最後にご紹介するのは東海・兵庫所属の個人賞を受賞された方々です。
ベストフェアプレイ賞を受賞した岡部誠騎手(愛知)、優秀女性騎手賞を受賞した宮下瞳騎手(愛知)は競馬開催中のため、授賞式はご欠席されました。
最優秀勝利回数騎手賞
吉村智洋騎手(兵庫)
「素直に嬉しいです。
数字としてはもうちょっと勝てたかなと思いますけど、全国リーディングを11月頃から意識していたので、獲れて嬉しいです。
獲れるものは獲っておかないと、次いつ獲れるかわからないですから。
今年に入って1日7勝させていただきましたが、たくさんいい馬に乗せていただいてますから、タイミングがうまいこと重なったのかなと思います。
(先月通算3000勝も達成)怪我なくやっていれば達成できると思っていたので、特には意識していなかったです。
(ご子息がJRA競馬学校騎手課程に在学中)やはり同じ職業なので、いい背中を見せていたいなという気持ちで頑張っています。
目標は毎年決まっているんですけど、怪我なく一年乗り続けることです。
これが一番勝ち星に繋がることだと思うので、そこを毎年目標にしています」
優秀新人騎手賞
塚本征吾騎手(愛知)
「ありがとうございます。
優秀新人騎手賞を受賞できて、とても嬉しく思います。
自分では数字としての結果は不満です。僕は今、名古屋と笠松の両方の競馬場で乗せていただいて、若手の騎手の中で僕が一番恵まれた環境で競馬をさせていただいていると思っていて、その中で84勝ですから、騎乗数に対してあまり勝率が良くないです。
そこは今後上げていきたいところです。
ゲートを出遅れずに出して、その馬の一番いいポジションを取ることを心がけています。
コンビーノちゃんにはいろいろ教えてもらうことばかりで感謝しています。
重賞でも乗せてもらって、勝ちたかったんですけど、そこは先輩騎手たちとの大きな差を痛感しました。
兄3人(甲賀弘隆/金沢、塚本雄大/高知、塚本涼人/岩手)のことは尊敬しています。
よくレースビデオを見るんですけど、兄弟なので体型が似ていますから、乗り方を勉強しています。
デビューした頃は右も左もわからず、アドバイスなどいろいろ教えてもらいました。
今年の目標は2つあって、一つは重賞を勝ちたいです。
もう一つはキレイにスマートに勝てるようになりたいです」
最優秀勝率調教師賞
保利良平調教師(兵庫)
「自分がこのような賞を受賞できるとは思っていなかったので、とても嬉しいです。
勝率ということは普段はまったく考えていないですね。
1頭1頭を勝たせた結果が繋がったことだと思います。
昨年は開業10年目で初めて兵庫のリーディングを獲ることができました。
飯田先生、新子先生と競り合っていましたからこちらも必死で、11月頃から胃が痛かったです。
追い上げられましたが、厩務員、スタッフたちが諦めていなかったので、馬の采配や入れ替えなどを考えて、常にスタッフとミーティングをするようにしました。
ミーティングではっきりと馬の状態を伝え合う、そこが一番大きかったと思います。
昨年は厩務員の担当を4頭持ちから3頭持ちに変えました。
1頭1頭の馬をきっちり管理しないと結果を出すことができないと考えたからです。
そういう積み重ねが結果に繋がったんだと思います。
勝ち星としては平場のレースが多いので、今年は大きいところを狙いたいです。
コウエイアンカやエコロクラージュ、他の馬たちやこれから入厩して来る馬も含め、結果を出せるよう今年も頑張ります」
続いては3歳最優秀牝馬スピーディキック陣営のコメントです。
本日フェブラリーステークスへの挑戦、楽しみですね!!
