SGオートレースグランプリVの中村雅人が凱旋!
今節は地元勢がメインのメンバー構成。S級も全13名中、11名が地元川口勢。外来は浜松から鈴木圭一郎、飯塚から東小野正道のみ。S級勢は前走が伊勢崎のSGであり、その時の動きが参考になる。
先述の伊勢崎SGで見事優勝したのが全国ランク1位の中村雅人。この優勝でSGグランドスラムを達成した。ここ一番での勝負強さは全選手でナンバー1。今回はSGから間隔が空いておらず、勢いそのままに臨める。当然の優勝候補筆頭だ。
他にSGの優勝戦に乗っていたのが鈴木圭一郎、永井大介、池田政和の3者。鈴木はSGの優勝戦で試走タイム一番時計を出し、更に1周目で先頭に立つ好展開。そのまま押し切りもありそうだったが、中村の追い込みに屈してしまい準優勝。しかしながら、確実に成長している姿は見てとれる。スピード、スタート、捌きがどれもハイレベルにある。悔しい形で準優勝となっただけに、中村に対してリベンジに燃えていることだろう。今節で再び対戦する機会があれば、なにがなんでも競りかけていくと思われる。これは今節の楽しみの一つだ。
永井と池田は優勝戦でいいところがなかった。予選も準決も、優勝戦で戦うにはエンジン不足の感があったが、優勝戦でも上積みは成功しなかった。それでもSGの優勝戦まで駒を進めるあたりは流石と言える。全体のメンバーも大幅に軽化されるので、今回も優勝戦まで進出するのはもはやノルマだ。また、それが可能なだけの実力を備えている。
SGでは優勝戦まで進めなかったが、そこそこ活躍していたのが山田達也、大木光、佐藤摩弥。山田はSGに行く前からエンジンは好調であり、今回のような一般開催なら十分なエンジン状態を保っている。大木もSGではビックネームを差し返す動きを見せるなど、エンジン好調なだけでなく乗り手の方も気合が増してきた。佐藤摩はSGの準決前までの3日間はオール連対。それも2勝を挙げていた。スタートの切れは変わらず良いし、差しに冴えが出てきた。
高橋義弘、若井友和、佐藤裕二、中野憲人、東小野正道らはエンジン状態が並。全くレースにならないレベルではないが、勝ち切るまでにはエンジンの上積みが必須。森且行はスランプに入っている。早々にキッカケを掴んで、再び活躍する姿をみせてもらいたい。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-1(28期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
高橋 義弘〔川口 S-14(29期)〕
森 且行〔川口 S-15(25期)〕
若井 友和〔川口 S-17(25期)〕
池田 政和〔川口 S-23(23期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-27(25期)〕
中村雅人がSGグランドスラム達成!
第20回SGオートレースグランプリは、川口の中村雅人が制した。中村はこれで6度目のSG制覇。更に、現行SGを全て制すグランドスラム達成となった。レースを振り返ってみたい。
スタートは最内の岩崎亮一が外枠勢を突っ張って出た。しかし、1周バックで、2番手スタートを切っていた鈴木圭一郎が岩崎のインに突っ込んで行く。試走一番時計の3・29を叩き出した鈴木が、ハイペースの逃げに入る。スタートで3番手に出ていた中村も岩崎を交わし、鈴木を追撃にかかる。レース前半は鈴木の逃げに対し、中村が距離を計りつつ、仕掛けのタイミングを探していく。徐々にその差が詰まり、しっかりと捌く態勢を整えていく中村。そして、万全の態勢になった時、中村は迷わず鈴木のインに飛び込んで行った。これが綺麗にコーナー回り切り、首位を奪取。その後は鈴木を引き離すまではいかなかったが、差を保ちながら逃げ切りゴール。3着には序盤で3番手に立った青山周平が入線。新井恵匠が高橋貢を逆転し4着ゴール。スタート決めた岩崎はズルズルと後退し結果的には6着。永井大介と池田政和は序盤から見せ場を作れず、終始後方のままだった。
今回も中村の強さが際立ったレースだった。試走タイムこそ一番だった鈴木。序盤の展開が良かったとは言え、その逃げを捕まえてしまった中村は流石の一言。大舞台での勝負強さを見せつけられた。来期の全国ランクは青山周平にトップを譲ってしまったが、レースの総合力では中村の方が上ではないか。5日間のシリーズで、しっかり仕上げてくる整備力。ここ一番でのスタートの集中力。レースが始まってからの柔軟性。トップレーサーにどれも欠かせないファクターを備えている。
準優勝だった鈴木も、これからの楽しみを残した一戦となった。最終的には中村に捕まってしまったが、SGの優勝戦で1回は先頭に立てた。今回は中村の迫力が上だったが、スピード的には全く遜色ないモノを持っている。スタートの切れも問題ない。もはやSGを獲るのは時間の問題だ。
本命車不在・誰にでもチャンスが!
