昼間の歓喜を真夜中でも!
今回の飯塚ミッドナイト3日間開催は、昼間に川口で行われているSG日本選手権と日程が重なる。昼のレースで車券を取り損ねたファンにとっては、その夜にすぐリベンジの機会が訪れる。もちろん昼のレースでいい思いをしたファンにしてみれば、更なる上乗せのチャンス。いかようにもミッドナイトレースを楽しめる。出場する選手はA級以下となるが、それぞれ走りには特徴があり、レース展開を予想する要素になってくれる。気になる選手をピックアップ。
今回出場する中で最もランクが上なのは地元の森本優佑。ここ数節はスピード面での強化が図られ、前走では試走30を切るタイムを叩き出していたし、優勝戦まで進んでいた。ミッドナイトの時間帯になれば、更なるペースアップもありそうで、車速に乗った走りを披露できそう。同じくスピードが出ているのは高宗良次や佐藤裕児。高宗は、捌きに関してはまだ荒削りな面はあるが、追い込むレースでも少しずつ結果を出せるようになってきた。前走では初日から3連勝で優勝戦まで進んでいる。佐藤裕児はレース後半に伸びが止まる傾向あったが、それも少しずつ改善されつつある。どちらもミッドナイト向きの走りなので、初日から注目したい。
攻めに破壊力あるのは松尾隆広や田中輝義。松尾隆は前走の2日目に勢い余って反則妨害となってしまったが、エンジン自体は良さそうだった。田中輝は前々走のミッドナイトで優出。その後の開催でもまあまあだった。まだ優勝経験はないが、いつしてもおかしくないだけの技量は持っている。メンバーが手薄な今回は絶好のチャンス。
最近、調子が上がっているのは青山文敏と藤川幸宏。飯塚オートが新走路になってから成績が上向いてきた。青山は前走の4日間は初日から連勝。準決も2着で優勝戦進出を果たしていた。藤川も初日こそ4着だったが、そこから準決を含めて連勝。エンジン上昇中だし、ハンデ的にも軽い印象があるので、今が一番の狙い目。
近況はイマイチだが、リズムを掴んだ時の爆発力があるのは井村淳一。元々ミッドナイトでは良く動く方なので、今回を機に巻き返しのキッカケを掴みたい。同様に牧瀬嘉葵も乱調気味の近況を今回あたりで覆したいところ。長らく続いた軽いスランプを脱出しつつあるのは辻大樹。少しずつだが成績が上向いてきた。まだ車券的にそこまで人気にならない今は、狙って妙味ある選手。
B級にも注目したい選手は何人かいる。試走タイムは出ない方だが、レースで先頭に立ってしまえば後続を封じ込める走りができるのは川端孝。車券的に人気になりづらいので、穴党向けと言える。鋭いスタートからの速攻に期待できるのは松尾学や井上秀則。インコースをしっかりと回れるので、後続に差されにくいのも特徴だ。吉松優輝は近況まずまず。成長盛りの今は、ひとレースごとに走力を増してきている。
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主な出場予定選手
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森本 優佑〔飯塚 A-28(31期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-42(28期)〕
松尾 隆広〔飯塚 A-46(28期)〕
高宗 良次〔飯塚 A-58(32期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-91(29期)〕
辻 大樹〔飯塚 A-106(28期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-98(29期)〕
青山 文敏〔飯塚 A-125(16期)〕
頂点を決める戦い・SG日本選手権が開幕!
