兵庫ジョッキーズ対名古屋ジョッキーズの野球対決が、7月29日(土)、愛知県にある熱田神宮球場で行われました。昨年7月頃に両チームが結成され、第1戦は昨年秋に兵庫県尼崎市にある球場で行われ、10対10の同点で時間切れ引き分けという結果に。今回は兵庫チームが遠征する形で2度目の対決となりました。
集合写真
なぜ野球なのか?
言い出しっぺは野球少年だった杉浦健太騎手だそうです。
兵庫チームの監督・渡瀬和幸騎手に伺うと、
「以前はみんなで野球をやっていて、厩務員さんたちと対戦したりもしていたので、またチーム作って野球しようっていうことになりました。競馬場のアピ―ルにもなるし、いろいろな方とも交流出来て楽しいです」
ということでした。
名古屋チームのマネージャーである木之前葵騎手と、同期の井上幹太騎手。
普段はなかなか顔を合わせる機会がないということなので、騎手同士の交流の場になっています。
勝負服ではなく、ユニフォーム姿のジョッキーたち。
競馬場とは全然違う雰囲気ですよね!
左から、浅野皓大騎手、塚本征吾騎手、細川智史騎手
左から、横井将人騎手、柿原翔騎手、友森翔太郎騎手、今井貴大騎手
浅野皓大騎手と加藤聡一騎手
左から、石堂響騎手、松木大地騎手、鴨宮祥行騎手、杉浦健太騎手、田野豊三騎手、長尾翼玖騎手、井上幹太騎手、大山龍太郎騎手
佐々木世麗騎手も参戦。ヒット打ちました!
ランニングホームランを2度打った大柿騎手!おそらく打点王(赤見調べ)
最強の助っ人?保園翔也騎手は浦和から参戦。
この後、試合について詳しくレポートしていきますが、とにかく皆さん楽しそう。
愛あるヤジが飛び交って、笑いが絶えない試合でした。
それから、昨年秋の第1戦の時には守備のエラーがかなり目立っていて、珍プレー続出だったのですが。今回は皆さん、かなり腕を上げて来ました!
忙しくてなかなか練習が出来なかったということですが、その中でもしっかり成長している辺り、さすがジョッキーだなと感じました。
【金沢】
加藤翔馬(かとう・しょうま)騎手
加藤和義厩舎(父)
石川県出身
乗馬歴なし
目標:吉原寛人騎手
「父の引退レースを見てカッコいいと思い、騎手を目指しましたが、馬アレルギーがあり一度は諦めました。しかしその夢を諦めきれず、治療を続けて克服し、再チャレンジしました。勝ちたいレースは白山大賞典です。父のように新人賞を取りたいです」
【笠松】
松本一心(まつもと・いちと)騎手
加藤幸保厩舎
兵庫県出身
乗馬歴なし
目標:父である松本剛志騎手
「小さい頃から父の姿を近くで見て憧れました。将来の目標は東海リーディングを取ることです。何事にも一生懸命に取り組み、1レース1レースしっかり乗り、信頼されるジョッキーになりたいです」
【愛知】
大畑慧悟(おおはた・けいご)
倉知学厩舎
愛知県出身
乗馬歴8年
目標:丸野勝虎騎手
「叔父(大畑雅章騎手)が活躍しており、よく名古屋競馬場に行っていました。好きな馬はカツゲキキトキトです。勝ちたいレースは東海ダービーです。攻め馬も1頭1頭丁寧に乗り、馬の特徴を掴み、その馬の全能力を発揮できるような騎手になりたいです」
【兵庫】
山本屋太三(やまもとや・たいぞう)騎手
坂本和也厩舎
神奈川県出身
乗馬歴7年(美浦乗馬苑の少年団に3年通う)
目標:竹村達也騎手
「地元が川崎で、川崎競馬場へ初めて親に連れて行ってもらった時に騎手を見てすごくカッコいいと思い、自分も絶対に騎手になりたいと思いました。思い出深い馬はベラジオソノダラブです。兵庫若駒賞を間近で見て感動しました。勝ちたいレースは賞金が3000万円の園田金盃です!体力には自信があるので、1レース1レース全力で挑み、地方競馬の雄になれるよう頑張ります」
