連覇を狙って青山周平が襲来!
いつもは年の初頭に行われることが多い飯塚のGI開設記念レース。今年も1月に行なわれたが、この11月にも開催され、年に2度、同じ記念が行なわれる。ちなみに前回優勝したのは青山周平。今回も参戦しており、1年で同一GI2度制覇に挑戦する。
その青山の前走はSG日本選手権。ここでも存在感を遺憾なく発揮して優勝戦まで進出。優勝戦ではトップスタートを切ったものの、鈴木圭一郎に交わされてしまった。最後には高橋貢にまで交わされ3着入線。しかし、SG優勝戦で3着なら決して悪い結果ではない。更に、飯塚走路では今年1月にGI開設記念を制すと、7月のGIダイヤモンドレースも制している。相性としては悪くないバンクだ。今回も全国ランク1位として、素晴らしい走りを披露してくれそう。
対する地元勢は、浦田信輔が状態を上向かせてきている。前走のSG日本選手権では、しっかりと優出し4着入線。この開設記念レースも過去に4度制すなど、地元大将格として戦績も申し分ない。ストップ・ザ・アオヤマに意欲まんまんだ。飯塚勢では、篠原睦や荒尾聡などの実力者がおおむね好調。田中茂、久門徹ら複数回SGホルダーも戦える動きは保っている。若手で注目なのは鐘ヶ江将平。持ち前のスピードに加え、スタートと捌きが良くな ってきており、記念レースでも存在が目立ってきた。前走の山陽3日間開催でも優出するなど成績が安定してきてる。
外来勢の有力どころは永井大介と金子大輔の両「ダイスケ」。永井はSG日本選手権の2日目に落車してしまったが、残りの3日間はキッチリ1着を3本残してシリーズを締めた。金子は、SG日本選手権で優出し5着、更に前走の山陽3日間開催でも優出と好調の流れ。
金子と鐘ヶ江が優出した山陽開催で、他に優勝戦まで進んでいたのは人見剛志、前田淳、浜野淳。人見は準優勝だった。その前からエンジンは好調が続いており、良走路では強烈なタイムをマークしていた。浜野は近況、スタートが不安定。優勝戦でも外枠の鐘ヶ江や木村武之にスタートで行かれるなど、序盤の展開作りに課題を残している。それでも丹村飛竜、松尾啓史を加えた山陽S級陣は、しっかりした捌きに裏づけされた底力があるので、活躍の場面は多くなってくるだろう。
他では、SG日本選手権で優出した早川清太郎、地元一般開催で優勝してきた高塚義明などもスピード自体はかなり高いセンスを持っているので注目してみたい選手だ。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯 塚 S-6(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-11(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
今年最後のミッドナイト開催!
だいたい月1ペースで行なわれてきた飯塚ミッドナイトレース。来年3月に再び開催される予定だが、今年に限って言えば今開催が最後となる。ひとレースごとの車立てと、1日のレース数は開催ごとに変化しているが、今回は8車7R制。本来のオートレースの車立てで、その順位が争われる。
地元S級・岩見貴史の前走は浜松のSG日本選手権だったが、そこでは勝ち星はなかったもののマズマズの成績を残していた。エンジン的にはそれほど悪くなく、今回のようなメンバーであれば十分通用する出来。更に、今回は地元開催なので、整備もレースもやりやすい。ランク的に言っても優勝候補に挙げられる。
もう一人の目玉は佐藤摩弥。前走のSG日本選手権では好結果を残せなかったが、飯塚と言うと9月に行なわれたナイター特別GIプレミアムカップで優出している。今回はそれより遅い時間帯のミッドナイトだが、同じナイター設備でのレースなので自信を持って臨めそう。他に違いがあるとすれば消音マフラー。しかし、これも地元川口で何度も着用してレースをしているので、対処法は掴んでいるハズだ。
A級でも優勝を虎視眈々と狙っている選手は多い。11月のミッドナイトレースだと、走路温度がかなり低くなることが想定されるが、冷えた走路特有のスピード戦で持ち味を出しそうなのは、藤川幸宏、桜井晴光、岩沼靖郎あたり。3者とも元来、ハイスピードで走ることができ、混戦より高速戦で結果を出せるタイプ。今回の条件にピタリと適合している。
しかしながら、オートレースはスピードだけではなく展開も大事。スタートが早い岩田裕臣、平塚雅樹、筒井健太らの速攻も十分。もしもスローペースで混戦になるようなら岩科鮮太、別府敬剛、谷津圭治らの捌きが生きてくる。近況の調子で言えば、満村陽司が直前の地元開催で優出と上昇中。追い込むレースが多くなった落合淳も力を付けてきている。
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主な出場予定選手
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岩見 貴史〔飯塚 S-15(29期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-44(31期)〕
落合 淳〔伊勢崎 A-1(29期)〕
岩田 裕臣〔川口 A-13(31期)〕
岩科 鮮太〔浜松 A-17(29期)〕
別府 敬剛〔飯塚 A-29(23期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-61(29期)〕
平塚 雅樹〔浜松 A-77(31期)〕
中村雅人VS鈴木圭一郎の様相!