この開催の直前にSGが行なわれている関係で、今回出場する選手にS級は不在。A級とB級による戦いになるが、突き抜けて好調な選手がいないので、優勝争いは混沌としている。その中でも注目の選手を挙げていく。
今回出場する中で最もランクが高いのは飯塚の滝下隼平。前走は地元でマズマズの結果。今回のメンバーの中では、スピード的に上位クラス。スタートに不安はあるが、今回は8枠からのレースがほとんどになるだろうから、それほど心配はない。自分のリズムで走れる強みがある。滝下と同じ飯塚地区で、エンジンがソコソコ良いのは田中進、丹村司、根本将人あたり。田中は捲り一辺倒の攻めながら、その車速には定評がある。丹村も軌道に乗ると車速が上がるタイプ。根本はハンデ差を生かしての健闘が目立っている。
地元山陽のランクトップは穴見和正。昔からインコースをベッタリと走るスタイルは変わりがない。近況の動きはマズマズで、前走の飯塚で優出した。今回も追い込みが中心となる番組構成。前団が混み合っていても、強引にイン突っ込んで行ける根性は魅力。若手の長田恭徳も近況は動きが活発。前走の飯塚ミッドナイトレースで優出している。優勝戦は3着、それ以外の2走も1着と2着。このまま勢いに乗りたいところだ。同じく若手の丸山智史も、着実に力を付けておりスピードレースで見せ場を作れる選手になった。
川口の早船歩は近況パッとしないが、今回はメンバーが大幅に軽化されるので、十分戦えるだろう。同じ地区の秋田貴弘、牧野貴博の両タカヒロはエンジン状態がマズマズ。秋田は捲りを主体に、牧野は前団の動きを見ながら自在に動いてくる。
浜松と伊勢崎地区は好調な選手がいない。ただ一人、木部匡作が前走の飯塚ミッドナイトレースで優出している。その流れを止めずに今回に臨めれば、上位争いにも参加できるか。
B級ではあるが、坊田寿彦が動き急上昇。前走の飯塚で、3連勝で優出すると優勝戦も2着で準優勝。高い走路温度に適応して、必死の粘り込みを見せていた。ただし、これだけ活躍するとハンデの重化は避けられない。前走では最重ハンの40M前に置かれていたが、恐らく30M前になるだろうから、展開的に厳しくなってくる。岡谷美由紀はゆっくりとだが、確実に成長している。単独0ハンに置かれた時は、マイペースの逃げで連対することが多くなった。
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主な出場予定選手
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穴見 和正〔山陽 A-38(12期)〕
丸山 智史〔山陽 A-46(31期)〕
早船 歩〔川口 A-18(27期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-31(23期)〕
鈴木 静二〔浜松 A-55(20期)〕
滝下 隼平〔飯塚 A-8(28期)〕
千葉 泰将〔伊勢崎 A-173(24期)〕
坊田 寿彦〔山陽 B-42(13期)〕
オートの醍醐味を教えてくれる中村雅人!
軽ハンの活躍が目立った今節。準決でも多少の波乱はあったが、優勝戦の顔ぶれはそうそうたるもの。厳しい予選道中を戦い終えて、ついにその覇が争われる。
優勝戦は0メートルオープン。枠的には外寄りは厳しくなる。スタート争いだが、ここはほぼ枠ナリか? もしくは今節スタート切れている青山周平の先行があるかどうか。スタート争いもそうだが、序盤の位置取りも大事になってくる。青山か岩崎亮一が先陣争い。そこに鈴木圭一郎と中村が食い込む形。新井恵匠はどう動くか。外枠から更に外は実績上位者が並ぶが、外めからのレースはいかにも厳しい。スタート行けなくとも、序盤で好位を取れればいいが...。
当ブログでの本命には中村を推す。スタートの切れは悪くないし、仮にスタート行けなくても、道中の巻き返しがある。準決から2周延びるのは、中村にとって好材料。準決でも、オートレースの魅力を存分に見せ付ける素晴らしい走りを披露してくれた。優勝戦でも同様のパフォーマンスに期待したい。
相手には鈴木を挙げる。2枠からならトップスタートまである。独走力では、優勝戦のメンバーにも全く引けを取らない。トップスタートではなくとも、3~4番手までに出られれば速攻で抜け出し逃げ態勢を作るまであるか。SG初制覇に最も近い選手。今節は初制覇に準備は万端だ。順当に考えれば、青山にも優勝チャンス。今節はスタートが切れているので、いきなりの独走に持っていける。かつて課題だった10周戦のスタミナも、近年では克服されている。1回でも先頭に立てれば、そのままの押し切りもあるだろう。
展開が厳しいとは言え、永井大介、池田政和、高橋貢もけっして軽んじてはいけない。準決までのエンジンの仕上がりを見ると、いかにも苦戦が予想されるが、大舞台での勝ち方は熟知している。突然のエンジン上昇も十分あり得る。試走の動向には注目したいところ。
◎中村雅人
○鈴木圭一郎
△青山周平
△永井大介
▲岩崎亮一
第20回SGオートレースグランプリ開幕!