【高知】
阿部基嗣(あべ・もとつぐ)騎手
西山裕貴厩舎
静岡県出身
乗馬歴2年
目標:宮川実騎手
「中学2年生の時に父と競馬場へ行った時、人と馬の息の合った走りに感動して、私もそうなってみたいと思いました。勝ちたいレースは黒船賞です。一つ一つのことを丁寧にして、一つでも多くのレースで勝てるように頑張ります」
【佐賀】
合林海斗(ごうばやし・かいと)騎手
土井道隆厩舎
大分県出身
乗馬歴4年(中学1年の終わりからは小倉競馬場の乗馬スポーツ少年団に入団)
目標:山口勲騎手
「祖父(繁敏さん)が以前中津競馬場で騎手をしていたという話を聞き、小学校6年の時に父に小倉競馬場に連れて行ってもらい、騎手の姿に憧れました。中学1年の終わりからは小倉競馬場の乗馬スポーツ少年団に入りました。勝ちたいレースは佐賀記念です。誰にでも元気に挨拶し、1頭1頭丁寧に騎乗します」
4月1日付けで騎手免許を取得した、地方競馬教養センター第104期騎手課程11名をご紹介します。
地方競馬恒例の、所属競馬場北から順番です。
【北海道】
阿岸潤一朗(あぎし・じゅんいちろう)騎手
佐々木国明厩舎
北海道出身
乗馬歴4年
目標:阿部龍騎手
競走馬の生産が学べる静内農業高校で2年間学ぶ。
「騎手を目指したきっかけは、母が競馬好きで、名前の由来も岡潤一郎騎手ということもあり、テレビで競馬を見て興味を持ちました。
好きな馬はタービランスです、2019年の報知グランプリカップを勝ったレースを見て感動しました。勝ちたいレースは、北海道所属なので、2歳馬のレースである全日本2歳優駿です。馬や関係者の皆さん、ファンの皆さんに感謝して、一つでも上の着順を目指し、自分の1勝で馬の一生を良い方向に変えられるような騎手になりたいです」
宮内勇樹(みやうち・ゆうき)騎手
川島洋一厩舎
北海道出身(馬産地である浦河町出身)
乗馬歴12年(小学校6年生時にジョッキーベイビーズ出場、高校3年生時に全国馬術大会で準優勝した経歴の持ち主)
目標:オリビエ・ペリエ騎手
「幼い頃に知り合いの馬主さんの誘いで旭川競馬場へ行った時に見た騎手の姿に感動し、自分も目指したいと思いました。勝ちたいレースは日本のホースマンの悲願である凱旋門賞です。自分の上限を決めたくないので具体的な数字の目標はありません」
【岩手】
佐々木志音(ささき・しおん)騎手
佐藤祐司厩舎
岩手県出身
乗馬歴なし
目標:高松亮騎手
「中学2年の時に、家の近くにある水沢競馬場に行った時、騎手と馬が人馬一体となり、コースを駆けて行く姿に憧れました。好きな馬は自厩舎で活躍したエンパイアペガサスです。勝ちたい馬は南部杯です。関係者の皆さまから信頼され、いつでも感謝の気持ちを忘れず、1頭1頭丁寧に騎乗する騎手になりたいです」。
【船橋】
所蛍(ところ・ほたる)騎手
張田京厩舎
東京都出身
乗馬歴なし
目標:庄司大輔騎手
「体が細く、バスケットボールを続けていくか考えている時に、両親が騎手という職業を勧めてくれたのがきっかけで目指しました。勝ちたいレースはかしわ記念です。兄弟子の庄司大輔騎手のように、1頭1頭大切に乗り、謙虚なジョッキーになりたいです」
【大井】
木澤奨(きざわ・しょう)騎手
村上頼章厩舎
東京都出身
乗馬歴なし
目標:和田譲治騎手
母はプロゴルファーで現在はレッスンプロの木澤ゆかりさん
「元々運動が好きで小2から中3まで野球をしていましたが、体が小さく悩んでいた時、母の友人から馬関係の話を聞く機会があり、それまでは祖父が見ている時に一緒に見る程度でしたが、徐々に興味を持ちました。初めて体験乗馬をした時に騎手になりたいと思いました。勝ちたいレースは東京ダービーです。技術はまだまだですが、気持ちだけは負けず、一鞍一鞍集中して大切に、一つでも上の着順を目指します」