前回はS級不在で、高塚義明が優勝を決めた川口オート。今回はS級選手の参加もあり、レース内容は激しさを増す。とりわけ注目なのは、今月6日に浜松でSG日本選手権を制した鈴木圭一郎。勢いそのままに今節も大活躍するのか。
今、最も旬なレーサーと言えば鈴木圭一郎。まだ21歳の若手ながら、10月のSG全日本選抜に続き、11月にはSG日本選手権を制しSG連続制覇。日本選手権に関しては全て1着の完全優勝だった。スタート、スピード、捌きと三拍子が揃い、乗り手の精神面も充実している。よほどのことがない限り今回も優勝戦まで進出してくるだろう。
その鈴木に対抗できる1番手は中村雅人。日本選手権の優勝戦では、エンジン仕上がらず見せ場を作れなかったが、しっかりと優勝戦まで進んでこれたのは中村の底力がなせる業。今回は中村にとって地元走路になるので、鈴木に好き勝手させるわけにはいかないだろう。エンジンさえ互角の状態になれば、強烈な突っ込みで抵抗するハズだ。
SGで他に動きが良かったのは大木光、内山高秀、佐藤貴也、田村治郎あたり。大木は予選中はオール3連対にまとめる内容。近況の安定感がそのまま出ていた。内山も準決の8着以外はレース内容が良く、エンジンの仕上がりの良さを感じさせてくれた。佐藤も準決以外は、佐藤らしい積極果敢な走りができていた。田村はスピードに乗った走りができており、冬場の食い付く走路で力を出せる状態。この4者は今回も上位争いに参加してきそうだ。
A級で注目なのは深沢隆と木村悦教。共に前走の地元開催で優出している。どちらも直線の伸びが良く、序盤で好位を奪えれば簡単には抜かれない仕上がり。また、優出はしていないが中山光の動向には注意が必要。開催2日目に上がり3.410の好タイムをたたき出した。早めに抜け出せる展開になれば、S級相手でも通用するスピードを持っている。
B級では長谷川啓、清水雄平、川原剛の3者を推す。長谷川のここ数節は粘 り強さが増しており、後ろから来る選手はしっかりと態勢を作らないと抜いて行けない状態。清水と川原は独走で持ち味を発揮している。ハンデ的にも恵まれている感があるので、今は特に狙い目だ。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-2(28期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
黒岩 明〔川口 S-17(26期)〕
森 且行〔川口 S-27(25期)〕
大木 光〔川口 S-31(28期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-30(29期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-42(26期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-46(30期)〕
浜松S級両者が好調!
