
地方競馬の平地重賞最多勝記録を地元でさらに伸ばすかが期待されるハクサンアマゾネスだが、かねてから言われているように金沢1500メートルはスタートに不安がある。ならばスタートダッシュが速い南関東の外枠2頭は、ハクサンアマゾネスのスタートがあまりよくなければ、それにかぶせていけるので展開的に有利に進められそう。
ボヌールバローズは、2走前のしらさぎ賞では浦和1400メートルの大外枠でも一気にハナをとりきった。さすがに最後は脚が上がったが、それでも勝ち馬とはコンマ5秒差。今回、内のほうの枠ではホウオウジュレップ、アンティキティラなどが行く可能性もあるが、何が何でもというタイプではないだけに、外枠からでもハナをとってマイペースなら押し切れると見る。管理する福永敏調教師は2019年にジェッシージェニーでこのレースを制している。
ミルニュイも外枠から行く気を見せそうだが、さすがに南関東同士で過剰に競り合うことはないだろう。中央2勝クラスで頭打ちとなっての大井再転入後は5戦4勝。2走前に13着惨敗があったが、スタートのタイミングが合わなかったところから先行して、前3頭が競り合って共倒れという厳しい展開だった。南関東ではB1特別までの実績だが、前走逃げて直線突き放したレースぶりから、ここでも勝負になる。
ハクサンアマゾネスはスタートが普通に切れるかどうか。前回金沢1500メートルだった年末のファンセレクトカップはなんとか互角にスタートを切ってハナをとったが、その前に出走した1500メートル戦、2022年11月のお松の方賞は、完全に出遅れて最後方から。それでも能力の違いで勝つには勝ったが。今回はスタートが決まらないと、そう簡単に勝てる相手ではない。
高知のアンティキティラは、地元ではあまり目立った走りがないものの、なぜか遠征では走る。前走兵庫サマークイーン賞でも好ダッシュから逃げて直線でも先頭。そのまま押し切るかにも思えたが、さすがにハクサンアマゾネスにはとらえられて2着。地方の牝馬同士のレースなら常に馬券では押さえておきたい。
それにしても高知の下級条件のレベルの高さを示しているのがホウオウジュレップ。高知では最下級のC3級で勝ちきれない成績だったが、金沢移籍後B1特別まで4連勝。前走良馬場1500メートルの1分33秒5は、このレースの過去2年の勝ちタイムが1分33秒台だったことを考えれば、いきなりでも通用する可能性はある。
◎9ボヌールバローズ
○10ミルニュイ
▲6ハクサンアマゾネス
△5アンティキティラ
△4ホウオウジュレップ
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東京ダービーJpnIで地方馬最先着の4着だったシンメデージーとプリフロオールインの直接対決が期待されたが、ここでも実現せず。シンメデージーは9月1日の西日本3歳優駿を狙うのだろうか。
プリフロオールインにとって、唯一ともいえる勝負付けが済んでいないシンメデージーが不在となれば、高知三冠の可能性はかなり高いといえそう。新興勢力といえるような馬もなく、よほどのアクシデントでもないかぎり負けることはないのではないか。
相手は黒潮皐月賞2着のサノノスピードか、高知優駿3着のマジックセブンか。1800メートルの山桃特別を勝っているという距離適性からも、マジックセブンが最右翼。
とはいえ、たびたび書いていることだが、こうした"圧倒的1強"のメンバーでは、2番手、3番手の馬が勝負に行って惨敗というケースもめずらしいことではなく、オッズの妙味を考えれば相手は伏兵を狙うのもいいかもしれない。
ヴィヴァムーンは短距離ばかりを使われているが、高知ではただ一度、中距離での出走だった山桃特別がマジックセブンの4着。続く古馬C3戦を勝ったときが、最後方追走からロングスパートで差し切ったように、プリフロオールインを巡って他の有力馬がオーバーペースになれば、直線末脚を生かしての勝負で出番がありそう。
イッセーノーデは3歳になっての惨敗が土佐水木特別、高知優駿の2度だけで、それ以外は重賞・準重賞でも掲示板を確保。◯▲が崩れる展開なら、連下として出番が巡ってきそう。
◎12プリフロオールイン
◯9マジックセブン
▲10サノノスピード
△5ヴィヴァムーン
△11イッセーノーデ
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芝の走路状態の回復には相当な時間がかかることから、盛岡での今シーズンの残りの芝レースはすべてダート変更で行われることが発表された。今年、盛岡の芝レースは、6月30日から7月21日まで、わずか8レースが行われたのみ。重賞は3歳馬のサファイア賞と、古馬のいしがきマイラーズだけ。例年たくさん行われている芝の2歳戦は、7月14日のファーストステップのみだった。
今回も南関東から芝を求めてエントリーしたと思われる馬が5頭。なかでもこのレース3連覇がかかるアトミックフォースにとって、このダート変更は相当にがっかりだっただろう。ほかにもヴィゴーレは昨年せきれい賞を勝っており、今年せきれい賞連覇が期待されたがダート変更で3着だった。
