【川崎】
小林 捺花(こばやし なつか)
田島寿一厩舎所属
神奈川県出身
目標:山崎誠士騎手
騎手を目指したきっかけ:小さい頃に姉が乗馬をしていて、たまに自分も外乗をしていました。祖父母の家の近くに川崎競馬場があり、見に行った時にここで人馬一体となって疾走したいと思い、騎手を目指しました。
「勝負服は地方競馬で馬主服を除き、誰も使用していない茶色を選びました。赤と緑は生まれ月のクリスマスカラーです。ゲートの出方はいろいろ研究したので、そこが武器に出来るような騎乗をしたいです。1年目は50勝、ゆくゆくは1000勝出来るような騎手になりたいです」
新原 周馬(にいはら しゅうま)
林隆之厩舎所属
奈良県出身
目標:町田直希騎手
騎手を目指したきっかけ:小学校6年生の時に大井競馬場に行き、そこで見た騎手に憧れました。
「奈良の乗馬クラブに通っていて、その知り合いから林先生を紹介していただきました。競馬場実習では、競馬開催にはいろいろな人が携わっていて、支えていただいているからこそ競走が成り立っていることを学びました。1000勝が目標です」
野畑 凌(のばた りょう)
佐藤博紀厩舎所属
愛知県出身
目標:川田将雅騎手
騎手を目指したきっかけ:地元の名古屋競馬場に連れて行ってもらってレースを見た時、あまりの迫力に驚きました。
「騎手になりたいと思ってからは、中京競馬場のスポーツ少年団に入っていました。父の知人の紹介で、川崎の佐藤先生を紹介していただきました。南関東を代表する騎手になりたいです」
【佐賀】
中山 蓮王(なかやま れお)
平山宏秀厩舎所属
福岡県出身
目標:武豊騎手
騎手を目指したきっかけ:小学校4年生から馬に乗っていて、中学生の時に進路を考えた時、馬の仕事をしたいと考え、小倉競馬場で生のレースを見て感動したからです。
「好きな競走馬はブラストワンピースで、有馬記念を見て感動しました。競馬場実習では、技術と人との接し方を学びました。佐賀の先輩、飛田愛斗騎手が活躍しているので、新人記録を塗り替えることを目標に頑張ります」
山田 義貴(やまだ よしき)
山田徹厩舎所属
佐賀県出身
目標:オイシン・マーフィー騎手
騎手を目指したきっかけ:父が調教師で、小さい頃から騎手を近くで見ていて憧れていたからです。
「小学校6年の時からいろいろなところで乗馬をしていました。競馬場実習では、自分が乗り切れない馬を騎手の皆さんが簡単に乗っていて驚きました。飛田愛斗騎手の持つ、地方競馬最速100勝と、新人騎手の勝利記録を更新したいです」
この中で最初にデビューを迎えるのは本日2日の佐賀開催で騎乗する、中山騎手&山田騎手。
最初に初勝利を挙げるのはどの騎手でしょうか。
そして、目標にも挙がった飛田愛斗騎手のような活躍を期待しています。
4月1日付けで騎手免許を取得した、地方競馬教養センター騎手課程第103期生をご紹介します。
2年前の2020年4月3日、当初は12名が入所しましたが、途中3名が退所、1名が休学となり、一つ上の102期から2名が編入して、今回騎手免許試験に合格したのは10名です。
地方競馬恒例、北にある所属競馬場順に5名ずつ見て行きましょう。
【浦和】
及川 烈(おいかわ れつ)
長谷川忍厩舎所属
出身地:埼玉県川口市
目標:見澤譲治 元騎手
騎手を目指したきっかけ:こんなにもカッコ良く美しく感動的で面白いスポーツはないと競馬に惹かれ、そんな場で自分の体型を活かした仕事がしたかったから。
「初めて競馬を見たのは浦和競馬場です。馬が走っている姿を見て、とても美しいなと思いました。勝負服をオレンジ一色にした理由は、オレンジには向上心や親切心、社交的という意味があり、そんな騎手になりたいという気持ちと、親しみやすいカラーにしたかったからです。グローバルに活躍出来る騎手になりたいです」
室 陽一朗(むろ ひいろう)