最後にご紹介するのは東海・兵庫所属の個人賞を受賞された方々です。
ベストフェアプレイ賞を受賞した岡部誠騎手(愛知)、優秀女性騎手賞を受賞した宮下瞳騎手(愛知)は競馬開催中のため、授賞式はご欠席されました。
最優秀勝利回数騎手賞
吉村智洋騎手(兵庫)
「素直に嬉しいです。
数字としてはもうちょっと勝てたかなと思いますけど、全国リーディングを11月頃から意識していたので、獲れて嬉しいです。
獲れるものは獲っておかないと、次いつ獲れるかわからないですから。
今年に入って1日7勝させていただきましたが、たくさんいい馬に乗せていただいてますから、タイミングがうまいこと重なったのかなと思います。
(先月通算3000勝も達成)怪我なくやっていれば達成できると思っていたので、特には意識していなかったです。
(ご子息がJRA競馬学校騎手課程に在学中)やはり同じ職業なので、いい背中を見せていたいなという気持ちで頑張っています。
目標は毎年決まっているんですけど、怪我なく一年乗り続けることです。
これが一番勝ち星に繋がることだと思うので、そこを毎年目標にしています」
優秀新人騎手賞
塚本征吾騎手(愛知)
「ありがとうございます。
優秀新人騎手賞を受賞できて、とても嬉しく思います。
自分では数字としての結果は不満です。僕は今、名古屋と笠松の両方の競馬場で乗せていただいて、若手の騎手の中で僕が一番恵まれた環境で競馬をさせていただいていると思っていて、その中で84勝ですから、騎乗数に対してあまり勝率が良くないです。
そこは今後上げていきたいところです。
ゲートを出遅れずに出して、その馬の一番いいポジションを取ることを心がけています。
コンビーノちゃんにはいろいろ教えてもらうことばかりで感謝しています。
重賞でも乗せてもらって、勝ちたかったんですけど、そこは先輩騎手たちとの大きな差を痛感しました。
兄3人(甲賀弘隆/金沢、塚本雄大/高知、塚本涼人/岩手)のことは尊敬しています。
よくレースビデオを見るんですけど、兄弟なので体型が似ていますから、乗り方を勉強しています。
デビューした頃は右も左もわからず、アドバイスなどいろいろ教えてもらいました。
今年の目標は2つあって、一つは重賞を勝ちたいです。
もう一つはキレイにスマートに勝てるようになりたいです」
最優秀勝率調教師賞
保利良平調教師(兵庫)
「自分がこのような賞を受賞できるとは思っていなかったので、とても嬉しいです。
勝率ということは普段はまったく考えていないですね。
1頭1頭を勝たせた結果が繋がったことだと思います。
昨年は開業10年目で初めて兵庫のリーディングを獲ることができました。
飯田先生、新子先生と競り合っていましたからこちらも必死で、11月頃から胃が痛かったです。
追い上げられましたが、厩務員、スタッフたちが諦めていなかったので、馬の采配や入れ替えなどを考えて、常にスタッフとミーティングをするようにしました。
ミーティングではっきりと馬の状態を伝え合う、そこが一番大きかったと思います。
昨年は厩務員の担当を4頭持ちから3頭持ちに変えました。
1頭1頭の馬をきっちり管理しないと結果を出すことができないと考えたからです。
そういう積み重ねが結果に繋がったんだと思います。
勝ち星としては平場のレースが多いので、今年は大きいところを狙いたいです。
コウエイアンカやエコロクラージュ、他の馬たちやこれから入厩して来る馬も含め、結果を出せるよう今年も頑張ります」
続いては3歳最優秀牝馬スピーディキック陣営のコメントです。
本日フェブラリーステークスへの挑戦、楽しみですね!!
