せきれい賞連覇を果たした川崎のコスモヴァシュランにここでも期待したい。昨年のこのレースは5着だったが、それでも勝ったコスモバルクからはコンマ5秒しか離されていない。南関東での格付けを見ても、せきれい賞のレースぶりを見ても、昨年以上の充実が見て取れる。問題は距離だが、3走前にはJRA福島芝1800メートルのオープン特別で勝ち馬から1秒3差の7着という成績があり、この距離もこなせると見る。今年好調の町田直希騎手はここまで79勝。デビュー6年目にして、初の年間100勝に届きそうな勢いだ。
相手には昨年4着のキングスゾーン。昨年は向正面あたりから他馬に競りかけられ、さらには直線でもコスモバルクに早めに交わされる厳しい展開だった。マイペースでレースを進められれば粘りを発揮する。
3歳馬同士のオパールカップを7馬身差で圧勝したリュウノボーイが人気になりそうだが、古馬のこのメンバーに入って楽なレースはさせてもらえないだろう。オパールカップの勝ちタイム1分45秒2は、OROカップが1700メートルで行われたここ3年のタイムと比べても十分に勝利が見込めるもので、あとは自分のレースができるかどうか。
昨年のこのレースと今年のせきれい賞でともに3着のサウンドサンデーも当然上位を狙える存在。
北海道から遠征のトウショウヘリオスは、JRA芝オープンの巴賞、札幌日経オープンに2年連続の出走で、いずれも勝ち馬から1秒前後の差とそこそこ走っているだけに、地方のこのメンバーなら一発の可能性も十分。
マルブツコンバットは前々走でオープンの桂樹杯勝ちがあり、芝の1600~1700メートルは8戦3勝、2着2回と得意のコース。
◎コスモヴァシュラン
○キングスゾーン
▲リュウノボーイ
△サウンドサンデー
△マルブツコンバット
△トウショウヘリオス
九州3冠の最終戦。2冠を制したメイオウセイが6月から休養したままで、この3冠目には間に合わなかった。代わって九州3歳の頂点にもっとも近いのは、九州ダービー栄城賞で2着だったゴールドセント。その栄城賞は、メイオウセイを前に見る5番手を追走、3コーナーから進出したメイオウセイにぴたりとついていき、ゴール前では半馬身まで差を詰めての2着。前走、1750メートルの古馬B2特別でも4番手を追走し向正面からロングスパートで直線余裕をもって抜け出した。このあたりの距離で、向正面から長く使える脚は魅力的だ。
九州ダービー栄城賞10着から巻き返しを狙うのがフレーザーハクユウ。2歳時に荒尾の九州ジュニアグランプリを圧勝し、移籍した大井では3戦したがいずれも着外。佐賀に戻ってもしばらくは調子を取り戻せなかったが、7月24日の古馬B1・B2戦で九州ジュニアグランプリ以来の勝利を挙げると、前走荒炎賞は逃げ切りで8馬身差の圧勝。格付けならメンバー中最上位で、荒炎賞のレースぶりからここでもあっさりがあって不思議はない。しかし心配なのは距離。マイル以上ではいずれも2秒以上の差をつけられての大敗。たまたま大井やその後佐賀に戻った後は調子落ちだったということも考えられなくもないが、距離適性という可能性も捨てきれない。
上記2頭の力が抜けている感じで、やや離れた3番手にモエレダイヤモンド。飛燕賞ではゴールドセントの2着があり、3走前の1750メートルの3歳1組特別では5馬身差圧勝。ここ2戦の中央での惨敗は芝1200メートル戦でもあり参考外としていいだろう。
C1級で2連勝と調子を上げているアッレグレット、中央から転入初戦のB2特別でゴールドセントから1馬身半差2着のマイネピアチェなども上位を狙える存在。
◎ゴールドセント
○フレーザーハクユウ
▲モエレダイヤモンド
△アッレグレット
△マイネピアチェ
6月の福山・西日本グランプリまで5連勝中、そのうち重賞が4つ、通算重賞は6勝というヒシウォーシイが3カ月ぶりに出走してきた。ほかにも重賞勝ち馬はいるが、実績では断然。ここはヒシウォーシイの相手探しの一戦。
その筆頭はエーシンアクセラン。6月のサマーカップの勝利は、重賞に挑戦すること14度目での初制覇だった。それまでに重賞2着は4回。今年8月のくろゆり賞で2着5回となった。3月のマーチカップ、4月のスプリング争覇では2戦連続してヒシウォーシイの2着。まさにヒシウォーシイに続く存在だ。