第52回目を数えるSG日本選手権オートレース。オート界のナンバー1を決める戦いは全レース、0Mオープン戦で行われる。ハンデに助けられることなく、選手の実力がそのままレース結果に反映する。直近2大会は青山周平が優勝しており、今回は3連覇がかかっている。それに待ったをかける選手は現れるのか。
先述の青山は絶好調。今年は出場するほとんどのレースで優勝戦まで進んでいる。個々の競争を見ても1着率が高く、車券の対象から外れることは少ない。スタート、スピード、捌き、重走路のどれを取っても最高級の技量で、よほどの不利でもない限りは優勝戦まで進んでくるだろう。3連覇も十分あり得る。
対抗格の一番手は鈴木圭一郎。最近は約2ヶ月、優勝からは遠ざかっているが、優出はほぼ外していない。今年は大事な所で青山に負けるシーンが目立っているが、日本選手権は2016、2017年の覇者。3年ぶりに3度目の優勝を目指す。エンジン自体は問題なく、この時期なら試走30を切るタイムを出しておきたい。
地元川口勢は中村雅人や永井大介が有力。中村は一時期、調子を欠いていたが、10月に入ってからは本来の捌きが見られるようになった。スタートに頼らなくてもいい追い込み力は健在で、2014年以来の選手権優勝を目論む。永井は今年の前半はイマイチな状態が続いていたが、6月に主戦車の『ダビド・ビジャ』に乗り戻ってからは調子が戻った印象ある。選手権は過去に4度制している。2015年以来となる優勝を果たすか。
伊勢崎勢は青山の他に高橋貢、早川清太郎に期待がかかる。高橋貢は夏場に苦しんでいたが、前走から『ウルフ』に乗り戻っている。過去に数々のタイトルを奪取したエンジンで、気持ちの方も新たに選手権に臨むか。早川は未だにSGとは無縁だが、SG準優勝は2度ある。一昨年の選手権もその一つで、その時より早川の総合戦力はアップしているので、そろそろSGタイトル戴冠となってもなんらおかしくない。
浜松勢は鈴木圭の他に伊藤信夫、佐藤貴也、木村武之などが怖い存在。伊藤信は今年のSGオートレースグランプリで、13年ぶりにSG優勝を決めた。まだまだスピードは豊かで、オープン戦でスタートが決まればブッチ切るシーンが見られるかも。佐藤貴は近況まずまずの推移。全国屈指のスタート力を持っているので選手権向きと言える。木村武は近況上向き。10月入ってから3回優出し、その内2回は優勝を決めている。選手権は2009、2013年の覇者で、3回あるSG優勝の内、2回は選手権。相性のいい大会だ。
飯塚勢は荒尾聡がリーダー。今年はコンスタントに結果を出せており、4月に行われたSGオールスターオートレースでは4度目のSG優勝を決めている。佐藤貴と同様に、スタート力には定評があるので、今回の大会のルールにぴったりと当てはまる。先頭に立ってからもインを抑えつつペースを上げる走りができる。他には浦田信輔や篠原睦も楽しみ。
山陽勢は佐々木啓が長らく好調が続いている。今年は中止となった優勝戦も含めれば17回の優出がある。今回出場するメンバーの中で、スタート力は並だが、道中の追い込みが利くエンジン状態なので、予選道中は着をまとめて優出の可能性も十分。松尾啓史、丹村飛竜といた実力者も、エンジンが仕上がれば上位争いに参加してこれる。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-8(23期)〕
木村 武之〔浜松 S-24(26期)〕
力量は拮抗で混戦模様のアフター6ナイター!