GII若獅子杯争奪戦以来となる山陽オート。今回はS級選手を13名迎え入れ、激しいレースが展開される。状態が良いのは浜松のS級2名。金子大輔と木村武之。対する地元勢はどのように迎え撃つのか。
S級陣の前走は、浜松で行なわれたSG日本選手権オートレース。ここで優出したのが先述の金子と木村だ。どちらも地元のアドバンテージがあったとは言え、キッチリと優勝戦まで駒を進めたのは高評価。金子はエンジンが仕上がらないなりにも、腕で着を拾うレース運び。木村の方もエンジン状態は納得いくモノではなかったが、経験と気合でカバーし勝ち上がっていった。状態がよくなくても結果を残せるのは、乗り手の技術以外の何物でもない。今回は一般開催で、メンバーが大幅に軽化されるので、連続優出も十分見えてくる。
外来のS級は、他に飯塚から2名参戦。田中茂と鐘ヶ江将平。田中は一時期の強烈な走りが影を潜めているが、ここ一番での勝負強さは健在。タイヤが走路に食い付く冬場の方が持ち味を出せそう。鐘ヶ江はただ今、急成長中。スピードに捌きにと磨きをかけている。
地元勢では強烈に仕上がっている選手は不在だが、S級陣はおおむねエンジン好調の域に達している。地元でランクトップの丹村は、SGで2勝を挙げる活躍。徐々に存在感を示してきている。その師匠・岡部聡もSGでは3つの連対を含む、5着以下がない安定した成績のまとめっぷり。準決まで進んだのは岩崎亮一、松尾啓史、浜野淳、角南一如。岩崎は3勝を挙げ、準決でも3着に食い込む健闘。松尾は3着以内が4本と大崩れしない内容。角南は課題のスタートが良化してきてる。
準決まで進めなかった佐々木啓、前田淳、人見剛志らもエンジンに関してはそこまで悪い部類ではなく、ソコソコの走りを見せていた。特に人見などはオープン戦よりもハンデ戦の方が力を出せるタイプで、今回のような開催の方が向いている。
また、A級ではあるが春本綾斗が、前走の飯塚4日間 開催で3勝を挙げる優勝を決めている。その優勝戦で2着だった有吉辰也も状態が上向いてきており、今回も活躍が見込まれる。
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主な出場予定選手
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丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
岡部 聡〔山陽 S-20(19期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-24(23期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-23(31期)〕
鈴木圭一郎がSG日本選手権で完全優勝を達成!
SG第48回日本選手権オートレースは浜松の新鋭・鈴木圭一郎が制した。鈴木は10月の全日本選抜に続くSG連覇。更に、今シリーズ全て1着の完全V。優勝戦でも落ち着いた走りを見せていた。
スタートは青山周平が先行で逃げ態勢に入った。鈴木は2番手に出ると、序盤で青山のインに切り込む。コーナーで流れることもなく綺麗に回りきった。その後は、徐々に後続を引き離しにかかり、そのままゴール。上がり3・355の好タイムで快勝した。
後続は2番手で粘っていた青山を高橋貢が少しずつ差を詰め、青旗過ぎにイン突っ込む。これ が功を奏し2着をもぎ取った。青山は最終3コーナーで逆転を狙いかけたが、入るまではいかず3着入線。4番手以下は、ほとんど動きがなく浦田信輔、金子大輔、中村雅人、早川清太郎、木村武之の順でゴールした。
鈴木は今年に入り、大きな進化を遂げた。デビュー時からセンスの高い走りを披露していたが、記念タイトルには縁がなかった。1級車に乗り替わってからの1年間も、記念の優出はあるものの優勝までは行かなかった。それが今年に入り、3月に川口のGI開設記念グランプリを制すると、その後も浜松のゴールデンレース、伊勢崎のムーンライトとGIをポンポンと獲るようになり、10月にはSGも初制覇。まさに 飛ぶ鳥を落とす勢いで臨んだ今大会。周りからの重圧にも耐えて、完全優勝という最高の結果を残した。
今シリーズは優勝戦の2番手スタート以外は全て先行。スタート力の高さを見せ付けた。スピードの面でも驚異的なタイムが示すとおり一流の数字を残している。優勝戦では青山を綺麗に捌くなど、人を抜く腕も申し分ない。ここにオートレース界の勢力図を一変させる男が誕生した。