今日は京都競馬場にて初のイベント。
明日はディープ登場とあって、玄関前にはすでに並んでいる人も・・改めてディープの偉大さを実感。
初のイベントという事でちょっと緊張したけれど、MCの領家華子さんと、お笑い芸人の池山心さんの爆笑トークに助けられ、楽しみながら終える事が出来ました。
イベントを進めている内に気付いたのですが、予想する時、調教時計を重要視する方、多いんですね。私自身、全くとは言いませんが、あんまり気にした事がなかったので以外でした。競馬ファンにはあたり前の常識をたまに見落としてしまうんですねぇ・・。
地方競馬の場合、開催のたびに使うのが基本です。そのたびに目一杯追い切りしたのでは、馬が疲れてしまう・・この辺の事情が、中央競馬とは違いますよね。
我が畠中厩舎では、追い切りをする時に半マイル・3ハロン・2ハロン・ラストとそれぞれタイムを決められ、1秒狂うと怒られました。速くても遅くてもダメ。指示の通りのタイムで走らせる。これがすんごく難しいんですけどね。
だから調教タイムが速いのは速く走らせたからで、遅いのは遅く走らせたから・・という概念が抜けないようで・・。
「追い切り動いても、レースに直結しませんよ。」という私の言葉に、「数字は嘘をつきません!!」と池山さん。確かに、走り方や反応で判断するよりも、正確でわかりやすいかも。
私が予想する時の判断基準は、まず鞍上を見る。で、前走&過去成績を見て、血統と馬場状態を考える。実際に競馬場へ行った時や、中継を見られる時、一番重要視するのは返し馬なんですけどね。
私の返し馬予想、これがなかなか当たるんですよぉ〜。でも・・前日予想は試行錯誤中!!完全に迷宮に入り込んでる状態です・・。
池山さんの意見を参考に、調教時計も大事に扱ってみようっと。結果は後日、ご報告します。
昨日今日と、美浦トレーニングセンターに行って来ました!
初めて記者用の寮に宿泊したのですが、なかなか快適。さすがJRAですね。
何人かの記者さんとお酒を飲みながら、色々な話をしました。苦労した事や嬉しかった事、悔しかった事など、マスコミならではのお話を聞いて、なんだかとても考えさせられました。
現役時代、私はマスコミの事をどう思っていたか・・よくよく考えてみると、それほど重要視していなかった気がする。競馬専門の記者さんは別として、私にインタビューに来る方々は、競馬に興味のない人が多かった。「トレセンて何ですか?」「調教師って何ですか?」と言われると、いくら出たがりの私でも、テンション落ちるってもんです。「なぜジョッキーになろうと思ったのか」「女性だからこその苦労は?」とお決まりの質問が続き、「セクハラ対策は?」と来る。
そもそもセクハラが何であるかよくわからず、よって全く気にした事がない私。でも、記者さん達はそんな答えは望んでないので、なんとか「苦労話」を引き出そうとする。私が語った話を自分の価値観で編集
する訳ですよ。そうすると、結局私の言葉とは意味が違う物になってくる。
「そういう意味で言ったんじゃないのに・・」という事が何度もあり、だんだんと無難な答えしか言えなくなって行きました。人に伝えるって、本当に難しい。そして赤見千尋の文章として世の中に出回れば、例え私の言葉じゃなくても、撤回する事は難しい。 自分が伝える側になってから、こういう事だけは絶対に避けたい!と思ってます。
ただ・・伝える側になって初めてわかった事もある。読み手が望んでいる内容、スポンサーが望んでいる内容、そして語ってくれた人の望んでいる内容と、自身の書きたい内容と・・それらを総合的に考えなければいけない。それは傍目で見るよりも簡単な事ではなく、事実、現在の私の一番の悩みになっている。
美浦でお話した記者さん達は、競馬専門で知識も多く、競馬サークルでもお馴染みの方々。現場の人からも信頼されているようだけど、全員が友好的、という訳でもないらしい。
中央の現場の方々は、私とは比べものにならないくらい取材を受ける。中には、自分が語った事とは違う事を書かれたり、大幅に脚色されて、嫌な思いをした人もいる。そうなると、マスコミと距離を置きたくなる気持ちは良くわかる。 一人でも、そういう記者がいるとしたら、現場としたらいちいち見分ける時間はないので、マスコミ全般に不信感を抱かなければならない。
でも結局、そういう記者は一部だし、多くの記者さんは信念と常識を持って仕事している。「自分がマスコミ側になって、それが良くわかりました!」と、某有名記者さんに伝えると、「ありがとう」と言って嬉しそうに乾杯してくれました。
大切なのは、一人一人との人間関係。現場対マスコミではなく、人対人。人間としての信頼があれば、本音を語ってくれるし、語られた側も、悪用する事は出来ない。現場側でもマスコミ側でも、最後はやっぱり人間性。
