
地方競馬教養センター騎手課程、第106期騎手候補生をご紹介します。106期の10名は、3月26日に2年間の騎手課程を修了し、4月1日付で騎手免許を取得。全国各地の競馬場で、順次デビューしていきます。
◆中山遥人(なかやま・はるひと)
浦和:小林真治厩舎
出身地:東京都
趣味・特技:体操、釣り、水泳、サッカー
騎手を目指したきっかけ:父が競馬好きで、中学2年生の時に父と一緒に乗馬クラブに体験乗馬に行き、乗馬が楽しかったことと、小柄であることから騎手を目指しました。
目標とする騎手:福原杏騎手、室陽一朗騎手
目標:近い目標は早く100勝すること、遠い目標は浦和のさきたま杯を勝つことです。
(小さい頃から水泳や体操をしていて運動神経抜群。教官からの評価は、一生懸命で頑張り屋さんとのこと。早くから活躍が期待できそうです)
◆椿聡太(つばき・そうた)
船橋:山田信大厩舎
出身地:東京都
趣味・特技:競馬観戦、バドミントン
騎手を目指したきっかけ:中学3年生の時に、父に東京競馬場に連れて行ってもらい、目の前を馬が駆け抜ける姿に感動したからです。
目標とする騎手:武豊騎手、坂井瑠星騎手
目標:まずは減量を取ること、ゆくゆくは世界で活躍できる騎手になりたいです。
(身長168.9cmと106期の中では一番の高身長。教官からの技術評価も高く、ダイナミックな騎乗が期待できそうですね)
◆小野俊斗(おの・しゅんと)
大井:宗形竹見厩舎
出身地:滋賀県
趣味・特技:映画鑑賞、卓球
騎手を目指したきっかけ:中学1年生の時にジョッキーベイビーズに出場させていただいた時にとても楽しく、また競馬場で走りたいと思ったからです。
目標とする騎手:笹川翼騎手
目標:まずは減量を取ること、将来的にはダート三冠を勝ちたいです。
(小野さんが出場したジョッキーベイビーズは2019年に行われた第11回大会。1着が佐野遥久騎手(川崎/2024年デビュー)、2着が小野さん、5着が舟山瑠泉騎手(JRA/2025年デビュー)とそうそうたるメンバーでした)
◆杉山海波(すぎやま・みなみ)
大井:岡野尚光厩舎
出身地:静岡県
趣味・特技:乗馬、料理
騎手を目指したきっかけ:10歳の時に初めてテレビで競馬を見て、心が動かされて憧れました。13歳の時に初めて馬に乗った際、想像以上に楽しくて騎手になることを決心しました。
目標とする騎手:笹川翼騎手
目標:日本一調教ができる騎手になり、海外でも経験を積んで勝てる馬を育てる騎手になりたいです。
(勝負服の柄は出身地の静岡県から、富士山をイメージ。富士山のように大きく立派な騎手になりたいという想いを込めたそうです)
◆小笠原羚(おがさはら・れい)
愛知:沖田明子厩舎
出身地:山梨県
趣味・特技:ランニング、読書、音楽鑑賞、映画鑑賞
騎手を目指したきっかけ:中学2年生の時に騎手という職業を知りました。小さい体格や今まで身に着けて来たことを活かし、アスリートとして活躍していきたいと思ったのがきっかけです。
目標とする騎手:宮下瞳騎手
目標:女性騎手の最多勝利記録を更新できるような騎手になりたいです。
(勝負服は地元山梨カラーの紫と、以前熱心に取り組んでいた駅伝のたすきを取り入れたそう。教官からも沖田調教師からも「とても真面目」という評価。宮下瞳騎手、木之前葵騎手のいる愛知で、成長していく姿が楽しみです)
NARグランプリ2024表彰式、続いては騎手部門をお届けします。
【最優秀新人騎手賞】加藤翔馬騎手(金沢)
【提供:NAR】
「師匠である父も受賞した賞で、デビュー前から取りたいと思っていたので、とても嬉しいです。父からは『おめでとう』と言ってもらいました。普段は細かく指示をしてくれたり、ミスをした時には叱ってくれます。
昨年は112勝させていただきましたが、この数字は自分の技術というわけではなくて、周りの方々に支えていただいた結果です。本当に感謝しています。
普段心掛けていることは、冷静に乗ること、ファンの方々、オーナー、関係者、誰から見ても納得してもらえる騎乗を心掛けています。
自分の持ち味は前に行く競馬なのでそこはさらに磨いて、他の競馬も努力して技術を上げていきたいです。昨年の結果に満足せず、これからも頑張って行きたいです。
目標は、昨年は重賞を勝ち切れなかったので重賞を勝つこと、昨年以上の成績を目指します」
吉原寛人騎手、お父様である加藤和義調教師と。
【特別賞】吉原寛人騎手(金沢)
【提供:NAR】
「昨年は重賞勝利数がキャリアハイというくらい勝たせていただきましたし、姫路で勝って全場重賞制覇を達成することができました。
