津康介、浜松は佐藤大地などが楽しみな存在。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-11(26期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-16(25期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-8(23期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
松本 やすし〔伊勢崎 S-43(32期)〕
滝下 隼平〔飯塚 A-5(28期)〕
鈴木圭一郎がオーバルチャンピオンカップ初制覇!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは、浜松の32期・鈴木圭一郎が制した。鈴木圭はこの大会初制覇。また記念レースのタイトル一つ積み重ねた。
試走タイムは鈴木圭が一番時計で24。次いで滝下隼平が26、丹村飛竜と田中茂と早川清太郎が27、岩科鮮太が28、篠原睦が29、鈴木聡太が30だった。
0Mオープンで肝心のスタート争いは、5枠から鈴木圭が先行。最内から篠原が2番手発進を保ちそうだったが2コーナーの立ち上がりでは早川が出て行く。以下は岩科、田中茂などが続き、2枠の丹村は先立ち。大きく出遅れてしまった。
いきなり独走に入った鈴木圭は、試走一番時計のパワーを見せる。必死に食らい付こうとする早川を徐々に引き離していく。そこからはまさに一人旅。最後までスピードを緩めることなく、圧巻のレースを見せてくれた。2着は早川。3着にはレース序盤で田中茂の抵抗にあっていた滝下が、道中で篠原と岩科をまとめ差しで浮上していた。
それにしても鈴木圭は強かった。試走一番時計なら、スタートでそこまで好位に付けなくても巻き返してこれそうなものだが、トップスタートを決めてしまった。それもスタートの飛び出しからタイミングが抜群で、他車が一瞬止まって見えるようなダッシュだった。これにエンジン力の後押しもあるのだから、同じレースで競争をする他の選手はたまらない。これで鈴木圭はSG8V、GI12V、GII3V。GIIだけ異様に数が少ないように思えるが、これはデビューしてから快進撃の加速度が強烈だからだ。これからもこの数字はどんどん大きくなっていくことだろう。
青山周平が中心になりそうなシリーズ!
前回の伊勢崎優勝戦は好メンバーが揃ったが、好枠から伊藤信夫が抜け出して優勝を決めた。今回はその伊藤信は不在で、優勝戦で勝ち切れなかった選手たちにとっては今回こそ優勝を狙いたい。優勝戦に乗れなかった選手たちも、もちろん優勝を狙って初日から激走する。
前回、準優勝だったのは青山周平。優勝戦は厳しい位置からの競争だったが、いい追い込みを見せていた。エンジン状態としてはかなり高い位置にあり、気候的にも大きくは変わってないので、初日からピンラッシュに期待できる。シリーズを引っ張っていく存在になりそうだ。
他に優出していたのは高橋貢、新井恵匠、青島正樹。高橋貢は6着だったが、初日から連日、試走タイムは27を出していたのでエンジンはいい所で安定している。その前も2節連続で記念優出しており、機力の面では大きな心配はない。予選、準決は青山と当たる事もないだろうから、アタマ固定で狙ってよさそうだ。順当に勝ち上がり、優勝戦で青山と戦うとなると、内枠に置かれるだろうから先手の攻めで振り切りを図りたい。新井恵は優勝戦8着。試走タイムの比較でも一番悪かったので今回、優勝を狙うとなるとエンジンの上積みは必要。青島は優勝戦5着。それでも初日から連勝を決めていたし、ここ最近はエンジンが中堅上位で推移している。
地元S級は他に内山高秀、吉原恭佑。内山は前走の準決5着で優出はできなかったが、試走は28出ておりレース序盤の展開を頑張りたい。吉原は前走の準決4着だったが、予選と最終日は1着。エンジン状態はまずまずで、強気な攻めを見せてくれそう。
外来S級は青島の他に渡辺篤と岡部聡。2人とも前走は飯塚ミッドナイトだった。渡辺は初日から1、6、2着。その全てで試走30を割るタイムを出しており、最終日の上がりタイムは3・356。数字が出やすい時間帯ではあるが驚異の数字。岡部は初日から2、3、4着。試走は全て29とエンジン状態は良さそうだった。
A級では岩田行雄、田村治郎の気配が上々。捌きの腕もS級と変わらないモノがあるので、ランク上位陣に脅威を与える存在になりそう。また、山中充智もエンジンは上々。こちらは穴の狙いとして注目したい。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-27(26期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-30(32期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-35(30期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-31(31期)〕
青島 正樹〔浜松 S-40(22期)〕
岡部 聡〔山陽 S-44(19期)〕