地元同士ならフサイチバルドルが断然。4月の二十四万石賞から5連勝中。普通にレースができればまず負けることは考えられない。
相手にはホーマンクラフト。中央1000万下から高知に移籍して5戦4勝。負けたのは、福永洋一記念でのフサイチバルドルの2着のみ。このときは着差こそ2馬身だが、フサイチバルドルの完勝だっただけに、逆転までは難しそう。とはいえホーマンクラフトもその後は福山遠征も含めて3連勝中なだけに、フサイチバルドル以外の相手には負けないだろう。
連覇のかかるスパイナルコードは、昨年のこのレースまで連戦連勝で勝ちまくったが、その後はいまひとつの成績。今年も得意の夏を迎えて良化したが、トレノ賞ではフサイチバルドルから4馬身差の2着。ここ2戦は勝ち馬から1秒以上の差をつけられているだけに、上記2頭に迫るまではどうか。
重賞勝ちこそないものの近走は重賞でたびたび掲示板を確保しているゲイリージュピター、今年は常に上位争いも勝ち星に恵まれないグランシングあたりが3連単の3着争いか。
ところで、フサイチバルドルの赤岡修次騎手と田中守調教師の今シーズンの成績がすごい。
6月ごろまで全国リーディングだった赤岡騎手は、その後さすがに大井の戸崎圭太騎手に逆転されたものの、9月14日現在193勝で全国2位をキープ。なんといってもすごいのがその勝率で、44.1%。昨年は35.6%でNARグランプリの最優秀勝率騎手賞を受賞したが、それを大きく上まわる勢いで、今年もこのタイトルはほぼ確定だろう。
さらにスゴイのが田中守調教師。同日現在で190勝は、全国リーディングのトップを独走。昨年は名古屋の角田輝也調教師が、自身の記録を更新する239勝でトップだったが、その角田調教師は現在155勝で2位。その角田調教師が昨年よりややペースが遅いとはいえ、それでも年間220勝ペース。田中調教師の勝ち星がいかにすごいかがわかる。単純計算ではなんと年間270勝ペースだ。ちなみに田中調教師は9月4日、高知の最終第11レースで通算1000勝を達成している。
◎フサイチバルドル
○ホーマンクラフト
▲スパイナルコード
△ゲイリージュピター
△グランシング
ゴールドマインは、昨年秋に中央から転入し、水沢コースに限れば10戦7勝。1月のトウケイニセイ記念では3キロも軽いマヨノエンゼルに1馬身1/4差で敗れたが、今シーズンの水沢ではシアンモア記念で東海勢2頭に先着を許したのみで地元に敵なし。舞台が水沢で、定量の地元同士の対戦なら負けられないところだろう。
昨年3歳でこの青藍賞を制したマヨノエンゼルは、その後年末の桐花賞でゴールドマインの2着、トウケイニセイ記念では軽量を味方に逆転勝利を果たした。今シーズンは古馬一線級での活躍が期待されたが、ここまで4戦して3着が最高という成績。残念ながら期待ほどの結果は残せていない。
ならば、中央から転入2戦目の前走A級戦を2番手から余裕を持って抜け出したエスユーペニーに期待してみたい。水沢1600メートルの良馬場1分41秒7は、昨年の勝ちタイムからコンマ1秒遅いだけ。タイム的にはここで通用しても不思議はない。
水沢大得意のマイネベリンダは、前走ビューチフル・ドリーマーカップであっと驚く逃げ切り勝ち。牡馬との重賞でどこまでやれるか。今回もハナを切れそうなメンバーだが、ノーマークだった前走のように楽に逃げさせてもらえるかどうか。
◎ゴールドマイン
○エスユーペニー
▲マヨノエンゼル
△マイネベリンダ
ムツミマーベラスは、同世代同士なら牡馬を含めての断然の実績で、牝馬同士ならなおさらだ。ここまで14戦13勝、2着1回。唯一先着を許したのは、福山ダービーでのフォーインワン(牡)のみ。前々走では古馬A3特別を逃げ切って楽勝。今回と同じようなメンバーだった前走の特別戦でも4馬身差の完勝。アクシデントでもない限り、ここは負けそうもない。