浦和競馬場で通算3000勝を達成することができましたし、とても充実した一年で、周りの方々や応援してくれたファンの皆さまに感謝しています。
ハクサンアマゾネスが日本記録に並ぶ重賞25勝を挙げて、昨年末引退となりました。淋しい気持ちもありますが、アマゾネスと過ごした5年間は宝物です。また新しい馬たちの出会いを楽しみにしています。
今の目標は、重賞200勝です。あと22勝...、なかなか大変ですが、地方競馬所属時の安藤勝己さんが重賞198勝しているので、いつか超えられたら嬉しいです」
【特別賞】宮下瞳騎手(愛知)
【提供NAR】
「昨年は116勝を挙げ、キャリアハイの成績を残すことができました。関係者の方々に感謝しています。
私は毎年のようにケガをしてしまうのですが、昨年はケガなく乗り続けられたこと、力のある馬たちに乗せていただけたことが要因だと思います。
騎乗数も1000回を越えてキャリアハイでした。笠松での騎乗も増えましたし、主人や子供たちに支えられて頑張ることができました。
後輩の女性騎手が増えたことは嬉しいですし、特にJRAの子たちの姿を見てこちらもたくさんパワーをいただいています。本当にみんな頑張っていますね。
黄綬褒章を受賞した時はびっくりしましたし、すごく嬉しかったです。皇居での授賞式はとても思い出に残っていて、今まで頑張って来て良かった、もっと努力しないとと思いました。
目標の数字は特にないですが、またケガ無く1年過ごし、1鞍1鞍を大事にしながら自分の記録を積み重ねていきたいです」
NARグランプリ2024表彰式に出席してきました。華やかな会場に、昨年地方競馬で大活躍した方々が集結して、とても濃厚な時間でした。表彰式の途中には特別なイベントがあって、昨年から本格的に始まった新ダート体系について、ファンの方々からいただいたご意見に対し、NARの相川理事がお答えする、という場面もありました。ダート改革は始まったばかり。まだ試行錯誤の段階なので、現在の改革を土台とし、ファンの方々や関係者からのご意見も伺いながら、よりよい改革を進めて欲しいと願っています。
当日の様子は、NAR公式YouTubeでご覧いただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/live/pCvYZ-s3FPQ?si=TBrpTnBhtQH6wvYW
さてここからは、表彰式の前に行われた記者会見の模様をリポートします。
【年度代表馬、4歳以上歳優秀牡馬】ライトウォーリア(川崎)
内田勝義調教師(川崎)
「このような賞をいただき、大変感謝しております。
(一昨年は)どこも悪いところがないのに勝ち切れないレースが続き、悔しい思いをしていましたが、昨年報知オールスターカップを勝って気持ちが楽になりました。川崎記念では状態も良かったですし、吉原くんに無理してでも逃げてくれと伝えました。道中絶妙なペース配分で、吉原くんの腕ですね。
ゴールした時には夢のようで、ボーッとしていました。次の日の新聞を見て実感が湧いてきました。
【提供:NAR】
コリアカップは私自身も初の海外遠征でしたが、初めての割にはいい感じで出走できたと思います。ゲートボーイを気にしてスタートを上手く出ることができず、これまでのような位置で競馬をすることができませんでした。ですが、3コーナーから上がって行く脚を見せてくれて、この仔、変わったなと。とてもいい経験になったと思います。
昨年と同じく報知オールスターカップから川崎記念の予定です。8歳でも若くて元気です」
吉原寛人騎手(金沢)
「年度代表馬に選ばれてとても嬉しいですし、その背中に乗れたことが光栄です。
関係者の方々に感謝しています。
【提供:NAR】
報知オールスターカップは本当にいい状態で、ちょっと掛かり過ぎました。川崎記念ではそこを気を付けようと思っていましたが、返し馬からさらにパワーアップしていました。
絶妙なペースで行けて、最後は粘り切ってくれて、すごく嬉しくて思わずガッツポーズが出ました。馬にもとても感謝しています。
コリアカップは手探りな状況でも厩務員さんが一生懸命やってくれて、いい状態で出走することができましたし、初物づくしで馬自身戸惑いもあったと思いますが、よく頑張ってくれましたね。この経験をこれからに活かしたいと思います。
(5日の報知オールスターカップでは)年度代表馬に恥じないレースをしたいと思います。いい結果を出して、またいつか海外や夢のある遠征に行けたら嬉しいです」
プリフロオールインについて打越調教師にお話を伺いました。
赤見:楠賞は初めての遠征でしたが結果的には10着と残念でした。
