平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります!
平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。元騎手の目線からレースを分析から、現役時代の思い出など、様々な話題を楽しく書き綴ってまいります! 先日、ジャパンタイムズの記者・バーバラと、バーバラの乗馬クラブ仲間の女子大生・マサエちゃんとアイリッシュパブに行って来ました。
バーバラとは、ダービーの時に知り合ったのですが、日本に20年以上滞在しているとあって日本語ペラペラ、アラン・ムンロ騎手の通訳をしていた事もあって競馬界の内情に詳しく、話していてとても楽しい♪ マサエちゃんは夏休みにアメリカにホームステイするそうで、外人のお客さん達と一生懸命話してました。
その日来ていたお客さん達、おそらく7割は外国の方々。英語・ドイツ語が飛び交い、意味のわからない私・・一応、うんうんと頷いたり、みんなが笑うと慌てて笑ってみたり・・なんと情けない・・。
しばらくして場慣れした頃、バーバラのお友達、カトリーナ登場。彼女は日本に来たばかりで日本語がほとんど話せません。バーバラが通訳してくれて、なんとか会話していると、どーやら彼女、恋に破れて落ち込んでいる様子。これは慰めなければ!と勝手に使命感をおび、つたない英語・・というか単語で、必死に話始めました。するとカトリーナ、日本語でイヤな男を表す言葉は?という質問。日本語ならまかせて!と得意になり、「最低」「最悪」「ろくでなし」というワードを伝授。こんな言葉、教えちゃって良かったのかな・・と後で反省したけれど、乙女心は万国共通なんだな、と実感しました。
私の名前「ちひろ」は、外国の方々には馴染みのない響きらしく、いつの間にやら「チャーリー」と呼ばれ、マサエちゃんは「サミー」と呼ばれ、どう考えてもここが日本だと思えない状態に。
外国の方々って、初対面でもフレンドリーに話しかけてくる。日本人でもそういう方はもちろんいるけれど、やっぱり文化の違いは大きい。短期免許で来日する外国人ジョッキーたちも、楽しそうに見えるし。
地方競馬のジョッキーたちが中央競馬に風穴を開けたように、外国人ジョッキーたちもまた、大きな存在になりました。競馬界の異文化交流がどんどん進んだら、現場は大変になるけど、見る方は断然面白い!地方競馬こそ、もっと外国を受け入れればいいのに・・なーんて無責任に考えちゃうけど。
偉そうに言う前に、私自身が異文化交流を始める事が大事だな・・絶対英語話せるようになるぞ!!
ちなみに通知表、恥ずかしながら『2』でしたけど・・
チャーリーズエンジェル気取りで、ギネスと英語に酔っ払った、楽しい一夜でした☆
今日は東京競馬場。
水沢の馬券を買いに、場外売り場に行ったのですが・・
なぜか1枚の投票用紙が機械に入らない。何度入れてもエラーだし、何度確認してもどこが間違っているのか発見出来ない・・誰か助けて〜と周りを見渡しても、誰も助けてくれない。
仕方ないので、恥ずかしいけど窓口に行き、「すいませーん。」と声をかけたけど誰もいない・・
締め切り時間が近づいて、「おーい!誰かぁ〜」と騒いでいると、警備員さんが来て間違いを指摘してくれました。それでも、結局時間に間に合わず、買いたい馬券の半分しか買えなくて、プンプンで席に戻った私。
「騎手のくせに馬券も買えないのか?」という突っ込みは置いといて・・
せっかく東京競馬場に場外があるのに、しかも今日はダービーなのに、発売機の周りに誰もいないというのは、すごくもったいないと思う!中央で毎週馬券を買ってるようなおじさんだって、エラーになって、発売機を占領している姿はよく見かける。そうすると、機械の後ろの窓口からおばちゃんが顔を出し、ここが違いますよ、と指摘してくれる。
中央のようにたくさんの人を配置する必要はないけど、一人くらい居てほしかったな・・と、機械音痴の私としては思うのです。それとも、いつもはいるのに、たまたまいなかっただけなのかな?次に行った時、チェックしてみよう、そうしよう。
さて、地方競馬あげてのイベント、ダービーウィークが終了しました。今回、佐賀と水沢の馬券を買った私は、両方とも撃沈しましたが・・。
イベント的には、大成功だったと思います。札幌は栃木の名手、山口騎手が制覇したし、大井ではデビュー2年目の町田騎手が大金星☆佐賀と水沢は関口房郎さん登場で盛り上がったし、この調子で地方競馬場同士の協力が進んだら、もっともっと面白くなるはず。今回のダービーウィークは大きなキッカケであって、これからが大切ですよね。来年はどんな事になるのか・・今から楽しみだな♪
東京・中京・水沢のメインでことごとくやっつけられてグレた私、捨て身で買った東京12レースが当たり、思わぬ配当にホクホク顔で帰って参りました!!