宇野木博徳厩舎所属
出身地:広島県
目標:宇野木数徳 元騎手
騎手を目指したきっかけ:小学6年生の時に阪神競馬場でキタサンブラックが勝った大阪杯を見て、その時に見たジョッキーがカッコいいと思ったから。
「浦和は新人が活躍出来る場だと思って希望しました。陽一朗(ひいろう)という名前は、どの業界でもヒーローになって欲しいという願いを込めて両親が付けてくれました。浦和のヒーローになれるように、そして新人騎手の南関東最多勝利を塗り替えられるよう頑張ります」
【大井】
後藤 蒼二朗(ごとう そうじろう)
澤佳宏厩舎所属
出身地:京都府
目標:ライアン・ムーア騎手
騎手を目指したきっかけ:小さい頃に祖父に京都競馬場に連れて行ってもらい、とてもカッコいいと思ったから。
「小学校5年生から乗馬をしていて、2017年のジョッキーベイビーズでは2位になることが出来ました。広い舞台で活躍したいと思い、大井を希望しました。競馬界を代表するような騎手になりたいです」
鷹見 陸(たかみ りく)
鷹見浩厩舎所属
東京都出身
目標:父(鷹見浩 元騎手)
騎手を目指したきっかけ:小さい頃から馬に触れていたということと、兄と一緒に乗馬を始めて馬に乗ることが楽しいと思ったから。
「教養センターに入る前に厩務員として父の厩舎で働いていました。厩舎実習では厩務員さんたちが温かく迎えてくださり、騎乗技術はもちろん、人間関係についても学びました。記録を塗り替えるような騎手になりたいです」
谷内 寛太(たにうち かんた)
嶋田幸晴厩舎所属
東京都出身
目標:戸崎圭太騎手
騎手を目指したきっかけ:父が競馬ファンで、毎週テレビで競馬を見ていてカッコいいと思ったから。
「小学校1年から中学校3年まで体操をしていました。中学校1年からは乗馬を始めて、好きな競走馬はダノンプレミアムです。初めて行った競馬場は東京競馬場です。地方競馬の中で僕は大井が一番大きい競馬場だと思うので、そこで乗りたいと思って希望しました。気持ちで負けないような騎手になりたいです」
昨年はキャリアハイとなる126勝を挙げ、今年はさらにペースアップして勝ち星を挙げている加藤聡一騎手(愛知)。アップテンペストでの重賞連勝も含め、最近のことを伺いました。
赤見:まずはアップテンペストでの重賞連勝、おめでとうございます。梅桜賞は初の1800mでしたが、逃げて圧勝でしたね。
加藤:ありがとうございます。メンバー的にもチャンスだと思っていましたし、馬の力は抜けていると感じていました。距離関係なく、控えて2,3番手よりも思い切って強い競馬をしようと。ただ、僕はまだ名古屋で重賞を勝ったことがなくて、チャンスがある馬に乗せていただいても人間が入れ込んでしまって負けた経験があるので、とにかく人間が落ち着いていれば大丈夫だろうと思っていました。アップテンペストにはライデンリーダー記念で乗せていただいたことがあって、素直で大人しい馬だということはわかっていましたから、胸を借りるつもりで乗りました。強いとは思っていましたが、まさかあそこまでぶっちぎるとは思わなかったですね。馬にとっても初タイトルでしたし、増田兼良オーナーにはデビュー前からお世話になっているので、ものすごく嬉しかったです。
赤見:加藤騎手が名古屋で重賞を勝ったことがなかったとは、意外でした。
加藤:これまでは笠松で3つ(2017年くろゆり賞/ヴェリイブライト、2020年岐阜金賞/ダルマワンサ、2020年東海ゴールドカップ/ウインハイラント)と金沢で2つ(2018年北國王冠/アサクサポイント、2019年日本海スプリント/エイシンテキサス)だったので、地元で勝てて嬉しかったです。移設前にどうしても勝ちたいと思っていて、もう期限がなかったですから。
赤見:続くスプリングカップも逃げて圧勝でした。こちらはどんなお気持ちでしたか?