藤原智行調教師
「こういう賞を受賞できて、とても嬉しいです。
これまでは1戦1戦コンディションを整えることを大切に調整してきました。
もともと素直な馬で、完成している部分も多かったので、体的な成長というよりは、精神的な成長が大きいと感じます。
1戦ごとに競走馬としての自覚が強くなって、レースが近いなということを感じるようになりました。
自分は祖父の代から益田競馬場にいて、今の技術や知識を育ててもらいました。
益田は廃止になりましたが、もともと素晴らしい調教師がたくさんいた場所です。
そういう知識がないから廃止になったわけではないということを証明したいです。
フェブラリーステークスに向けては、もともとシンデレラマイルに挑む前から自分の気持ちの中ではあって、シンデレラマイルの内容次第と考えていました。
実際にあれだけのパフォーマンスをしてくれて、いざフェブラリーステークスにということを考えた時、とても葛藤がありました。
それは、自分のためにこのレースに挑むのか、本当に馬のためなのかということを悩んで、最後は加藤オーナーに背中を押していただきました。
シンデレラマイルまでは少し長い距離を使っていましたし、古馬との戦いということで、自分の競馬ができないかもしれないという不安もありましたが、無事に素晴らしい切れ味を見せてくれました。
これまではコンディションを整えることに重きを置いてきましたが、今回は馬を鍛える調教に変えました。
追い切りもしっかり動いてくれましたし、いい状態で挑めます。
後悔のない馬作りができました。
一番は人馬ともに無事に帰って来てくれることを願っていて、レースは御神本騎手にお任せです」
御神本訓史騎手
「目標にしていた3歳牝馬重賞を勝つことができましたし、3歳の最終目標だったロジータ記念も勝つことができました。
戸塚記念は自分が鞍上ではないですが、そこも含めて結果を出し続けてくれました。
性格は牝馬特有のピリピリしたところはありますが、レースが上手で特に最近はどっしりと落ち着いています。
シンデレラマイルでは久しぶりのマイルでしたが、武器である末脚を発揮してくれました。
藤原先生、末田厩務員とは益田時代から一緒に過ごしていましたから、奇跡のようなめぐり合わせに感謝しています。
フェブラリーステークスは戸惑うこともあると思いますし、うまく走れるかどうかはやってみないとわかりません。
対応能力が高い馬ですから、こなしてくれるのではないかと。
僕自身3年連続でフェブラリーステークスに出走して、毎回ボロボロに打ちのめされてきましたが、胸を張って帰ってこられるレースがしたいです」
末田秀行厩務員
「レースに向けての調整の中で、毎回違う体調なので、本当にこれで大丈夫だろうかと不安な気持ちもありますが、これならばノリ(御神本騎手)に任せて大丈夫だという状態を目指して日々調整しています。
性格はやんちゃなところがありますね。
ただ繊細な面があるので僕はこの馬を怒ったことはありません。
それがいいのかどうなのかはわかりませんが、レースが近くなると自分からスイッチが入って闘争心が出てきます。
益田出身の3人で力を合わせてここまで来て、益田で基礎をしっかり覚えたからこそ今があると思っています。
今状態がすごくいいので、あとはノリに任せます」
続いては、見事年度代表馬に輝いたイグナイター陣営のコメントです。
「ずっと獲りたかった賞を受賞することができて、非常に嬉しいです。
昨年は一年を通してJRAの馬たちと戦って力を出してくれました。
勝ったレースはもちろん嬉しかったですが、負けたけれど南部杯はとても印象深いです。
勝つチャンスがあるなと感じる内容でした。
もともと少しトモがゆるいのですが、成長してしっかりして来ましたし、精神的に落ち着いて来ました。
馬体重や疲れというところを特に気にしながら調整しています。
今年はかしわ記念や、もう一度南部杯にチャレンジして、そこで勝ちたいです。
今年に関しては、中央への遠征は考えていません。挑戦するなら来年ですね。
次走は黒船賞です。
前哨戦が昨年以上のパフォーマンスでしたから、今年も期待しています。
大目標はまだはっきりしていませんが、南部杯かJBCスプリントか。今年も皆さんとともに喜べるようなレースをしたいです」
田中学騎手
「ありがとうございます。年度代表馬を受賞するような馬に出会えたこと、そういう賞を獲るために少しは貢献できたかなと思うと嬉しいです。
昨年一番印象に残ったレースは...南部杯は僕としては不本意なレースになってしまったと思うので、それがとても印象に残っています。これからの課題に繋がるレースでした。
いい位置を取れて、4コーナーを回った時にインをついたことがああいう結果になったので、決して力負けではなかったと思います。競馬にタラレバはないですけど、4コーナーでもう一つでも外に出せていたら...。そこが反省点です。
