【3歳最優秀牡馬】ミックファイア(大井)
渡邉和雄調教師
「無敗で三冠を獲ることができて、とても名誉なことだと思います。
羽田盃はただただそこにたどり着けるか不安でしたが、東京ダービーは無事に行ってくれれば(勝てるのではないかと)一番緊張しました。ジャパンダートダービーは思いのほか楽しむことができましたね。直線で交わしてくれると思ったところからは、夢のような時間でした。
(ここまで活躍すると思っていた?)新馬は勝ってくれるだろうと思いましたし、2戦目のタイムも速かったので活躍はしてくれるだろうとは思いましたが、まさか無敗で三冠を勝つまでとは想像していなかったです。
(フェブラリーステークスを振り返って)全能力を出せればもう少しやれるのではないかと思いましたが、中間も少し順調さを欠いた場面がありましたし、芝スタートや内で揉まれるという初めての経験の中で、今後に希望が持てる内容だったと思います。
今年はチャレンジャーの立場で、いろいろなことにチャレンジしたいです。
最大目標は12月のチャンピオンズカップです。
そこまでパワーアップして、体調を整えて挑めるよう頑張ります。
昨年は素晴らしい応援をありがとうございました。
フェブラリーステークスでもミックファイアのぬいぐるみを持ってパドックで応援している方を見かけ、胸が熱くなりました。
まだまだ超えなければならない壁があります。これからも熱烈な応援をよろしくお願いいたします」
御神本訓史騎手
「素直に嬉しいです。
三冠が獲れるような馬が誕生するんだという想いと、その鞍上が自分だったということで2つの驚きがありますね。
羽田盃は急遽の依頼でしたが、そこから始まったミックファイアとの三冠戦線は今も色あせず自分の中に鮮明に残っています。
東京ダービーはすごく緊張しましたが、ジャパンダートダービーはあまり緊張せず、(競馬場の熱気や御神本コールなど)すばらしい雰囲気の中で三冠を達成することができました。
フェブラリーステークスでは乗り馬がいて僕が鞍上ではなかったですが、もしまた依頼をいただけるなら、そこに向けてしっかりと調整したいと思います。
たくさん応援していただき、ありがとうございます。
これからもミックファイアが走る時に、応援よろしくお願いいたします」
【特別賞】的場文男騎手(大井)
「初騎乗から50年ということでこのような賞をいただけて嬉しいです。
応援してくれたファンの方々に感謝しています。
自分も騎手として一生懸命頑張ってきたので、そういう姿を見て周りの方々が乗せてくれたのではないでしょうか。
レースではファンの方にとって勝つことが大事ですので、勝つことを考えて乗ってきました。
この年になってなかなか勝てなくなって、一つ勝つのがこんなに難しいのかと実感しています。
その中で7400勝以上も勝たせてもらっているというのは本当に感謝ですね。
若手も一生懸命頑張っています。大井では笹川くん、矢野くんも頑張っているので、このまま一生懸命頑張ってくれたらと思います。
今回は50年乗ったご褒美でこのような賞をいただくことができました。
ファンの皆様のおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです」
【特別賞】チーム・マンダリンヒーロー
【特別表彰馬】マンダリンヒーロー(大井)
新井浩明オーナー
「こういう賞をいただけて嬉しいです。勝ったわけではないのに挑戦したということで選んでいただき、ありがとうございました。
正直、2月の雲取賞でヒーローコールに負けて、僕自身はアメリカに行く気はなかったんですけど、藤田先生がどうしてもというので行きました。
ちょうど日程的に大谷選手の試合が見られそうだということもあって行くことにしたのですが、今思うとよくサンタアニタダービーで2着に来てくれたなと思います。
ケンタッキーダービーはスタンドの前をずっと歩いていくのですが、とてもいい思い出になりました。
チャレンジすることが決まってから、たくさんの方に応援していただきましたが、正直に言うと僕の周りからは「そんな無謀なことやめなさい」と言う人もいました。
ケンタッキーダービーにも出走することができて、とても運のいい馬だと思います。
この後もとりあえず無事にケガなく走って欲しいです」
藤田輝信調教師
「とても嬉しいです。特にチームに対していただいたというのが嬉しいです。
アメリカ遠征に挑戦する上で、いろいろな方々に助けていただきました。とても感謝しています。
サンタアニタダービーでレース前から、2着ならケンタッキーダービー、3着ならプリークネスと言っていて、2着になった時にはとても嬉しかったです。
ただケンタッキーダービーへの出走は簡単ではなくて、なかなか出走が決まらず調整も難しかったと思いますが、堀田優志厩務員や現地スタッフに感謝しています。