私自身、信頼に値する人間か?と考えた時、まだまだ未熟さを痛感。文章力や表現力、競馬知識を勉強するのはもちろんだけど、コミュニケーション能力や人間性も追求しないと、この世界では大きくなれないな・・と実感した、美浦の静かな夜でした。
先日、ジャパンタイムズの記者・バーバラと、バーバラの乗馬クラブ仲間の女子大生・マサエちゃんとアイリッシュパブに行って来ました。
バーバラとは、ダービーの時に知り合ったのですが、日本に20年以上滞在しているとあって日本語ペラペラ、アラン・ムンロ騎手の通訳をしていた事もあって競馬界の内情に詳しく、話していてとても楽しい♪ マサエちゃんは夏休みにアメリカにホームステイするそうで、外人のお客さん達と一生懸命話してました。
その日来ていたお客さん達、おそらく7割は外国の方々。英語・ドイツ語が飛び交い、意味のわからない私・・一応、うんうんと頷いたり、みんなが笑うと慌てて笑ってみたり・・なんと情けない・・。
しばらくして場慣れした頃、バーバラのお友達、カトリーナ登場。彼女は日本に来たばかりで日本語がほとんど話せません。バーバラが通訳してくれて、なんとか会話していると、どーやら彼女、恋に破れて落ち込んでいる様子。これは慰めなければ!と勝手に使命感をおび、つたない英語・・というか単語で、必死に話始めました。するとカトリーナ、日本語でイヤな男を表す言葉は?という質問。日本語ならまかせて!と得意になり、「最低」「最悪」「ろくでなし」というワードを伝授。こんな言葉、教えちゃって良かったのかな・・と後で反省したけれど、乙女心は万国共通なんだな、と実感しました。
私の名前「ちひろ」は、外国の方々には馴染みのない響きらしく、いつの間にやら「チャーリー」と呼ばれ、マサエちゃんは「サミー」と呼ばれ、どう考えてもここが日本だと思えない状態に。
外国の方々って、初対面でもフレンドリーに話しかけてくる。日本人でもそういう方はもちろんいるけれど、やっぱり文化の違いは大きい。短期免許で来日する外国人ジョッキーたちも、楽しそうに見えるし。
地方競馬のジョッキーたちが中央競馬に風穴を開けたように、外国人ジョッキーたちもまた、大きな存在になりました。競馬界の異文化交流がどんどん進んだら、現場は大変になるけど、見る方は断然面白い!地方競馬こそ、もっと外国を受け入れればいいのに・・なーんて無責任に考えちゃうけど。
偉そうに言う前に、私自身が異文化交流を始める事が大事だな・・絶対英語話せるようになるぞ!!
ちなみに通知表、恥ずかしながら『2』でしたけど・・
チャーリーズエンジェル気取りで、ギネスと英語に酔っ払った、楽しい一夜でした☆
今日は東京競馬場。
水沢の馬券を買いに、場外売り場に行ったのですが・・
なぜか1枚の投票用紙が機械に入らない。何度入れてもエラーだし、何度確認してもどこが間違っているのか発見出来ない・・誰か助けて〜と周りを見渡しても、誰も助けてくれない。
仕方ないので、恥ずかしいけど窓口に行き、「すいませーん。」と声をかけたけど誰もいない・・
締め切り時間が近づいて、「おーい!誰かぁ〜」と騒いでいると、警備員さんが来て間違いを指摘してくれました。それでも、結局時間に間に合わず、買いたい馬券の半分しか買えなくて、プンプンで席に戻った私。
「騎手のくせに馬券も買えないのか?」という突っ込みは置いといて・・
せっかく東京競馬場に場外があるのに、しかも今日はダービーなのに、発売機の周りに誰もいないというのは、すごくもったいないと思う!中央で毎週馬券を買ってるようなおじさんだって、エラーになって、発売機を占領している姿はよく見かける。そうすると、機械の後ろの窓口からおばちゃんが顔を出し、ここが違いますよ、と指摘してくれる。
中央のようにたくさんの人を配置する必要はないけど、一人くらい居てほしかったな・・と、機械音痴の私としては思うのです。それとも、いつもはいるのに、たまたまいなかっただけなのかな?次に行った時、チェックしてみよう、そうしよう。
さて、地方競馬あげてのイベント、ダービーウィークが終了しました。今回、佐賀と水沢の馬券を買った私は、両方とも撃沈しましたが・・。
イベント的には、大成功だったと思います。札幌は栃木の名手、山口騎手が制覇したし、大井ではデビュー2年目の町田騎手が大金星☆佐賀と水沢は関口房郎さん登場で盛り上がったし、この調子で地方競馬場同士の協力が進んだら、もっともっと面白くなるはず。今回のダービーウィークは大きなキッカケであって、これからが大切ですよね。来年はどんな事になるのか・・今から楽しみだな♪
東京・中京・水沢のメインでことごとくやっつけられてグレた私、捨て身で買った東京12レースが当たり、思わぬ配当にホクホク顔で帰って参りました!!