相手はビクトリーヒマワリかナカドイセンプーのどちらか。ナカドイセンプーにはたびたびムツミマーベラスの2着という成績があるが、勝ち星は昨年2歳時の10月以来ごぶさた。一方のビクトリーヒマワリはここ5戦いずれも3着以内で、特に近2走は古馬B6、B5と連勝中。順調度でビクトリーヒマワリを上位にとる。
福山プリンセスカップを制したワイエスオジョー、3歳1組特別勝利に続いて古馬C級で3戦連続連対のナカドイホーセキあたりが3着争いに加われるかどうか。
◎ムツミマーベラス
○ビクトリーヒマワリ
▲ナカドイセンプー
△ワイエスオジョー
△ナカドイホーセキ
昨年後半、5連勝で道営記念まで制し、ホッカイドウ競馬の3歳以上年度代表馬となったコパノカチドキ。今シーズン初戦となった赤レンガ記念はまさかの8着と大敗したが、3カ月ぶりとなった前走のオープンで2着とまずまずの走り。連覇のかかるこのレースで、短いホッカイドウ競馬のシーズン後半へ向けて昨年のような快進撃なるかどうか。
ラプレは6番人気で星雲賞を制し、中央から転入5戦目での初勝利が重賞制覇となった。さすがに前走ブリーダーズゴールドカップJpnII(8着)は参考外だが、それでも地元勢では最先着だった。08年9月にはJRA500万下の札幌ダート2400メートル戦に出走して、11人気ながら勝利を収め大穴をあけた。その後盛岡ダート2500メートルの北上川大賞典でも差のない4着という経験があり、長丁場でこそ力を発揮しそうだ。
ご存知、皐月賞2着馬サンツェッペリンは、ホッカイドウ転入初戦となった前走のオープンでコパノカチドキから1馬身半差の3着。素質は断然、叩き2戦目の上積みも見込めるが、ダートはどうなのかという不安はある。
サクラシコウテイは中央1勝で転入し、今シーズン4戦2勝。前走ブリーダーズゴールドカップJpnII(10着)は参考外として、前々走のオープン1800メートル戦は6馬身差の圧勝。地元馬相手の重賞なら勝負になりそう。
マチカネノワキは今シーズン南関東から転入し、7戦して3着以内が5回。サクラシコウテイが勝ったオープン戦では9着に負けたが、その前走、星雲賞ではラプレからコンマ4秒差の3着。上位争いに食い込んでくる力はありそう
◎コパノカチドキ
○ラプレ
▲サンツェッペリン
△サクラシコウテイ
△マチカネノワキ
スーパーフレッシュチャレンジ勝ちのダークフィラメントは、前の馬を壁にして道中は行きたがるのを必死に抑え、4コーナーで外に持ち出されると弾けるように伸びた。デビュー戦でこうしたレース運びを教えた経験は今後に生きてきそう。将来性に期待してこの馬を本命に。
モエレフウウンジは、デビュー戦は2着だったものの、ルーキーチャレンジからイノセントカップを連勝。ここまで1200メートルの経験しかないが、血統的には距離が伸びてもまったく問題なく、イノセントカップで見せたような強さをここで発揮してもおかしくはない。
キャリア8戦目でようやくアタックチャレンジを勝ったミラノボヴィッチは、距離が伸びて力を発揮するようになった。そのアタックチャレンジは、直線で後続を突き放して4馬身差。3走前の未勝利勝ちも6馬身差で、流れが向けば強いレースをする。
マツリバヤシは、栄冠賞3着に、レコード決着のリリーカップでも2着。能力的に世代のトップレベルにあることは間違いなく、あとは初距離に対応できるかどうか。
エバーオンワードは、前走芝のクローバー賞は参考外。2走前のバゴ賞は、前の接戦2頭には離されたが、上がり3ハロンは前と同じ37秒台の脚を使っているだけに、ここも連下なら。
◎ダークフィラメント
○モエレフウウンジ
▲ミラノボヴィッチ
△マツリバヤシ
△エバーオンワード