NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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牡馬相手に2番人気でばんえい菊花賞を制したスマイルカナの能力が抜けている。2月には黒ユリ賞を制し、イレネー記念でも2着だったという実績も十分。ばんえい菊花賞を勝った賞金でB1からA2にクラスが上がった前走はいきなりのA2-1特別で、着順こそ5着だが、障害ひと腰で勝ち馬と8秒3差は善戦といえる内容。他9頭がB3以下というメンバーで、今回その馬たちは前走より35〜50kg重い重量となるなか、スマイルカナは前走より15kg軽くなっての定量670kg。ばんえい競馬ゆえ絶対とはいえないものの、よほどのことがなければ負けないのではないか。
カフカは今シーズン15戦5勝で3着以内を外したのが2回だけで、それも4着。確実に力をつけた。B3に昇級しても、勝ちきれないながら2着4回に3着1回。相手筆頭はこの馬。ただ前走でも道中で抑えがきかず、障害をひと腰で越えられたぶん勝ち馬と差のない2着に持ち込めたものの、折り合いという面で不安はある。
以下はほとんど差がない。6月以降、9戦して7連対と成長がうかがえるヨシノヒメ。前走B3-1で2着カフカと差のない4着に好走したカツエアリー。近走結果が出ていないものの黒ユリ賞3着のオオネガイキンヒメ。好不調の波が大きいホクショウレディーなど。
ばんえいオークスは過去10年で、1番人気【4-1-1-4】、2番人気【3-2-1-4】と中心は1、2番人気ではあるものの着外も少なくなく、また9・10番人気も2勝、3着2回の馬券圏内がある。昨年は2→1→3番人気と上位人気での決着だったが、3歳牝馬のレースらしく波乱も期待できる。今年はスマイルカナの軸堅で、能力拮抗のヒモ荒れを期待する。
◎7スマイルカナ
○8カフカ
△4ヨシノヒメ
△2カツエアリー
△5オオネガイキンヒメ
△3ホクショウレディー
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いよいよハクサンアマゾネスの引退レース。前走兵庫クイーンカップを勝って園田では4戦4勝。重賞は通算25勝となり、地方競馬の重賞最多勝記録、ばんえいのオレノココロの25勝に並んだ。勝って記録更新で引退となるかどうか。前回地元の読売レディス杯は3着だったが、金沢1500メートルは不得手とするコース。しかし今回は2000メートル。出遅れてもリカバリー可能な舞台で、しかも地元馬同士なら負けられない最後の一戦だ。
相手筆頭は岩手から転入2戦目のヴァケーションでどうだろう。今シーズンの岩手では勝ち星こそなかったものの赤松杯3着、シアンモア記念2着。ベストはマイルだが、昨年2000メートルのみちのく大賞典を逃げ切っており、マイペースの逃げに持ち込めれば、ハクサンアマゾネスを封じ込める場面もあるかもしれない。ただマリンデュンデュンとの先行争いはカギになりそう。
中央未勝利から転入して6連勝と底を見せていないのが3歳のナミダノキス。石川優駿、サラブレッド大賞典を制し、古馬初対戦となった前走A2特別では、逃げていたフィードバックと3コーナーから一騎打ちとなったが、直線突き放して3馬身差。3着にはさらに7馬身差をつけた。いきなりの中日杯でも通用する可能性はある。
6月の百万石賞でハクサンアマゾネスに7馬身差2着だったダイヤモンドライン、同3着だったテトラルキアは、その差を詰めることができるかどうか。
高知の最下級条件から今シーズン転入してA級まで出世してきたホウオウジュレップが一線級相手にどこまでやれるか。
◎5ハクサンアマゾネス
○11ヴァケーション
▲9ナミダノキス
△8ダイヤモンドライン
△12テトラルキア
△1ホウオウジュレップ
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東海三冠馬フークピグマリオンは、2歳の年末にA4に格付けされ古馬を蹴散らしたが、今回はそれ以来の古馬相手で、古馬重賞初挑戦。東海優駿、秋の鞍でフークピグマリオンの2着だった笠松のキャッシュブリッツが、古馬初対戦となった北陸近畿交流の重賞オータムカップを勝っているという力関係。今回は東海限定の重賞ということであれば、フークピグマリオンで十分勝負になりそう。
イイネイイネイイネは昨年秋に中央から戻り、A級でも下の組に格付けされ着実にクラスを上げてきた。3走前のA1特別が今回と同じ笠松1900メートルで、良馬場2分3秒8という好タイムで勝利。一昨年3歳時以来の重賞制覇も期待できそう。