競馬ロマン派のつもりですけど、馬券が当たるって、本当に嬉しいですよね〜。
いつもはスーパーカップを買うところをハーゲンダッツを買い、ちょっとリッチな気分♪
今日は東京競馬場。
久し振りに馬券を思いっきり買って、4戦3勝と調子に乗り、最後のオークスですべてドボン・・・
安藤さんから買っていた私は、完全なタテ目にちょっと涙目。
でも、いーさっ。勝った『カワカミプリンセス』は強かったし、『フサイチパンドラ』の復活した走りっぷりも嬉しかった!
その後、現役時代の恩師である新谷さんと、築地でお寿司♪お腹いーっぱい食べて、至福のひと時。
新谷さんは、高崎の名物厩務員さんで、『ヒロベスト』や『ティーケークイン』、『トミケンヒーロー』などで、数々の大きいレースを制している、この道30年以上の大ベテランです。
レースに自分の馬を出走させる時はいつも自信満々で、パドックやゲート裏なんかで、
「○番の馬は本命だけど、こずんでいるから気にするな。」とかって、大きい声で言うからハラハラしてました・・
そんな感じだったので、さぞ馬の仕上げに対して自信を持っているのかと思ってたけど。
「馬は生き物。いくら人間が仕上げたつもりになっても、走ってみないとわからない。」
初めてそんな言葉を聞いて、ビックリの私。
新谷さんの担当馬は、たとえ鞍上が私でも、必ず人気になっていました。
周りには絶対見せなかったけど、プレッシャーがあったんですね。
「パドックで、ジョッキーの足を上げるとホッとした。」そうです。そこから先は、ジョッキーの仕事ですからね。
「そんな風に思ってたなんて、全然知らなかった!」と言うと、
「当たり前だ!俺が不安がってたら、馬にもお前にも伝わるだろ。自信を持って競馬場に行けるように、毎日精一杯仕事するんだよ。」
おぉ・・いい事言うじゃないの。
「お前を乗せるようになってから、馬の仕上げに対して今まで自信持ってたものが覆されたよ。それまでは、これくらいやれば勝てるっていうのがあったのに、お前はとんでもないレースをしてくれるからな。
お前でも勝てる馬をつくるのが、面白かったよ。」
それはそれは・・スミマセンでした・・
そういえばいつも、
「調教でもレースでも、この馬に乗れるのは最後だと思って、真剣に乗りなさい。そうすれば、たとえ馬が壊れてしまっても、悔いが残らないから。」と言っていた。
前にも書いたけど、初めて競走馬を殺してしまった時、この言葉の意味を理解した私。
経験してから学ぶ事は間違いではないけれど、取り返しのつかない場合もある、という事を知りました。
新谷さんは、私をジョッキーとして、というよりも、競馬を通して人間的に成長させようとしてくれました。レースに勝っても怒られてましたから、
「なんて厳しい人だ!」と思っていたけれど、今になるとあの厳しさが優しさだったのだと、心から思う。
現在新谷さんは、境町トレーニングセンターで開業しています。高崎けいば時代、多くの馬主さんや競馬関係者との信頼関係を築いていたので、たくさんの馬たちを預託され、忙しく楽しい毎日のようです。
「一番の財産とは、人脈だ。そしていい人脈を作るためには、日々真面目に生きる事だ。」
10年近くにわたり、新谷真司流の生き方を学んだ私は、自分で言うのもナンですが、だいぶ成長出来たと思う。
このブログ用の写真を撮ろうとしたら、「絶対イヤだ!」と、激しく抵抗している姿が可愛かったな。
「南関東の外厩が認められたら、また忙しくなるぞ〜!」と、嬉しそうに帰って行きました。
まだまだ現役で馬に乗る、ちょっぴりシャイで元気な60歳。「長生きしてね☆」な〜んて言ったら、怒るだろうな・・
行って来ました、盛岡競馬場!