加藤:ここもメンバー的にはチャンスが大きかったですし、梅桜賞から期間があまりなかったので、馬の状態と枠順を一番考えました。2着だったイイネイイネイイネには僕も乗せていただいたことがあって、もし絡まれたりしたらズバっとやられる可能性があるなと。ただ外枠に入ったので、思い切った競馬をしました。
赤見:これまで重賞では2着が多かったアップテンペストですが、逃げて2連勝。やはり逃げがベストですか?
加藤:切れるタイプではないので、リズムよく運んで行ってという競馬が合っていると思います。ここ2戦はどうしても逃げたいという馬がいなかったですし、現状はハナの方が競馬がしやすいと思いますが、2,3番手でも競馬は出来る馬なので、そこは相手次第という感じですね。
赤見:距離に関してはいかがでしょうか?
加藤:牝馬で1800m戦を連勝ってなかなか出来ないことだと思いますし、砂を被っても大丈夫なことはわかっていますから、2000mはこなせると思います。今後も順調に行ってくれたら嬉しいです。
赤見:そして加藤騎手ご自身のことも伺いますが、昨年はキャリアハイの126勝、今年はそれを上回るペースで勝っています。
加藤:すごくいいリズムで来ていますね。これも頑張ってくれる馬たち、周りの方々のお陰です。
赤見:何が変わったのでしょうか?
加藤:自分としては何が変わったということは感じないのですが、一昨年ダルマワンサで岐阜金賞を勝たせていただいてから、笠松でもけっこう乗せていただくようになって、名古屋とは違う馬場や流れを経験したことが大きいかなと思います。いろいろな経験をさせていただいて、少しずつ引き出しを増やしている段階なので、もっと上手くなりたいですね。
赤見:名古屋はもうすぐ競馬場が移転しますね。
加藤:新しい競馬場が誕生するので、歴史的な瞬間に立ち会えるのは貴重な経験だと思います。少しコースが大きくなりますから、あと10m、50mあれば勝っていたという馬が台頭して来るのではないでしょうか。僕は割と先行して勝つことが多いので、そればかりでは勝てなくなるなと。ナイターも始まりますし、今までにはなかった要素が増えて来るので、楽しみが大きいです。
赤見:他地区ですが飛田愛斗騎手など若手の活躍も目立っていますね。
加藤:すごくいい刺激を受けています。自分より年下年上とか関係なく、活躍する人はどういう思考なのかということを知りたいので、ヤングジョッキーズシリーズで飛田くんが名古屋に乗りに来た時に少し話をしました。近くの存在で言えば(渡邊)竜也にもいい刺激をもらっています。
赤見:名古屋には絶対王者・岡部誠騎手がいらっしゃいますが、岡部さんの存在はいかがですか?
加藤:それはやっぱり大きいですね。一緒に乗っていて、本当に上手いなと思いますよ。これまでマカオや韓国、南関東などとにかく経験値が多いですから、持っている引き出しもけた違いですよね。全国を見てもJRAのジョッキーを含めても、技量的にトップクラスの方ですから。そういうジョッキーが近くにいるというのは大きいですし、やっぱり若手が活躍して競馬場自体が盛り上がる部分もあるので、少しでも岡部さんに近づいて、いつかは越えられる日が来るよう努力を続けます。
赤見:では今後の目標をお願いします。
加藤:今年は本当にいいリズムなので、このリズムを崩さないよう、怪我なく一年過ごせるように頑張ります。その先に数字がついてきたら嬉しいです。
12月30日笠松のライデンリーダー記念を勝って、重賞4勝目を挙げた金沢のエムティアンジェ。生後間もなく鹿に襲われ、命の危険もあったそうですが、今ではバリバリの重賞ウイナーになりました。パートナーを組む栗原大河騎手に、普段の様子や今後の目標を伺いました。
赤見:ライデンリーダー記念、おめでとうございます。今回も強い勝ち方でしたね。
栗原:ありがとうございます。遠征でもまったく動じないですし、本当に強いですよね。いい馬に巡り合うことが出来て、馬にも関係者の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。
赤見:性格はどんな馬ですか?
