
昨年末、北上川大賞典、トウケイニセイ記念、桐花賞と重賞3連勝の快進撃を見せたのがノーブルサターン。春にはシアンモア記念も制しており、2023岩手競馬アワードでは、年度代表および4歳以上最優秀馬に選出された。明けて10歳になったが、その実績からは負けられない一戦だ。ただ昨年は、桐花賞を制して以来3カ月ぶりの実戦となったこのレースで4着に敗れていただけに、今回も休み明けの状態が気になるところ。
トウケイニセイ記念、桐花賞でそれぞれノーブルサターンの2着、3着だったのがヴァケーション。ダートグレードや南関東遠征では苦戦しているが、一昨年春の転入以降、岩手の地元同士の対戦で3着以内を外したのは昨年のシアンモア記念(7着)だけ。まだ7歳でもあり、ベストのマイル戦ならノーブルサターンに迫る見せ場もありそうだ。
フレイムウィングスは、北上川大賞典、桐花賞で、ともにノーブルサターンの2着で、桐花賞ではヴァケーションに先着した。昨年春の転入後、勝ち星こそないものの、6月のみちのく大賞典以降はマーキュリーカップJpnIII(6着)を度外視すれば3着以内を外していない。昨年秋以降の4戦はいずれも勝ち馬と1秒未満の差だけに、ここであっと言わせる場面もあるかもしれない。
グランコージーは古馬になってから重賞タイトルこそないが、それでもたびたび善戦はしており、前走冬休み明け初戦となった1600メートルの弥生特別では格下相手ながら5馬身差の圧勝。上記3頭がいずれも桐花賞以来の実戦となるところ、ひと叩きしての上昇度で食い込む余地はありそう。
浦和から中央障害戦を経験して転入初戦となるライアン、川崎で2戦して再転入初戦となるスズカゴウケツらも能力的にはそれほど見劣らない。
◎5ノーブルサターン
◯7ヴァケーション
▲3フレイムウィングス
△6グランコージー
△12ライアン
△1スズカゴウケツ
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佐賀のル・プランタン賞から中3日というグランダム・ジャパン3歳シーズンの第3戦。
船橋のイマヲトキメクはデビューから2連勝のあと、大井の準重賞・桃花賞では勝ち馬には離されたものの、内でしぶとく粘って接戦の2着争いを制した。ユングフラウ賞は8着に沈んでしまったが、そもそもスタートがあまりよくなく、道中でもバテていたわけでもなく反応イマイチに見えたので距離延長で能力発揮と見る。
兵庫のプリムロゼは昨年8月のデビューから7戦3勝、2着4回とオール連対。兵庫クイーンセレクションでは早め先頭のニジイロハーピーを3コーナー過ぎから追いかけたが、最後は脚色が一緒になってしまってとらえきれず。それでも続く前走兵庫3歳牝馬特別では直線追い出されると余裕を持って抜け出し2着に3馬身半差と、充実を感じさせる内容。兵庫クイーンセレクションとは逆にアウェーの立場で雪辱を期す。
高知のウオタカは、10月のネクストスター高知では差のある9着だったが、その後、佐賀に遠征したフォーマルハウト賞で3着、園田のネクストスター西日本では5着と善戦。2歳10月のネクストスター高知でこの馬に次ぐ10着だったグラインドアウトが、佐賀の花吹雪賞、ル・プランタン賞を連勝したところを見ると、この馬にも期待したくなる。
ネクストスター中日本で6着だったニジイロハーピーだが、牝馬同士となればあらためての期待。
南関東の特別戦で好走している船橋のザオ、門別1勝から名古屋に転入して3歳特別戦も制したオリオンハート、ネクストスター中日本3着だったサンデーロウリュウらも、重賞を勝っているのがニジイロハーピーだけというメンバーならそれほど差はない。
◎11イマヲトキメク
◯12プリムロゼ
▲9ウオタカ
△4ニジイロハーピー
△7ザオ
△1オリオンハート
△2サンデーロウリュウ
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地方馬の中でも長距離が得意な面々が集まった。
昨年前半、南関東では結果が出なかったアナザートゥルースだが、夏に門別に移籍するとレベルの違いを見せて3連勝。道営記念でも1番人気に支持されたがものの、6頭が落馬という混乱もあって残念ながら2着。その後は長距離のダートグレードに遠征して、名古屋グランプリJpnII・4着、ダイオライト記念JpnII・5着は地方馬最先着。名古屋グランプリJpnIIの走破タイム2分14秒4は、アンタンスルフレの東海菊花賞の勝ちタイムを上回っており、地方同士なら実績的に負けられない。