伊勢崎オートはナイター開催が終わってすぐ、今回のアフター6ナイターが始まる。参加する選手ほぼ、前回のナイターにも出場しており、6日間連続での競走となる選手が多い。今回は出場する選手の走りの特徴にスポットを当てて展望していく。
まずは今回出場する中でランクトップの栗原俊介。スタートはそこそこ巧く、攻めの方も積極的。エンジンがある程度仕上がれば、混戦でも強気に突破していく精神力がある。重走路もこなす方なので、走路状態の急変化も心配はない。今回はランク上位の走りを見せる事ができるか。
戸塚尚起は、これといって弱点がないのが特徴。雨が苦手な訳ではなく、スタートが甘い訳ではなく、捌きがない訳でもない。そつのない走りができ、レース展開が向けば上位着でまとめられるだけの技量がある。鈴木将光はパワーある走りがウリ。以前はスタートに課題を残していたが、それもだいぶ克服され、並のスタートが切れるようになった。道中は大きなコースを走って車速を乗せてくる。重走路は得意な部類なので、雨が降れば連対率が高まる。新井淳は典型的な速攻タイプ。同ハンに数車置かれていても、更には内枠だろうが外枠だろうがトップスタートを決めるケースが多い。そこからは差しを主体にした攻めで番手を上げていく。
岩沼靖郎はスピードタイプ。早々と独走の展開に持ち込むと、強豪相手でも振り切れる車速がある。今はだいぶハンデが軽くなっている印象。この機会を活かさない手はない。木村享平は走りにムラあるが、時折り爆発力ある走りを見せることができる。インが混み合っていても、アウトから豪快に交わしていくシーンが度々見られる。
川口の広瀬勝光も木村享と似たようなタイプ。スタートは枠ナリにしっかりと出ることができるし、道中でスピードに乗せるのも巧い。ただ、前が数車重なっていると攻略に手間取ってしまうことも多い。独走力なら石井大志や相馬康夫。どちらもスタートが不安な面あるが、レース序盤で軌道に乗れればハイペースの流れに持ち込める。
和田健吾はパワータイプ。惨敗するケースも多いが、厳しい展開と思える時でも果敢な攻めで進出していくことがある。成長盛りの33期は花田一輝や稲川聖也、伊藤正真、田崎萌、高橋絵莉子らが参戦。花田と稲川はアウトを回ってスピードに乗せることが巧くなってきた。伊藤正真はスタートで遅れることも多いが、それを補えるだけの車速がある。田崎と高橋絵はスタートが早い。道中の攻めは慎重になることが多いが、早めに抜け出せるようなら車券に貢献できる。
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主な出場予定選手
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栗原 俊介〔伊勢崎 A-49(31期)〕
戸塚 尚起〔伊勢崎 A-55(24期)〕
鈴木 将光〔伊勢崎 A-64(27期)〕
新井 淳〔伊勢崎 A-76(23期)〕
岩沼 靖郎〔伊勢崎 A-78(25期)〕
木村 享平〔伊勢崎 A-84(31期)〕
広瀬 勝光〔川口 A-92(30期)〕
和田 健吾〔浜松 A-104(28期)〕
S級不在で誰にでも優勝チャンスが!
この直後にSG日本選手権が控えている関係で、S級やA級上位の選手はごっそり不在。A級中堅とB級による戦いになるが、その中には好調の選手がちらほら。更に、個性的な走りをする選手たちがレースを盛り上げる。
今回出場する中で地元のランクトップは森本優佑。前走は山陽GIIで、4日目に白星を挙げている。シリーズを通して大きな着を取っておらず、エンジン的に並は十分ある。今回のメンバーの中では車速上位。捌きの面では注文付くが、スピードの違いで前団を抜き去るか。
その同期の中尾貴志は好調キープ。前走の地元ミッドナイトでは初日から3連勝で優出を決めた。その優勝戦でも2着に入り準優勝。道中で丹村飛竜にやられてしまったが、鋭いスタートから速攻を決め、1回は先頭を走っていた。レースの時間帯は昼間に移行するが、若手らしくこのまま勢いに乗りそう。そのレースには田中輝義や根本将人、占部健太も乗っていた。田中輝は初優勝がかかっていたが、スタートで後手を踏んでいた。それでも道中の走りはまずまずで、エンジン的には十分戦える状態。占部は優勝戦6着。ただし、その前の山陽GIIでも優出しており、良い流れに乗れている。根本は前回が今年の初優出。これまでの分もここから巻き返していきたい。
山陽GIIでは木山優輝も優勝戦に乗っていた。これが木山にとって記念初優出だった。デビューしてからこれまで2度の優勝がある。着実な成長を見せており、今後の走りにも期待できる。他で有力なのは松尾隆広。前走の地元ミッドナイトでは惜しくも優出できなかったが、パワーある走りが魅力で、今回のメンバーの中でも突進力は上位級。
外来勢では西村義正が奮闘中。前走の浜松では果敢な突っ込みを見せていた。最終日は反則を取られてしまったが、車の進み方は良かった。その浜松開催で自身の持つ最高齢勝利記録を塗り替えたのは鈴木章夫。走りの積極性はまだまだ健在で、エンジン状態も悪くなく、今回で更に記録を更新する可能性ある。
B級では浜松勢に注目選手が多い。広瀬豪彦は前走の地元で成績がまとまっていた。更にその前の地元では優出し3着に食い込んでいた。B級の中ではスピードある方で、逃げの展開になったら注意が必要。田中竜二は前走の地元で1着が2本あった。昔からスタート力には定評がある。レース後半のタレは気になるところだが、序盤で大きなリードを作れれば面白い。岩本君男、中野肇といったあたりも近況は息を吹き返してきた印象。2級車では佐藤大地が前走の山陽GIIで1着が一回あった。
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主な出場予定選手
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森本 優佑〔飯塚 A-28(31期)〕
松尾 隆広〔飯塚 A-46(28期)〕
中尾 貴志〔飯塚 A-85(31期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-98(29期)〕
根本 将人〔飯塚 A-107(28期)〕
木山 優輝〔飯塚 A-143(33期)〕
占部 健太〔飯塚 A-205(30期)〕
西村 義正〔山陽 A-150(17期)〕
青山周平がシリーズの中心に!