初め乗った頃はすごく行きたがる操作の難しい子だなという印象でしたが、高知や名古屋に行くようになって、レースが上手になって、自分で息を入れるのが上手になりました。
出るレースは年度代表馬として全部勝ちたいと思っています。
昨年の暮れは地元園田のダートグレードで不本意な結果になってしまったので、正直に言うと今年初戦の高知も不安な気持ちはありました。
騎手が弱気になっているのが情けないくらい強かったですね。今年は昨年以上に結果を残せる馬になると思います。
どこのレースでも勝ちたいですし、やはり地元でJRA馬を相手に勝ちたいという気持ちは強いです」
2月16日に都内のホテルで行われたNARグランプリ2022の記者会見の模様をお届けします。
まずは個人賞を受賞した高知所属のお2人です。
最優秀勝利回数調教師賞
打越勇児調教師(高知)
2年連続で全国リーディングを獲ることができ、とても嬉しいです。
オーナー、スタッフ、関係者の方々のおかげです。
数字としては208勝で、キャリアハイを更新することができましたが、一方でうまく作れなかった時や、使えなかった時もありますので、そこは満足していません。
昨年特別なことをしたわけではないですが、厩舎の雰囲気は良くなったと思います。
以前は自分がリーディングを獲りたいという気持ちが強く、ギスギスした面があったかもしれません。
(宮川)実と2年連続で同時受賞ができて、本当に嬉しいです。
昨年も嬉しかったのですが、(コロナの影響で)表彰式が取りやめになってしまい、とても残念でした。
実は昨年初めて高知リーディングを獲ることができました。本来はもっと早く獲れたのではないかと思いますが、自分が結果にこだわり、淋しい思いをさせた時期もありました。
実と勝ちたいという気持ちが強かったので、とても嬉しいです。
今年の目標は、数字としての結果はもちろん、自分は他場で勝ったことがないので、高知デビュー馬で他場で勝ってみたいです。
最優秀勝率騎手賞
宮川実騎手(高知)
2年連続で受賞できると思っていなかったので、本当にたくさんの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
昨年は初めて高知リーディングを獲ることができました。打越先生や周りの方々から『実をリーディングに』という風に前から言っていただき、遅くなりましたがリーディングを獲れて嬉しいです。
最後は赤岡さんと接戦で、いい馬をたくさん任せていただきました。
家族の存在も大きく、『ここまで来たら獲って』と嫁にも応援してもらいました。
怪我をした時はどうなるかと思いましたが、昨年は目標にしていた2000勝も達成できましたし、高知リーディングも獲ることができ、感謝溢れる1年でした。
今年に入ってからも佐々木竹見カップを優勝することができましたし、3年連続受賞できるよう頑張ります。
佐賀のグレイトパールが九州大賞典4連覇という偉業を達成しました!!!!
コンビを組む倉富隆一郎騎手にお話を伺いました。
赤見:4連覇おめでとうございます!
倉富:ありがとうございます。もう本当にすごい馬ですね。ただただ馬が強かったです。よく頑張ってくれますね。
赤見:2500mのレース中、何を考えながら乗っていたんですか?
倉富:相手はもう山口さんのリュウノシンゲンだと思っていたので、スタートしてちょっと気合をつけてマークする形になったので、そこからはリュウノシンゲンを交わすことしか考えてなかったです。
赤見:どの辺りで勝ちを確信しましたか?
倉富:あの位置が取れた時点でこちらが優位でした。グレイトパールは絶対に掛かることはないし、向こうにプレッシャーを掛けながら、ちょっとつつきながら進めたので、終始理想通りの展開になりましたし、会心のレースでしたね。
赤見:会心でしたが、ガッツポーズはしなかったですね?
倉富:もちろんすごく嬉しかったですけど、馬が強かったので。9歳ですけど本当に頑張り続けてくれて、すごい馬です。特にこの距離になると、グレイトパールだけバテないんですよね。この先のことはわからないですけど、体調さえ整えてあげれば今もこれだけ強いですから。
赤見:以前伺った時には蹄の状態を保つのが難しいというお話でしたが、その辺りはいかがですか?
倉富:今でもそこはケアをしながらですけど、様子を見つつ今のグレイトパールに合った調教メニューにしています。もともと持って生まれた能力が違いますし、9歳の今は鍛えるというよりも体調を整えてあげるという形です。とても大きな馬で、背中に乗っていても他の馬とは違いますね。この馬にはいろいろな経験をさせてもらって、本当に感謝しています。