NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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インベルシオンは、中央3勝クラスから転入4戦目の重賞初挑戦で、9番人気ながらマルカイグアスと直線一騎打ちとなって惜しくも半馬身差2着。3コーナー過ぎで先頭に立ったときに、廣瀬騎手はうしろからくるマルカイグアスを待ってしまった。あそこで待たずに一気に行ってしまえば振り切れたかもしれない。今回はハンデ戦で、マルカイグアスが1.5キロ増になったのに対し、インベルシオンは据え置きの56キロ。逆転の可能性はおおいにありそう。
マルカイグアスは3歳前半は遠征や他地区との対戦もあって勝ちきれないレースが続いたが、それでも兵庫優駿から、古馬初対戦となった園田金盃まで制し、重賞3連勝。前述のとおり直線では一騎打ちでインベルシオンをねじ伏せたが、今回は1.5キロ増の56.5キロがどうか。
フラフは中央未勝利から転入して、12戦11勝、2着1回。2年近くをかけて出世し、いよいよ重賞初挑戦。ここ3戦の1870メートル戦では57、58キロを背負って完勝といえる内容で、ハンデ55キロなら、あっと言わせる場面もあるかもしれない。
ツムタイザンは前走園田金盃ではインベルシオンに早めに来られて苦しくなってしまった。昨年は笠松に遠征したマーチカップを勝ったのみだが、園田金盃以外は常に重賞で上位争い。トップハンデ57キロは楽ではないが、マイペースで先行できれば粘り込む場面も。
ベストオブラックは重賞タイトルこそないものの、重賞では昨年から4戦して4着か5着。ハンデを生かせば上位争いも。
サンライズホープは中央オープンから転入して、勝ちきれないレースが続いていたが、昨年デビューした新庄海誠騎手で年末に2連勝。重賞の今回は減量が適用されないものの、どんなレースを見せるか。
◎6インベルシオン
○4マルカイグアス
▲3フラフ
△2ツムタイザン
△8ベストオブラック
△10サンライズホープ
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アオノブラックも不在になっての5頭立て。今シーズン8戦全勝のメムロボブサップは他馬より30kg以上重いトップハンデ930kg。メムロボブサップはこれで帯広記念4年連続930kgでの出走。2022年は9着だったが、23、24年はともに2着。ほかに過去10年で930kgで出走したのは19年のコウシュハウンカイだけで5着。帯広記念での930kgはそれほど厳しい。ただメムロボブサップが2着だった過去2年の勝ち馬は、アオノブラックにメジロゴーリキ。はたして今年のライバル4頭にそのレベルの馬がいるかどうか。
あくまでもメムロボブサップを負かす可能性があればという意味での本命がコマサンエース。今シーズン重賞で2着1回、3着3回という実績もだが、前回のばんえい記念では雪で軽い馬場だったとはいえ、2着メムロボブサップと4秒9差。30kgのハンデがあれば逆転の可能性はある。
コウテイも、旭川記念、北見記念ともに2着と重賞で好走。昨年の帯広記念では障害先頭から2着メムロボブサップとは今回と同じ重量の設定でわずか1秒3差だった。
インビクタは秋以降やや落ち込んだが、馬場が軽くなれば馬券圏内の可能性。ただ帯広記念は23年が910kgで競走中止、24年が910kgで7着と相性はよくない。
◎3コマサンエース
◯2メムロボブサップ
▲4コウテイ
△1インビクタ
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今シーズン中央1勝クラスから転入したヒロシクンは9戦7勝で、負けたのはダートグレードだけ。みちのく大賞典を逃げ切ったときは1200m通過が77秒0というゆったりしたペースだったが、中央相手のマーキュリーカップJpnIIIでもハナを切って、このときは73秒0というペース。結果13着に沈んだが、厳しいペースの経験はその後の糧になったはず。前走トウケイニセイ記念では、直後でプレッシャーをかけてきたグランコージーが着外に沈む厳しい展開で、前半脚を溜めていたボウトロイの追撃をハナ差でしのいだ。マイル戦よりゆったりしたペースで逃げられそうな2000メートルのほうが能力を発揮する。
昨年3歳時に変則四冠を制したミニアチュールは、一時期落ち込んだものの、今シーズンは短距離を使うなどで刺激になったか、夏以降復活して5連勝。牡馬相手のすずらん賞も2番手から直線抜け出しての完勝。2000メートルも能力を発揮できる舞台だ。