キャッシュブリッツはフークピグマリオンと4度の対戦で跳ね返され続けたが、古馬重賞を勝っての成長があれば逆転の可能性も。
ここにきて充実がうかがえるのがハディア。今年春にはやや落ち込んだが、夏の休養から復帰しての9月以降はA級特別で4戦して2勝、2着3着各1回。昨年末の東海ゴールドカップでは4着だったが、そのときより相手が軽いメンバーだけに勝ち負けまでありそう。
前走シトリンオープンでは8番人気ながら2着好走でハディアに先着したタイセイドリーマー、昨年重賞3勝も今年は勝ち星がないブリーザフレスカらも争覇圏。
◎10フークピグマリオン
○3イイネイイネイイネ
▲2キャッシュブリッツ
△1ハディア
△6タイセイドリーマー
△9ブリーザフレスカ
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大井B1から今年春に転入したアエノブライアンは、ここまで佐賀では6戦3勝、2着3回とオール連対。佐賀王冠賞では3コーナーで先頭に立つと、2着馬に2馬身、3着馬にはさらに8馬身差をつけての圧勝。九州チャンピオンシップでは3コーナーで先頭に立つと、直後でマークしていたコスモポポラリタにゴール前で交わされたものの、3着以下を離しての一騎打ちだった。今回は3カ月の休み明けとなった韓国岳賞を8馬身差で圧勝して臨む一戦。そこを使っての上積みがあれば逆転も可能だろう。
コスモポポラリタは、その九州チャンピオンシップでの勝利が、2歳時北海道以来の勝利で、重賞勝利もそれ以来。南関東ではA2で頭打ちという成績だったので、南関東での格付けでも、A2B1で上位に入っていたアエノブライアンと同程度の能力と考えられる。一方でコスモポポラリタは金沢2600メートルの北國王冠で2着があり、大井2600メートル戦でも上位に入っていただけに、この距離でこそという魅力はある。
ブレイブアモーレは、昨年のこのレースが2着で、年末の中島記念でも3着。能力上位は間違いないが、今年2月以来9カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているか。
フレイムソードは名古屋B級から転入して、佐賀ではC1からB級まで7連勝中。今回は一気の相手強化で胸を借りる立場。
グローリーは昨年の中島記念がブレイブアモーレに先着しての 2着。ただ短距離でも好成績を残しており、今回は2500メートルの長丁場に対応できるかどうか。
◎10アエノブライアン
○1コスモポポラリタ
▲2ブレイブアモーレ
△4ブルベアイリーデ
△12フレイムソード
△9グローリー
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世代別に賞金上位2頭ずつ出走する重賞で、それなりに負担重量の差があるため若馬の好走も可能で、過去5年では4歳馬が2勝、2着3着各1回、5歳馬が1勝、2着2回。ただそれらのほとんどはトップハンデと、牡馬で30キロ以上のハンデ差があった。唯一の例外といえるのがメムロボブサップで、2着だった4歳時はトップハンデと20キロ差、5歳時はなんとトップハンデで2着だったように、若い頃から格が違った。そして昨年5歳で制した牝馬サクラヒメはトップハンデと40キロ差だったが、牝馬の20キロ減を別とすれば20キロ差。若い時期から例外的な能力を示していたこの2頭がここでも中心となる。
そして2歳・3歳・4歳の三冠計九冠のうち七冠のキングフェスタは現5歳世代では最上位の格付けで、トップハンデと30キロ差の760キロは恵まれた。チャンスは十分。
今シーズン古馬重賞で入着を続けるコウテイも770キロなら勝負になりそう。
前走オープンを制した5歳馬ツガルノヒロイモノは、キングフェスタより10キロ重い770キロでどうか。
タカラキングダムは4歳で770キロは楽ではないが、ばんえいダービーを制し、今年4歳二冠を制して、ここまで9戦連続連対でオープン特別も制しているだけに、冒頭で示した別格級の能力があるかもしれない。
オーシャンウイナーは古馬重賞での実績はないが、8月からの3連勝ではオープン勝ちもあり、ここにきて力をつけた。
◎7メムロボブサップ
○10サクラヒメ
▲2キングフェスタ
△5コウテイ
△1ツガルノヒロイモノ
△8タカラキングダム
△6オーシャンウイナー
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