今年のSGオートレースグランプリは8月開催。伊勢崎でのナイターレースとなる。各地区から強豪が集結し、誰が一番強いかを決める大会。どのようなシリーズが展開されて行くのか。地区別に注目選手を挙げる。
まずは地元の伊勢崎。長年、伊勢崎地区を牽引している高橋貢が、今期もランクは最上位。前走の地元開催ではしっかりと優勝しており、今大会に向けての準備は万全だ。その高橋に取って代わって伊勢崎ナンバー1を目指すのは青山周平。こちらは前走の飯塚GIで優勝しており、勢いは最高潮。まだまだ伸びしろがあるだけに、高橋の王座の地位を脅かす存在になる。3番手は早川清太郎。前走の飯塚GIで優出しており、エンジン状態は悪くない。地元の声援をバックに金星を狙いたい。他では、西原智昭、新井恵匠らが近況の動きマズマズで、地元の開催を盛り上げる存在になる。
今年の4月に、船橋から大量に選手が移籍し、今や最強地区になりつつあるのが川口。ランクトップの中村雅人は全国ランクでも1位。前走の飯塚GIではしっかりと優出していた。優勝戦では、いいところがなかったが、予選道中は中村らしい追い込みを見せていた。2番手の永井大介は、あまりパッとしない。それでも3節前に地元で優勝しているので、その時の感覚を取り戻してもらいたい。状態が良いのは池田政和と山田達也。池田は前走の飯塚GIで優出。かつてのスピードが戻りつつある。山田は長らくエンジンが好調。課題のレース序盤さえこなせば、上位争いに参加できる。A級ではあるが、黒岩明が前走の浜松で優勝しており流れは良い。エンジンも好調を保っている。
鈴木圭一郎の移籍で層が厚くなったのは浜松。ランクトップは金子大輔で、前走の地元開催でも優出している。金子はレース運びがうまく、序盤の展開に関わらずレース後半には上位に浮上する走りができる。伊勢崎との相性も抜群なので今回も期待できる。金子と同じく前走の地元で優出したのは木村武之、中村友和、笠木美孝、青島正樹。木村はSGでの大舞台でも戦い慣れており、優勝戦まで進出してきてもなんら不思議ではない選手。笠木や青島も初日から好成績を残せる選手。中村は近況成長株。スピードだけならS級上位にも負けないモノがある。そして、鈴木圭一郎。1級車に乗ってからもメキメキと力を付け、前走の飯塚GIでは準優勝。SG優勝に最も近いSG未冠選手だ。
飯塚地区は大将格の浦田信輔が公傷で欠場。荒尾聡がランクトップとなるが、近況の動きはあまり良くない。久門徹、篠原睦らはソコソコの動きを見せているが、他のS級は状態的には厳しい現況。早い段階でのエンジン上積みが要される。むしろ、A級の方が勢いあるか。前走のミッドナイトレースで森本優佑が、自身初優勝を完全Vで飾っている。準優勝だった重富大輔も、食い付くナイターの走路に向いていると言える。ムラあるが爆発力が魅力の新村嘉之などにも注目したいところ。
最後に山陽地区。ランクトップは浜野淳で、前走の伊勢崎ではしっかり優出し3着。このシリーズではオール3連対で終えており、エンジンはソコソコの状態で推移している。伊勢崎のナイターとの相性は問題なく、セッティング的にもアドバンテージがある。最近の動向で良くなっているのは藤岡一樹と松尾啓史。それに人見剛志。藤岡は前走のミッドナイトレースで優出し4着。少しでも走路温度が下がった方が活躍できる。松尾は前走の浜松で優出。優勝戦はイマイチだったが、それ以外はオール連対。ランク的に、ハンデ位置の恩恵を受けられるのも車券的に魅力な点だ。人見は前走の浜松4日間開催でオール3連対。その前の伊勢崎では優出しており、セッティングは掴めている。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-2(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-3(31期)〕
中村 雅人〔川口 S-1(28期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-8(27期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