ケンタッキーダービー当日は、やっとこの舞台に来たのかと感慨深いものがありましたし、15万人のお客様の前を歩く、1秒1秒が宝物になりました。
またこれからも強いマンダリンヒーローをお見せできるよう頑張ります。
今後の目標は中央交流を勝つこと、また海外にもチャレンジしたいです」
堀田優志厩務員
「このような場になかなか来ることがないので、とても感謝しています。
アメリカ遠征は初めてのことだらけで難しいこともありましたが、日本でもアメリカでも馬に対してやることは変わらないので。
現地スタッフの方がマンダリンヒーローと自分のことを第一に考えてくれたので、問題なく調整することができました。
サンタアニタダービーで2着になった時、嬉しかったのは当然ですが、大井から初めてのアメリカ遠征だったので、ここで恥ずかしい競馬をしたら後に続く馬がいなくなってしまうと思っていたので、勝てなかったけれどホッとしたというのが正直な気持ちです。
サンタアニタダービーでは緊張していましたが、ケンタッキーダービーはご褒美の時間だと思ってチャレンジしました。
あんなに大観衆の前を歩かせていただいて、いい記念になりました。
今後もマンダリンヒーローに対しては、無事にケガなくということが一番で、やることは変わりません」
【最優秀勝率騎手賞】赤岡修次騎手(高知)
「3年ぶり6回目ということですけれども、狙っていたわけではないので、いい馬に乗せてくれた関係者の方々、頑張ってくれた馬たちに感謝しています。
(38.5%という数字については)最後の方は周りから言われましたけれども、自分では特に意識はしていませんでした。
(これまでの最高勝率38.9%)あの頃は全国も回って南関東でも乗ってという状況で、全部勝ってやろうという意気込みでした。今ももちろん勝ちたいですけど、高知で自厩舎に乗ることが中心の状況なので、以前とは違いますよね。
田中守先生がいい馬をたくさん育ててくれるので、とても感謝しています。今回は先生とダブル受賞ができて嬉しいですね。
自分の数字にはこだわっていませんが、先生には最多勝を獲って欲しいという気持ちがあったので、無事に獲れてよかったです。
ここ何年かはもう目標はないって言っていて、目の前の一つ一つを大事に乗るということです」
【最優秀勝利回数調教師賞】田中守調教師(高知)
「(206勝を挙げて13年ぶり2回目の受賞)年間を通してこれだけ勝たせていただいて、預けてくださるオーナーに感謝しています。
1頭1頭の馬たち、しっかりと向き合ってくれるスタッフや騎手、関係者の方々にも感謝していますし、いつも応援してくれるファンの方々にすごく励まされました。
(勝率は第2位、賞金も第2位)1頭1頭にみんなが集中できた結果だと思います。
特に昨年は緊張の1年でした。ユメノホノオにいい意味で振り回された1年でしたね(笑)。
まだ帰厩していないので、次走は乗り出してから決めます。
赤岡騎手と一緒にこの場に来ることができて、とても光栄です。
今年の目標は、馬も人も怪我無く1年過ごすことで、数字はまったく考えていません」
【最優秀賞金収得調教師賞】小久保智調教師(浦和)
「(5年連続9回目の受賞)多くの方に支えていただいたお陰です。こういう賞をいただけて光栄ですが、とにかく勝たないといけないと思っていますし、もっと勝てたんじゃないかと思っています。
全国にはすごい先生がたくさんいらっしゃいますから、その方々を目標にもっと頑張ります。
(今年中に2000勝達成?)そこは最低でも達成したいです(1916勝/2024年2月25日現在)。
新しい三冠を始めすごく状況が変わりましたから、どう戦うか思案中です。
今年も勝つために精一杯頑張ります」
【最優秀勝率調教師賞】柏原誠路調教師(兵庫)
「(8年ぶり4度目の受賞)久しぶりに獲ることができて本当にうれしいです。
(大晦日まで田中守先生と競っていた)昨年はけっこう勝たせていただいていたんですけれども、意識したのかパタッと勝てない時期が続きまして...。その中で12月30日にポツンと勝ったのが利きました。運が良かったです。
タイトルを目指してやっているわけではなくて、いつも通り一つ一つ勝つつもりでやってきました。その延長戦で今回は獲ることができました。
兵庫リーディングを狙っていましたが、結局飯田良弘先生に離されまして。今年こそは獲りたいですね。あと重賞を全然勝っていないので重賞も勝ちたいですし、ダービーも勝ちたいです」
2月22日に都内のホテルで行われたNARグランプリ2023の表彰式。関係者の喜びのコメントをお伝えしていきます。
まずは個人賞から。
【最優秀勝利回数騎手賞】吉村智洋騎手(兵庫)
「無事にこの賞を獲ることができてホッとしています。335勝という数字は上出来ではないでしょうか。