栗原:調教も乗っているんですけど、普段からすごく乗りやすくて、2歳の女の子なんですけど古馬みたいに落ち着きがありますね。少しの物音とかは気にしないしですし、ダクを踏んでいる時に近くをキャンターで走って行く馬がいても驚かず、堂々としています。北海道から来た当初からそういう感じでした。
赤見:初めて跨った時の印象はいかがでしたか?
栗原:最初からすごい馬だと思いました。平坦な場所で乗っているんですが、坂道を下っているような感覚がして。後ろ脚が発達しているので、1歩1歩の推進力がすごいなと。北海道の最後のレースでは未勝利戦とはいえ1100mでレコード勝ちしているんですよね。なかなか勝てなかったのはやはり生後2日で鹿に襲われて大怪我をしたことが影響していたのではないかと思います。
赤見:相当大きな怪我だったそうですね。
栗原:今も右トモのところが大きく凹んでいます。当時のことは僕も聞いた話ですけど、生きるか死ぬかというくらい、大きな怪我だったみたいです。そこから立ち直って競走馬になるわけですから、この馬の生命力は本当にすごいと思います。
赤見:現状、課題というのはありますか?
栗原:強いて上げるとすれば、右トモの怪我の影響なのか、少しささるところがあります。特に苦しくなるとささるので、そこをカバー出来るようにしていきたいですね。
赤見:距離はいかがでしょうか?
栗原:折り合い面をクリアすれば、馬自身は2000m前後でもまったく問題ないと思います。この馬と一緒に石川ダービーを目指したいです。
赤見:今は休養中ですか?
栗原:そうですね。牧場で休養していると聞いています。ここまで一戦ごとにどんどん成長して強くなってくれたので、ここでひと息入れて、さらにパワーアップしてくれたら嬉しいです。
大晦日に笠松競馬場で行われた第50回東海ゴールドカップ。
1番人気に応えてウインハピネスが久しぶりの重賞制覇を果たしました。
笠松・森山英雄厩舎に移籍して3戦目での重賞勝ち。森山調教師に喜びの声を伺いました。
赤見:東海ゴールドカップ制覇、おめでとうございます。
森山:ありがとうございます。実績のある馬を預からせていただきましたので、3戦目で重賞を勝ててホッとしています。ウインハピネスのオーナーの山邉浩さんには高崎時代から長くお世話になっているので、少しでも恩返しが出来て嬉しいです。
赤見:1番人気に支持されていましたし、レース内容も後方からロングスパートで強かったですね。
森山:強かったですね。普段はとても大人しい馬なんですが、直線の競り合いになると勝負根性を発揮してくれるんです。距離の融通も利きますし、本当に頭が下がります。鞍上の大原浩騎手はうちの所属なんですけど、重賞を勝つのが10年ぶりだったので、大原くんで勝てたことも嬉しかったです。
赤見:次走の予定は決まっていますか?
森山:馬の様子を見てオーナーと相談しますが、ちょっと疲れが残りやすいところがある馬なので、少し間隔を開けて疲れをしっかり取りながら使いたいと思っています。馬の状態が良ければ2月10日のウインター争覇を目指す予定です。
赤見:森山厩舎にとっても久しぶりの重賞制覇となりました。どんなお気持ちですか?
森山:一番は競馬をさせてもらっていることに感謝しています。僕は高崎が廃止になって笠松に移籍して来たという経緯がありますし、笠松はしばらく開催中止になって、いろいろな想いがありました。改めて競馬が開催出来ることに感謝の気持ちでいっぱいです。