アフター6ナイターはまだまだあるが、通常のナイターは今回で今年最後となる伊勢崎オート。参加する選手は地元勢が多数。その中でも青山の動きが目立っている。
青山の前走は山陽GII。ここでは初日から白星を量産し、無傷で優出となった。優勝戦では地元山陽の丸山智史が記念初優勝となり、青山は3着入線だった。ただし、ここ4節は全てのレースで車券に絡めており、更に言えば1着がほとんど。その中には特別GIプレミアムカップも含まれているのだから、近況の充実っぷりは相当だ。今回も当然の優勝候補。よほどのミスでもない限り、優出はほぼ間違いない。
その青山に対抗できる一番手は早川清太郎だろう。前走の地元一般開催では連勝で優出。優勝戦では重走路で6着だったが、ここ最近はリズムが良い。前々走となるプレミアムカップでは完全優勝を達成している。その優勝戦では道中で青山を交わしての勝利。青山が今、最も警戒する選手となればこの早川だ。
高橋貢は、その実績を考えると近況はやや物足りない。前走の浜松GIIでは準決3着で優勝戦には進めなかった。シリーズ中も白星が1本と不本意な結果。ただし、今回は地元で整備はやりやすい。エンジンを底上げさせてくるか。
他のS級陣では内山高秀と新井恵匠がそこそこ。内山は前走の浜松一般開催で初日に惨敗。早々と勝ち上がり権利を喪失したが、その後の3走は1着2本を含むオール連対。なんとか踏ん張りを見せた。新井の前走は山陽GII。ここでは準決3着で優出はならなかったが、まずまずの動きを見せていた。吉原恭佑、西原智昭、松本やすしらはエンジン低迷中。今回の地元で少しでも立て直しておきたい。
外来S級は川口から平田雅崇のみ。平田の前走は山陽GIIで、準決こそ4着だったが、それ以外は全て車券に貢献できていてエンジン状態も悪くはない。
A級では小原望と赤堀翼が前走の山陽GIIで優出していた。小原は優勝戦5着だったが、そこまでの4走はオール連対。いい流れに乗れている様子だった。赤堀はハンデ位置をうまく活かした走りができていた。独走でペース上がるタイプで、早めに逃げに入れる展開ならレースのキーマンになれる。
B級では、穴の狙いとして面白い選手を何人かピックアップしたい。成績にはムラある方の北爪勝義だが、いいハンデ位置に置かれた時は速攻で抜け出し、大きなリードと作ることが多い。スタートに課題が残る猪熊龍太と小田雄一朗は、逆にそのスタートを残して序盤の2周でリズムを掴むと大駆けにつながりやすい。2級車では石川哲也がよい逃げを見せているし、デビュー後は出遅れていた感ある横田翔紀がゆっくりと成長を見せている。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-7(29期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-27(26期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-30(32期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-34(28期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-35(30期)〕
平田 雅崇〔川口 S-48(29期)〕