打越:素晴らしいメンバーが集まった中でも高い人気でしたから、負けてしまってファンの方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
赤見:レースをご覧になって、先生のご感想はいかがでしょうか。
打越:スタートはいつも通りに出ましたし、内の兵庫の馬が何が何でも行くという姿勢でしたから、外2,3番手くらいかなと思っていたのですが、そこからいつものようにスピードに乗れず思っていたよりも後ろのポジションになってしまいました。レース後(宮川)実くんの話では、いつものように後ろ脚の力強さが感じられなかったと。その辺りがスピードに乗っていかなかった要因だと感じています。はっきりしたことはわかりませんが、真夏の三冠目を戦って夏の疲れが想像以上に長引いたことで、当初のプランよりも復帰が遅れました。結果的には休み明けで挑むことになり、最終追い切りの動きは良かったのですが、状態がいいという中でも絶好調というところまでは持っていけなかったのかなと思います。
【高知優駿の時のプリフロオールイン】
赤見:現在の状況と、今後のプランを教えてください。
打越:今は牧場でじっくり休養しています。次走どこを使うかというよりも、馬の状態が上がって来たところで判断したいです。とても能力の高い馬ですし、今回は残念な結果になってしまいましたが、しっかりと立て直してこの馬の良さを活かせる競馬を目指します。また復帰した時には応援していただけると嬉しいです。
11月7日に園田競馬場で行われた楠賞を制した、岩手の二冠馬フジユージーン。全国各地から凄まじいメンバーが集い、激しいレースとなりましが、序盤はダッシュがつかなかったものの、早めにマクっていって、直線の追い比べを制しました。激戦を制したフジユージーンについて、管理する瀬戸幸一調教師にお話を伺いました。
【写真提供:兵庫県競馬組合】
赤見:楠賞制覇、おめでとうございます!すごいレースでしたね。
瀬戸:ありがとうございます。よく頑張ってくれました。応援してくれた皆さまや、オーナーをはじめ関係者の方々にとても感謝しています。距離的に忙しい競馬になるだろうということは分かっていましたし、相手も短距離の強い馬ばかりが揃いましたから、おそらく序盤は置かれるなと。でもジョッキーが早めにスパートをかけて前に取りついてくれて、馬もよく頑張ってくれました。
赤見:不来方賞やジャパンダートクラシックに挑戦し、さらにパワーアップした印象がありますが、いかがでしょうか。
瀬戸:そうですね。ああいう厳しいレースの経験が、最後のひと伸びにつながったのではないかと思います。それに、夏を越えてから体がもう一回り大きくなって、後ろ脚の筋肉がしっかりしてきたということも大きいです。不来方賞からは調教でしっかりと負荷をかけられるようになりましたし、パドックで見ても他の馬たちに見劣りしない素晴らしい体になってくれましたね。
赤見:この馬の適性距離というのはどの辺りだとお考えですか?
瀬戸:2000mは若干長いかなと思います。現状一番競馬がしやすいのは1600mから1800mくらいではないでしょうか。そういう意味でも今回は置かれるだろうなと思っていました。ただ、ジャパンダートクラシックで初めて遠征して、初めての場所で1晩過ごして競馬にいってもいつもとまったく変わらなかったんです。レースは攻めの競馬をして欲しいと森騎手に話しまして、負けはしましたが4コーナーまで見せ場のある内容で私としては納得のいく競馬でした。あのレースを踏まえて、これならばさらに遠い園田への遠征も問題ないなと考えました。
赤見:実際に今回の長距離遠征はいかがでしたか?
瀬戸:今回もまったく動じることがなかったですね。この馬は肉体的にもすごいですが、精神的にタフなところも大きな武器だと思います。どこに行っても変わらないでいられますから、益々視野が広がりました。
赤見:レース後の様子はいかがでしょうか。
瀬戸:レース後も元気だったので当初は笠松グランプリというプランもありましたが、秋の3戦は強いメンバーと戦って本当によく頑張ってくれましたし、昨年も11月の競馬を使って冬休みに入っていますので、同じ流れになりました。この休養でさらに成長してくれたら嬉しいですね。
赤見:では、たくさんのファンの方々にメッセージをお願いします。
瀬戸:いつもたくさんの方々に応援していただき、本当にありがとうございます。ファンの方がとても多い馬で、感謝の気持ちでいっぱいです。来年順調に過ごせたら、南部杯を最大目標にと考えています。また応援していただけたら嬉しいです。