盛岡駅から無料バスに揺られる事数十分。ぐんぐん山道を登って行く・・
「一体どこまで登るんだろう??」と不安になった頃、巨大なオーロパークが出現しました。
地方競馬場とはとても思えない、豪華な造り。そしてキレイで新しい。中央の競馬場の縮小版といったところかな。
地方競馬場のいい所として、各競馬場ごとの名物と言われる食べ物がありますよね。盛岡の場合はジャンボ焼き鳥。「これを焼き鳥と言うのか?!」と思うほどのジャンボさです。
とっても天気が良くて、周りの山々の景色を眺めながらの競馬観戦は、本当に気持ちがいい!
高崎や宇都宮にも、移転の話はあったのになぁ〜・・移転が実現した盛岡には、これからも頑張ってほしいですよね。
施設自体は中央っぽいけど、中身はやっぱり地方っぽい。同じ様に豪華な施設の大井競馬場とは、また違った雰囲気ですね。中央のいい所と地方のいい所を併せ持つ、日本で唯一の競馬場なんじゃないかな。
それに、ジョッキーのレベルが相当高い!水沢と盛岡は、右回りと左回り。この2つの競馬場でデビューしたジョッキーは、若いうちから当たり前のように左右どちらのコースも乗れるんですから。南関東も遠征すれば乗れるけど、デビューしたばかりだと、やっぱりなかなかチャンスは少ないですからね。
しかも、盛岡は広いコースで坂があったりと、本当に力がある馬でないと、なかなか勝てない競馬場。対して水沢は、ザ・地方レースというか、小回りコースで、ジョッキー同士のかけ引きや位置どりで勝負を分ける競馬場。その両方に乗るんだから、レベル高い訳です。
装鞍所に行ってみると、リングバミやDバミ、枝バミなど特殊なハミを使用している馬がとても多い事に驚きました。気難しい馬が揃っているとの事・・ジョッキー大変だなぁ〜。
観客席に戻り、盛岡競馬場についてメモを書いていると、
「ねぇちゃん、そんな字じゃ読めね〜ぞ!」と知らないオヤジに絡まれました。
「私が読めればいいの!!」と、ムッとしながら答えたけど、こんな風に見ず知らずの人と会話出来ちゃうとこが、競馬場のいい所。「いいなぁ〜温かいなぁ〜」と一人ニヤニヤしてしまいました。
さて、この日のメインレースは『岩鷲賞』。アラブの女傑を母に持つ、ダンディキングが人気になっていました。
最近めっきり減ってしまったアラブの血。サラブレットより劣っているけれど、現役時代『クラダイアナ』という常にやる気満々の牝馬に乗っていた事もあり、そして益田で『グリーンマスク』という優秀な馬(性格は怖かったけど・・)に勝たせてもらった事もあり、私はアラブが大好きです。
地方競馬の馬が中央で活躍すると、多くの人が感動するように、アラブが並み居るサラブレットを負かす姿もまた、心を打ちますね。やはり、弱い立場のものが強いものに立ち向かう姿は美しい・・
ダンディキングは2着に負けてしまいましたが、3着以下を大きく離し、この先に期待出来るレースでした。
盛岡に来たのだから・・と、帰り道に冷麺を食べて来ました!!ぴょんぴょん舎という有名な焼肉店です。
私は冷麺も好きですが、なんてったって『トンソク』が大好物!