ワイティタッチは、2~3歳時は重賞4勝を挙げ、東海ダービーでもマルヨフェニックスの2着など東海地区の中心的存在だった。しかし古馬になってからはやや壁にあたり、5歳になった昨年のこのレースが3歳時以来久々の重賞出走で2着。オープンではやや荷が重い感じの近況だが、今年5月以降は9戦して掲示板を外したのが1度だけという堅実な成績でもある。名港盃、イヌワシ賞ともに4着という成績があり、馬券圏内なら狙える。
昨年のこのレースを勝ったのがトミノダンディ。しかしそれ以降勝ち星がなく、今年春以降はA2~A3の特別で入着級。昨年も9番人気での勝利だっただけに、今年も同様にあっと言わせる場面があるかどうか。
レオパードクリークは昨年秋に名古屋に移籍し、勝ち星はA2特別まで。オープンに入るとちょっと荷が重いというのはワイティタッチ、トミノダンディと同じようなレベル。ただ前走のA2特別ではエーシンアクセランに半馬身差の2着で、3着馬には大差をつけた。重賞実績はないが、一発があればこの馬かもしれない。
◎ヒシウォーシイ
○エーシンアクセラン
▲ワイティタッチ
△トミノダンディ
△レオパードクリーク
栄冠賞を制したクラーベセクレタが久々の地元戦。中央の芝に挑戦したラベンダー賞は7着、クローバー賞は8着と結果を残すことはできなかったが、着差を見ればどちらも1秒以内の差で、それほど負けているわけではない。8頭立てと少頭数の今回のメンバーなら力上位は間違いなく、問題は初めての1700メートル戦だが、血統的には距離延長でマイナスということはない。父ワイルドラッシュは、今年のダート戦線でもっとも勢いがある種牡馬でもある。
マツリバヤシは、栄冠賞3着に続いて、リリーカップではラスワロフスキーのレコード勝ちに2馬身差の2着、前走ブリーダーズゴールドジュニアカップでも4コーナーで先頭に立ち、勝ったモエレフウウンジからコンマ3秒差の3着とよく粘った。なかなか勝ち切れない面があるのかもしれないが、クラーベセクレタを負かす可能性があるのはこの馬だけだろう。
キモンレッドの前走リリーカップは、スタートで大きく出遅れ、4コーナーでも後方2番手という位置から、36秒5という上がりで4着まで追い込んできた。父サウスヴィグラスという血統ゆえ初の17000メートルという距離が気になるところだが、展開次第では上位を脅かす可能性はある。
トーセンノーブルは、デビュー5戦目のアタックチャレンジで初勝利を飾ると、続くウィナーズチャレンジも勝利。初の1700メートルで好タイムをマークした。連勝中の勢いもあり、上位食い込みを狙う。
◎クラーベセクレタ
○マツリバヤシ
▲キモンレッド
△トーセンノーブル
デビュー戦のJRA認定レースを勝ったのみで、2走目には門別のリリーカップに遠征したカラカルが中心。そのリリーカップは勝ち馬から1秒4差の5着だったが、何といっても勝った馬がその後にJRAのダート500万下を楽に逃げ切ったラスワロフスキーなら、かなりのレベルと見るべき。たとえば、芝とダートの違いがあるとはいえ、19日に行われた盛岡のジュニアグランプリでは、デビュー2戦目の重賞イノセントカップで勝ち馬(モエレフウウンジ)に1秒4差をつけられて8着に敗れていたスクランブルエッグが、ゴール前で差し切ってあっさり勝った。ホッカイドウ競馬の2歳重賞戦線は、まだまだ経験が浅い他地区の2歳戦に比べればきわめて高いレベルにある。そうした相手と戦った経験は必ず生きてくる。
相手筆頭はシークレットベース。デビュー戦こそ3着だったが、その後1、1、2着と安定した成績で、負けたレースも牝馬には先着されていない。前々走、JRA認定レースを制したときの園田1400メートル1分32秒8も、良馬場ならまずまずのタイム。
不良馬場だが園田1400メートルの持ちタイムナンバー1は、1分31秒9のリジョウクラウン。砂を被せられるレースを経験し、後方からロングスパートで長く使える脚も魅力的。距離はむしろさらに長いほうがいいかもしれない。
シークレットベースやリジョウクラウンと差のないレースをしているヒマラヤイツカ、19日の兼六園ジュニアカップを制したエルウェーオージャに接戦の2着があるクインオブターフ、笠松のマルヨルビーなども展開や成長力次第ではチャンスはありそう。
◎カラカル
○シークレットベース
▲リジョウクラウン
△ヒマラヤイツカ
△クインオブターフ
△マルヨルビー