藤原智行調教師
「こういう賞を受賞できて、とても嬉しいです。
これまでは1戦1戦コンディションを整えることを大切に調整してきました。
もともと素直な馬で、完成している部分も多かったので、体的な成長というよりは、精神的な成長が大きいと感じます。
1戦ごとに競走馬としての自覚が強くなって、レースが近いなということを感じるようになりました。
自分は祖父の代から益田競馬場にいて、今の技術や知識を育ててもらいました。
益田は廃止になりましたが、もともと素晴らしい調教師がたくさんいた場所です。
そういう知識がないから廃止になったわけではないということを証明したいです。
フェブラリーステークスに向けては、もともとシンデレラマイルに挑む前から自分の気持ちの中ではあって、シンデレラマイルの内容次第と考えていました。
実際にあれだけのパフォーマンスをしてくれて、いざフェブラリーステークスにということを考えた時、とても葛藤がありました。
それは、自分のためにこのレースに挑むのか、本当に馬のためなのかということを悩んで、最後は加藤オーナーに背中を押していただきました。
シンデレラマイルまでは少し長い距離を使っていましたし、古馬との戦いということで、自分の競馬ができないかもしれないという不安もありましたが、無事に素晴らしい切れ味を見せてくれました。
これまではコンディションを整えることに重きを置いてきましたが、今回は馬を鍛える調教に変えました。
追い切りもしっかり動いてくれましたし、いい状態で挑めます。
後悔のない馬作りができました。
一番は人馬ともに無事に帰って来てくれることを願っていて、レースは御神本騎手にお任せです」
御神本訓史騎手
「目標にしていた3歳牝馬重賞を勝つことができましたし、3歳の最終目標だったロジータ記念も勝つことができました。
戸塚記念は自分が鞍上ではないですが、そこも含めて結果を出し続けてくれました。
性格は牝馬特有のピリピリしたところはありますが、レースが上手で特に最近はどっしりと落ち着いています。
シンデレラマイルでは久しぶりのマイルでしたが、武器である末脚を発揮してくれました。
藤原先生、末田厩務員とは益田時代から一緒に過ごしていましたから、奇跡のようなめぐり合わせに感謝しています。
フェブラリーステークスは戸惑うこともあると思いますし、うまく走れるかどうかはやってみないとわかりません。
対応能力が高い馬ですから、こなしてくれるのではないかと。
僕自身3年連続でフェブラリーステークスに出走して、毎回ボロボロに打ちのめされてきましたが、胸を張って帰ってこられるレースがしたいです」
末田秀行厩務員
「レースに向けての調整の中で、毎回違う体調なので、本当にこれで大丈夫だろうかと不安な気持ちもありますが、これならばノリ(御神本騎手)に任せて大丈夫だという状態を目指して日々調整しています。
性格はやんちゃなところがありますね。
ただ繊細な面があるので僕はこの馬を怒ったことはありません。
それがいいのかどうなのかはわかりませんが、レースが近くなると自分からスイッチが入って闘争心が出てきます。
益田出身の3人で力を合わせてここまで来て、益田で基礎をしっかり覚えたからこそ今があると思っています。
今状態がすごくいいので、あとはノリに任せます」