3歳のサクラトップキッドは、フジユージーンに対しては力及ばなかったが、フジユージーン不在となったやまびこ賞を制し、古馬相手でも青藍賞3着、そして北上川大賞典を制した。すずらん賞ではミニアチュールに、晩秋特別ではヒロシクンに敗れているが、逆転なるかどうか。
3連覇を狙うノーブルサターンは、今シーズンは未勝利だがシアンモア記念3着、北上川大賞典2着と好走はある。10歳でも意地を見せるかどうか。
グローリーグローリは今シーズン春に特別戦を1勝したのみだが、みちのく大賞典でヒロシクンに3/4馬身差まで迫るなど2着が4回。9歳でも能力差はない。
同じく9歳のゴールドギアも、今シーズン11戦して勝ち星こそないものの2着2回、3着5回と重賞でもたびたび馬券内の好走を見せている。
◎6ヒロシクン
◯8ミニアチュール
▲4サクラトップキッド
△12ノーブルサターン
△5グローリーグローリ
△11ゴールドギア
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デビューから3連勝でネクストスター園田を制したオケマルは、4コーナーではまだ差のある5番手という絶望的と思える位置から、直線だけの競馬で差し切った。向正面からムチが入っても反応がないようなズブいところも見せていた。それだけにゆったり進められる距離延長でさらに能力発揮とみる。
キングスピカは、ネクストスター園田では、逃げたラピドフィオーレをとらえきれず3着だったが、前走1700メートルのアッパートライでは4番手から3コーナー手前で一気に仕掛けて先頭に並びかけると、ゴール前でもうひと伸びして後続を寄せ付けなかった。そのレースぶりからこの距離でこそといえそう。
ラズライトタッカーは、デビュー2戦目の前走1700メートル戦で6馬身差2着だが、勝ったのは門別の重賞でも上位を争ったベラジオドリームだけに相手が悪かった。それでも中団追走から3〜4コーナーで一気にまくって直線でもしっかり伸び、上り3ハロンは、コンマ1秒ではあるもののベラジオドリームを上回った。この馬も距離はあったほうがよさそう。
兵庫ジュベナイルカップを制したラピドフィオーレは距離延長が課題となりそう。ネクストスター園田では前半行きたがるような場面があったり、最後の直線で手前を変えられなかったり、気性的なところで課題が少なくない。
兵庫ジュベナイルカップでラピドフィオーレの2着だったキミノハート、前走でラズライトタッカーに次ぐ3着だったドリタルらも上位食い込みの可能性。
◎10オケマル
◯5キングスピカ
▲2ラズライトタッカー
△8ラピドフィオーレ
△7キミノハート
△11ドリタル
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ラジカルバローズは、重賞初挑戦となった東海菊花賞では、南関東から遠征の重賞実績馬が意外に能力を発揮できなかったこともあったが、格上挑戦での勝利。向正面では内を通って位置取りを上げ、3〜4コーナーでは馬群を縫うように外に持ち出し、直線では後続を突き放した。さらに名古屋大賞典JpnIIIにも挑戦し、着順こそ8着だったが、勝ったミッキーファイトから0秒7差。斤量が軽くなったこともあるが、東海菊花賞の勝ちタイムから1秒6もタイムを詰めた。強敵相手に揉まれたことで、さらなる上昇を期待する。あとは初めての2500メートルに対応できるかどうか。
アンタンスルフレは金沢2600メートルの北國王冠を3連覇しているように、長距離戦はめっぽう強い。昨年末には、一時移籍していた南関東で、大井2600メートルの金盃トライアルも制した。今年は南関東から戻って調子を落としていたが、得意の北國王冠は5馬身差、コースレコードでの圧勝だった。東海ゴールドカップが20年ぶりに2500メートルに戻ったことは、アンタンスルフレにとって願ってもないチャンス。
サヴァは、中央時代は芝・ダート双方でオープン特別を勝利。笠松移籍初戦となった1400メートルのA2特別では、後方追走も向正面からのロングスパートで、直線他馬を置き去りにした。中央ではダート1700メートルのオープン特別を勝っているが、それまでは芝も含めてマイル以下の距離を中心に使われていただけに、一気の距離延長で能力を発揮できるかどうか。
東海三冠を制したフークピグマリオンは、古馬重賞初挑戦となったウインター争覇も制したが、メンバーのレベルがそれほどでもなかった。人気になるならむしろ軽視するのが正解かも。
昨年のこのレース3着だったアルバーシャに、オータムカップを勝ってウインター争覇ではフークピグマリオンの2着だったキャッシュブリッツらも上位を狙えそう。
◎8ラジカルバローズ
◯9アンタンスルフレ
▲5サヴァ
△6フークピグマリオン
△10アルバーシャ
△11キャッシュブリッツ
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