昨年は全国リーディングを狙って、獲りに行って獲ることができました。2年連続獲らないと自分では意味がないのではないかと考えていて、自分を追い込んで、楽しいというこもなかったですね。
スマイルミーシャはとてもいい馬で、負けたレースもありますが、そこでいろいろ学ぶことができて成長できたと感じています。
(クリノメガミエースでの)ジャパンカップ参戦は賛否ありましたが、挑戦しないと成功はないですし、挑戦することの大切さを見せられたのではないかと思います。
僕自身、あの場所にいられたことでとてもいい経験になりました。
(息子さんのJRA騎手デビュー)嬉しいですけど、僕も一人の親なので、ケガなども心配で不安もあります。近々同じレースに乗ることもあるでしょうから、負けないように頑張ります。
今年の目標は...昨年みたいに目標を言うとまたしんどくなるので、今年はケガなく楽しく乗りたいです。今年はとても楽しいです」
【最優秀新人騎手賞】山田義貴騎手(佐賀)
「この賞をいただけてとても嬉しいです。昨年の途中までは特に意識していませんでしたが、最後の方は獲れるかもしれないと言われていたので、獲ることができて良かったです。
(昨年は118勝)周りの方よりも乗鞍も多くチャンスももらっているので、もっと勝てたと思います。もっと成長したいです。
(調教師である父、祖父からは)特にないですけど、おめでとうって言ってもらいました。
デビューの頃から比べると周りを見られるようになったかなとは思いますが、まだ全然です。焦ってしまうことが多いので、もっと冷静に乗れるように、さらに技術を上げられるように頑張ります」
【優秀女性騎手賞】今井千尋騎手(ばんえい)
「すごく嬉しいです。(昨年は103勝)昔から知っている方々がいい馬に乗せてくれたので、そのおかげです。父からはおめでとうと言われました。
(最速100勝達成)それもすごく嬉しかったです。
まだ焦ってしまうことがあるので、冷静に周りを見て馬のペースを乱さないよう気を付けています。
特にハイペースになると焦ってしまうので、もっと冷静に乗れるよう、乗せていただける全馬に全力を尽くしていきたいです」
岩手のフジユージーンについて、管理する瀬戸幸一調教師にお話を伺いました。
赤見:デビューからここまで5戦無敗で来ています。今はどんな様子でしょうか。
瀬戸:南部駒賞のあとはオーナーの牧場(富士ファーム)でゆっくり休養して、栃木県にある地方競馬教養センターで調教してから、水沢に戻ってくる予定です。休養の効果があって、また一回り大きくなりました。馬の様子を見ながらにはなりますが、間に合えば3月20日の京浜盃(大井)に出走したいと考えています。
赤見:いよいよダートグレード競走への挑戦ですね!
瀬戸:こればかりは馬の状態と相談になりますから、まだ確定的なことは言えませんが、ゆくゆくは大きなレースに出走してもヒケを取らない馬だと思っています。今はまだ成長しきっていませんので、馬の成長や状態を見ながら、慎重に進めているところです。全日本2歳優駿に参戦することも考えましたが、今後のことを考えて見送りました。
赤見:昨年からスタートしたネクストスターを勝ったわけですが、当初からそこが一つの目標だったのでしょうか。
瀬戸:実は、もっと奥手だと思っていたんです。もちろん走る馬だという認識はありましたが、何しろ大きな体ですし、気性的にも新馬向きのタイプではないなと。急かすのはよくないですし、実際走りも緩かったので、調教自体もゆっくり進めていました。でもデビュー前のゲート試験、能力検査でガラッと変わって、こちらも驚くほどでした。まだ成長しきっていない中でここまで活躍してくれているので、この先が本当に楽しみです。
赤見:今はマイルまでしか走っていませんが、距離が延びることに関してはいかがでしょうか。
瀬戸:スタートに難があって前半ゆっくりですが、折り合いがつくタイプですし、フットワークも大きくて、さらに延びた方が良さそうですよね。この春からの競馬はもちろんですが、秋には不来方賞がダートグレード競走になりますから、そこで地元代表として戦える力を付けたいです。
赤見:瀬戸厩舎と富士ファームさんといえば、1世代上にフジラプンツェル、そしてフジユージーンと、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』からお名前をつけられたのでしょうか。
瀬戸:そうみたいですね。わたしはよくわかっていなかったのですが、孫に教えてもらいました。オーナーとは学生馬術の頃からお付き合いさせていただいていて、久しぶりに入れていただいた馬がラプンツェルだったんです。ラプンツェルは重賞3勝もしていますし、次のユージーンもここまで走ってくれて、とても感謝しています。これからも大切に成長を見守りながら、さらに強くなるよう育てていきます。