競馬ロマン派のつもりですけど、馬券が当たるって、本当に嬉しいですよね〜。
いつもはスーパーカップを買うところをハーゲンダッツを買い、ちょっとリッチな気分♪
今日は東京競馬場。
久し振りに馬券を思いっきり買って、4戦3勝と調子に乗り、最後のオークスですべてドボン・・・
安藤さんから買っていた私は、完全なタテ目にちょっと涙目。
でも、いーさっ。勝った『カワカミプリンセス』は強かったし、『フサイチパンドラ』の復活した走りっぷりも嬉しかった!
その後、現役時代の恩師である新谷さんと、築地でお寿司♪お腹いーっぱい食べて、至福のひと時。
新谷さんは、高崎の名物厩務員さんで、『ヒロベスト』や『ティーケークイン』、『トミケンヒーロー』などで、数々の大きいレースを制している、この道30年以上の大ベテランです。
レースに自分の馬を出走させる時はいつも自信満々で、パドックやゲート裏なんかで、
「○番の馬は本命だけど、こずんでいるから気にするな。」とかって、大きい声で言うからハラハラしてました・・
そんな感じだったので、さぞ馬の仕上げに対して自信を持っているのかと思ってたけど。
「馬は生き物。いくら人間が仕上げたつもりになっても、走ってみないとわからない。」
初めてそんな言葉を聞いて、ビックリの私。
新谷さんの担当馬は、たとえ鞍上が私でも、必ず人気になっていました。
周りには絶対見せなかったけど、プレッシャーがあったんですね。
「パドックで、ジョッキーの足を上げるとホッとした。」そうです。そこから先は、ジョッキーの仕事ですからね。
「そんな風に思ってたなんて、全然知らなかった!」と言うと、
「当たり前だ!俺が不安がってたら、馬にもお前にも伝わるだろ。自信を持って競馬場に行けるように、毎日精一杯仕事するんだよ。」
おぉ・・いい事言うじゃないの。
「お前を乗せるようになってから、馬の仕上げに対して今まで自信持ってたものが覆されたよ。それまでは、これくらいやれば勝てるっていうのがあったのに、お前はとんでもないレースをしてくれるからな。
お前でも勝てる馬をつくるのが、面白かったよ。」
それはそれは・・スミマセンでした・・
そういえばいつも、
「調教でもレースでも、この馬に乗れるのは最後だと思って、真剣に乗りなさい。そうすれば、たとえ馬が壊れてしまっても、悔いが残らないから。」と言っていた。
前にも書いたけど、初めて競走馬を殺してしまった時、この言葉の意味を理解した私。
経験してから学ぶ事は間違いではないけれど、取り返しのつかない場合もある、という事を知りました。
新谷さんは、私をジョッキーとして、というよりも、競馬を通して人間的に成長させようとしてくれました。レースに勝っても怒られてましたから、
「なんて厳しい人だ!」と思っていたけれど、今になるとあの厳しさが優しさだったのだと、心から思う。
現在新谷さんは、境町トレーニングセンターで開業しています。高崎けいば時代、多くの馬主さんや競馬関係者との信頼関係を築いていたので、たくさんの馬たちを預託され、忙しく楽しい毎日のようです。
「一番の財産とは、人脈だ。そしていい人脈を作るためには、日々真面目に生きる事だ。」
10年近くにわたり、新谷真司流の生き方を学んだ私は、自分で言うのもナンですが、だいぶ成長出来たと思う。
このブログ用の写真を撮ろうとしたら、「絶対イヤだ!」と、激しく抵抗している姿が可愛かったな。
「南関東の外厩が認められたら、また忙しくなるぞ〜!」と、嬉しそうに帰って行きました。
まだまだ現役で馬に乗る、ちょっぴりシャイで元気な60歳。「長生きしてね☆」な〜んて言ったら、怒るだろうな・・