そして芝を試してみたかったのであろう、マンダリンヒーローは、せきれい賞に続いてハシゴを外された形になった。芝で行われるはずだったせきれい賞でも本命にしたのだが、あらためてマンダリンヒーローに期待する。水の浮くダートで行われたせきれい賞では、残り100メートルで先頭に立ったライアンをとらえきれず3/4馬身差で惜しくも2着。2歳時のハイセイコー記念以来勝ち星がなく、しかしアメリカ遠征も含めて、これで3歳以降重賞で2着が6回(ほか特別戦でも2着1回)。そのうち盛岡ダートも2戦とも2着と適性があることは間違いない。今度こその重賞タイトルを期待だ。
相手筆頭はヴィゴーレ。せきれい賞は3着だったが、2着マンダリンヒーローに3/4馬身差。近走、南関東のA2以下特別で常に勝ち負けという成績なら、ここでは能力上位。
アトミックフォースは、芝ならおそらく1番人気になったのではないか。ダート変更となったせきれい賞は5着だったが、それでも勝ち馬とはコンマ5秒差。ただ今年の南関東のダートでの走りからは、◎◯との比較ではやや分が悪い。
地元馬の登録が、ダート変更が発表される前だったのか後だったのかはわからないが、ダートならグランコージーに期待。赤松杯、シアンモア記念と連勝したマイル戦なら南関東勢とも互角の勝負も可能。
せきれい賞を勝ったライアンは、逆に距離短縮では割引。
ビジンは中央から浦和移籍初戦のA2下特別が馬体増で6着だったが、仕上げてくれば上位争いも。
◎6マンダリンヒーロー
◯12ヴィゴーレ
▲8アトミックフォース
△1グランコージー
△3ライアン
△11ビジン
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エイシンヌウシペツは昨年のこのレースでは古馬重賞初挑戦で7番人気と軽視されたが、勝ったレイジーウォリアーからそれほど差のない3着に好走。その後、年末年始にやや落ち込む時期もあったが、休養明けの今シーズンはここまで3戦オール連対。前走サマーカップは5番人気とやや軽視されながらも、逃げたセイルオンセイラーをぴたりとマークして直線で競り落とした。引き続き笠松1400メートルの舞台なら重賞連勝のチャンスだ。
そしてこのレース連覇を狙うのがレイジーウォリアー。その後、重賞では結果が出ていないが、笠松グランプリ、白銀争覇は遠征勢が強く、お松の方賞は金沢への遠征。東海勢同士なら連覇も狙える。
ナリノクリスティーは昨年のこのレース7着で、そのほかの重賞でもこれまで結果がでていない。とはいえ3月以降、笠松A1〜A2の特別戦を5戦して2勝、2着2回と好調。その勢いならここでも上位も狙えそう。
ネオアマゾネスは金沢時代に牝馬重賞・徽軫賞連覇の実績。昨年6月に移籍した名古屋ではあまり結果は出なかったものの、今年笠松に移籍した2月以降は9戦して3着以内を外したのは重賞の2戦だけ。前走、A2特別でも僅差の2着で、今回は相手強化となるが、東海地区の牝馬同士ならあらためての期待だ。
ペップセは、昨年3歳時にクイーンカップ、岐阜金賞と重賞2勝。古馬重賞初挑戦となった前走名港盃は7着だったが、距離短縮のここで巻き返したいところ。
◎5エイシンヌウシペツ
◯2レイジーウォリアー
▲12ナリノクリスティー
△11ネオアマゾネス
△3ペップセ
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走路状態悪化により芝からダート変更となった2歳馬による若鮎賞。とはいえ芝経験があるのがエイシンダリア1頭だけというメンバーなので、予想はむしろしやすいといえそう。
6月30日の盛岡ダート1400メートル戦の1〜5着馬が揃って出走しての再戦。デビュー戦を大差で圧勝していたポマイカイは、そのレースでは逃げたものの直線でサウザンドマイルに交わされ1馬身差で2着だったが、デビュー戦もそうだったように、スタート後はスピードにまかせて行ききってしまい、直線ではフワフワとしていた。適性は短距離という可能性も捨てきれないが、前半のスピードをうまく抑えて子供っぽさが解消すれば能力的にはこの馬が上位とみる。
サウザンドマイルの初戦は、前半頭を上げてしまってハミがかからず、それでもなんとか2着を確保した。2戦目の前走はまじめに走ってポマイカイを差し切った。こちらは距離伸びて良さそうなタイプだけに、マイル戦は再度この馬に有利という可能性はある。
唯一芝を経験しているエイシンダリアは、そのデビュー戦が1000メートル1分を切る59秒9の好タイム。そのスピードが時計の出やすい盛岡のダートでも生かせればチャンスはある。予定通り芝で行われていればこの馬が人気の中心だったかもしれない。
ステイクラッシーのデビュー戦の勝ちタイム52秒0は、この世代の2歳戦でこれまで水沢850メートル戦が4戦行われた中での最速タイ。同タイムだったのは、サウザンドマイルが2着だったレースを勝ったラポジート。一気の距離延長に対応できれば勝ち負けまでありそう。
フタイテンホイールは、デビュー戦がポマイカイに大差をつけられて2着。しかし前走盛岡1400メートル戦3着の走破タイム、良馬場1分30秒6は、サウザンドマイルの前走の勝ちタイムより0秒6遅いだけ。能力的にはそれほど差はないかもしれない。
マツリダマスラオの前走は、◯◎から離されての3着。その差をどこまで詰められるか。
◎10ポマイカイ
◯2サウザンドマイル
▲8エイシンダリア
△7ステイクラッシー
△5フタイテンホイール
△4マツリダマスラオ
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