昨年2月、佐賀移籍初戦で遠征した白鷺賞を勝ったヒストリーメイカーは、その後期待されながらなかなか結果が出ず、しかし年末の中島記念で初めて佐賀の重賞を制した。東海菊花賞はアンタンスルフレの3着だったが、勝負どころからはほとんど同じ脚色だっただけに位置取りの差だけ。10歳でも衰えはない。
アンタンスルフレは東海菊花賞を勝ったあと浦和に移籍し、2戦したのみで名古屋に戻ってきた。阪神大賞典GIIはさすがに相手が強かったが、地方同士のこの舞台なら能力上位。勝つのはここまで3頭のどれか。
ブリーザフレスカは昨年重賞3勝をマークしたが、東海菊花賞は5着。今回はアンタンスルフレのほかにも強力なメンバーが遠征してきただけに、馬券圏内に食い込めるかどうか。
今年の白鷺賞で2着だった高知のトランセンデンス、重賞初挑戦だが底を見せていないハクサンアルタイルらも上位を狙えそう。
◎11アナザートゥルース
○4ヒストリーメイカー
▲8アンタンスルフレ
△6ブリーザフレスカ
△1トランセンデンス
△12ハクサンアルタイル
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花吹雪賞でのグラインドアウトの8馬身圧勝には驚かされた。10月のネクストスター高知、11月の土佐寒蘭特別、ともに大きな差をつけられての着外だっただけに、いまの高知競馬のレベルの高さもあるのだろうが、12月10日の2歳-3組戦での2着は、勝ったバウンティキャットが金の鞍賞や土佐春花賞でともに3着だから、グラインドアウトもそのあたりで力をつけたと考えられる。今回のル・プランタン賞は、花吹雪賞ですでに経験した舞台。そのときの勝ちタイム1分58秒0は、ル・プランタン賞の過去10年の勝ちタイムとの比較でも2番目に相当するタイム。連勝の期待は大きい。
相手筆頭は地元のケンタッキーグレイ。花吹雪賞は差のある7着だったが、その後は3歳の特別戦で4戦連続3着以内と好走を続けた。ダバイカンティークにはどうしても勝てなかったが、不在となった前走を勝利。距離短縮で勝ったようにも思えるが、門別時代は1700メートルのウィナーズチャレンジで2着があり、2走前の波戸岬特別(1750メートル)でも2着だったので距離はこなせると見る。
兵庫のクライムエンジェルは、兵庫クイーンセレクションこそ9着惨敗だったが、スタートで後手を踏んで先行できなかったがゆえの凡走で、参考外としてよさそう。続く前走兵庫3歳牝馬特別は好タイムで2着に好走した。鞍上の廣瀬航騎手は、黒船賞JpnIIIではタイガーインディで3着、そして3日の菊水賞ではオーシンロクゼロを勝利に導くなど絶好調。その鞍上の勢いもプラスになりそう。
もう1頭兵庫から遠征はフェリシス。2歳時には中央の芝挑戦で着順こそ6着だが勝ち馬とコンマ5秒差という好走もあった。3歳初戦の前走3歳AB特別では3着だが、休み明けを叩かれての上積みがあればここでも勝負になりそう。あとは距離延長に対応できるかどうか。
そのほか地元勢で、中央未勝利から転入して6戦オール3着以内のプラティア、前走でそのプラティアにクビ差2着だったフランキンローズらは、一気の相手強化でどこまでやれるか。
◎5グラインドアウト
○6ケンタッキーグレイ
▲12クライムエンジェル
△9フェリシス
△10プラティア
△2フランキンローズ
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2歳時、圧倒的な強さで5連勝のフジユージーン。大井の京浜盃に出走という情報もあったが、地元で5カ月ぶりとなる復帰戦を迎える。南部駒賞では、門別で重賞を制していたオスカーブレインに4馬身差をつける圧勝。地元同士なら負けられない一戦だ。
相手筆頭は、8月のビギナーズカップでフジユージーンに2馬身半差2着があったリトルカリッジ。その着差は、これまでのところフジユージーンにもっとも迫った馬となっている。11月の太夫黒特別、そして年末の金杯と連勝しているだけに、ビギナーズカップ時より確実に力をつけた。あとは3歳初戦での仕上がりがどの程度か。そしてフジユージーンを脅かす場面があるかどうか。
サクラトップキッドは、デビューから2連勝で臨んだ南部駒賞は5着だったが、地元勢では勝ったフジユージーンに続いて2番目での入線。1番人気に支持された金杯はリトルカリッジの3着だったが、巻き返しがかかる一戦。
サンエイキャノンは、冬期休催明けの3歳A級戦(水沢1600メートル)で5馬身差の圧勝。ひと叩きしたアドバンテージで上位を狙う。
◎3フジユージーン
◯1リトルカリッジ
▲4サクラトップキッド
△5サンエイキャノン
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