「美味しいでしょ?」と一緒に行った記者さん達に無理矢理食べさせちゃいました。
初盛岡を満喫し、帰りの新幹線で大爆睡。気付いた時には、首が痛くて痛くて・・
盛岡から帰って来て5日。まだちょっと、首がおかしい私です・・・。
今日は母の日ですね。みなさんは、何かプレゼントしましたか?
先日母に、「何がほしい?」と聞いたら、「新しい家」と言われたので、「いつかね・・」と答え、今朝仙台のホテルから電話して、「いつもありがとう。」と言うと、「お世話してます。」と言われてしまいました・・。
まだまだ孝行娘になれない私です・・前にも書いたけど、母には本当に感謝してます。お店と家事と子育てと夜遊びと・・私の母は、かなりパワフルな人です。
昨日、元ジョッキーの横山(旧姓藤塚)聡子ちゃんに会いに、宮城県の山元トレーニングセンターに行って来ました!
彼女は、新潟の廃止に伴い高崎に移籍して来て、そこで横山克彦騎手と出会い、結婚・出産。今は夫婦で馬のお仕事をしています。
妊娠した事がわかった時、彼女は休養にするか引退するかでとても悩んでいました。
引退したら、復帰する事は難しい・・休養ならば、もしかしたら復帰出来るかもしれない。少しでも、望みをつなげておきたかったんですね。
周りは引退するのが当然と考えていて、悩んでいる聡子ちゃんに、うるさく言うのでした。
「千尋ちゃんだったらどうする?」と聞かれ、考えに考えた末、「わからない・・」と答えました。
だいたい誰かと結婚しようとも思った事のない私が、答えられる質問ではないですね。
うらやましい・・と思いつつも、誰かのために騎手を辞めるのは辛いなぁ・・とも思いました。例え、世界で一番好きな人のためでも、自分の子供のためであっても。
幸い?私はそういう状況にはならなかったので、自分の意思で騎手になり、自分の意思で騎手を辞める事が出来ました。馬に乗りたいとは思うけど、後悔はしてません。
女性が仕事を続ける・・という事は、どんな仕事でも大変ですよね。まして騎手という仕事は、妊娠したら絶対に長期間休まなければなりません。
浦和の午房由美子騎手のように、出産して復帰するのは凄い事ですから。
そういう事も含めて、女性騎手の寿命は男性騎手より短いですよね。男性でも、すぐに辞める人はいっぱいいますけど。
聡子ちゃんは悩んだ末に、引退を選びました。
「好きな人と結婚して、子供を産んで・・とっても幸せだけど、馬に乗りたくてしょうがない!!」とよく言ってました。
現在彼女は毎日調教で馬に乗り、旦那様と可愛い子供に囲まれて、以前よりもっともっと幸せそうでした。女の幸せは、結婚して子供を産む事だけじゃない。自分の好きな仕事をするという事も大切だと、教わった気がしました。
もちろん、人それぞれ価値観が違います。どれが良い悪いではなくて、私も聡子ちゃんや私の母のように、家庭も仕事も手に入れたい!と考えてるタイプ。こういう女を男子は嫌がるんですよねぇ〜。
わかっちゃいるけど、やめられない!!
特に、恋愛スプリンターな私としては、心から「運命の人だ!」と思わない限り、仕事を取るに決まってる。私の場合、家庭と仕事を手に入れるためには、まず恋愛体質の矯正が必要ですね・・。
競走馬が、スプリンターからステイヤーに転向するのが難しいように、とりあえずマイルあたりを目指してみようかな。
マザーズデイに「お母さん、ありがとう」と言われる日が、本当に来るのかとっても疑問な、赤見千尋28才の春・・・